第38回 介護福祉士国家試験の対策
介護福祉士国家試験とは
介護福祉士国家試験とは、介護福祉士の資格を取得するための試験です。
介護福祉士は介護系の資格では唯一の国家資格であり※、社会福祉士や精神保健福祉士とあわせて「福祉三大国家資格」と呼ばれています。介護業界では介護福祉士資格を保持することが仕事内容や待遇面等で大きなアドバンテージとして働きます。介護業界で活躍したいという方にはぜひ目指していただきたい資格です。
※2025年現在
介護福祉士国家試験の出題範囲
介護福祉士国家試験の筆記試験は午前と午後の2部構成で実施されます。出題数は全125問。すべて五肢択一での出題です。
範囲は計13科目で、Aパート60問、Bパート45問、Cパート20問で構成されています。
参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験パート合格の導入の在り方について」
■各パートの科目(125問)
| パート | 科目構成 | 科目群の特徴 | 出題数 |
|---|---|---|---|
| Aパート |
|
介護職としての基盤と なる科目が中心。理念・制度 ・基本技術など“入口”的な 知識が問われる。 |
60問 |
| Bパート |
|
利用者の身体・心・障害・医療的 ケアに関する専門知識が 問われる。医学的・障害分野 寄り。 |
45問 |
| Cパート |
|
実践力・応用力が重視される。 利用者を想定した事例・判断・ 計画立案など“現場対応”の 力が問われる。 |
20問 |
介護福祉士国家試験の合格基準
介護福祉士国家試験の合格基準は以下の通りになっています。
●介護福祉士国家試験の合格基準
1.試験を3つのパート(A・B・C)に分割し、各パートごとに合否を判定。
2.各パートについて、
・そのパートの合計得点が基準点(全体の60%程度)を上回ること
・そのパートを構成する科目群すべてに得点があること(0点科目なし)
を満たした場合、そのパートを「合格」とする。
3.合格したパートは、翌年および翌々年(2年間)の受験で免除が可能。未合格パートのみ再受験することで、段階的な合格を目指せる。
出典:公益社団法人 日本介護福祉士会「介護福祉士国家試験 出題基準・合格基準」
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- 生活支援技術(排泄の介護)
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第38回(2026年)
介護福祉士国家試験の概要
第38回(2026年)介護福祉士国家試験の概要を紹介します。日程、会場などあらかじめ確認して試験日当日のスケジューリングに役立ててください。
日程
第38回介護福祉士国家試験の日程は以下の通りです。
- 筆記試験:令和8年(2026年)1月25日(日)
- 合格発表:令和8年(2026年)3月16日(月)14時
※受験申込は終了しています
インターネット経由で受験を申し込んだ場合は「公益社団法人 日本介護福祉士会」のホームページにある「マイページ」でも確認できます。
合格発表と同日に全受験者に結果通知が発送されます。受験申込時と通知の送付先住所が変更になる場合、日本介護福祉士会のホームページに記載されている変更届の提出期限内に届け出を出してください。
会場
介護福祉士国家試験では決まった試験会場はありません。開催年ごとに異なり、大学やイベント会場等で実施されます。具体的な場所については公表されず、受験申し込みの際に選んだ試験地に基づいて、受験票によって案内される形式です。
受験票が届いたら忘れずに確認して、当日の移動方法や出発時間等をあらかじめ決めておくことをお勧めします。
■試験地一覧
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
介護福祉士国家試験に
合格したら
介護福祉士国家試験に合格しても自動的に「介護福祉士」になれるわけではありません。合格者は資格の登録申請を行い、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが受理してはじめて介護福祉士の名称を用いることができます。 詳しくは合格通知と同時に郵送される『登録の手引(新規登録用)』に記載されていますので、ここでは簡単に紹介していきます。
資格登録の流れ
資格登録の流れは以下になります。
■資格登録の流れ- 必要書類に記入・貼付し公益財団法人社会福祉振興・試験センターへ郵送する
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センターが書類の審査・登録簿へ登録手続きを行う
- 郵送で登録証が交付される
書類に不備がなければ提出からおおむね1か月程度で登録証は発送されます。
必要な費用と用意する書類
申請に必要な費用と書類を紹介します。
■介護福祉士資格登録に必要な費用- 収入印紙:9,000円
- 登録手数料:3,320円
- 登録申請書…郵便局等で「収入印紙」9,000円分を購入し原本を貼付
- 貼付用紙…郵便局等で登録手数料3,320円を支払い「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本を貼付
- 本人確認ができる書類…次のうちのいずれか一通 ①戸籍の個人事項証明書の原本 ② 戸籍抄本の原本 ③「本籍を記載した」住民票の原本
上記書類のほか養成施設ルートの受験者は「介護福祉士養成施設等の卒業(修了)証明書」が必要になります。「実務者研修修了見込み」で受験した場合は実務者研修修了証明書の提出も必須です。外国籍の受験者は「戸籍証明書類」が上記とは異なります。いずれも『登録の手引き』に詳細が記載されているので、必ず確認してください。
介護福祉士国家試験に
合格するコツ
介護福祉士国家試験は昨年・一昨年とも合格率が80%以上と高く、一見すると難関試験には見えないかもしれません。しかし、法律や制度、社会問題などをふくめ出題範囲は幅広く、一切対策をせずに合格できるほど簡単でないことは事実です。
とはいっても、仕事や学業と並行しての受験勉強を負担に感じる人は多いはず。ここでは試験合格のコツを紹介していきます。
■過去問で出題傾向を知ること
介護福祉士国家試験では直近3~5年の問題と近い内容が出題される傾向にあります。過去問を解くことで、各科目・領域でどのような問題が問われるのかイメージがつかめます。科目に対するすべての知識を詰め込むよりも、出題傾向に合わせた学習が合格につながるコツのひとつです。
■出題文を読み誤らないこと
介護福祉士国家試験はすべて5肢択一方式で出題されます。「適したもの・適さないもの」「正しいもの・誤っているもの」を問う問題だけでなく、複数の適したものから「最も適切なもの」を選ぶ問題などもあります。事例問題も必ず出てきますので、どんな回答が求められているのか、出題文の意図を読み誤らないこともたいせつです。
■時間をはかっておくこと
過去問を解くときには必ず時間をはかりましょう。問題を解くのにどれくらいの時間を必要とするのか、試験時間内に回答できるのか確認が必要です。時間をはかることで得られるメリットはもうひとつ。苦手な領域・科目、得意な領域・科目が明確になります。得意な分野から着手し、苦手な分野にはじっくりと時間を割く、といった調整が可能になります。
編集部
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