飲食から介護へ!接客スキルが活かせる介護は私の天職
初任者研修から踏み出した一歩
「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は宮本綾(あや)さんです。「介護は私の天職」と笑顔で話す宮本さんの前職は、居酒屋チェーンを全国に展開する飲食業界の大手企業。新卒で入社し約10年、様々な部署を経験されてきました。そんな宮本さんが介護業界を選んだきっかけや、介護職に対する想いをお聞きしました。
2024年7月~9月 介護職員初任者研修(短期コース)/新宿校
2024年10月 有料老人ホームに転職
キャリアアップの未来が見えなかった前職
Q:まずはこれまでのお仕事について教えてください。

Q:店長から本社の人事・経理までご経験されたのですね。
宮本さん: はい。人事部では新入社員の入社後のサポートなどを担当していました。しかしコロナ禍で採用を見送るようになり、経理部に異動して主に店舗の清算を担当しました。インボイス制度が始まってからは、店舗側が操作しやすいアプリの検討から実際の導入まですべて担当しました。
Q:やりがいのあるお仕事をされていたんですね。なぜ転職を考えたのでしょうか?
宮本さん:
10年勤めている私でも、当時の経理部では一番年下でした。主任という役職はいただいていたものの、上のポジションが空かない限りはキャリアアップは見込めそうになかったので転職を考え始めたんです。
ちょうどその頃お休みをいただいて実家の熊本に帰省した際、膝を痛めて入院していた祖母のお見舞いに行きました。弱っている祖母を目の当たりにして「そういう歳なんだ」と実感したんですよね。祖父母には子どもの頃からとても可愛がってもらっていたので、私も何かできないかと考え、介護の資格を取ることを思いついたんです。
「祖母のために何かしたい」思い切って介護業界へ
Q:おばあ様のことがきっかけだったのですね。
宮本さん: そうですね。看護師をしていた母と叔母の手際のよさを目の当たりにしたことも大きかったです。祖母が「足が痛い」と言うとすぐにマッサージをしたり、リハビリの知識も豊富で的確に対応しているのを見て、かっこいいなと思いました。一方の私は「何もできていない」と感じて。以前から資格として「介護職員初任者研修」があるのは知っていたので興味が湧きました。そして祖母のお見舞いに通ううちに、介護の仕事に対する想いも強くなっていきました。

Q:初任者研修について以前からご存じだったのですね。
宮本さん: はい、知っていました。母から「将来のために仕事しながらでも取れる資格を取りなさい」と勧められたことがありました。看護師の母は私にも看護師になってほしいという気持ちがあったようですが、「看護はどちらかというと理数系の分野になるよ」と言われてしまい、理数系がそこまで得意ではなかった私はあまり気が進まなかったんです。
Q:介護以外の業界への転職も視野に入れていたのでしょうか?
宮本さん: 飲食業時代に接客がすごく楽しかったことが頭の片隅にあり、接客業も良いかなと転職サイトでいろいろな求人を見ていました。事務職も体調面を気にせずできるし良いなと思いつつ、でも若いうちは身体を動かす仕事がしたいと思って、介護ならピッタリだと思ったんです。
楽しく学んだ初任者研修、講師の実体験に涙
Q:カイゴジョブアカデミーの初任者研修に通われるきっかけは何だったのでしょうか?
宮本さん:
通いやすさとか短期コースがあるかどうかなどで色々と比較してみて、最終的にカイゴジョブアカデミーを選んだのは就業サポートが決め手でした。最初、介護職として働く場所ってどこがあるんだろう?と思っていて、一人では良い職場を選ぶことはできなかったと思うので、サポートはありがたかったですね。
キャリアパートナーさんと電話で話した時の対応も好印象でした。すごく親身になって話を聞いてくれて……。私の経歴をしっかり踏まえたうえで「良い転職先を探しましょう!」と、まだ受講も決めてない段階から長電話になるくらい寄り添ってもらえたのがすごいと思いました。
Q:実際に受講してみていかがでしたか?
宮本さん: めちゃくちゃ楽しかったです。今回インタビューを受けるにあたり、「みんなの介護転職ストーリー」をいくつか読ませていただきました。多くの方がおっしゃっているように私もクラスメートにすごく恵まれて、最初からみんなでLINE交換する流れになって、電車の遅延情報までシェアしていました。最後はみんなで飲みに行って、打ち上げをしたことも楽しい思い出です。

Q:印象に残った授業はありましたか?
宮本さん:
どの先生も介護現場の臨場感あるお話をしてくださいましたが、特に印象に残ったのは看取りの授業でのエピソードです。先生が当時担当していた方が亡くなられてエンゼルケアとしてお化粧をしたときのお話でした。
生前、その方が「私が死んだらこの赤い口紅を付けてほしい」と希望されて、普段はピンクの口紅ですがそれは赤い口紅だったそうです。なんでも旦那様が初めて買ってくださったもので、化粧ポーチの中にずっと大事にしまってあり、それをつけてお別れしたいと。エンゼルケアでいざ先生がその口紅を塗って差し上げようとしたとき、お話したときのことを思い出して、泣いちゃだめだけど耐えられなかったとおっしゃっていました。
話を聴きながらクラス中大号泣でした。介護の世界に入るうえで一緒に過ごした方との別れを避けるのは難しい。その覚悟をもってほしいというお話でしたが、いつも元気な先生が泣きながら話しているのがすごく印象的でしたね。
Q:宮本さんは先に研修を受けられてから転職されましたが、その点はいかがでしたか?
宮本さん: その順番で良かったと思っています。専門用語を事前に学べたこともそうですが、実際にお身体に触れて介護をする場面では、受講者同士で「どうされたら不快なのか」「どうしたらスムーズに動けるか」を確認し合っていたことが役立ちました。授業を受けていなかったら、上手くできなかったと思います。
日々誰かに必要とされる充実感!
Q:今の転職先を選ばれた理由は?
宮本さん: キャリアパートナーさんから私の希望に合った職場を2つほど紹介してもらい、施設見学などもさせていただきました。今の職場を選んだのは、学んだことを活かせそうだと思ったからです。要介護度が高い方が多く、看護師が24時間常駐し、リハビリの専門職など多職種の方々が働いています。学ぶことが多く経験も積めそうなので、今後の転職のしやすさを考えても今の職場かなと。看護師と話す機会が多く、経験も積める。それが決め手でした。
Q:実際に働かれてみて、お仕事はいかがですか?
宮本さん: 実際、全介助が必要な介護度が高い方が多いフロアに配属されたのですが、毎日看護師の方々と顔を合わせて報告をし合ったり、仕事を目にする機会があるのでとても勉強になります。習ったことをすべて活かせているので、毎日が充実していますね。

Q:介護職に転職されて、お給料面の変化はありましたか?
宮本さん: 前職では20時間くらい残業していて残業代が付いていましたが、今は残業がないのでその分手取りは減っているかも。実は、紹介された2か所のうちもう一方のほうが給料面は良く、前職と同じくらいだったんです。でも結局、総合的に考えて今の職場を選びました。
Q:転職されて、介護が天職と感じていらっしゃるとか。
宮本さん: そうなんです。利用者さんの生活の中に私がいて、求められていると感じています。私の担当フロアに103歳のお元気な方がいてなんでもご自分でできるのですが、お風呂だけは介助が必要なんです。これまで十数回、入浴介助に入らせていただいたのですが、そのたびに「今が一番幸せだわ~」と言ってくださって。私は入浴介助があまり得意ではなかったのですが、そう言っていただけるだけで本当に嬉しく思いますね。
できることが増えるのが楽しい!さらなるスキルアップを目指して
Q:周りの方に介護職をお勧めできますか?
宮本さん: 身体を動かすのが好きで、資格をとってどんどんスキルアップしたい!という人にはお勧めだと思います。看護の専門学校に通っていた妹も同じタイプなので、「一緒に働こう!」って話しています。
Q:今後の目標がありましたら教えてください!
宮本さん: 同期入社に看護師の方が多くいるのですが、私たちにはできない部分もあり、かっこいいなと感じています。興味を持つととことん追求したくなるタイプなので、将来的に看護師にもトライしたいなと思ったりもしています。
インタビューを終えて
努力してもなかなかキャリアアップできない現状に不安を抱いていた宮本さん。おばあさまの入院をきっかけに介護業界への道が拓け、持ち前の「興味のあることをとことん追求する」性格が現在の仕事とマッチしたようです。宮本さんのように誰かの役に立つやりがい、充実感を得たい方は、ぜひこの仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
構成、執筆:酒井佳代[年友企画編集部]
「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
宮本さん: 大学新卒で飲食チェーンを展開する企業に入社し、現場から事務仕事まで幅広く経験しました。店長としては4店舗経験し、本社に異動して人事部を4年、経理部で3年務めました。約10年勤めて、10年の節目で介護業界に転職しました。