介護福祉士実務者研修(ホームヘルパー1級)とは?学習内容や受講の注意点など

介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)とは、介護職の入門的資格である介護職員初任者研修(以下、初任者研修)の上位資格です。すでに介護職として働いている方は耳にする機会も多いかもしれません。しかし、実務者研修が具体的にどのような資格で、取得することで何ができるようになるのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、実務者研修の概要や、初任者研修との違い、受講期間や費用相場、スクール選びのポイントなどを分かりやすく解説します。これから介護職として働こうと考えている方、介護職としてキャリアアップを考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)とは?
実務者研修は初任者研修の上位資格として位置づけられた資格で、かつての「ホームヘルパー1級」に相当します 。質の高い介護サービスを安定的に提供するために導入され、「喀痰吸引」や「経管栄養」といった医療的ケアを含め、介護職としてより専門的な知識や技術を学びます。
無資格・介護未経験でも取得できる
実務者研修の受講に制限はありません。介護未経験の方や、無資格の方でも受講して取得することが可能です。
介護福祉士、サービス提供責任者になるなら取得必須
実務者研修は、介護職唯一の国家資格「介護福祉士」を『実務経験ルート※』で受験する際の必須要件のひとつです。介護職としてのキャリアアップには欠かせません。
また実務者研修は、訪問介護事業所で配置が義務付けられている「サービス提供責任者(サ責)」の任用要件でもあります。実務者研修を取得していれば必ずサ責になれるというわけではありませんが、訪問介護でサ責を目指す方は取得必須の資格です。
※介護福祉士を受験するためにはいくつかのルートがあり、多くの方は「実務経験ルート」で受験します。詳しくは以下の記事も参考にしてください
介護職員初任者研修との違い
初任者研修と実務者研修の主な違いは以下の通りです。
| 比較項目 | 介護職員初任者研修 | 介護福祉士実務者研修 |
|---|---|---|
| 受講費用 | 比較的安価(3万~8万円程度) | 比較的高価(無資格時:10万~20万円程度) |
| 受講科目・時間 | 130時間(10科目) | 450時間(20科目) |
| 介護福祉士の受験資格 | ならない | なる(実務経験3年以上かつ540日以上と併せて必須) |
| サ責の任用要件 | ならない(暫定措置あり) | なる |
| 国家資格か | 公的資格 | 公的資格 |
介護福祉士実務者研修のカリキュラム
実務者研修は厚生労働省によってカリキュラムが定められています。科目数は全20科目(合計450時間)ですが、保有している資格によって免除される科目があります。以下に全科目をまとめました。保有資格ごとの免除科目も記載しています。参考にしてください。
| 科目 | 無資格 | 介護職員初任者研修 | 生活援助従事者研修 | 介護に関する入門的研修 | ホームヘルパー1級 | ホームヘルパー2級 | ホームヘルパー3級 | 介護職員基礎研修 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 人間の尊厳と自立 | 5時間 | 免除 | 免除 | 5時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
| 社会の理解Ⅰ | 5時間 | 免除 | 免除 | 5時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
| 社会の理解Ⅱ | 30時間 | 30時間 | 30時間 | 30時間 | 免除 | 30時間 | 30時間 | 免除 |
| 介護の基本Ⅰ | 10時間 | 免除 | 免除 | 10時間 | 免除 | 免除 | 10時間 | 免除 |
| 介護の基本Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 20時間 | 免除 |
| コミュニケーション技術 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 |
| 生活支援技術Ⅰ | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
| 生活支援技術Ⅱ | 30時間 | 免除 | 30時間 | 30時間 | 免除 | 免除 | 30時間 | 免除 |
| 発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 免除 | 10時間 | 10時間 | 免除 |
| 発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 |
| 認知症の理解Ⅰ | 10時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 | 10時間 | 10時間 | 免除 |
| 認知症の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 |
| 障害の理解Ⅰ | 10時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 | 10時間 | 10時間 | 免除 |
| 障害の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 |
| こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 20時間 | 免除 |
| こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | 60時間 | 60時間 | 60時間 | 免除 | 60時間 | 60時間 | 免除 |
| 介護過程Ⅰ | 20時間 | 免除 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 20時間 | 免除 |
| 介護過程Ⅱ | 25時間 | 25時間 | 25時間 | 25時間 | 免除 | 25時間 | 25時間 | 免除 |
| 介護過程Ⅲ | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 免除 |
| 医療的ケア | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 |
| 合計 | 450時間 | 320時間 | 410時間 | 430時間 | 95時間 | 320時間 | 420時間 | 50時間 |
| 受講期間の目安 | 6ヵ月以上 | 4ヵ月 | 6ヵ月 | 6ヵ月 | 2ヵ月 | 4ヵ月 | 6ヵ月 | 2ヵ月 |
各科目ごとの学習内容について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
介護福祉士実務者研修の受講期間
実務者研修の学習時間は厚生労働省によって450時間と定められています。取得までの期間は約6か月ですが、保有している資格によって免除される科目があり、受講期間は異なります 。以下に保有資格ごとにカリキュラムの履修時間と受講期間の目安をまとめました。
| 保有資格 | 履修時間 | 受講期間の目安 |
|---|---|---|
| 無資格 | 450時間 | 約6ヶ月 |
| 初任者研修・ヘルパー2級 | 320時間 | 約2~4ヶ月 |
| ヘルパー1級 | 95時間 | 約1~2ヶ月 |
| 介護職員基礎研修 | 50時間 | 約1ヶ月 |
介護福祉士実務者研修の受講費用
実務者研修の受講費用は無資格者の場合は10万〜20万円程度が相場と言われています。ただし保有資格によって免除される科目があるため、その分、受講費用も安くなります。カイゴジョブアカデミーの例をご紹介します。
| 保有資格 | 関東の 受講料金 |
関東以外の 受講料金 |
|---|---|---|
| (税込・テキスト代込) | ||
| 無資格 | 110,000円 | |
| ホームヘルパー2級 | 90,200円 | 80,000円 |
| 介護職員初任者研修 | ||
| 当校初任者研修卒業生 | 71,500円 | 64,900円 |
| ホームヘルパー1級 | 55,000円 | |
| 介護職員基礎研修 | 33,000円 | |
| 介護職デビュー キャンペーン |
受講料は当校が全額負担します | |
※ 金額には介護過程Ⅲと医療的ケアも含まれています。
このように保有資格によって受講料に差があるだけでなく、『介護職デビューキャンペーン』のようにスクールごとにおトクな割引制度が用意されている場合があります。実務者研修の受講を考えている方はスクールに問い合わせてみましょう。
介護福祉士実務者研修を受講する際の注意点
ここからは実務者研修を受講する際に注意するべき点を3つご紹介していきます。
一部のカリキュラムと費用が免除される資格を保有しているか
初任者研修など介護の資格を持っている場合、一部の科目が免除され、費用が抑えられます。まずは自分の保有資格を確認しましょう。
資格をお持ちでない方は、初任者研修を取得してから実務者研修を受講すると一部のカリキュラムと費用が免除されて、おトクに実務者研修が受講できます。
介護福祉士を目指す方は試験に間に合うか
介護福祉士の国家試験を受験するために実務者研修の受講を考えている方は、介護福祉士国家試験までに取得が間に合うかどうかも確認しましょう。介護福祉士国家試験は例年1月に実施されます 。実務者研修の修了には無資格者の場合は約6ヶ月、有資格者でも約1~4ヶ月と一定の期間を要するため、無資格者の場合は試験前年6月末~7月までに、有資格者でも余裕をもって8月末までに申し込んでおくと安心です 。 ※年度によって異なるため、詳細は試験センターでご確認ください。
受講料が安くなる制度が利用できるか
カイゴジョブアカデミーの初任者研修卒業生割引や『介護職デビューキャンペーン』のように、各スクールごとにおトクな割引制度やキャンペーンが用意されているケースがあります。ぜひ確認しましょう。
また、介護職員の増加・定着は政策として推進されているため、厚生労働省が実施する「教育訓練給付制度」や、各自治体が実施する「資格取得支援制度」が利用できる場合があります。カイゴジョブアカデミーの実務者研修は「教育訓練給付制度」対象講座です。気になる方は割引制度やキャンペーンと合わせて、お気軽にお問い合わせください。
介護職を目指す方は『介護職デビューキャンペーン』がおすすめ
これから介護業界で働きたいと考えている方、すでに介護職として働いていても転職を考えている方には、カイゴジョブアカデミーの『介護職デビューキャンペーン』がおすすめです。実務者研修の受講料とテキスト代を当社が全額負担するだけでなく、約1万件におよぶ求人からあなたの希望条件に添って求人を探し、無料で紹介する就業サポートつきです。ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください!
※キャンペーン適用には条件があります
カイゴジョブアカデミーの介護職デビューキャンペーンの詳細はこちらから>>
介護福祉士実務者研修スクールを選ぶポイント
実務者研修をスムーズに取得するために重要なのはスクール選びです。確認するべきポイントは以下の4つ。
- 通いやすい立地にある
- 費用に納得感がある
- 自分に合ったスケジュールのコースがある
- サポート体制が充実している
それぞれ詳しく見ていきましょう。
通いやすい立地にある
実務者研修のカリキュラムには、通学して受講しなくてはいけないスクーリング科目が必須で組み込まれています。無資格や初任者研修保有者の場合は 7〜10日間程度、ホームヘルパー1級保有者や介護職員基礎研修保有者でも約2~3日は通学必須のため、自宅や職場から無理なく通える立地のスクールを選びましょう。カイゴジョブアカデミーはすべての教室が主要駅徒歩圏内でアクセスの良い立地にあり「通いやすい」と評判です!
費用に納得感がある
実務者研修の一般的な受講費用相場は10万〜20万円程度と決して安くはありません。スクールによって割引制度やキャンペーンなどが実施されているので、ぜひ活用しましょう。ただし、単純に”受講費用の安さ”だけで選ばないように注意してください。通いやすい立地にあるかはもちろん、保有資格によって受講料金が安くなる免除制度があるか、振替受講などのサポート体制があるか、総合的にみて判断しましょう。
自分に合ったスケジュールのコースがある
実務者研修はスクールによって平日、土・日、夜間に通学(スクーリング)が設定されているなどさまざまなコースがあります。実務者研修はすべてのカリキュラムを受講しなければ取得できません。通学回数は限られているとはいえ、ライフスタイルに合わせて無理なく通えるコースを選ぶことも重要です。
サポート体制が充実している
実務者研修はすべてのカリキュラムを受講しなければ取得できない資格です。そのため、体調不良や急なシフト変更などでやむを得ず授業を欠席する際に、カイゴジョブアカデミーのように、同一都道府県内なら何度でも無料で振替受講ができるスクールをおすすめします。ほかにも、修了試験がある場合は再試験制度があるか、就職支援があるか、といったサポート体制も必ず確認しておきましょう。
カイゴジョブアカデミーの実務者研修はどのようなサポート体制があるのか、特徴などについて詳しく知りたい方はこちらもあわせて参考にしてください。
まとめ
実務者研修の概要や、初任者研修との違い、受講期間や費用相場、スクール選びのポイントなどをご紹介しました。実務者研修は介護福祉士の受験要件のひとつでもあり、介護職としてキャリアアップするためには欠かせない資格です。無資格や介護未経験者であっても受講は可能ですが、保有資格によってカリキュラムや受講期間、費用が免除されるのでご自身が資格を保有しているか必ず確認しましょう。無資格の方の場合、初任者研修から受講することで受講費用が安くなる卒業生割引などの制度を活用するとおトクに資格が取得できます。スクールを選ぶ際には教室の立地やサポート体制、ライフスタイルに合ったコースや費用が安くなる制度が適用されるか等のポイントを確認してください。カイゴジョブアカデミーでは、初任者研修卒業生を対象とした割引制度のほか、就職サポートとセットで利用することで受講料とテキスト代を当社が全額負担する『介護職デビューキャンペーン』を実施中。おトクに実務者研修を取得したい方はぜひお気軽にお問い合わせください!
介護福祉士実務者研修についてよくある質問
実務者研修は独学で取れる?
独学で取得することはできません。 実務者研修はすべてのカリキュラムを修了することで取得できる資格であり、通学必須のスクーリング科目「介護過程Ⅲ」や「医療的ケア」があるからです。
実務者研修は通信学習のみで取れる?
通信学習のみでは取得できません。カリキュラムには実技を学ぶ「スクーリング(通学)」への出席が必須と定められており、介護技術や医療的ケアの演習は対面での指導を受けることが必要だからです。
実務者研修の難易度は?
難易度は決して高くありません。実務者研修では修了試験は必ずしも実施を義務づけられたものではなく、修了試験のないスクールもありますが、多くのスクールが独自に修了試験を実施しています。実施の目的は「研修の内容がどこまで身についているのか」を確認するためであり、落とすための試験ではありません。すべての講義に出席し、課題(レポート)を期限内に提出して実技演習を真面目にこなせば、ほぼ確実に修了できる難易度です。
実務者研修の難易度について詳しくは以下の記事も参考にしてください。
実務者研修は働きながら取れる?
働きながらの取得は十分に可能です。もともと実務者研修は、実務経験を積みながらの受講を前提のひとつとして設定されており、多くのスクールが社会人向けの「週1回コース」や「土日コース」を開講しています。自宅学習はスマホ等のeラーニングで隙間時間に進められるため、月数回の通学(スクーリング)日を確保できれば、働きながら無理なく取得できるでしょう。
働きながら実務者研修の受講を考えている方は以下の記事もあわせて参考にしてください。
ヘルパー1級との違いは?
実務者研修は、2013年の制度改正でヘルパー1級が廃止されたと同時に新設された資格です。ヘルパー1級と実務者研修は同等の資格とみなされますが、実務者研修ではより高度で専門的な介護が提供できるように「喀痰吸引」や「経管栄養」といった医療的ケアがカリキュラムに加えられました。また、介護福祉士国家試験の受験要件のひとつとしても実務者研修の修了が必須となっています。 ヘルパー1級と実務者研修の違いを詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
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*初任者研修 または 実務者研修
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WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
編集部
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。