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介護とは?介助や看護との違い、三原則から仕事内容まで基礎知識を解説

更新日:
ご家族の介護をする様子

「介護って具体的にどんなことをするの?」 「家族の介護が必要になりそうだけど、何から始めればいい?」
介護という言葉は身近ですが、いざ自分が関わるとなると、分からないことばかりで不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、介護の定義や介助・看護との違い、介護保険の利用手順から実際の仕事内容まで、基礎知識を網羅して解説します。
これから家族の介護に直面する方はもちろん、未経験から介護職へのチャレンジを考えている方にもぴったりの内容です。
あなたの抱える不安や疑問を解消し、明るい未来へ向けて前向きな一歩を踏み出すための参考にしてくださいね。

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「介護」とは?

介護とは、加齢や病気、障害などにより日常生活を一人で送ることが困難になった方に対し、身体的・精神的なサポートを行い、「自立した生活」を支援することです。
単なる身の回りのお世話ではなく、本人が「その人らしく生きるための手助け」を意味しています。

高齢者に優しく微笑みかける介護職員

日本では高齢化が進んでおり、厚生労働省の報告によると、令和5年度末時点での要支援・要介護認定者数は、約708万人にのぼります。
今後も介護を必要とする人はさらに増えることが予想されており、介護は私たちの生活にとって非常に身近で、社会全体で支えていくべき重要なものとなっています。

出典:令和5年度 介護保険事業状況報告(年報)(厚生労働省)

介護が果たす本来の目的

介護の本来の目的は、単なる身の回りのお世話ではありません。
本人がこれまで大切にしてきた価値観や生活習慣を尊重し「その人らしく生きるための手助け(尊厳の保持と自立支援)」をすることにあります。

利用者ができない部分を補いながらも、できる部分は自身で行えるようにサポートすることが重要です。

「介護」と「介助」「看護」の違い

「介護」と似た言葉に「介助」や「看護」がありますが、それぞれ目的や役割が異なります。それぞれの違いを以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

項目 目的 主なサポート内容 担当する主な職種・資格
介護 自立した生活の支援と
QOL(生活の質)の向上
食事、入浴、排泄、掃除など
生活全般の継続的な支援
介護福祉士
実務者研修
初任者研修修了者 など
介助 特定の動作(食事や歩行など)の
局所的なサポート
車椅子への乗り移り(移乗介助)や、
食事を口に運ぶ動作のサポート
介護職員
家族など
(無資格でも日常範囲で行うことが多い)
看護 病気やケガの治療補助、
健康状態の管理・回復
バイタルチェック(血圧や体温の測定)、
点滴、服薬管理などの医療的ケア
看護師
准看護師
保健師 など

このように、介助は介護という大きな枠組みの中の一部分(特定の動作のサポート)であり、看護は医療的な視点からのケアであるという違いがあります。

介護で意識すべき「介護の三原則」とは?

介護において、利用者の尊厳を守り、適切なケアを提供するための基本理念として「介護の三原則」があります。
これから家族介護に関わる方や、プロの介護職を目指す方は、ぜひ心に留めておいてください。

1. 生活の継続性

利用者がこれまで送ってきた生活習慣やこだわりを尊重し、生活環境が変わっても「その人らしい生活」を続けられるように支援することです。

例えば、長年使ってきた馴染みの家具を施設に持ち込めるように配慮したり、本人の好みの味付けや生活リズムに合わせたりといった行動が挙げられます。

2. 自己決定の尊重

利用者が自分自身の生活について、どうしたいかを「自分で決める権利」を尊重することです。

今日着る服や食べるものを自分で選んでもらったり、どのようなサービスを利用したいか本人の意思をしっかりと確認したりすることが大切です。

3. 残存能力の活用

利用者が「今できること」を奪わず、持っている能力を最大限に引き出して活用することです。

例えば、着替えの際にボタンを留めることだけは本人にやってもらったり、安全を見守りながら自分で歩く機会を作ったりと、できる部分を応援します。

特に意識しておきたいポイント

介護をしていると、ついつい良かれと思って何でも手伝ってしまいがちになります。
しかし、何でも手伝うのではなく、利用者自身ができることをしっかりと見極めて、ぐっとこらえて見守る姿勢が大切です。

ご自身の力でできたという経験が、ご本人の生きがいや自信になり、素敵な笑顔を引き出すきっかけに繋がります。

介護保険サービスを利用するための流れ

利用開始までの5つのステップ

介護が必要になった際、費用の自己負担を抑えて専門的なサービスを利用できるのが介護保険制度です。介護保険サービスを利用するためには、一般的に以下の流れで手続きを進めます。

市区町村の窓口で、職員からパンフレットを見せてもらいながら安心した表情で説明を受けている家族の様子
  1. 市区町村への申請
    まずはお住まいの市区町村の介護保険担当窓口、または「地域包括支援センター(高齢者の生活を支える地域の総合相談窓口)」で要介護認定の申請を行います。
  2. 訪問調査・主治医意見書の作成
    認定調査員が自宅や病院を訪問し、ご本人の心身の状態について直接聞き取り調査を行います。同時に、市区町村からの依頼により、かかりつけ医が医学的な観点から「主治医意見書」を作成します。
  3. 審査・判定
    訪問調査の結果と主治医意見書をもとに、医療・保健・福祉の専門家による「介護認定審査会」が開かれ、介護がどの程度必要か(要介護度)を審査・判定します。
  4. 認定(要介護認定)
    申請から原則として約1ヶ月で、認定結果の通知書と介護保険被保険者証が届きます。結果は「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1〜5」のいずれかに区分されます。
  5. ケアプランの作成・サービス利用開始
    認定結果に基づき、ケアマネジャー(介護に関する専門知識を持ち、計画を作成する担当者)と相談しながら、どのようなサービスをどれくらい利用するかをまとめた計画書(ケアプラン)を作成します。このケアプランに沿って、実際の介護サービスの利用がスタートします。

出典:介護保険サービス利用までの流れ(厚生労働省)

在宅介護と施設介護の違い

介護サービスは、生活の拠点によって大きく「在宅介護」と「施設介護」の2つに分けられます。ご本人の心身の状態や、ご家族の生活状況に合わせて、無理のない最適な方法を選ぶことが大切です。

項目 在宅介護 施設介護
特徴 住み慣れた自宅で生活を続けながら、
訪問や通所などのサービスを利用する形態。
老人ホームなどの施設に入居し、
専門スタッフから24時間体制のケアを受ける形態。
メリット
  • 住み慣れた環境でリラックスして生活できる
  • 施設入居に比べて毎月の費用を抑えやすい
  • 家族と一緒に過ごす時間を確保しやすい
  • 24時間体制で専門家のケアを受けられるため安心
  • 家族の身体的・精神的な介護負担が大幅に軽減される
  • 他の入居者との交流があり孤立を防げる
デメリット
  • 家族の介護負担(身体的・精神的)が大きくなりやすい
  • 夜間など急な体調変化の際に、基本的には家族が対応する必要がある
  • 在宅介護に比べて毎月の費用が高額になりやすい
  • 集団生活のルールに合わせる必要があり、環境の変化にストレスを感じる場合がある
  • 希望する施設によっては入居待ち(待機期間)が発生する
代表的な
サービス・施設
  • 訪問介護 (ホームヘルパーが自宅を訪問)
  • デイサービス (日帰りで施設に通う通所介護)
  • ショートステイ (数日間の短期入所)
  • 特別養護老人ホーム (特養:要介護度が高い方向け)
  • 介護老人保健施設 (老健:在宅復帰を目指す方向け)
  • 有料老人ホーム (民間企業が運営)

介護の仕事にはどんな種類がある?

介護の現場では、利用者の状態や生活環境に合わせて様々なサポートが行われます。
大きく分けて「直接的な身体へのケア」「日常生活の代行」の2つに分類されます。

2つの主な業務「身体介護」と「生活援助」

  • 身体介護
    利用者の身体に直接触れて行う介助のことです。
    食事を口に運ぶサポート(食事介助)、お風呂に入る手伝いや身体を洗うサポート(入浴介助)、トイレへの誘導やおむつ交換(排泄介助)、ベッドから車椅子への乗り移り(移乗介助)などが含まれます。
  • 生活援助
    利用者の身体に直接触れずに行う、日常生活のサポート(代行)です。
    ご本人が一人で行うのが難しくなった掃除、洗濯、買い物、一般的な食事の調理などが該当します。

介護士の具体的な仕事内容や1日のスケジュールを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

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日常生活のサポートで料理の手伝いを行う様子

介護の仕事に関わる主な資格

介護の仕事は無資格・未経験からでもスタートすることが可能です。
しかし、資格がない場合は利用者の身体に直接触れる「身体介護」を行うことができず、生活援助や施設の清掃・見守りなどが主な業務となります。

そのため、介護職として業務の幅を広げ、キャリアアップしていくためには資格の取得が欠かせません。
まずは、介護の入門資格である「介護職員初任者研修」を取得するのが一般的です。
さらに専門性を高めたい場合は、国家資格である介護福祉士の受験資格にもなる「介護福祉士実務者研修」の取得を目指します。

初任者研修などの資格を持つことで、身体介護を含むすべての介護業務に携われるようになり、就職の選択肢も大きく広がります。

自分に合った介護資格を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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未経験から介護職で働くためのステップ

未経験から介護職を目指す場合、いきなり現場に飛び込むことに不安を感じる方も多いでしょう。安心して長く働き続けるためのステップを紹介します。

入門資格である「初任者研修」で基礎を学ぶ

最も確実で安心なステップは、まずは基礎知識と技術を体系的に学べる「初任者研修」を受講することです。介護の基本となる身体の動かし方や、利用者とのコミュニケーション方法を事前に学ぶことで、現場に出た際の不安を大きく軽減できます。

当校カイゴジョブアカデミーでも、飲食業から転身した方や、親の介護を機に事務職から転職した40代の方など、異業種・未経験から介護職のやりがいを見つけて活躍されている方が多数いらっしゃいます。

これまでの人生経験や他業種で培ったコミュニケーションスキルは、介護の現場で必ず活かすことができます。

未経験に強い就業サポートを活用する

資格取得と並行して、介護業界に特化した就業サポートを活用することも重要です。

カイゴジョブアカデミーの就業サポート満足度は96.7%と、多くの卒業生から高い評価をいただいております。専任の担当者が、一人ひとりの希望や適性に合わせた就職先をご提案するため、未経験の方でも安心です。

未経験から介護職にチャレンジするなら、まずは資格取得をおすすめします。カイゴジョブアカデミーでは、初任者研修や実務者研修が「費用負担なし」で受講できる介護職デビューキャンペーンを実施中です。

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介護の基礎知識についてよくある質問

Q.
介護の仕事は無資格でも始められますか?
A.

はい、無資格・未経験からでも始められる求人はあります。

ただし、利用者の身体に直接触れる「身体介護(入浴や排泄の介助など)」を行うには、初任者研修以上の資格が必要です。
無資格の場合は、施設の清掃や生活援助などが主な業務となります。

Q.
「介護」と「介助」という言葉はどう使い分けるのですか?
A.

「介助」は食事や歩行など、特定の動作に対する局所的な手助けを指します。

一方、「介護」は単なる手助けではなく、利用者の自立支援を見据えた生活全般に対する継続的な総合サポートを指す言葉として使い分けられます。

Q.
親の介護が必要になったかもしれない場合、まずはどこに相談すればよいですか?
A.

お住まいの市区町村にある「地域包括支援センター(高齢者の暮らしを支える総合相談窓口)」や、市区町村の介護保険担当窓口にまずはご相談ください。

専門家が現在の状況をヒアリングし、介護保険の申請手順や適切なサービスについてアドバイスをしてくれます。

まとめ

介護とは、単なる身の回りのお世話ではなく、支援が必要な方の尊厳を守り、自立した生活を総合的にサポートする専門的でやりがいのある行為です。「介護の三原則」などの基本理念は、家族の介護に直面した際はもちろん、プロの介護職を目指す上でも欠かせない重要な視点となります。

  • 介護は「自立した生活の支援」であり、介助は「動作のサポート」、看護は「医療的ケア」である
  • 介護の三原則(生活の継続性・自己決定の尊重・残存能力の活用)を意識することが大切
  • 介護保険サービスは「市区町村への申請」から始まり、要介護認定後に利用できる
  • 介護職の業務は「身体介護」と「生活援助」に分かれ、身体介護には資格が必要
  • 未経験から介護業界へ進むなら、入門資格である「初任者研修」の取得がおすすめ

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吉田あい写真
この記事の著者 吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
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