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更新日:2021/12/7

介護福祉士試験1

1年に1度行われる介護福祉士国家試験。
介護職が目指すキャリアパスの上位資格である介護福祉士は、毎年10万人前後が資格取得を目指す国家資格です。
近年の合格率は高まっており、今なら合格のチャンスだと受験を検討する方も多いのではないでしょうか。
今回は、介護福祉士国家試験の合格率の推移や難易度について説明します。

介護福祉士国家試験の受験を検討されている方、合格を目指している方はぜひ参考にしてください。

第29回(2017年1月)~第33回(2021年1月)の介護福祉士国家試験合格率推移

第29回~第33回までの受験者数・合格者数・合格率は、厚生労働省による介護福祉士国家試験の合格発表から以下の通りとなっています。

第29回(2017年1月):受験者数(76,323人)合格者数(55,031 人)合格率(72.1 %)
第30回(2018年1月):受験者数(92,654人)合格者数(65,574人)合格率(70.8%)
第31回(2019年1月):受験者数(94,610人)合格者数(69,736人)合格率(73.7%)
第32回(2020年1月):受験者数(84,032人)合格者数(58,745人)合格率(69.9%)
第33回(2021年1月):受験者数(84,483人)合格者数(59,975人)合格率(71.0%)

第29回から受験資格の変更があり、受験者数は落ち込むものの翌年より受験者数は上昇し、過去数年の合格率は70%前後で推移しています。
70%前後という合格ラインは、高いと感じる方も多く、国家資格の中では取得しやすい資格と言えます。



では、もっとも最近に行われた第33回介護福祉士国家試験について詳しくみてみましょう。

第33回(2021年1月)介護福祉士国家試験の試験結果

第33回介護福祉士国家試験では、筆記試験の合格基準点は75点/125点・実技試験の合格基準点は53.33点/100点で、合格率71.0%という結果が出ています。

合格基準点は「総得点125点に対し、得点75点以上の者(総得点の60%程度を基準)
とし、問題の難易度で補正」
とされていますので、難易度や合格率は概ね例年通りとなっておりました。

介護福祉士国家試験合格者の内訳

では、介護福祉士国家試験は実際にどのような方が受験しているのでしょうか?
厚生労働省による第33回介護福祉士国家試験合格発表参考資料から【受験資格別】をみてみましょう。

〇社会福祉施設の介護職員等
受験者数:52,162人 ・合格者数:37,155人・合格率:71.2%・ 割合:61.9%
〇訪問介護員等
受験者数:11,382 合格者数:8,271 合格率:72.7割合: 13.8
〇介護老人保健施設、介護医療院の介護職員等
受験者数: 5,909 合格者数:3,765 合格率:63.7 割合:6.3
〇医療機関の看護補助者等
受験者数:5,573合格者数: 3,648 合格率:65.5 割合:6.1

養成校や福祉系高等学校等を除く合格率を計算すると、70.4%となり、働きながら受験されている方が多いことが分かります。


実際に受験した人の声

筆者の同僚が第33回介護福祉士国家試験を受験し合格しました。
そのときに話していた試験のリアルな声をお伝えします。


【Aさん(40代・初受験)の感想と対策】
過去問を繰り返ししていたことが良い結果につながったのかなと思う。
「なんだこれは?」というような難しい問題もあったが、過去の傾向から大きく変わらず、事例問題はしっかり読めば解ける問題だった。
過去問と比べても、難易度は標準通りだと感じた。
難病や発達障害に関する問題、脊椎損傷の問題は出題傾向が高いため、今後も対策必須!
働き方改革や家族の変容など、これからの日本に関わる問題もあり、時事問題対策が必要だろう。



Aさんは、働きながら休憩や通勤時間を活用した勉強と、試験対策講座を受講し、見事合格。
・テキストの内容と過去問の反復学習
・スキマ時間での学習
・試験対策講座での試験の傾向と知識の定着
が合格に結び付いたと話していました。

介護福祉士国家試験の合格率と受験者数減少

第33回介護福祉士国家試験は過去3番目に高い合格率となっています。
実務者研修が必須化したことによる受験者の知識やスキルの底上げが背景だと予測されますが、その一方で2016年度以降の受験者数は大幅に減少。
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所が行った報告から、実務者研修の受講費用が負担だったことが受験を見送った理由の1位と分かりました。

受講費用の高さから介護福祉士国家試験の受験を諦める方もいますが、介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業の活用もひとつの方法です。
介護福祉士又は社会福祉士の資格取得を目指し、厚生労働大臣の指定する養成施設又は実務者研修養成施設に在学する方を対象に、20万円以内(修学資金)を貸与(無利子)される制度です。
卒業後に介護福祉士として、介護の業務に2年間勤務することで返済が全額免除されますので費用負担で悩んでいる方は上手に制度を活用しましょう。


過去問題からみる介護福祉士国家試験合格のポイント

介護福祉士国家試験の出題範囲は幅広いですが、選択式なので論述式よりも解答しやすい特徴があります。

問題文は読み間違いのミスが命取り!
「適切なもの」「最も適切なもの」「正しいもの」「間違っているもの」など、どちらを選べばよいか焦りの気持ちから間違ってしまう方も少なくありません。
近年の問題では「正しいもの」「適切なもの」を選択するものが多く、文章自体は分かりやすく丁寧に記載されていますので、問題文はしっかりと読み込みましょう。

「誰でも受かる」「簡単すぎ」とも言われる試験ですが、合格した方の様子をみていると過去問をやりこみ、しっかり勉強された方が合格されています。

次の試験はどうなる?第34回(2022年1月)介護福祉士国家試験

第34回(2022年1月)介護福祉士国家試験は、今から最も近くに行われる試験で受験申し込みは2021年9月17日に終了しています。

第34回介護福祉士国家試験の日程は以下の通り。

試験期日
筆記試験  2022年1月30日(日曜日)
実技試験  2022年3月6日(日曜日)

他試験地や試験科目など試験概要は社会福祉振興・試験センターのサイトで紹介されています。

すでに受験申し込みの手続きを終え、合格に向けて日々学習されている方が多いですが、試験日までドキドキされているのではないでしょうか。

過去問題に取り組んでいる方の中には「合格点に足りない」「第〇〇回なら合格できているのに」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。

では、第34回の合格率はどうなるのか?
気になる合格率ですが、これまでの合格率推移と同様に70%前後となり試験内容や合格率については、大幅な変更はないと予測されるでしょう。


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新型コロナウイルス感染拡大による介護福祉士国家試験への影響

新型コロナウイルス感染拡大は、介護福祉士国家試験にも影響しました。
コロナ禍における介護福祉士国家試験の受験者数は第32回84,032人、第33回 84,483人。第31回と比較して大幅に受験者数が落ち込んだのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるといえるでしょう。

第32回では厚生労働省及び公益財団法人社会福祉振興・試験センターにおける合格者の受験番号の掲示による発表が中止となりました。
また、第33回は予定通りに試験実施されましたが、願書の締め切り日や実務者研修修了見込み日に変更があり、期間が延長されました。

第34回(2022年1月)介護福祉士国家試験についても現在のところ予定通り実施される予定ですが、新たな政府方針、ガイドラインが示された場合等、環境の変化に応じて必要な見直しを行われることになっています。

高齢者と関わる福祉施設や病院等の職員が受験者となり感染や拡大のリスクが高いため、受験者自身も十分な感染予防対策を行った上で試験に臨みましょう。

出題基準が変わる!第35回(2023年1月)介護福祉士国家試験

2023年1月に実施される第35回介護福祉士国家試験から出題基準が見直しとなります。

見直しのポイントは、「介護とは、単に技術的な営みではなく、人間的・社会的な営みであり、総合的・多面的に理解されるべきものであることから、4領域(人間と社会、介護、こころとからだのしくみ、医療的ケア)を横断する総合問題を出題する」ということです。

現行の試験問題数や合格基準は今後も維持されますが、試験科目「人間関係とコミュニケーション」の試験問題数の増問。
制度や知識を問うだけでなく、情報の理解・解釈や、応用問題といった介護過程の展開から介護現場で必要となる理解力や判断力を問う出題、介護福祉士像等の問題が充実されます。

合格基準は変更がないとのことなので、合格率の推移も従来通り70%前後を維持すると予測されるでしょう。

第35回介護福祉士国家試験では試験問題の予想が難しい部分がありますが、求められている介護福祉士像を考えると
・介護の理論に基づく
・利用者に寄り添った心身のケア
・根拠のある介護課程の展開
の3つが出題のポイントとなるでしょう。
過去問や参考書で学習の振り返りをしながら、最新の情報を確認することが大切です。

ご自身でインターネット等から情報を得るのも良いですが、介護業界や国家試験の動向に精通しているのは、スクールの試験対策講座です。
第35回介護福祉士国家試験の受験を検討されている方は、効率の良い学習ができるので受講をおすすめします。



まとめ

いかがでしたでしょうか?
介護福祉士国家試験の合格率の推移や難易度、合わせて出題基準が変更となる第35回試験について説明しました。

介護福祉士国家試験の合格率推移をみると、適切な学習を進めていれば必要以上に怖がったり不安になったりしなくても良い試験だと分かります。

働きながら受験する方も多く学習に十分な時間が取れないと不安になる方もいますが、実践を通じて学習できるため有利というケースもあります。
実務でのスキルアップとともに日々の学習や過去問題への取り組み、そして適切なカリキュラムと試験対策に特化したスクールでの学びが合格への近道となるでしょう。

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この記事の著者

吉田あい

大阪府出身 現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」
「介護現場におけるリスクマネジメント」

特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、
介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、
介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。

カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、
実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。

【所持資格】
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・介護福祉士
・社会福祉士
・メンタル心理カウンセラー
など