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認知症について学ぶなら!介護職員初任者研修がおすすめの理由って?

更新日:

少子高齢社会を突き進む中、介護が必要な高齢者の増加とともに認知症高齢者の増加が懸念されています。認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態です。
介護がはじめての方にとっては「認知症ってなに?」「どう対応すればいいの?」と分からないことばかりではないでしょうか。ご安心ください!介護職員初任者研修(以下、初任者研修)を受講することで、認知症の知識と対応スキルを身につけることができます。
この記事では、認知症について学べる資格や初任者研修が認知症ケアにどう役立つかなどを体験談を交えながら詳しくご紹介します。認知症についてもっと知りたい方や、これから介護職を目指す方はぜひ参考にしてください。

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認知症について学ぶなら、どうして介護職員初任者研修がおすすめなの?

認知症について学べる無資格・未経験者向けの研修は主に2つあります。

  • 初任者研修
  • 認知症介護基礎研修

初任者研修がおすすめの理由

初任者研修と認知症介基礎研修では前者の受講をおすすめします。
以下の表からも分かるように、認知症だけでなく介護職員として働く上で必要な知識とスキルを網羅的に学べるのが初任者研修です。

資格 学主内容
初任者研修 認知症ケアを含む介護全般の基礎知識と介護スキル
認知症介護基礎研修 認知症ケア

初任者研修の方が認知症介護基礎研修よりも費用と期間はかかるかもしれませんが、活躍の場が増え、資格手当などが付くためお給料アップに直結し、キャリアアップもスムーズに進みますので取ってよかったと実感しやすい資格です。詳しくは以下の関連記事をぜひご覧ください。

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認知症介護基礎研修が義務化!介護職員初任者研修とどちらがおすすめ?

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介護職員初任者研修とは?

介護職の入門資格となる介護職員初任者研修は、ホームヘルパー2級から生まれ変わった資格です。
大きな変更点の一つは、認知症に関する学習が追加された点です。
それでは、なぜ認知症の科目が追加されたのかをお話させていただきます。

認知症の項目が初任者研修で追加された背景

現在の医療では、治療や投薬によって認知症の進行を遅らせることはできても、完治させることや認知機能障害、生活障害を回復させることは困難です。認知症を患うと、日常生活や心身の状態に支障が出るため、徐々に自立した生活は難しくなり周囲のサポートが必要な状態になります。
住み慣れた地域で生活する方も多いですが、デイサービスの利用やグループホーム、特別養護老人ホームなどの入居を検討する方もいらっしゃいます。これらの介護サービスを利用する際、介護スタッフの適切な関わり次第で認知症の進行が緩和することがわかっています。
そのため、できるだけ自立した生活を継続し、楽しみや喜び、希望をもって暮らせるように介護職としてサポートするためには、介護職が認知症の特徴や性質を理解することが大切です。
このような背景から、ホームヘルパー2級から初任者研修という資格に生まれ変わる際、認知症への理解を深め、尊厳ある適切なケアを学び、実践できるようにと『認知症の理解』という科目が新たに追加され、ホームヘルパー2級から介護職員初任者研修という資格に生まれ変わり、『認知症の理解』という科目が新たに追加されました。

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介護職員初任者研修の『認知症の理解』で学ぶ内容って?

初任者研修で学ぶ認知症に関する科目は『認知症の理解』です。
厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について」から学ぶ目的や内容をみていきましょう。
以下引用

ねらい

介護において認知症を理解することの必要性に気づき、認知症の利用者を介護する時の判断の基準となる原則を理解している。

学ぶ内容

1.認知症を取り巻く状況

認知症ケアの理念
  • パーソンセンタードケア
  • 認知症ケアの視点(できることに着目する)

2.医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理

認知症の概念、認知症の原因疾患とその病態、原因疾患別ケアのポイント、健康管理
  • 認知症の定義
  • もの忘れとの違い
  • せん妄の症状
  • 健康管理(脱水・便秘・低栄養・低運動の防止、口腔ケア)
  • 治療
  • 薬物療法
  •       
  • 認知症に使用される薬

