更新日:2022/11/24
初任者研修を受けずに実務者研修を受けるのはあり?
介護職を目指す方の第一歩といえば、まずは資格取得ですが、介護未経験で資格取得できる資格に「介護職員初任者研修(以下 初任者研修)」「介護福祉士実務者研修(以下 実務者研修)」の2つがあります。
どちらも介護未経験で資格取得を目指せるので、
「初任者研修と実務者研修どちらをとればいいの?」
「初任者研修を受けずに実務者研修はできるの?」
と悩む方もいらっしゃるかと思います。
今回は、初任者研修と実務者研修のどちらを取得したほうがいいか目的別に紹介させていただきます。
介護未経験から介護職のステップアップを目指している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
それぞれどんな資格?特徴や受講条件
「初任者研修」と「実務者研修」それぞれの資格の内容や特徴などについてみていきましょう。
1.介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護人材のキャリアパスのスタートラインとなる入門資格です。
介護未経験、初心者の方が不安なく介護職を目指せるように食事、入浴、排泄などの介助や生活援助など介護の基礎的な知識やスキルを学びます。
介護職は無資格・未経験者でも求人が多い職種ですが、資格を持っていれば知識とスキルを有する人材として就職や転職でも有利になりやすく働き方や職場の選択肢が広がります。
また、訪問介護事業所で働く訪問介護員(ホームヘルパー)を目指す方は、必須資格となります。
2.介護福祉士実務者研修
初任者研修に比べると介護経験者を対象にした資格となります。
初任者研修のワンランク上の資格として、「介護過程の展開」、「医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養)」などより実践に役立つ専門的知識や技術を身に着けます。
また、介護現場の即戦力として実践的な知識やスキルをもち、質の高い介護サービスを提供できる介護人材を目指します。
訪問介護事業所のサービス提供責任者の必須要件であり、また介護福祉士国家試験を受験する方も、実務経験3年とともに介護福祉士実務者研修は必須となります。
どちらも受講条件に制限はない!
「初任者研修を受講修了していないと実務者研修は受講できない」と思っている方は少なくありません。
しかし、初任者研修と実務者研修は、それぞれ学歴や年齢、資格の有無などの制限がないので、
そればかりか、初任者研修と実務者研修のカリキュラムは、それぞれ受講科目のうち9科目が共通していますので、
【共通する9科目】
・人間の尊厳と自立
・社会の理解Ⅰ
・介護の基本Ⅰ
・生活支援技術Ⅰ
・生活支援技術Ⅱ
・認知症の理解Ⅰ
・障害の理解Ⅰ
・こころとからだのしくみⅠ
・介護課程Ⅰ
初任者研修を受けずに実務者研修は受けてもいいの?
先述したように初任者研修と実務者研修は、それぞれ受講条件はありません。
そのため「初任者研修→実務者研修」というステップを踏まなくてもOKということです。
どちらも取得することを考えると、受講時間や費用が負担になるため、未経験から実務者研修を受講される方もいます。
しかし、実務者研修は介護福祉士国家試験の受験資格になっているので未経験・初心者の方よりもある程度実務経験がある方を対象にした内容になっています。
そのため、介護に初めて触れる方にとっては難しいと感じるかもしれません。
初任者研修と実務者研修、どっちがおすすめ?
先述の通り、どちらも条件なく受講できますが、それぞれ資格の特徴や目的が異なります。
スムーズに資格を取得し介護職を目指すなら、自身の目的に合った研修を受講しなければいけません。
では、受講の目的に合わせて初任者研修と実務者研修のどちらを取得したほうがいいかみていきましょう。
初任者研修がおすすめの人
介護未経験・初心者の人
介護の仕事を始めてされる方、介護の知識やスキルがない方は初任者研修がおすすめです。
知識ゼロの状態から介護の仕事や現場事情などを理解し、段階的に介護技術や知識を身に着けていきます。
介護業界のことを知らない方は、介護職員初任者研修を受講し介護の世界に触れることで、自分なりの介護観を養うことができるでしょう。
また、未経験・初心者でも実務者研修を受講することはできますが、基礎的な知識がないため介護用語ひとつをとっても理解が難しい可能性があります。
「やっぱり難しい」「分からない」と、挫折してしまうのはもったいないので、介護未経験・初心者の人は初任者研修からがおすすめです。
早く介護の資格を取得したい人・早く働きたい人
とにかく早く介護職を目指したい!という方は初任者研修がおすすめです。
初任者研修は実務者研修と比べて130時間と受講時間が短く、最短1カ月で取得することも可能です。
一方、実務者研修は450時間の受講時間と6カ月~1年の研修が必要となりますので、はじめて介護の勉強をする方にとって高いハードルとなります
資格取得の費用負担を抑えたい人
地域やスクールによって異なりますが、初任者研修と実務者研修では費用の違いも大きいです。
一般的なスクールでの受講費用は以下の通りです。
初任者研修→約3万円~9万円
実務者研修(無資格)→約11万円~17万円
実務者研修(初任者研修取得者)→約9万円~11万円
上記の通り、初任者研修を修了していない無資格の方は、実務者研修の費用が高くなりますので負担が大きくなってしまいます。
そのため、以下のような方は要注意です。
・介護の仕事に興味はあるけど向いているか分からない方
・介護の勉強はしたいけれど介護職になるか決まっていない方
・基礎的なことを学んでからその後のキャリアプランを考えたい方
このような方は、まずは比較的安くて気軽に学びやすい初任者研修から受講する方が良いでしょう。
はじめから実務者研修を受講してしまうと、万が一介護の仕事に活かせなかった際、「せっかく高い費用をかけて実務者研修を受講したのに、もったいなかった…」なんてことになりかねません。
POINT
初任者研修取得者は実務者研修の受講費用が安くなる学校もあります。実務者研修の受講をご検討の方は、ぜひ割引制度についても調べるようにしましょう。
カイゴジョブアカデミーでは、初任者研修を取得された卒業生には実務者研修の受講費用が割引になる「卒業生割引」があります。
どちらも取得を考えている方は、ぜひ制度をうまく活用しお得に資格取得を目指しましょう。
介護職員初任者研修(旧:ヘルパー2級)を詳しくみる
介護福祉士実務者研修を詳しくみる
実務者研修がおすすめの人
介護福祉士を目指している人
介護福祉士の資格取得を目指している方は、受験要件のひとつになりますので実務者研修の取得がおすすめです。
段階を踏んで2つの研修を受講することを考えると、実務者研修だけなら受講時間や費用の負担が少なくなります。
目的が明確なら実務者研修1本に集中するのもひとつの方法です。
また、無資格でも実務経験がある方は介護福祉士受験の最短ルートになりますので、介護職員初任者研修を受講せずに実務者研修を受講するのがおすすめです。
サービス提供責任者として働きたい人
サービス提供責任者とは?
サービス提供責任者とは、利用者の居宅をホームヘルパーが訪問して介護サービスを提供する『訪問介護事業所』で働く職種です。
利用者や担当のケアマネジャーとホームヘルパーをつなぐ窓口となり、サービスの調整やホームヘルパーの育成などの業務を行うため、訪問介護事業所の中間管理職のポジションとなっています。
訪問介護事業所のサービス提供責任者、通称「サ責」になれる資格要件は、以下の通りです。
・介護福祉士
・実務者研修修了者
・(旧課程)ホームヘルパー1級課程修了者
サービス提供責任者の仕事は、訪問介護サービスの利用者が質の高い介護サービスを受けられるようにケアマネジャーとの連携やヘルパーとの調整、訪問介護計画書を作成します。
事業所によっては、未経験で実務者研修を受講された方でもサ責として働けます。
しかし、一般的には十分な介護の知識やスキルはまだありませんので、すぐにサ責として活躍することは難しいかもしれません。
とはいえ、「将来サ責になりたい!」とゴールが明確であれば、時間や費用を節約できるので、初任者研修を受けずに実務者研修を受けても問題ありません。
その場合、実務者研修取得後に実務経験を積むことで、サ責を目指すことになるでしょう。
手間をかけたくない人
初任者研修を受講して実務者研修を受講する、という段階を踏むと2資格分の受講費用と時間の負担がかかります。
また、働いている方にとっては日程調整やスクール探し、手続きなど手間になる可能性がでてくるでしょう。
これらの手間や負担をかけずスムーズに上位資格を取得したい方には、実務者研修がおすすめです。
【筆者体験談】実際はどっちから受講する人が多い?
どちらから受講してもいい、といっても実際はどうなんだろう?と悩む方も多いかと思います。
実際、筆者の職場で未経験・無資格から介護の仕事に就いたスタッフは、初任者研修から取得した方ばかりでした。
初任者研修を受けずに実務者研修を受講できることを知らない方もいましたが、多くのスタッフは“まずは介護を知ろう”というきっかけからでした。
「介護についてゼロから学びたい」、「介護の仕事で長く働けるか分からない」、「自分に合っているか分からない」といった理由です。
未経験・無資格で介護職になったスタッフ達は、初任者研修を受講し知識とスキルを身に着けながら、介護の世界に慣れることを目標にしていました。
そして介護の仕事をする中で、これから頑張ろうと介護福祉士を目指す際に実務者研修を受講する、という傾向がありました。
初任者研修を受講し実務経験を重ね、実践的な介護の知識やスキルを身に着けてから実務者研修を受講されたスタッフはこんなことを話していました。
「全く介護を知らない中で、基礎的な介護の勉強だから初任者研修を受講できたと思う」
「実務で経験したので実務者研修の受講内容が理解しやすかった」
「医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養)を学びたいという気持ちが強かった」
「介護福祉士国家試験合格を目指していたから実務者研修を頑張れた」
以上のことから分かるように、はじめて介護の世界に飛び込んだ場合、仕事をしていく中で目標やキャリアプランを描きながら初任者研修→実務者研修とステップアップされている方が多かったです。
まとめ
初任者研修と実務者研修、どちらを取得したほうがいいかを目的別に紹介させていただきました。
どちらから受講しなければいけないというルールはないので、初任者研修を受けずにいきなり実務者研修を受けても問題ありません。
初任者研修→実務者研修の流れが一般的なのは、
・実務者研修は科目や受講時間が多く費用もかかるので初心者にはハードルが高いこと
・初任者研修修了者は実務者研修受講時に科目免除があること
・スクールによって実務者研修受講時に割引制度があること
などの理由から、初任者研修から取得される方が多いのです。
お伝えしたように、介護未経験・初心者の方でも早くに実践的な知識やスキルを身に着けたい方は実務者研修を。
介護の世界が自分に合っているか見極めたい方や、基礎から学びたい方は初任者研修を受講するのがおすすめです。
どちらにすべきかお悩みの方は、費用や介護のお仕事についてのご相談も受け付けておりますので、お気軽にカイゴジョブアカデミーまでお問合せください。
皆様からのお問い合わせをスタッフ一同心よりお待ちしております。
初任者研修を受講できる校舎
この記事の著者

大阪府出身 現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」
「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、
介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、
介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、
実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
【所持資格】
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・介護福祉士
・社会福祉士
・メンタル心理カウンセラー
など