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グループホームとは?資格・仕事内容・やりがい・給料などを徹底解説!

更新日:

グループホームは、認知症の高齢者を対象とした介護施設のひとつです。グループホームの仕事を検討されている方は、実際に自分が働けるかどうか気になりますよね。
そこで今回は、グループホームの特徴から必要とされる資格や仕事内容、働き方、お給料、グループホームで働くメリットなどについて解説します。グループホームの仕事に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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グループホームとは?

グループホームは、日常生活の世話や生活リハビリ、心身機能の維持向上などの介護保険サービスを提供する介護施設で、「認知症対応型共同生活介護」といわれています。
認知症の方が、スタッフのサポートのもと1ユニット(※)5~9人の少人数で共同生活を送りながら自立した日常生活を営みます。

※ユニットとは

複数の居室(個室)と居間、食堂、台所、トイレ、浴室などで構成され、家庭の住居をイメージできるような生活空間です。

グループホームの主な役割は、認知症や介護が必要な状態になっても残された能力を生かし、できるだけ自立した生活ができるようにサポートすることです。
また、グループホームは地域における認知症ケアの拠点として、地域交流も大切な役割のひとつです。

参照元 厚生労働省:認知症対応型共同生活介護の概要 厚生労働省:認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)

グループホームの特徴って?

グループホームの特徴のひとつは、家庭的な環境で過ごし「馴染みの関係」を作ることです。
馴染みの関係を作ることで、認知症の進行を緩やかにし、心身の状態を穏やかに維持する効果が期待できます。
他の入居者様や介護職とともに、自身の能力に応じて食事の準備や掃除、洗濯などを行います。

グループホームを利用できる方は以下のとおりです。

  1. 要支援2、要介護1~5の認定を受けた方
  2. 認知症の診断を受けた方
  3. グループホーム事業者と同じ市町村に住んでいる方

グループホームでの仕事内容は?

グループホームの主な仕事内容を8つご紹介します。

  • 食事介助:おいしく食事が摂れるようにサポート
  • 入浴介助::安全な入浴介助
  • 排泄介助:排泄の際の見守りや介助
  • 着替えの介助:衣類の着脱をサポート
  • 生活サポート:日常生活の家事をサポート
  • メンタルケア:心理的なケア
  • 生活リハビリ:身体機能や認知機能の維持向上のためのリハビリ
  • レクリエーション:楽しみや娯楽の提供、リフレッシュや社会的交流の促進

それではグループホームでの仕事内容について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

食事介助

認知症や疾患によって自身で食事を摂ることが難しくなっている入居者様へ、食事の介助を行います。
入居者様の中には脳梗塞や脳出血によって脳血管性認知症になった方もいます。後遺症として手足の麻痺だけでなく、咽頭(いんとう :のどの一部。食物や液体が喉から胃に向かって通る部分)に麻痺がある方もいらっしゃいます。
咽頭に麻痺が残ると、嚥下障害(えんげしょうがい:食べ物や飲み物を正しく嚥下することが困難な状態)を伴い、誤嚥(ごえん:食物や飲み物が間違って気道に入ってしまうこと)を起こしやすくなります。
入居者様の嚥下(えんげ)状態(食べ物や飲み物を口から飲み込む際の状態)に合わせて、普通食から一口大食、きざみ食、ミキサー食などの食事形態を変え、安全でおいしい食事を提供します。

また、食事の準備や片付けなどは入居者様と介護士が協力して行います。
グループホームによっては、調理スタッフが担当することもあれば、食材の買い出しや献立作成を入居者様が行い、共に調理するところなど様々です。

入浴介助

グループホームの入居者様は要支援2~要介護5までと幅広いですが、身体介護の割合は少なめです。
そのため入浴介助では、入浴の見守りや歩行を支え、ご自身で届かない部分を洗うといったサポートがメインになります。
中には身体に麻痺のある入居者様もいらっしゃるので、入居者様の身体状況に応じた入浴方法(個浴、一般浴、機械浴、リフト浴、ストレッチャー浴など)で、安全に入浴できるようにサポートを行います。

排泄介助

グループホームの入居者様は、「トイレの場所がわからない」「トイレ内での動作がわからない」といった方が多くいらっしゃいます。
そのためトイレまでの歩行や動作の見守りを行うとともに、ズボンの上げ下ろし、おむつやパットの装着など一部介助も行います。
ベッド上でのおむつ交換が必要な入居者様の場合は、おむつやパットの準備、陰部の洗浄、パットやおむつの装着などを行います。

着替えの介助

着脱介助は、衣服の着脱が困難な利用者の着替えをサポートし、起床時や就寝時、入浴時、衣類汚染時など頻度が高い仕事です。
入居者様の中には、夏にウールの衣類やダウンコート、冬に半袖を着用される方など、認知症によって季節に合わせた衣類を選ぶことが難しい方も多くいます。
介護士は、季節や天候に合わせたものを選ぶことができるよう声かけを行います。

生活サポート

グループホームでは、洗濯や掃除、買物などの日常的な家事全般を基本的に入居者様と介護士が協力して行います。
筆者が働くグループホームに若い男性のスタッフが働いていますが、洗濯物の畳み方や干し方が分からず、入居者様に教えてもらうということもあります。
実際に筆者が働くグループホームでは、長年主婦をされてきた入居者様も多く、介護士よりも慣れた手つきで家事をこなされています。
歩行や動作の安全面に配慮しながら、入居者様の能力を最大限に生かしながらサポートすることが大切です。

メンタルケア

介護士は、入居者様の表情や仕草、言葉遣いなどから、その方が何を求めているかを察知し、必要に応じて話を聞いたり、悩みを解消したりするサポートをします。筆者が働くグループホームに若年性認知症の女性S様(60歳)が入居されてきたエピソードをご紹介します。

女性S様のエピソード

55歳で認知症を発症されたのですが、「これまでできていたことができなくなる」という不安を抱えながら入居となりました。入居時、S様が書いた日記帳を家族様に見せていただきました。
中には、「怖い」「自分がおかしくなる」「これからどうしたらいい」と不安や恐怖が綴られ、ページが進むごとに文字が歪み、最終的には文字が書けなくなっていました。

入居されてからも認知症の症状が薄れる瞬間があり、ふとしたときに認知症への恐怖を思い出すことがあります。日々進行していく認知症と向き合い生活をする入居者様に対して、不安や恐怖に寄り添いながら安心感のあるケアを提供することが大切です。

生活リハビリ

生活リハビリは、入居者様の状態やニーズに合わせて、日常生活の動作を訓練し、自立した生活を送るためのサポートを行います。
例えば、「足を上げてあるきましょう」との声かけや、座っている際の足の上下運動、ラジオ体操などです。
また、声かけや介助を適切なタイミングで行い、身体機能や日常生活動作の維持・向上、認知症予防を目指します。

レクリエーション

グループホームにおけるレクリエーションは、入居者様の生活の質を向上させ、運動不足の解消や気分転換、認知症の進行を緩やかにさせることを目的に行います。
レクリエーションには、個人的な趣味や利用者全員が楽しめるアクティビティなど、様々な種類があります。
認知症になると季節が分からなくなってしまう方も多いため、季節に合わせたレクリエーションや制作を行います。
例えば筆者が働くグループホームでは5月には、兜を作ったりこいのぼりの壁画を作ったりと、季節を感じられるレクリエーションを提供しています。
また、グループホームは地域交流もさかんなので、近隣の保育園や幼稚園、小学校、地域の方との交流イベントや地域の祭りへの参加なども行っています。

看取り支援(ターミナルケア)

グループホームでは、看取り支援に対応しているところもあります。多職種(※)が入居者様と家族様を支え、終の棲家として最期を迎える場所としての役割ももっています。

※多職種とは

医師をはじめ、看護師や歯科衛生士、ケアマネジャー、介護士など様々な職種を指します。このような多職種が連携して、看取り支援(ターミナルケア)を行っています。

入居者様が余命を告げられた際、介護士は入居者様や家族様と十分なコミュニケーションをとり、入居者様の状態や希望を確認します。そして、入居者様が最期まで自分らしい生き方ができるよう、リビングなどの共有スペースや居室での過ごし方に配慮し、生活面でも苦痛がないよう、食事や排泄の介助など、きめ細かなケアを心がけます。
また、入居者様とじっくり話をしたり、入居者様が楽しめる音楽を流したりすることで、安心して過ごせるよう、心のケアも行います。

筆者が働くグループホームでは、住み慣れた地域で、馴染みの人達に囲まれながら旅立ちたいという方が多く、個々のニーズに合った看取り支援を重視しています。
入居者A様が看取り期になったときのエピソードをご紹介します。

入居者A様のエピソード

「明るい雰囲気で友達(他の入居者様様たち)の近くで過ごしたい」と希望がありました。家族様と話し合った結果、居室は一人になるため、リビングにパーテーションとベッドを設置し、昼夜リビングで過ごしていただくことになりました。体調が優れず会話も困難な状態でしたが、リビングで歌が流れると口ずさんだり、入居者様同士の会話を聞いて笑われたり。最期は、リビングに移動したベッドで昼寝をしているかのように旅立たれました。
他の入居者様も「またね」「ありがとう」と声をかけられ、温かく和やかな雰囲気だったのが印象的でした。

グループホームでの働き方は?

グループホームで働く介護士は、基本的に早出・日勤・遅出・夜勤のシフト制で働きます。
入浴・排泄・食事・移動、移乗・レクリエーションなどの業務はシフトやその日のスケジュールによって役割が分担されます。
常勤職員だけでなく非常勤パートの雇用も多いので、短時間勤務や曜日固定勤務も可能です。

グループホームでの1日の流れって?

グループホームでの1日の流れは、施設や勤務時間、利用者の状況によって異なることがあります。
ここでは、一例をご紹介します。

グループホームで働く介護士の1日の流れ

グループホームで役立つ資格について

ここでは、グループホームで役立つ資格「介護職員初任者研修」、「介護福祉士実務者研修」、「介護福祉士」について説明します。

1.介護職員初任者研修 (旧ヘルパー2級)

「介護職員初任者研修」は、旧ホームヘルパー2級が改称された、介護職の入門資格として目指す研修です。
介護士として働くために必要な知識や技術を身につけるためのもので、学歴や年齢、資格の有無などの制限がなく、介護職が未経験・無資格の方でも学びやすいカリキュラムが組まれています。
グループホームで必要な認知症ケアの基礎的な知識やスキルも、学ぶことができます。

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資格の取得方法

厚生労働省または都道府県知事が指定した養成校で、厚生労働省が定めたカリキュラムを修了し、修了試験に合格することで介護職員初任者研修の資格を取得できます。学歴や年齢などの制限や、受講するために必要な資格はなく、知識ゼロから介護職のキャリアパスを歩むことができます。

厚生労働省が定めた介護職員初任者研修の研修科目及び研修時間は、介護職員初任者研修が130時間です。
カリキュラムは全国共通ですが、各スクールによって内容や修了試験の内容は異なる場合があります。

また、スクールによって様々なコースが設定されており、カイゴジョブアカデミーでは自宅学習とスクーリングの2本柱で資格取得を目指します。
テキストをもとに自宅で通信課題に取り組み、基礎知識を身につけていきます。
次に15日間のスクーリング(通学)が始まり、介護の基礎知識や実技演習で実践的な介護技術を学びます。
最終日には学んだことを確認する修了試験が行われ、合格者には修了証が発行されます。不合格の場合は無料で何度でも再チャレンジできます。
修了試験は、これまでの受講内容を確認するための試験ですので、難易度はさほど高くありません。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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介護職員初任者研修は最短で何日で取れる?

資格の取得費用

一般的な初任者研修の費用の相場とカイゴジョブアカデミーの費用をご紹介します。

初任者研修の費用の相場 5~10万円
カイゴジョブアカデミーの費用 東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知

42,900円 (税込・テキスト代込)

大阪・兵庫・福岡

31,900円 (税込・テキスト代込)

また、求職中の方を対象に介護職員初任者研修の受講料とテキスト代を当校が実費負担し、就職支援も無料でサポートする特待生キャンペーンを実施しています。介護のお仕事をご検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。

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2.介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)

「介護職員初任者研修」は、旧ホームヘルパー1級が改称された資格で、認知症ケアや介護過程の展開、医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養など)も含め、介護現場の即戦力として実践的な知識やスキルを身につけます 。
介護職員基礎研修と比べると、より実践的な認知症ケアを学ぶことができるでしょう。
受講するために必要な資格はなく、未経験の方や介護職員初任者研修を受講していない無資格の方でも受講できます。
また、2017年より介護福祉士国家試験の受験資格には、介護福祉士実務者研修の受講修了が義務付けられているため、介護福祉士を目指す方には必須の資格です。

介護福祉士実務者研修の詳細はこちらから>>

資格の取得方法

厚生労働省または都道府県知事が指定した養成校で、厚生労働省が定めたカリキュラムを履修することで 資格を取得できます。
厚生労働省が定めた研修科目及び研修時間は、無資格者の場合、養成校で450時間の受講時間で、6カ月?1年の研修を含むカリキュラムを受講します。
基本的に学習内容やカリキュラムはどこのスクールで学んでも同じですが、実務者研修の受講時間や講座内容は都道府県の規定によって異なり、スクールによって様々なコースや通学日数が設定され、保有する資格でも受講時間が異なります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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実務者研修って、何日通学が必要なの?

資格の取得費用

一般的に実務者研修にかかる費用は、スクールや保有資格によって異なります。

無資格 初任者研修取得者
10万円~15万円 8万円~15万円

カイゴジョブアカデミーの受講費用は以下のとおりです。

初任者研修修了者 90,200円(税込・テキスト代込)
ヘルパー2級修了者
無資格者 110,000円(税込・テキスト代込)

初任者研修と同様に、求職中の方を対象に実務者研修の受講料とテキスト代を当校が実費負担し、就職支援も無料でサポートする特待生キャンペーンを実施しています。
介護のお仕事をご検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。

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3.介護福祉士

介護福祉士は、介護職員のスキルアップ資格であり、キャリアパス上位の国家資格です。介護のエキスパートとして、リーダーや管理者として活躍できます。
介護施設や訪問・通所介護事業所、医療施設など様々な場所で活躍し、介護現場での介助だけでなく、介護職員の指導や利用者へのサポートなど仕事の幅も広がります。
また、グループホームのユニットリーダーを目指すこともできるでしょう。

資格の取得方法

介護福祉士の資格取得までには、3つのルートがあります。

  1. 介護現場で3年以上・540日以上の実務経験を積み介護福祉士実務者研修を修了
  2. 養成校を卒業
  3. 福祉系高校を卒業

いずれかのルートを経た後に介護福祉士国家試験を受験し、合格を目指します。

介護現場で働きながら介護福祉士合格を目指している方は、1.の実務経験を積んで取る方法が一般的です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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介護福祉士(介護士)になるには?現役介護士が解説

介護福祉士は介護業界でのニーズが高くキャリアアップ資格となるので、安定した仕事が確保できるでしょう。
カイゴジョブアカデミーでは働きながら国家試験の合格を目指す方向けに「介護福祉士受験対策講座」を開講しています。独学で不安な方はぜひご活用ください。

介護福祉士受験対策講座の詳細はこちらから>>

資格の取得費用

介護福祉士の取得に掛かる費用は、受験ルートによって異なります。

実務経験ルート
実務経験ルートでは実務者研修の受講費用が必要です。カイゴジョブアカデミーを例にご紹介します。

  
無資格者 110,000円(税込・テキスト代込)
初任者研修修了者 90,200円(税込・テキスト代込)
ヘルパー2級修了者
介護職員基礎研修修了者33,000円(税込・テキスト代込)

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養成校、福祉系高校ルート
養成施設ルートではおおよそ100~200万円の学費、福祉系高校ルートでは通常の高校を卒業するまでの学費と同程度の費用が必要です。
また、介護福祉士国家試験の受験手数料として、第35回(令和4年度)介護福祉士国家試験では、18,380円必要です。

参照元 公益財団法人社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 試験概要

グループホームの給料は?

厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p147-149)」を参考に、グループホーム(認知症対応型共同生活介護事業所)で働く介護士の給料と年収について説明します。

勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
時間数
平均
給与
年収
常勤 47.6歳 8.3年 164.5時間 約29.1万円 約350万円
非常勤 53.6歳 9.2年 117.4時間 約19.0万円 約228万円
勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
日数
平均
給与
年収
常勤 54.2歳 8.3年 20.7日 約22.8万円 約274万円
非常勤 58.6歳 6.8年 14.3日 約17.3万円 約207万円
勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
時間数
平均
給与
年収
常勤 53.0歳 6.8年 165.5時間 約24.5万円 約294万円
非常勤 56.6歳 6.6年 104.5時間 約13.9万円 約167万円

※平均給与額は、基本給(日額)×実労働日数+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)で記載しています。

※年収は目安として平均給与額×12で算出しています。

参照元 厚生労働省:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p147-149)

グループホームで働く介護士の給料は、表のとおり勤務形態(正社員・パート・登録ヘルパー)や給与形態(月給・日給・時給)によって大きく異なります。

また、職場により支給額は異なりますが、資格手当による給与の違いも大きいでしょう。

無資格 資格手当なし
初任者研修 5,000円~10,000円/月
実務者研修 10,000円~20,000円/月
介護福祉士 10,000円~30,000円/月

介護士は無資格・未経験から働くことができますが、介護の資格の有無は給与に大きく影響することが分かりますね。

参照元 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者、保有資格別)

グループホームで働くメリットとは?

ここでは、グループホームで働く代表的な3つのメリットについて詳しく説明します。

1.無資格・未経験者が働きやすい

グループホームで働くメリットの一つは、無資格・未経験者でも働きやすい環境が整っていることです。
介護施設の中でも、特にグループホームは認知症の方を対象にしているので身体介助が少ないことが特徴です。介護技術よりも高齢者の方々に対する思いやりや、認知症の方々への理解、コミュニケーション能力などが必要とされます。
無資格・未経験の方は認知症ケアに不安な方もいますが、多くのグループホームでは、研修や教育体制が充実しています。介護の基礎知識や技術、高齢者の心理的なケアについて、上司や先輩介護士から丁寧に指導してもらいながら実践を通じて必要な知識やスキルを習得することができるでしょう。

2.認知症ケアのスキルが上がる

他の介護施設でも認知症の方はいますが、グループホームはすべての入居者様が認知症の診断を受けています。そのため、グループホームで働くことで、認知症の方の生活や行動、その対処方法など日常生活を通じて認知症ケアについて学ぶことができます。
認知症の方に対してのアプローチは、一人ひとり異なり、さらにその時々によっても異なります。「どんな状況のときにどんな対応をすればいいのか」「どんな言葉をかけたら落ち着いていただけるのか」といった実践的な経験を積めることは大きなメリットといえるでしょう。
認知症ケアは、介護職員初任者研修で詳しく学びますので、介護のお仕事をご検討中の方は受講されることをお勧めします。

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3.アットホームな雰囲気で働ける

グループホームは、入居者様同士はもちろん、スタッフとも顔馴染みの関係が生まれます。
入居者様は、居室を「家」として自宅で過ごすように趣味を楽しんだり、テレビを見ながらゆっくり過ごしたりすることもできます。
また、「誰かとお話しがしたい」と思ったときにはリビング(居間や食堂など)で他の入居者様の方と交流を深めることも可能です。
そして、生活に必要な掃除や洗濯、調理、買い物などを共に行います。
入居者様とスタッフとの距離も近いため、「施設で介助をする」というよりは、それぞれの入居者様にとって「自宅」と感じられるアットホームな環境で、入居者様の日常生活をサポートすることがメインの仕事になるでしょう。

グループホームで働くデメリットって?

グループホームでの仕事は、とてもやりがいのあるものですが、同時に大変なこともあります。
そこで、グループホームで働くデメリットについて、筆者の経験から2つお伝えします。

1.認知症の方とのコミュ二ケーションが難しい

認知症ケアについて経験の浅い方がグループホームで働いた場合、認知症の入居者様とのコミュニケーションが難しいといった声がきかれます。特に認知症が進行した方だと意思疎通がスムーズにいかない場合もあります。
夕方になると「帰りたい」と落ち着かない方や徘徊される方など様々な認知症の症状がある方に対して、どんなコミュニケーションをとればいいのか悩まれる方が多いでしょう。
しかし、先輩介護士からその方々に合った対応方法を教えてもらえたり、共に過ごしたりすることで適切な対応方法を学ぶことができるでしょう。
コミュニケーションがとれないからといって諦めず、入居者様の行動をよく観察し、寄り添ったケアを心がけることが大切です。

2.重度の方の介護スキルを上げにくい

グループホームは身体介護の割合が少ないため、重度の方の介護スキルを上げたい方にとってはデメリットとなることもあります。「認知症ではあるけれど、介護士のサポートがあればある程度ADL(日常生活動作)が保たれている」という方が多いからです。
中には、一見すると「入居者様の家族様かな?」と勘違いされるほど、身体的にはお元気な方もいらっしゃいます。
重度の方の介護スキルを学びたい方は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などがおすすめです。中にはグループホームにも身体介護が必要な方もいらっしゃいます。
認知症が進行し寝たきりになってしまった方や、元々の疾患があり認知症になってしまった方など様々です。脳血管性認知症の方は、脳梗塞や脳出血の後遺症から発症してしまうため、身体的な麻痺がある方も少なくありません。
頻度は少なめですが、麻痺のある方の介助やオムツ交換、入浴介助といった基本的な介護技術を学ぶことができる場合もあります。
逆に重度の方の介護を行う頻度が少ない分、ゆっくりと時間をかけて学ぶことができるのはメリットといえるでしょう。

グループホームに関するよくある質問

グループホームに関する、よくある質問についてお答えいたします。

グループホームに向いている人って?

グループホームに向いている人は、以下のような人です。

1.気持ちに寄り添える人

グループホームは、認知症である入居者様はもちろん、家族様に対しても温かいケアが必要です。
認知症になったことに対して不安や恐怖を感じている方の気持ちに寄り添い、安心感を与えられるような人が向いているといえるでしょう。
また、家族様の中には「お母さんが認知症になるなんて」「私の顔まで忘れてしまった」と悲観される方も少なくありません。
また、入居者様本人だけでなく、家族様の気持ちについても理解しようとする気持ちをもつことが大切です。

2.創意工夫や臨機応変に対応できる人

認知症の方のケアでは、創意工夫や機転を利かせたケアが求められます。
言動に予測がつきにくく、1日の中でも行動や感情が変動する方もいらっしゃいます。マニュアル通りのケアではなく、コミュニケーションや介助方法を試行錯誤しながら、その時の状況に合ったケアを提供できる人が向いているでしょう。

グループホームで働くやりがいって?

グループホームで働いている方がどのようなやりがいを感じているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、筆者の体験談をもとにグループホームで働くやりがいを2つ紹介します。

1.寄り添ったケアができること

筆者が働くグループホームでは、2ユニット18名の認知症の診断を受けた入居者様がいらっしゃいます。
「介護の仕事をしている」と話すと「大変な仕事なのにえらいね」といわれることが多いですが、「介護=重労働」というイメージがあるのかもしれません。
しかし、グループホームでの仕事は入居者様のサポートであり、少人数なので特別養護老人ホームや老人保健施設などに比べると、ゆっくりと関わることができます。
入居者様は寝たきりの方もいますが、靴の履き方を忘れてしまった方や食事を食べたことを忘れてしまった方、いつも通帳やお財布の行方が気になる方など様々です。
認知症の方は忘れていくことの不安や恐怖と向き合っています。グループホーム入居当初は表情が硬く、認知症状も強かった方が、介護士の関わりによって和やかな雰囲気に変わっていく様子を見ることができます。
コミュニケーションが難しいこともありますが、心が通じ合った時は、やりがいを感じられる瞬間です。

2.その人に合ったケアを模索すること

認知症の方のケアでは、創意工夫や機転を利かせたケアが求められるとお伝えしました。大変そうなイメージがありますが、創意工夫してケアをすることにやりがいを感じるエピソードをお話しします。

トイレを探すF様のエピソード

1日中トイレを探し、リビングや他の入居者様の居室を徘徊されていたF様。「トイレ、トイレ」と歩く中、介護士はその都度「こちらですよ」と誘導していました。しかし、トイレが見当たらないことに対して不穏(落ち着きがなく興奮している状態)になることが多く、カンファレンス(情報交換・会議)をすることに。スタッフからは、「時間を決めてトイレへ誘導すればどうか?」「座る席をトイレの近くにしたらどうか?」といった様々な意見が出ました。
そんな中、「トイレという言葉がわからないんじゃないか?」と意見を出したスタッフがいました。高齢の方にとって「トイレ」という言葉自体が耳馴染みなく、分からないのではないか?というものでした。そこで、トイレに「厠(かわや)」「便所」と表示をし、案内することにしたところ、見事成功。表示を変えてからトイレの場所が分かることで不安感がなくなったのか、落ち着いて過ごせるようになりました。

このようにアプローチを工夫することで入居者様の安心や穏やかな生活につながることが、グループホームのやりがいであり、面白い部分でもあります。マニュアルにはない介助方法を実践し、それがケアに生かせたときのやりがいはひとしおです。

ほかの介護施設との違いは?

入居系施設といえば、特別養護老人ホームはじめ、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅と様々あります。
グループホームと何が違うの?と疑問を持たれる方も多いかと思いますが、グループホームとの違いは「認知症ケアに特化しているかどうか」です。
特別養護老人ホームや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅にも認知症の方は入居されていますが、より認知症に関する専門的なケア・手厚い介護が必要な方がグループホームに入居されています。以下にほかの介護施設との違いを一覧にしていますので、参考にしてください。

グループホーム 介護付き有料老人ホーム 特別養護老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅
対象者 要支援2以上で認知症と診断された方。 一般的に65歳以上の方。中には60歳未満で入居できる施設もある。介護度の条件は施設によって様々。 基本的に要介護3以上の方。 原則60歳以上。主に自立~要介護1.2の方。
サービス 認知症ケアに特化。入居者様が能力に応じて役割をもち、スタッフとともに行う。 住まいと日常生活の支援、介護サービスを提供。 入居者様の身体状況に応じた手厚い介助。 安否確認や生活支援、生活相談などサ高住によって介護にも対応。
医療体制 医師や看護師の配置義務がない。日常的に医療的ケアが必要になると退去となるケースもある。 看護師の配置基準あり。対応できる医療ケアについては施設によって異なる。 医師・看護師の配置基準あり。幅広い医療ケアに対応。 サ高住によって異なり、一般型では看護師の配置義務なし。介護型では看護師の配置基準あり。
看取り 施設によって対応しているところもある。看取りへの対応は増加。 施設によって対応しているところもある。 看取りケアに対応。終身で利用できる。 施設によって対応しているところもある。

まとめ

グループホームでの仕事は、認知症の入居者様に寄り添い、日常生活のサポートを提供することです。アットホームな環境で地域の方たちとの交流も盛んであることが特徴です。時には大変なこともありますが、認知症ケアに対する幅広い知識やスキルを高められること、一人ひとりにあったケアを追求し、実践できることにやりがいを感じられる仕事でもあります。

カイゴジョブアカデミーの介護職員初任者研修では、認知症介護の基本的な知識とスキルを学ぶことができます。介護職員初任者研修を修了すれば、不安なくケアに向き合うことができ、介護士として実務経験を重ねることで、自分自身のキャリアビジョンに合ったステップアップを目指せます。

また、カイゴジョブアカデミーでは求職中の方を対象に介護職員初任者研修の受講料とテキスト代を当校が実費負担し、就職支援も無料でサポートする特待生キャンペーンを実施しています。グループホームをはじめとした介護のお仕事に興味がある方はぜひお気軽にご相談ください。

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この記事の著者吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど