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訪問介護とは?資格・仕事内容・やりがい・給料などを徹底解説!

更新日:2023/05/23

訪問介護とは?資格・仕事内容・やりがい・給料などを徹底解説!

訪問介護とは?資格・仕事内容・やりがい・給料などを徹底解説!

訪問介護は、在宅で生活する高齢者を支える介護の仕事のひとつで、高齢化が進む日本において需要が高まっています。

そこで今回は、訪問介護の具体的な仕事内容や、働き方、お給料事情、やりがいや悩みなどについて徹底解説します。
訪問介護のお仕事に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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訪問介護とは

訪問介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるよう、訪問介護員(ホームヘルパー)、通称:ヘルパーによって提供される介護保険サービスのひとつです。介護保険制度の在宅介護に位置付けられたサービスで、ケアマネジャーが定めたケアプランに基づき、ホームヘルパーが利用者の自宅を訪問し、一人ひとりに合った必要なケアを提供することで生活をサポートします。
訪問介護は自宅のほか、有料老人ホームや軽費老人ホームに入居されている方も対象となります。

訪問介護の仕事内容

訪問介護の仕事は、大きく分けて「生活援助」「身体介護」「通院等乗降介助」の3種類あります。
これらのケアは単独で行う場合もありますが、「生活援助+身体介護」のように、組み合わせて提供することも多くあります。

関連記事:ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事とは?信頼関係が大事!

それでは、訪問介護の仕事内容についてそれぞれ詳しくみていきましょう。

(1)生活援助

生活援助は、本人にかわり身の回りのお世話を中心とするサービスで、「調理、掃除、洗濯、衣類の整理、生活必需品の買い物、薬の受け取りなど」の日常生活のサポートを行います。

生活援助は同居の家族がいる場合、原則行えませんが、以下の理由があれば実施できます。


●利用者の家族などが、高齢、障がいや疾病などの理由により、家事を行うことが難しい場合

●家族が介護疲れで、共倒れなどの深刻な問題が起きてしまうおそれがある場合

●家族が仕事で不在時、生活援助をしなければ日常生活に支障がでる場合


生活援助は利用者ができるだけ自立した生活を送れるよう支援することを目的にしています。
そのため、利用者のペースや方法に合わせて残存能力(利用者に残された機能を活用して発揮することができる能力)を引き出し、できることを共に行うなど「支援」という視点が大切です。
※自立した生活とは、年齢や身体機能の低下、病気や障がいなどの制限を受けながらも、自分自身でできることは自己決定し、自己責任を負い、自分らしい生活を送ることができる状態を指します。

(2)身体介護

身体介護は、訪問介護員が利用者の身体に直接触れて行う介護サービスのことであり、厚生労働省により以下のように定義されています。


●利用者の身体に直接接触して行う介助サービス(そのために必要となる準備、後かたづけ等の一連の行為を含む)

●利用者のADL(日常生活動作)・IADL(手段的日常生活動作)・QOL(生活の質)や意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援・重度化防止のためのサービス

●その他専門的知識・技術(介護を要する状態となった要因である心身の障害や疾病等に伴って必要となる特段の専門的配慮)をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のためのサービス

身体介護の具体的な仕事内容は、「食事介助、着脱介助、入浴介助(部分浴・シャワー浴・清拭含む)、排泄介助(トイレ誘導、オムツ交換など)、体位変換(寝ている人の体の向きを定期的に変えること)など」があります。

また、デイサービスへの送り出しを依頼されることもあり、その場合は「身体介護」として以下のような業務を行います。

・排泄介助、食事介助
・出かけるための身体整容、更衣介助
・荷物の準備、自立生活支援・重度化防止のための見守り援助(戸締まりや火元の見守りや声かけなど)
・玄関や送迎車までの移動介助

サービス提供時は、利用者の心身状態について確認し、異常の早期発見をすることや状況への変化に配慮する必要があります。
利用者の心身の変化に対応することは、訪問介護員の大切な仕事のひとつです。
そのためには、利用者とのコミュニケーションを大切にし、利用者が安心して生活できるよう、きめ細やかなケアを提供することが求められます。
訪問介護員は、利用者の生活を支える大切な存在であり、利用者の心身の変化に敏感に対応していくことが必要です。