3.認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活

(1)認知症の人の生活障害、心理・行動の特徴
  • 認知症の中核症状
  • 認知症の行動・心理症状(BPSD)
  • 不適切なケア
  • 生活環境で改善
(2)認知症の利用者への対応
  • 本人の気持ちを推察する
  • プライドを傷つけない
  • 相手の世界に合わせる
  • 失敗しないような状況をつくる
  • すべての援助行為がコミュニケーションであると考えること
  • 身体を通したコミュニケーション
  • 相手の様子・表情・視線・姿勢などから気持ちを洞察する
  • 認知症の進行に合わせたケア

4.家族への支援

  • 認知症の受容過程での援助
  • 介護負担の軽減(レスパイトケア)
参照元 厚生労働省:介護員養成研修の取扱細則について

認知症ケアの理念として、「利用者中心のケア」や「できないこと」に目を向けるのではなく、「できること」に目を向けたケアを行うことを学びます。認知症の性質や適切なケアを学ぶことは、実際の介護現場で知識やスキルを持って適切に対応する一歩につながります。そうすることで、相手の立場に立って考えたり声かけをしたり、本人や家族の苦悩・ストレスに寄り添うといった対応がしやすくなるでしょう。

増える認知症

2025年には日本の人口が最も多い世代である団塊の世代が75歳を迎え、全人口に対して18.1%、2,000万人以上が後期高齢者になると予測されています。
そして前期高齢者を含めると、65歳以上の高齢者数は3,677万人となり全人口の30.3%が高齢者です。その中で認知症高齢者は約700万人、65歳以上は5人に1人が認知症になると予測されています。
社会全体で認知症への理解を深める取り組みが大切ですが、特に認知症高齢者との関わりが多い介護職は、認知症への深い知識と適切な対応力が求められます。

認知症とは

認知症とは、「脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態」と定義されています。

引用元 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所:認知症とは

認知症のイメージ

みなさんがもつ“認知症”のイメージはどのようなものでしょうか?
例えば、「徘徊して警察に保護される」「何度も同じことを話す」「幻覚や妄想を訴える」など、大変・人に迷惑をかけるといったイメージがある方もいるのではないでしょうか?
また、認知症になったら「何もできなくなってしまう」といったネガティブなイメージを抱く方も多いかと思います。確かに脳の病的変化によって、認知機能が低下するため日常生活全般に支障が出て不便さを感じます。認知症になった方は、「これまでできていたことができなくなってしまった」という焦燥感や「これからどうなってしまうのだろう」という将来への悲観や不安感をもちます。
また、周囲の人間にとっても「また同じこと言っている」「さっきも言ったのに」と違和感を感じることも多いでしょう。認知症を患うと、本人がつらいのはもちろんのこと、家族をはじめ周囲の人々が正しく理解できず、諦めや苛立ちなどを感じるケースもあります。“認知症”と一言でいっても、その人や引き起こされる疾患によって症状が異なります。ひとくくりにすることなく、正しい知識を身に着け、適切に対応することが必要です。
それでは、認知症の知識を深めるために認知症とはどのようなものなのか、状態や種類についてみていきましょう。

認知症の種類「4大認知症」

認知症には様々な種類がありますが、代表的な認知症は主に以下の4つです。

  1. アルツハイマー型認知症
  2. 脳血管性認知症
  3. レビー小体型認知症
  4. 前頭側頭型認知症

65歳以上では、アルツハイマー型が最も多く(67.6%)、血管性認知症(19.5%)、レビー小体型認知症(4.3%)と続きます。
そして前頭側頭型認知症を加えたいわゆる『四大認知症』が多くの割合を占めます。

出典 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所:『若年性認知症支援施策の展開』認知症の原因疾患

1.アルツハイマー型認知症

進行により脳が萎縮することで、日付や自分の場所が分からなくなる「見当識障害」や「言語の理解力の低下」、「物盗られ妄想」、「徘徊」などの症状が現れます。発症後もしばらく自立生活が可能で進行は比較的穏やかですが、重症度が高くなると入浴や排泄、歩行や会話も困難な状況になり、日常生活全般に介助が必要となります。

2.脳血管性認知症

脳の血管障害でおきる脳梗塞や脳出血によって起こる認知症です。脳血管性認知症は、「まだら認知」があり特定の分野では問題ないけれど、それ以外は何もできないといった症状がみられます。また、落ち着いていたのに突然症状が現れるなどの変動がみられ、他の認知症と同様に日常生活に支障をきたす「記憶障害」や「認知機能障害」も伴います。

3.レビー小体型認知症

脳の神経細胞が原因不明に減少する変性性の認知症で、他の認知症よりも早い進行が特徴です。「記憶障害」を中心に、「幻想や妄想」、「パーキンソン症状」が出現し、気分や態度、症状の日内変動があります。

4.前頭側頭型認知症

前頭葉と側頭葉を中心とする神経細胞の変性により生じる認知症で、脳の萎縮が確認されます。前頭葉は社会性や人格、言語を司り、側頭葉は記憶、聴覚などを司りますので、前頭側頭型認知症を発祥するとこれらが正常に機能しなくなります。「社会のルールから逸脱した行動(例えば万引きや暴力等)」や「言語障害」、 「人格や行動の変化」、「感覚鈍麻」などがあります。症状は緩徐に進行しますが、発症後6~8年程で寝たきりになる可能性が高いとされています。

POINT

認知症の中でアルツハイマー型認知症が最も多く、血管性認知症とレビー小体型認知症がこれに次いで多い

軽度認知障害(MCI)とは?

近年注目されているのが軽度認知障害(MCI)です。認知機能低下の訴えがあり、まだ認知症ではないが放置すると認知症になる可能性が高い、中間にいる状態です。日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」によると、MCIと診断されても適切な対応を行えば約16~41%の方は認知機能が正常な状態へ回復するとされています。MCIは早期発見・治療が症状の進行予防や改善につながるため、家族や周囲の“気付き”や対応が大切です。

介護現場における認知症ケアの実態

認知症の症状はその人によって大きく異なり、物忘れから徘徊、せん妄、帰宅願望、暴力行為と様々で、症状の現れ方や程度は一日の中で何度も変わる場合も多くあります。「認知症の人への接し方が分からない」「どうケアしたらいいの?」と、悩む介護職員は多いものです。
実務経験を重ねた介護職であっても悩むことはありますし、特に、未経験・無資格から介護業界に入った方は初めて見る光景に驚くこともあるでしょう。時には認知症の方の行動やケアが介護者のストレスになることもあります。介護現場では認知症ケアのどのようなことに悩んでいるのかみていきましょう。

不安の連鎖

介護者のストレスは介護を受ける側のストレスに直結します。介護職員が不安を持ちながらケアをしていると、認知症の方も不安に感じるようです。認知症について理解し、安心感を与えるケアを学ぶための研修、それが初任者研修です。

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BPSDによる暴言暴力行為

BPSDとはBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia略で、認知症の行動と心理症状である周辺症状、という意味をもちます。認知症の症状には、徘徊、物盗られ妄想、弄便、興奮状態、抑うつ状態、昼夜逆転、幻覚、せん妄、暴言、暴力などがありますが、これらの行為行動をBPSDと言います。
BPSDは認知症介護の課題となり認知症ケアのコミュニケーションの難しさの一つです。介護職から利用者に対する暴力や虐待などが、よくニュースで取り上げられ問題となっていますが、利用者からのBPSDに悩む介護職も少なくありません。
実は、「介護サービスの利用者から、暴言・暴力を受けたことがある」とアンケートで回答した方が介護職全体の9割にものぼるほど、介護職にとって身近な問題なのです。BPSDは生活歴や性格、環境によって症状の表れ方が異なるため、介護職は一人ひとりに合った対応に苦慮することが多くあります。

介護職員初任者研修で「アプローチ力」が身につく!

無資格・未経験だったり、介護や認知症の知識がまったくゼロだったりする場合、認知症の方を前にして立ち往生してしまうような状態に陥るかもしれません。しかし初任者研修を受講することで、認知症に関する知識やスキルを身につけることができます。
完璧な対応とまではいかなくても、声かけや行動へのアプローチ、そして誰かに相談するといった大事なスキルを身に着つけることができるのです。介護職は高い専門性をもった介護の専門家として、認知症高齢者の様子を観察し、どのようにアプローチをすればいいのか検討します。そして時には医療的なアプローチの導入といった次につなげるケアを実践します。
例えばBPSDがある場合をご紹介します。
介護職や周囲の利用者・入居者に影響がある場合は、暴言、暴力行為の状態確認とともに生活歴、性格、認知症の状態や医学的な管理について、家族や他の専門職とケアカンファレンスを実施します。
何が原因で暴言、暴力行為があるのか、その解決に向けて対応策を検討する際に、初任者研修で学んだ『認知症の理解』が大いに役立ちます。
カイゴジョブアカデミーの初任者研修では、認知症ケアについてリアルな体験談を交えながら介護現場のプロフェッショナルが大事なポイントをわかりやすく解説します。
詳細は講座ページをご覧ください。

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介護職員初任者研修で「臨機応変力」が身につく!

認知症ケアは、

  • マニュアル通りにはいかない
  • 何が起こるか分からない
  • ハプニングは日常茶飯事

また先述した通り、認知症は十人十色ですから、介護現場では「臨機応変力」も必要になってきます。
「臨機応変」とは、その時・その場に応じた適切な対応をすることです。

どうやって臨機応変力を身につけるの?

一番の近道は「認知症ケアの引き出し」をたくさん作ることです。
介護職員初任者研修では様々なハプニング事例をもとに、臨機応変に対応するスキルを学びますので、「認知症ケアの引き出し」を増やす下地を作ることができるます。
筆者の体験の中で臨機応変さが求められた場面をご紹介します。

筆者体験談:トイレの場所が分からないAさん

グループホームに入居し始めたAさん。
訪問介護やデイサービスなどを活用しなんとか在宅生活を継続されてこられましたが、最近になり夜間地域で徘徊するようになり、家族の希望もあり入居となりました。
歩行や排泄は一部介助程度で、まだまだお元気な方です。

入居後、「トイレの場所が分からなくてずっと探しているんです」とスタッフから申し送り。
誘導しても時間が経つと分からなくなり、スタッフの少ない夜間帯などは自室の箪笥の中や靴の中に排泄してしまうように。
グループホームでは気になったことがあればすぐにカンファレンスを開催していますので、こちらを議題にあげスタッフ間で話し合うことになりました。

  • 「箪笥(たんす)を撤去してしまおう」
  • 「寝るときは靴を隠してしまえばいい」
  • 「夜間だけおむつを履いてもらおう」

様々な意見がありましたが、本人の尊厳を無視した意見もチラホラ。
せっかく自分で歩行できてトイレにも本来行けるはずなのに、歩くための靴を隠したり、排泄意欲を低下させたりすることは言語道断のケアです。

自宅では問題なく一人で行けていたトイレなのに入居するといけなくなったのか?
「トイレに行きたい」という気持ちがあるのになぜトイレまで辿りつけないのか?

と、スタッフが話し合って出た結論はコレ。
「トイレがトイレに見えないからじゃないか」です。
これだけみるとどういうことか分かりませんよね。
Aさんの家は昔ながらの和住宅でトイレも古いもの、一方グループホームのトイレは壁と調和させたドアの少しお洒落なもの。
一見するとトイレの入り口かどうか分からないのです。

そしてもうひとつ。
「トイレって言葉が分からないのでは?」
「Aさん、いつも“便所に行きたい”って言っている」と。

グループホームのトイレの入り口が分からず、さらにスタッフが声かけする“トイレ”という単語にもピンときていなかったのです。

そこでスタッフはトイレの入り口に大きく『便所』の看板をつけ、Aさんに伝えました。
この日からAさんに対してはトイレではなく便所と言い換えるようになりました。

そして看板を付けた日の夜、居室から出てこられあたりをキョロキョロした後、すぐに便所に向かいました。

少しの工夫と関わり方でAさんの劇的な変化を体感した事例です。

筆者体験談:ズロース(下着)13枚のBさん

特別養護老人ホームに入居するBさん、ある日「暑い、暑い…」と居室からフロアーに出てこられました。夏でもなく発熱かと思い居室に誘導し、バイタルチェック…平熱。
どうしたんだろう…?
ふと下を見ると腰回りが普段の3倍以上あるんじゃないか?という位こんもり!
その腰、一体どうしたの!?
Bさんに声かけしズボンを下すと、ズロース、ズロース、ズロース…合計13枚ものパンツを履かれていました。
少し丈のあるパンツなので、太もも部分は食い込み脱いでもらうのも一苦労。
「ちょっときついかなって思ったの、へへっ」と笑いながら話すBさんでした。

上記の体験談のように認知症ケアは、

  • マニュアル通りにはいかない
  • 何が起こるか分からない
  • ハプニングは日常茶飯事

ということがお分かりいただけたでしょうか。

認知症は十人十色で、日内変動もあり、正解や100%完璧なケアはなく、方法もひとつではありません。また認知症になっても「感情」と「感覚」は最期まで残ることが分かっており、スキルの引き出しを活用し、感情や感覚に寄り添ったケアを実践することが必要です。経験のある介護職がどんな認知症の方にでも対応できるのは、この引き出しの多さからです。目の前の認知症の方に対して、「どのケアがニーズにマッチするのか=どの引き出しがいいか」を実践しているのです。
初任者研修で認知症への理解を深め、「臨機応変」のスキルを磨いていきましょう。

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認知症ケアでの劇的な変化は稀

認知症ケアについての知識やスキルが不足している介護職は、劇的な変化を求めているケースが多くみられます。
例えばコミュニケーションや関わり方を工夫することで、入浴を拒否していた方が笑顔でお風呂に入ってくれるようになった」などといったドラマチックな展開は稀です。
先述したAさんの事例は、筆者の介護人生の中でも、びっくりするくらいの数少ない成功例なのです。5回~6回に1回程度、うまくいけば御の字くらいに思っています。
「お風呂に入ってほしい」と強く願う介護職の気持ちと「どうしても入浴はイヤだ」という利用者の気持ちが拮抗(きっこう)した結果、完璧なケアを追求し過ぎた介護職が空回りしてしまうこともしばしば。時間をあけて声かけしてみたり、違うスタッフが誘導したり、様々な工夫はしますが、「もう絶対に今日は入らないぞ」という日があるのも事実です。入浴することだけに固執し過ぎてしまうと、入浴担当と拒否する利用者とのバトルが始まります。「なんのための・誰のためのケアなのか」という部分が置いてきぼりです。もちろん、よりよいケアは必要ですし介護職としての熱意も大切ですが、認知症ケアに関しては100%完璧なケアを実施することは難しいのです。「今日はやめとこうか」と、時には一歩下がってみることも必要でしょう。
介護の専門職としてよりよいケアを提供したいというのは当たり前のことですが、臨機応変な対応をすることが大切です。

認知症の知識は私生活で役立つことも!

「介護が必要な状態になっても、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らす」
「地域全体で見守りをしながら安心して暮らせることができるまちづくり」
これらは、厚生労働省の高齢者福祉政策として推進されている考え方です。
初任者研修で認知症を学ぶことで、介護の仕事に役立てる以外にも地域で認知症の方を支える役割の1人として支援することができます。また、正しく認知症を理解することで偏見やネガティブなイメージに固定されず、適切な情報を発信していけるでしょう。
職場だけでなく、自身が住む地域の見守り隊や認知症の方の住みやすい環境づくりのためのボランティア活動をされている方もいらっしゃいます。
もし家族や周囲の人が認知症になったときでも、適切な対応ができるので気持ちにも余裕が生まれます。

まとめ

認知症について学べる資格や初任者研修が認知症ケアにどう役立つかなどを体験談を交えながら詳しくご紹介しました。初任者研修で『認知症の理解』を学べば、適切な対応方法や臨機応変力を身につける土台を作ることができます。ケアに正解がないからこそ、あらゆる引き出しを作り、あらゆるシーンに対応できるように準備することが大切です。認知症について「学びたい・悩んでいる」という方は、まず初任者研修を受けて、認知症の方の世界を知ることから初めてみてはいかがでしょうか。
カイゴジョブアカデミーでは認知症ケアについてしっかり学べる初任者研修を開講しています。
また、介護のお仕事をご検討中の方には、初任者研修の受講と並行して介護のお仕事を無料でご紹介する特待生キャンペーンも実施中です。特待生キャンペーンを利用すれば、初任者研修の受講料は当校が全額実費を負担します。
カイゴジョブアカデミーでは授業を通して認知症の知識を得られるだけでなく、認知症ケアに力を入れいている介護事業所への転職支援も行っています。
特待生キャンペーンの応募条件や介護の資格、お仕事についての不安はたくさんあると思いますので、みなさまからのご相談をお待ちしています。

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吉田あい写真
この記事の著者吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど