介護福祉士実務者研修(ホームヘルパー1級)とは?費用や初任者研修との違いを解説

実務者研修は、介護福祉士国家試験の受験に必須となる実践的な介護資格です。
この記事では、介護業界でのキャリアアップを目指す方や、介護福祉士の受験を検討している方に向けて、資格の概要から取得のメリット、受講に関する具体的な疑問までを詳しく解説しています。
介護福祉士を目指すなら必須?実務者研修とはどんな資格?
実務者研修とは、質の高い介護サービスを提供するための実践的な知識と技術を学ぶ資格です。
無資格・未経験からでも受講が可能でありながら、介護業界でのステップアップに欠かせない重要な位置づけとなっています。
なぜ重要かというと、国家資格である「介護福祉士」を受験するための必須要件になっているからです。
現場で働きながら介護福祉士を目指す場合、3年以上(かつ従事日数540日以上)の実務経験に加えて、この実務者研修の修了が義務付けられています。
※実務経験ルートの場合。
出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験の受験資格
介護職員初任者研修や旧ホームヘルパー1級との違い
介護の資格にはいくつか種類がありますが、実務者研修は「初任者研修」や「旧ホームヘルパー1級」と何が違うのでしょうか。
結論からお伝えすると、学ぶ内容の深さと、医療的ケア(喀痰吸引など)の有無が大きな違いです。
それぞれの資格の特徴や違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | 実務者研修 | 介護職員初任者研修 | 旧ホームヘルパー1級 |
|---|---|---|---|
| 受講時間数 (無資格の場合) |
450時間 | 130時間 | 230時間 (現在は廃止) |
| 医療的ケアの習得 | ○ | × | × |
| 修了試験 | 必須ではない (スクールにより実施する場合あり) |
あり (筆記試験) |
なし |
| サービス提供責任者になれるか (資格要件を満たすか) |
○ | × | ○ |
初任者研修との違いについてより詳しく知りたい方は、初任者研修を受けずに実務者研修を受けるのはあり?違いやメリットは?の記事も合わせてご覧ください。
実務者研修を取得するメリットは?
「受講時間が長くて大変そう…」と感じるかもしれませんが、実務者研修を取得することで、キャリアアップの道が大きく開け、業務の幅が広がり、結果的に給与アップにも直結するという最大のメリットがあります。
介護福祉士国家試験の受験資格が得られる
先述の通り、実務経験ルートで介護福祉士を受験するには、「実務経験3年以上」に加えて「実務者研修の修了」が必須要件となります。
将来的に介護のスペシャリストとして国家資格の取得を目指すのであれば、避けては通れない大切なステップです。
サービス提供責任者(サ責)の資格要件を満たす
実務者研修を修了すると、訪問介護事業所で配置が義務付けられている「サービス提供責任者(サ責)」の任用要件を満たすことができます。
サ責とは、ケアマネジャー(介護支援専門員)やヘルパーとの連絡調整、訪問介護計画書の作成などを行うリーダー的な役職のことです。
役職に就くことで資格手当や役職手当がつくことも多く、収入アップが期待できます。
医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養)の基礎が学べる
実務者研修では、現場の実務経験だけでは学べない「医療的ケア」の基礎知識と技術を習得できます。
- 喀痰吸引(かくたんきゅういん):自力で痰を出すことが難しい方の代わりに、機械を使って痰や唾液を吸い出すこと
- 経管栄養(けいかんえいよう):口から食事をとれない方に対し、胃や腸に直接チューブで栄養を送ること
これらの医療的ケアの基礎を身につけている人材は、多様なニーズに応えられるため、介護現場で非常に重宝されます。
カイゴジョブアカデミーで実務者研修を取得し、現場で活躍されている方の事例をご紹介します。
- 人のためになる仕事を求めて活躍する事例
IT企業を早期退職後、「人のためになる仕事」を求めて介護業界へ。実務者研修を取得したことで確かな知識が身につき、現在は有料老人ホームでやりがいを持って活躍されている50代男性の事例があります。
50代男性の実務者研修卒業生インタビュー - セカンドキャリアとして実務者研修を取得した事例
30年間測量士としてキャリアを積んだ後、障がい者施設へ転職。「人生で一番難しいけれど、人の役に立てる仕事」に挑戦するため、年齢に負けず実務者研修を取得した60代男性の事例もあります。
60代男性の実務者研修卒業生インタビュー
実務者研修のカリキュラム内容と期間について
「無資格からだと450時間も勉強するの?」と驚かれるかもしれませんが、保有している資格によって受講時間や科目が大幅に免除される仕組みになっています。
保有資格によって研修時間はどのくらい異なる?
初任者研修やホームヘルパー2級などの資格をすでに保有している方は、130時間分が免除され、受講期間も大きく短縮されます。
| 保有している資格 | 必要な受講時間数 | 免除される時間数 | 受講期間 (目安) |
|---|---|---|---|
| 無資格 | 450時間 | 0時間 | 6ヵ月 |
| 介護職員初任者研修 修了 | 320時間 | 130時間 | 4ヵ月 |
| ホームヘルパー2級 | 320時間 | 130時間 | 4ヵ月 |
| ホームヘルパー1級 | 95時間 | 355時間 | 2ヵ月 |
| 介護職員基礎研修 | 50時間 | 400時間 | 2ヵ月 |
スクーリング(通学)と通信学習をどのように進める?
実務者研修の学習は、大きく分けて「通信学習」と「スクーリング(通学)」の2つを組み合わせて進めます。
幅広い基礎知識を学ぶ科目は、テキストやe-ラーニングを用いた自宅での「通信学習」でご自身のペースに合わせて進めることができます。
一方で、実践的な介護技術を学ぶ「介護過程Ⅲ」や、喀痰吸引などの「医療的ケア」については、スクーリング(通学)による演習で、プロの講師から直接指導を受けながらしっかりと身につけます。
実務者研修の費用相場と安く受講する方法は?
実務者研修の受講費用は、無資格の方でおおよそ10万円〜15万円程度が相場となっています。
決して安い金額ではありませんが、各種給付金制度やスクール独自のキャンペーンを上手に活用することで、大幅に費用を抑えて受講することが可能です。
受講費用は保有資格によってどう違う?
実務者研修の受講料は、皆さんが「現在保有している資格」によって大きく変動します。
すでに初任者研修などの資格を持っている場合は、学習科目が免除される分、受講料も安くなる仕組みです。
| 現在の保有資格 | 受講費用目安 (一般スクール) |
受講費用 (カイゴジョブアカデミー) |
|---|---|---|
| 無資格 | 約100,000円〜150,000円 | 110,000円 |
| 介護職員初任者研修 ホームヘルパー2級 |
約80,000円〜110,000円 | 80,000円~90,200円 |
| ホームヘルパー1級 | 約50,000円〜80,000円 | 64,900円~71,500円 |
| 介護職員基礎研修 | 約30,000円〜60,000円 | 33,000円 |
※費用はスクールや地域によって異なります。
詳しい費用相場や割引制度については、『介護福祉士実務者研修の費用は?割引や分割払いなど』の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
教育訓練給付制度などの補助金は利用できる?
受講費用を抑える代表的な方法として、国が設けている「一般教育訓練給付制度」があります。 これは、雇用保険の加入期間などの一定条件を満たす方が指定の講座を受講・修了した場合、支払った受講料の20%(上限10万円)がハローワークから支給されるという大変お得な制度です。
ご自身が給付金の対象になるかどうかは、お近くのハローワークで確認することができます。また、自治体によっては独自の補助金制度を設けている場合もありますので、あわせてチェックしてみましょう。
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「費用を抑えて資格を取ってキャリアアップしたい」という方には、カイゴジョブアカデミーの『介護職デビューキャンペーン』がおすすめです。
条件を満たせば、受講料の自己負担なしで受講できるため、受講費用を気にせず安心して学び始めたい方は、是非カイゴジョブアカデミーへお問い合わせください。
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*初任者研修 または 実務者研修
実務者研修は働きながらでも取得できる?難易度は?
「今の仕事を続けながら、長期間学校に通えるだろうか」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。結論からお伝えすると、通信学習と週1回程度の通学を組み合わせることで、働きながらでも十分に取得可能です。
働きながらでも無理なく通えますか?
幅広い知識は自宅でのe-ラーニング(パソコンやスマートフォンを使った学習)で進められるスクールもあるため、通勤中の電車内や、家事・育児の合間など、スキマ時間を有効活用して学習できます。
また、通学(スクーリング)が必要な実技演習も、土日コースや夜間コースを設けているスクールを選べば安心です。
仕事の急なシフト変更や体調不良で欠席してしまった場合でも、「無料振替制度」があるスクールなら、別の日程に無料で振り替えて受講することができます。
このようなサポート体制が整っているスクールを選べば、仕事との両立は難しくありません。
働きながら取得する方法の詳しい内容は、『実務者研修は働きながらでも取得できるのかを徹底解説!』にて解説しています。
修了試験は難しいですか?落ちることはありますか?
実務者研修の最後には、学んだ知識や技術を確認するための「修了試験(筆記・実技)」が実施されることがあります。
「試験」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、講義や演習に真面目に取り組み、テキストをしっかり復習していれば、決して難易度は高くありません。落とすための試験ではなく、「現場で安全に介護ができるか」を確認するためのものです。
万が一不合格になってしまっても、補講や再試験といったフォロー体制が整っているスクールがほとんどですので、過度に心配する必要はありません。実務者研修の難易度や試験について不安な方は、『介護福祉士実務者研修は難しい?難易度や試験の合格率をご紹介』の記事も合わせてご覧ください。
失敗しない実務者研修のスクール選びのポイントは?
実務者研修は、受講期間が数ヶ月にわたる長丁場です。受講料の安さだけで決めてしまうと、「通いにくくて挫折してしまった」ということになりかねません。
以下のポイントを総合的に判断して、自分に合ったスクールを選びましょう。
| 選び方のポイント | チェックするべき項目 |
|---|---|
| 通いやすさ | 自宅や職場から無理なく通える立地・アクセスか |
| スケジュールの柔軟性 | 土日・夜間コースの有無、急な欠席時の「無料振替制度」があるか |
| サポート体制 | 質問しやすい雰囲気か、就職・転職のサポートは充実しているか |
通いやすさやスケジュールの柔軟性で選ぶ
通学(スクーリング)は週1回とはいえ、数ヶ月間通い続けることになります。
自宅の最寄り駅や、職場の近くなど、生活圏内でアクセスしやすい立地にあるスクールを選びましょう。
また、働きながら通う方にとっては、急な欠席時でも無料で別日程に振り替えられるか(無料振替制度の有無)は、最後まで挫折せずに修了するための非常に重要なポイントです。
就職・転職サポートの内容で選ぶ
資格を取得した後の「働き先」まで見据えてスクールを選ぶことも大切です。
就職支援を行っているスクールであれば、資格取得の勉強と並行して、専任のキャリアアドバイザーが希望に合った求人を紹介してくれたり、面接対策を行ってくれたりします。
提携している介護施設・事業所が多いスクールほど、選択肢も広がります。
カイゴジョブアカデミーでは、実務者研修の取得から、希望に合った介護施設・事業所への就職まで、介護専門の専任担当者がフルサポートします。
まずはお気軽にお問い合わせください。
実務者研修についてよくある質問
読者の皆様から寄せられる、実務者研修に関するよくある疑問にお答えします。
- Q.
- 実務者研修は無資格・未経験でも受講できますか?
- A.
-
結論として、受講可能です。
初任者研修を持っていなくても、介護の基礎から段階的に学べるカリキュラムになっているため、未経験からでも無理なく実務者研修の取得を目指せます。
- Q.
- 実務者研修を取得すればすぐに介護福祉士になれますか?
- A.
-
結論として、すぐになれるわけではありません。
現場で働きながら介護福祉士(実務経験ルート)になるには、実務者研修の修了に加えて「3年以上かつ540日以上の実務経験」が必要であり、その上で年に1回実施される国家試験に合格する必要があります。
- Q.
- 実務者研修は通信学習のみで取得できますか?
- A.
-
結論として、通信学習のみでは取得できません。
知識を学ぶ科目は通信(自宅でのテキストやe-ラーニング学習)で進められますが、実践的な介護技術を学ぶ「介護過程Ⅲ」や「医療的ケア」の科目は、実際にスクールに通学(スクーリング)してプロの講師から直接演習を受ける必要があります。
- Q.
- ケアマネジャー(介護支援専門員)になるために実務者研修は必要ですか?
- A.
-
結論として、直接的な必須要件ではありません。
しかし、ケアマネジャーの受験要件である「法定資格(介護福祉士など)に基づく業務経験(原則5年以上)」を満たすために、まずは実務者研修を取得して介護福祉士の国家資格を目指すルートが一般的です。
まとめ
実務者研修は、介護業界で長く活躍し、キャリアアップを目指す方にとって非常にメリットの大きい重要な資格です。
【この記事の重要ポイント】- 実務者研修は、介護福祉士国家試験の受験(実務経験ルート)に必須となる実践的な資格である。
- 修了することで、訪問介護のリーダー的役割である「サービス提供責任者」の資格要件を満たせるなど、キャリアと給与のアップに直結する。
- 喀痰吸引や経管栄養といった「医療的ケア」の基礎が学べるため、現場で重宝される。
- 初任者研修などの保有資格があれば、学習時間や費用が大幅に免除される。
- 通信学習と通学(週1回程度)を組み合わせ、振替制度を利用すれば働きながらでも無理なく取得が可能である。
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