(3)通院等乗降介助

通院等乗降介助は、厚生労働省により以下のように定義されています。


●要介護者である利用者に対して、通院等のため、指定訪問介護事業所の訪問介護員等が、自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行う

●乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先若しくは外出先での受診等の手続、移動等の介助を行う

対象は、要介護1から5の認定を受け、ケアプランに通院等乗降介助が必要と位置づけられている方です。
なお、診察の待ち時間の付き添いや、病院内での介助については、基本的に介護保険の適用外となります。
しかし、病院の職員が対応できない場合や常時見守りなど個別対応が必要な場合、複数科の受診が必要な場合などは、ケアマネジャーがケアプランに位置づけ、通院等乗降介助ができるようになる場合もあります。

また、散歩の同行のような外出介助については、原則、介護保険サービスとして利用できません。
ただし、自立支援、日常生活動作向上を目的にし、ケアプランに位置づけられている場合は可能になるケースがあります。

訪問介護でできないこと

利用者の中には、家政婦さんやお手伝いさんのように「何でもしてもらえる」と思っている方も多いのですが、訪問介護は、介護保険に基づき、訪問介護員が「できること・できないこと」が定められています。代表的な「できないこと」について3つご紹介します。

・NGその1 医療行為

介護職は医療従事者ではないため、医療行為を行うことはできません。ただし、一定の条件のもとであれば、介護職が行うことが認められる医療行為があります。

◎喀痰吸引等研修を受けた介護職員に認められる医療行為

喀痰吸引等の研修を受けた介護職員には、認定特定行為業務従事者として以下の医療行為が認められています。
・喀痰吸引(定期的に痰を取り除く)
・経管栄養(体外から管を通して栄養や水分を投与する)

ただし、その場合は以下の条件があります。
・本人やその家族の同意が必要であること
・医師や看護師と連携すること
・医療者による監督のもとで行うなど


◎医療行為に該当しないため、介護職員が実施できる行為

以下の行為については、過去には医療行為に該当していたものの、現在では「医療行為には該当しない」とされています。

・水銀体温計・電子体温計・耳式電子体温計での体温測定
・自動血圧測定器による血圧測定
・パルスオキシメーターの装着(新生児以外で入院治療が必要な患者さんに対する場合)
・軽微な切り傷や擦り傷、やけど等、専門的な判断や技術を必要としない処置をすること(汚物で汚れたガーゼ交換を含む)

また、入院治療が必要でなく、容体が安定していること、医師又は看護職員の継続的な経過観察が必要でないこと、医薬品の使用に関して専門的な配慮が必要ない場合などにおいて、以下の行為が認められます。

・軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)
・湿布の貼付
・点眼薬の点眼
・一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)
・肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧を介助


◎医療行為であるが、規制の対象ではないため介護職が実施できる医療行為

以下の行為については、医療行為とされているものの、介護職でも実施できるものがあります。ただし、病状が不安定な場合や専門的な管理が必要な場合は医療行為となる場合があるため、必要に応じて医師や看護師に確認する必要があります。

・爪切り、爪やすり(爪やその周囲の皮膚に異常がなく、専門的な管理が必要ではない場合)
・耳垢の除去(耳垢塞栓の除去を除く)
・歯ブラシや綿棒、巻き綿子による口腔のケア(重度の歯周病等がない場合の日常的な口腔内の清掃・清拭)
・ストマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てる(肌に接着したパウチの取り替えを除く)
・自己導尿を補助するため、カテーテルの準備、体位の保持
・市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いた浣腸

・NGその2 利用者以外への援助

訪問介護の対象は利用者本人のみであり、以下のようなケースは訪問介護員の業務範囲外となります。

・利用者が主に利用する居室(居間、食堂、台所、浴室、トイレ等)以外の掃除
・共用部分の掃除(同居家族がいる場合、他の家族も使用するため、原則サービス提供できません)
・利用者本人以外の衣類の洗濯、布団干し
・利用者本人以外の家族の買物や調理
・来客者の対応(お茶や食事の対応)

・NGその3 生活援助の範囲を超えたサービス

「生活援助の範囲」というのは、「利用者本人が日常生活を送るために必要なサポート」のことです。
そのため、以下のような行為は、訪問介護の対象になりません。

・犬の散歩やペットフードの買物、ペットの世話
・庭木の手入れ・庭掃除
・使用していない部屋の掃除や片づけ
・話し相手
・大掃除、模様替え
・自家用車の洗車
・室内家屋の修理
・金銭や貴重品の取り扱い
・年賀状作成
・お正月やおせちなど、日常よりも手間をかけて行う準備や調理
・酒やタバコなど嗜好品の買い出し
・お中元やお歳暮の購入など

このように最低限の日常生活を送るために必要のないことや、時間や手間がかかる家事の範疇を超えることは実施できませんが、実際には、訪問介護事業所や訪問介護員によっては、その範囲が曖昧になっている場合や、介護保険外のサービスとして自費で提供されている場合もあります。

訪問介護の種類と職種

訪問介護には一般的な訪問介護の他に、「夜間対応型訪問介護」「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」や「重度訪問介護」という種類もあります。

夜間対応型訪問介護

「夜間対応型訪問介護」は、夜間帯に訪問介護員が利用者の自宅を訪問します。
「定期巡回」と「随時対応」2種類のサービスがあります。

定期巡回

夜間帯(18~8時)に定期的な訪問をし、排泄の介助や安否確認などを行います。

随時対応

夜間の体調不良や転倒時などに、対応したり、救急車の手配などのサービスを行います。

夜間対応型訪問介護の勤務時間は、18時から翌8時までの夜間になり、訪問介護員は基本的に夜勤のみを行います。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は、訪問介護員だけでなく看護師なども連携し、介護と看護が一体化したサービスです。
24時間365日必要なサービス(定期的な訪問や随時通報など)を行うため、シフト制であることが多く、夜勤もあります。

重度訪問介護

「重度訪問介護」は、重い障がいのある方を対象に、日常生活のサポートや身体介護、移動介護などを行います。
訪問介護は介護保険法ですが、重度訪問介護は障害者自立支援法に基づいたサービスで別の枠組みになります。
「重度訪問介護従業者養成研修」「強度行動障害支援者養成研修」などの資格が必要です。

訪問介護で働く3つの職種

訪問介護事業所では、管理者・サービス提供責任者・訪問介護員の3つの職種が活躍します。

管理者は、事業所全体の管理や運営を行います。
サービス提供責任者は、「サ責」と呼ばれ訪問介護事業所のヘルパー業務における、リーダー的存在です。
ケアマネジャーや他事業所との連絡・調整・訪問介護計画書の作成・などを行います。

関連記事:サービス提供責任者って何?気になる仕事内容やお給料等をご紹介

サービス提供者として働くためには、以下の資格要件を満たす必要があります。

【サービス提供責任者の資格要件】

介護福祉士
介護福祉士実務者研修修了者
・(旧課程)ホームヘルパー1級課程修了者

訪問介護の1日の流れ

訪問介護事業所で働く、代表的なサービス提供責任者と登録ヘルパーの1日の流れを紹介します。

◆サービス提供責任者の一日◆

9:00 出勤・朝礼 スケジュールの確認
新人ヘルパーとの同行訪問
10:00 Aさん宅訪問(入浴介助)
12:00 Bさん宅訪問(調理、昼食介助)
13:00 休憩
14:00 サービス担当者会議
(他事業所との話し合い)
16:00 モニタリング訪問
(居宅介護支援事業所へモニタリングの結果を報告)
17:00 記録業務、電話対応、サービス手配等
18:00 退社

◆登録ヘルパーの一日◆

~9:00 自宅から利用者宅へ直行
9:00 Aさん宅訪問(掃除・洗濯)
10:00 Bさん宅訪問(排泄・入浴介助)
12:00 Cさん宅訪問(排泄介助)
13:00~ Dさん宅訪問(買物・調理・掃除)
記録業務、帰宅

昼過ぎに帰宅し、子供が帰るまでに家事を終えることができます。

訪問介護に必要な資格

介護の仕事は未経験・無資格OKの職場もありますが、訪問介護に関しては、「訪問介護員」として働くために必要な資格を取得しなければ、働くことができません。
訪問介護員として働くために必要な資格は以下のとおりです。

介護職員初任者研修修了
実務者研修修了
介護福祉士
訪問介護員養成研修1級課程・2級課程修了(旧ホームヘルパー1級・2級 2013年3月に研修終了)
介護職員基礎研修修了(2013年3月で研修終了)

ここでは、訪問介護員として働くために必要な資格について詳しく説明します。

関連記事:ホームヘルパーの勉強内容とは?〜ホームヘルパーになる前となってから〜

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、未経験・無資格の方が介護士として働くために必要な知識や技術を身につけるための資格です。
養成校では、130時間の受講と試験の合格が必要であり、座学や実技講習を通じて、食事や入浴、排泄などの介助や生活援助など介護の基礎的な知識やスキルを習得できます。

受講期間は養成校によって異なりますが、1カ月~3カ月で修了でき、夜間や休日に対応しているところもあるため、働きながらでも資格取得を目指すことができます。

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介護職員初任者研修(旧:ヘルパー2級)を詳しくみる

これまで訪問介護に必要な資格は「ホームヘルパー2級(訪問介護員養成研修2級課程)」「ホームヘルパー1級(訪問介護員養成研修1級課程)」でしたが、2013年3月で廃止されました。
そして、2013年4月よりホームヘルパー2級と同等の資格が「介護職員初任者研修」、ホームヘルパー1級と同等の資格が「介護福祉士実務者研修」へと変わりました。

ホームヘルパー2級・ホームヘルパー1級の資格を所持している方は、訪問介護で訪問介護員として働く場合には今まで通り資格を活かすことができ、現在でも履歴書に記載できます。
また、ホームヘルパー1級の方は、資格を活かしてサービス提供責任者として働くことができます。

以前の訪問介護員養成研修1級および2級課程は、訪問介護員として働くために必要な知識・技術を学習していましたが、介護職員初任者研修では介護業務に従事する上で、すべての介護事業所における介護業務に従事するために必要となる知識・技術を学習するカリキュラムに生まれ変わったのです。

介護福祉士実務者研修

「介護職員実務者研修」では、無資格者の場合、養成校で450時間の受講時間と、6カ月~1年の研修を含むカリキュラムを受講し、介護過程の展開や医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養など)も含め、介護現場で即戦力として活躍できる実践的な知識やスキルを身につけます。介護福祉士実務者研修は、訪問介護事業におけるサービス提供責任者の必須要件にもなっています。

受講するために必要な資格はないため、未経験の方や介護職員初任者研修を受講していない無資格の方でも受講できますが、基本的には、介護経験者や介護職員初任者研修を修了した方がさらに深い知識やスキルを学ぶためのスキルアップ資格となります。
実際に、介護職員初任者研修修了者は130時間分の科目が免除され、受講料も割引になります。

また、介護福祉士国家試験の受験資格として、2017年より介護福祉士実務者研修の受講修了が義務付けられています。
そのため、介護福祉士を目指す方には必須の資格となりました。

介護福祉士実務者研修を詳しくみる

以前は、「介護職員基礎研修」という資格がありました。
この資格は、介護や認知症の基礎知識、スキルを身につけることを目的に、2006年 に創設しましたが、2012年 に廃止されました。
より高い専門知識とスキルを習得するため「医療的ケア」と「医療的ケアの演習」がカリキュラムに加わり、「訪問介護員養成研修1級過程」と「介護職員基礎研修」が一本化され「介護福祉士実務者研修」に移行となりました。

介護福祉士

介護福祉士は、介護士のスキルアップ資格であり、キャリアパス上位の国家資格です。介護のエキスパートとして、リーダーや管理者として活躍することができます。
資格取得には、3年以上の実務経験と介護職員実務者研修修了、介護福祉士国家試験の合格が必須です。
介護福祉士の仕事内容は、介護保険の理念に基づき、心身の状態に応じたケアを提供し、ADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)の維持向上を目指すことが目的です。

介護福祉士は、介護施設や訪問・通所介護事業所、医療施設など様々な場所で活躍し、介護現場での介助だけでなく、介護職員の指導や利用者へのサポートなど仕事の幅も広がります。
介護業界でのニーズが高く、安定した仕事が確保できるだけでなく、認定介護福祉士やケアマネジャーなどキャリアアップを目指すこともできます。

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訪問介護員(ホームヘルパー)の給料

厚生労働省のデータを参考に、訪問介護員(ホームヘルパー)のお給料を表のようにまとめました。

◆月給の場合◆

勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
時間数
平均
給与
年収
常勤 48.6歳 8.5年 164.7時間 約31.5万円 約378万円
非常勤 53.0歳 7.7年 89.2時間 約20.1万円 約241万円

◆日給の場合◆

勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
日数
平均
給与
年収
常勤 53.9歳 10.9年 21.8日 約26.3万円 約315万円
非常勤 59.2歳 5.2年 10.0日 約11.2万円 約134万円

◆時給の場合◆

勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
時間
平均
給与
年収
常勤 53.2歳 8.8年 169.9時間 約23.7万円 約284万円
非常勤 59.4歳 9.4年 56.5時間 約9.4万円 約113万円

※平均給与額は、基本給(日額)×実労働日数+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)で記載しています。
※年収は目安として平均給与額×12で算出しています。

このように、訪問介護員の給料は、勤務形態(正社員・パート・登録ヘルパー)や給与形態(月給・日給・時給)によって大きく異なります。

関連記事:ホームヘルパーの給料は手取りでいくら?給料アップの方法とは?

訪問介護の魅力とは

訪問介護は大変なこともありますが、 充実感と働きやすさがあります。
ここでは、訪問介護の魅力について大きく3つご紹介していきます。

1.働き方の選択肢が豊富

訪問介護員の多くは、登録ヘルパーとして働き、サービス提供の時間(週2回、1日1時間/週3回、1日2時間など)でシフトに入ります。職場により勤務時間は異なりますが、週1回からOKという訪問介護事業所も多く、短時間で働くことができます。

残業が少なく直行直帰もできる職場が多いので、家庭・育児などと両立したい方やマンツーマンで寄り添ったケアがしたい方にピッタリです。

また、正社員ヘルパーの場合は、フルタイムの常勤で働き、管理者やサービス提供責任者などの役職についていることが多いです。

このように、正社員やパート、登録ヘルパーといった雇用形態や仕事内容についても「身体介護」「生活援助」と得意分野を選びやすいことも魅力です。

2.年齢・性別関係ない

訪問介護の仕事は、年齢や性別に関係なく、誰でも活躍できる魅力があります。
公益財団法人介護労働安定センターが行った令和3年度介護労働実態調査『介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書』によると、介護職の平均年齢は47.7歳(男性が 42.3 歳、女性が 49.2 歳)です。
訪問介護員の平均年齢は50.7歳で、働いている方の約43%は、50歳以上と報告されています。

介護現場では、10代や20代の方、育児と両立しながら働くママ、定年退職された方、親の介護を経験された方など、様々な年齢層の方が活躍しています。
年齢を重ねた方は、利用者や家族との年齢が近く、話しやすさや親しみやすさがあり、信頼を得やすいことが強みです。

個々の性格や職場にもよりますが、若い方はフレッシュさを、年齢を重ねた方は人生経験や安心感をそれぞれ強みに活躍できるでしょう。

3.未経験でも出来る

介護の経験がない方は、訪問介護の仕事に対して不安を抱いている方が多いのではないでしょうか。
しかし、訪問介護の仕事には、直接的な「身体介護」だけでなく、「生活援助」も含まれ、利用者の自宅での生活支援が中心となります。
未経験の方でも、料理や洗濯、掃除のスキルを活かして活躍することができます。

身体介護については、介護職員初任者研修の受講や入職後の研修などで学ぶことができますし、入職後は先輩ヘルパーが同行訪問するなど、未経験の方でも安心して働きやすい環境が整っている訪問介護事業所が多くあります。

訪問介護のやりがい

訪問介護は大変なこともありますが、利用者が自分らしい生活を送ることができるようにサポートすることにやりがいを感じている方も多くいらっしゃいます。
では、訪問介護員はどんなことにやりがいを感じているのか、2人の現役ヘルパーにきいてみました。

感謝される、人の役に立っていることを実感できる

45歳、女性ヘルパー歴8年

訪問介護員は、利用者の自宅を訪問し、生活環境や健康状態を把握しながら、利用者のニーズや状況に合わせたサービスを提供することができます。
そのため、利用者は訪問介護を利用することで、生活の改善や孤独感の解消につながることがあります。

利用者Aさんは、一人で閉じこりがちな生活を過ごされていましたが、訪問介護の利用をきっかけに活動的になった方がいます。
当初はヘルパーの訪問を拒否されていましたが、訪問日を楽しみにされるようになり、身支度をしてヘルパーを迎え入れるようになりました。
そして、これまで自宅から出ることが少なかったのですが、一人で花屋まで買い物に出かけ、「ヘルパーさんが喜んでくれたら嬉しい」と、お花を飾ってくれることもありました。
遠方に住む利用者の家族からは、「以前の明るいおばあちゃんに戻ってくれて嬉しい」と感謝されました。
このように利用者の笑顔を引き出せたときや家族から喜びの声をいただいたときに、自分の仕事が人の役に立っていることを実感でき、やりがいを感じます。

自分の人生経験全てを活かせる

62歳、女性 ヘルパー歴10年

訪問介護は、自分の人生経験全てを活かせるという点も、やりがいの一つです。
私は60歳ですが、ちょうど利用者の子供と同じ世代で、私の両親が利用者世代です。
それぞれ利用者と家族の世代に関係があり、3人の子育て経験もあるので、利用者の子供や孫たちとの関係性を築きやすいと感じています。
また、専業主婦としての経験も今のヘルパーの仕事に役立っていると感じます。
節約を意識した買い物や効率的でおいしい料理はもちろん、サービス提供時間内で必要な業務を終わらせなければいけない時間管理など、子育てをしてきた主婦だからこそのマルチタスクを発揮できているのかもしれません。

訪問介護は、多様な年齢層や病状の利用者に対応する必要がありますが、これまでの人生で培ってきた経験や知識、技術を活かすことができるため、やりがいがある仕事です。

訪問介護員(ホームヘルパー)の悩み

訪問介護員の仕事は、施設介護と異なり利用者と1対1で個別ケアを行うことができます。
寄り添ったケアができるメリットはありますが、「思っていた仕事と違っていた」「一人だからこそ大変」と悩んでいる方は多いものです。
そこで、訪問介護員はどんなことに悩んでいるのか、現役ヘルパーに聞いてみました。

業務外の仕事を頼まれる

訪問介護員の悩みで多いものは、「業務外の仕事を頼まれる」ことです。
訪問介護の仕事に対し、家政婦さんやお手伝いさんと同じように思っている利用者も多いのが現状です。

利用者本人分の買い物や調理は、介護保険のサービス適用内になりますが、「一人分作るなら家族の分も作ってほしい」と、強く言われることも少なくありません。
中にはつい家族の分もサービスしてしまう訪問介護員や、利用者獲得のために業務範囲を曖昧にしている事業所もありますが、適切な介護保険利用のために、「できること・できないこと」を明確にする必要があります。

適切ではない業務外の仕事を頼まれた場合は、以下のように対処することが大切です。
・業務範囲を曖昧にせず、きちんと説明し断ること
・訪問介護事業所のサービス提供責任者や管理者、ケアマネジャーへ相談する
訪問介護のサービス利用開始時に「訪問介護員ができること・できないこと」の一覧表を作成し、利用者及び家族に十分に理解してもらうといいですね。

利用者からの理不尽な要求

利用者の自宅で、1対1行うケアだからこそ生じる「利用者からの理不尽な要求は少なくありません。
毅然とした態度で対応し、訪問介護事業所に報告することや、今後の対応・利用について検討することが大切です。

プレッシャーを感じる

ホームヘルパーが抱える悩みに「1対1のケアでプレッシャーを感じる、誰にも相談できない」こともあげられます。

例えば、利用者が体調不良を訴えた場合や居宅内で事故が発生した場合などです。
介護施設であれば、近くに頼れる介護スタッフが常駐していますが、訪問介護は一人しかいません。
自身で状況を判断して対応しなければいけないため、特に経験の浅い訪問介護員は判断することへのプレッシャーを感じるでしょう。

しかし、訪問介護事業所は緊急時マニュアルや緊急時の連絡体制が整っていますので、トラブルが発生した場合や判断に迷うときは、すぐに事業所に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。
また、日頃から訪問介護事業所との「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を大切にすることで、トラブルが起こった場合にも冷静に対応できるでしょう。

関連記事:ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事はきつい?

訪問介護に関するよくある質問

ここでは、訪問介護に関心のある方が気になっていることについて、現役ヘルパーに質問してみました。

訪問介護員(ホームヘルパー)にはどんな人が向いているか

訪問介護員に向いている方は、以下のような人です。
・ゆっくり介護したい人
・自分のペースで仕事をしたい人
・家庭と仕事を両立させたい人
・空いた時間を有効活用したい人

訪問介護は、利用者の生活習慣やニーズを尊重してケアを行えるため、1対1で利用者に寄り添って丁寧なケアがしたいという方にも向いています。

また、短時間から働くことができるため、家庭と仕事を両立させたい人にもおすすめです。

訪問介護と施設介護の違い

【業務面】

施設介護では、施設にある物品を使い、施設のやり方に合わせた介護になりやすいですが、訪問介護は利用者の自宅でその方に合ったサービス提供を行うので、寄り添った個別ケアを行うことができます。

掃除や洗濯、調理なども利用者にやり方を聞きながら、一緒に進めていきます。
例えば、味付けや掃除で使う道具など、利用者の生活スタイルを尊重して行いますので、利用者に合わせて、やり方を変える必要があります。
中には物品が揃っていない利用者宅もあるので、なんとか工夫しながら仕事を行うこともありますが、利用者とやり方を考えたり話し合ったりするのも楽しみのひとつです。

関連記事:ホームヘルパーとして初めて訪問する時に注意することとは?


【働き方】

定期巡回型訪問介護や重度訪問介護を除き、訪問介護は基本的に夜勤がありません。
介護施設の正社員で働きたい場合は、シフト勤務で夜勤も行う必要があり、家庭の事情で夜勤ができない方にとっては、正社員を諦めなければいけません。
しかし訪問介護では、夜勤がなく正社員として働くことができます。
また、訪問介護員のキャリアアップ職となる「サービス提供責任者」になると、給料もアップします。


【給料面】

サービス提供責任者の平均給与額は327,020円、介護老人福祉施設(特養)の管理者でない介護職員の平均給与額は339,370円となっています。

サービス提供責任者は夜勤をしなくても、夜勤ありの介護施設の職員と同じくらいの給料を得ることができます。

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まとめ

訪問介護の仕事は、在宅で生活する利用者が「住み慣れた場所で自分らしく暮らしたい」という思いを叶えるために、生活をサポートする大切な仕事です。
個別ケアを提供するため、利用者と深く関わりながら、ゆったりとした時間を過ごすことができ、やりがいのある職種と言えます。

訪問介護の仕事に就くには、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」などの資格が必要です。

カイゴジョブアカデミーでは、訪問介護員として働くことができる「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」の講座を開講しています。基本的な介護知識やスキルを学び、修了すれば安心してケアに取り組めるようになるでしょう。さらに、介護士として経験を積むことで、自分自身のキャリアビジョンに合ったステップアップを目指せます。

また、カイゴジョブアカデミーでは、求職中の方を対象に、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修の受講料とテキスト代を当校が実費負担し、就職支援も無料でサポートする特待生キャンペーンを実施しています。介護のお仕事に興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

吉田あい写真
この記事の著者吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど