実務者研修を受けるには?勉強や取得方法

介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)は、質の高い介護の提供を目指して基礎から応用までを学ぶ介護職員初任者研修の上位資格です。取得すると、たん吸引や経管栄養といった医療的ケアに携われるほか、訪問介護事業所のサービス提供責任者(サ責)の任用要件にもなり、資格手当等による給与アップが見込めます。また、実務者研修の取得は介護職唯一の国家資格・介護福祉士の受験要件のひとつでもあり、介護職としてのスキルアップ・キャリアアップには欠かせません。
そこで今回は、実務者研修を受けるには条件や資格が必要なのか、気になっている人のために、取得方法や勉強方法などをご紹介していきます。
実務者研修の受講条件は?
結論からお伝えすると、実務者研修には取得(受講)条件はありません。年齢・性別・学歴はもちろんのこと、介護資格や介護経験の有無も問われず、基本的には誰もが受講できます(※スクールによっては16歳以上などの規定がある場合があります)。詳しく見ていきましょう。
無資格者でも受けられる
実務者研修は介護の資格を持っていない人も受講できます。ただし、ヘルパー1級や2級、初任者研修、介護職員基礎研修といった介護の資格を修了している人は、保有資格に応じて一部の科目が免除されるため、実務者研修の受講期間が短くなったり、受講料が安くなったりします。免除科目による受講期間や受講料の詳細は以下の記事で解説しています。参考にしてください。
介護未経験でも受けられる
実務者研修は介護の経験がない人でも受講できます。ただし、実務者研修は初任者研修の上位資格にあたるため、初任者研修を修了している人を前提として授業が進みます。そのため無資格で介護職としての実務経験がない人には授業の難易度が高く感じるかもしれません。介護職未経験で実務者研修の受講を考えている方は初任者研修から受講することをおすすめします。
実務者研修について詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の詳細はこちらから>>
実務者研修の取得方法は?
実務者研修の取得方法は、カイゴジョブアカデミーのように国から認定された養成施設(スクール)で受講し、全課程を修了することです。詳しく紹介していきます。
カリキュラムの内容
実務者研修のカリキュラムは、厚生労働省によって全450時間の科目と医療的ケア演習が定められており、どこのスクール・講座でも学習内容に違いはありません。ただし初任者研修やホームヘルパーといった資格を保有していれば免除される科目もあります。以下の表に保有資格別のカリキュラムと受講時間・受講期間の目安をまとめました。参考にしてください。
| 科目 | 無資格 | 介護職員初任者研修 | 生活援助従事者研修 | 介護に関する入門的研修 | ホームヘルパー1級 | ホームヘルパー2級 | ホームヘルパー3級 | 介護職員基礎研修 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 人間の尊厳と自立 | 5時間 | 免除 | 免除 | 5時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
| 社会の理解Ⅰ | 5時間 | 免除 | 免除 | 5時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
| 社会の理解Ⅱ | 30時間 | 30時間 | 30時間 | 30時間 | 免除 | 30時間 | 30時間 | 免除 |
| 介護の基本Ⅰ | 10時間 | 免除 | 免除 | 10時間 | 免除 | 免除 | 10時間 | 免除 |
| 介護の基本Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 20時間 | 免除 |
| コミュニケーション技術 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 |
| 生活支援技術Ⅰ | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
| 生活支援技術Ⅱ | 30時間 | 免除 | 30時間 | 30時間 | 免除 | 免除 | 30時間 | 免除 |
| 発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 免除 | 10時間 | 10時間 | 免除 |
| 発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 |
| 認知症の理解Ⅰ | 10時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 | 10時間 | 10時間 | 免除 |
| 認知症の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 |
| 障害の理解Ⅰ | 10時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 | 10時間 | 10時間 | 免除 |
| 障害の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 |
| こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 20時間 | 免除 |
| こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | 60時間 | 60時間 | 60時間 | 免除 | 60時間 | 60時間 | 免除 |
| 介護過程Ⅰ | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 20時間 | 免除 |
| 介護過程Ⅱ | 25時間 | 25時間 | 25時間 | 25時間 | 免除 | 25時間 | 25時間 | 免除 |
| 介護過程Ⅲ | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 免除 |
| 医療的ケア | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 |
| 合計 | 450時間 | 320時間 | 410時間 | 430時間 | 95時間 | 320時間 | 420時間 | 50時間 |
| 受講期間の目安 | 6ヵ月以上 | 4ヵ月 | 6ヵ月 | 6ヵ月 | 2ヵ月 | 4ヵ月 | 6ヵ月 | 2ヵ月 |
取得までの期間
実務者研修は全カリキュラムを通学して学ぶ「通学コース」と、全カリキュラムのうち最大405時間までを自宅学習で学ぶ「通信コース(通信+通学併用)」がありますが、どちらのコースでも無資格者の場合は約6ヵ月間の受講が目安とされています。ただし保有資格によって免除科目があり、初任者研修保有者の場合は約4ヵ月で取得できるなど、取得までの期間は異なります。保有資格ごとの免除時間は上述した表にも記載しましたが、以下の記事でも詳しく解説しています。参考にしてください。
なお、実務者研修は介護福祉士国家試験の受験を見据えた研修という位置づけでもあるため、実務経験を積みながら学習できるように設計されています。全日程を働きながら通学することは現実的ではなく、ほとんどのスクールで開講しているのは「通信コース(通信+通学併用)」です。「通学コース」はハローワークの職業訓練など、開講は限定的です。
実務者研修の難易度は?
実務者研修の難易度は決して高いものではありません。たとえばカイゴジョブアカデミーでは修了試験※の合格率はほぼ100%です(2025年10月調べ)。ただし、全カリキュラムを履修し、課題をクリアすることが必須になるため、授業を欠席したり、課題に合格できなかったりすると取得はできません。予習・復習をはじめ日々の学習を怠らないように注意しましょう。
※修了試験の実施は実務者研修では義務づけられていませんが「研修内容がどこまで身についているか」を確認するため、多くのスクールで実施しています
実務者研修の難易度について詳しくは以下の記事にも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
実務者研修を取得するためのおすすめ勉強方法
実務者研修には提出課題があります。ある程度の自宅時間や復習時間を確保する必要があるので、おすすめの勉強方法をご紹介します。
勉強の習慣をつける
「通信コース(通信+通学併用)」でも「通学コース」でも決めた時間に学習し、その習慣を継続していくことが目標達成への第一歩となります。日々の生活の中では学習時間の確保が難しい場合もあるでしょう。仕事の都合、あるいは体調不良など、アクシデントがないとも限りません。そこで、実務者研修修了という大きな目標を細分化し、短期目標と長期目標を立てることをおすすめします。計画の管理には、スマートフォンのアプリ等を活用するのも良いでしょう。
実務者研修に合格するためのポイントを解説した記事もあります。ぜひ参考にしてください。
提出課題の間違えた箇所をまとめて、弱点を“見える化”する
ただやみくもに手をつけるのではなく、自分が今どの学習レベルにいるのか、どこがどのように理解できていないのかを把握し、分析することは非常に有効です。自分が抱えている課題を解決していくことは、学習が身についた自信につながります。
そのほかの勉強方法
これが正しいという方法はなく、自身に合った勉強方法を探しましょう。適度にリフレッシュしながら学習することも大切です。各スクールなどのWEBサイトには、受講生の体験記なども掲載されているので、先輩たちの体験を参考にピッタリの勉強方法を見つけてください。
まとめ
実務者研修の受講条件や研修内容、学習方法などを解説しました。実務者研修に受講条件はなく、無資格・介護未経験者でも受講できます。難易度もさほど高くはありませんが、初任者研修修了(あるいは同程度の知識・スキルを有する実務経験者)を前提とした研修のため、無資格・介護未経験者にはハードルが高いかもしれません。無資格・介護未経験の方は初任者研修の受講からおすすめします。カイゴジョブアカデミーのように初任者研修修了後に実務者研修を受講すると割引になるお得な制度を設けているスクールも多くあるので、スクールを選ぶ際の参考にしてください。
実務者研修を受ける際のよくある質問
実務者研修を受ける条件は?
実務者研修の受講に条件はありません。年齢・性別・学歴のほか介護資格や介護経験の有無を問わずに受講できます(※スクールによっては16歳以上などの規定がある場合があります)。ただし実務者研修の授業内容は初任者研修の修了を前提に設計されています。無資格・介護未経験者には少し難易度が高いため、まずは初任者研修からの受講をおすすめします。
初任者研修と実務者研修どちらを先に取ると良いの?
実務者研修は初任者研修の上位資格にあたるため、先に取得するなら初任者研修からがおすすめです。初任者研修を保有していれば、全450時間のカリキュラムのうち130時間が免除されます。取得までの期間も約4ヵ月に短縮され、受講費用もおトクになります。 保有資格ごとの受講期間や費用相場などは表にまとめました。参考にしてください。
| 保有資格 | 学習期間 | 受講期間 | 費用の相場 | カイゴジョブアカデミーの費用 税込・テキスト代込 |
|---|---|---|---|---|
| 無資格 | 450時間 | 6ヵ月~ | 約11~20万円 | 11万円 |
| ヘルパー2級・ 初任者研修修了者 |
320時間 | 最短4ヵ月 | 約10~13万円 | 8万円~ ※エリアにより異なる |
| ヘルパー1級 | 95時間 | 最短2ヵ月 | 約5~9万円 | 5.5万円 |
| 介護職員基礎研修 | 50時間 | 最短2ヵ月 | 約3~6万円 | 3.3万円 |
実務者研修は働きながら受けられる?
はい。実務者研修は働きながら受講できます。実務者研修は、厚生労働省によって「働きながら資格を取得する」ことを目的のひとつとして設計されています。これは介護福祉士国家試験を実務経験ルートで受験するとき、実務者研修の取得と実務経験が要件になっているからです。ほかにも、学習が仕事の負担にならないよう保有資格によって受講期間を短縮できるなど、働きながら受講できる制度が整えられています。
働きながら実務者研修を取得したい方はこちらの記事も参考にしてください。
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