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セカンドキャリアを考える人必見!35年勤めたガラス製造企業を早期退職し、介護の仕事を選んだ経緯とは?

更新日:2022年12月12日

セカンドキャリアを考える人必見!35年勤めたガラス製造企業を早期退職し、介護の仕事を選んだ経緯とは?

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髙橋 憲二さん (55歳)

2022年2~6月 初任者研修コース/千葉校
2022年3月グループホーム

注目ポイント:コミュニケーション能力はとても役立つ!

50代、60代はまだまだ体力があり、新しい仕事で活躍できるチャンスがあります。とくに髙橋さんのように一つの会社で35年も勤めた経験は、介護業界でも存分に生かしてもらいたいものです。機械相手から人相手の仕事への転職。コミュニケーション力も必要になりますが、長年の会社経験、人生経験、すべてが役立つのではないでしょうか。

この記事を監修した介護福祉士:藤井寿和
藤井寿和

相手の反応が直接伝わってくる仕事がしたい

ガラス食器を製造する会社に就職したきっかけは、高校の修学旅行だった。竿に息を吹き込んでガラス製品を作っていく様子を見て、「カッコイイなぁ。やってみたいな」と憧れた。担任の先生の後押しもあって、卒業後は希望通りに就職。以来、35年間勤務して、希望退職の募集に応じた。

髙橋さんガラスに息を吹き込むようないわゆる”職人”ではないですが、最終的にお客様が手に取って使う形にするまでを担当していました。製造していたのは喫茶店でよく見かけるスタッキンググラスとかですね。50代からが希望退職のラインなのですが、話があった時点で前向きに考えました。退職して時間ができたら、とにかく資格を取ろうと思っていました。

髙橋さんはまずパソコン教室に通い始めた。それまでは「届いたメールを開いて確認するぐらいで、文章作成は若い人に頼んでいた」という自称デジタル音痴。希望退職者向けの面接で、「どこに就職するのにもパソコンが使えないと厳しい」と言われたのも理由の一つだ。

髙橋さん「実働できる資格」を2~3個取ってから職探し、というつもりでした。50歳を超えての新たなチャレンジとなると、資格を使って働ける業界がいいのかなと考えていましたからね。具体的に考えていたのは、フォークリフトの資格。高校時代は小売店でバイトをしていたので、小売業界には馴染みがありました。荷物の搬入などの仕事ができればと漠然と思っていました。

そんな中、同じく退職をした上司から「介護業界は人手不足。初任者研修の資格は更新が要らないし、持っていて損はない」という話を聞く。その上司も初任者研修(旧ヘルパ―2級)を持っていたそうだ。その話をきっかけに「介護で働かなくても無駄にはならないかな」と興味をもった。

髙橋さん前職は機械相手だったし、いい製品を作ったとしてもお客様からの良い反応は現場には届いて来ない。そういう意味での仕事の手ごたえはあまりなかったですね。なので、次にやる仕事はダイレクトに反応が伝わってくるやりがいのある仕事がいいと思っていました。それと、義理の弟が身体を壊して入院して車椅子を使っていることもあって、介護の資格は役に立つかもしれないという想いもありました。

失敗してもいい。やってみないとわからない

「介護 資格」で検索してみると、カイゴジョブアカデミーがヒットした。資格を取るだけのつもりが話が徐々に気持ちも変化してトントン拍子に話が進み、グループホームへの就職が決まった。これまで考えていた計画とは打って変わっての選択だが、その背景には考え方の変化があった。

髙橋さん仕事を辞めてからの半年間で考え方が変わりました。正直、やってみないとわからないし、「失敗してもいいじゃん」という気持ちになったんです。工場時代、”失敗”は怖いものでした。実際、仕事での失敗が生産のロスにつながるという環境だったのも関係していたと思いますが、プレッシャーから解放されて考え方が柔軟になりました。

2022年3月に入居者9名のグループホームに就職した。当初は資格を取ってから仕事をしようと考えていたが、「現場で働きながら学ぶほうが仕事の役に立ちますよ」というカイゴジョブアカデミーの担当者の言葉に心を動かされて就職を決意。職場は20代後半~60代の心身に障がいがある人たちのための障がい者向けの施設で、髙橋さんは男性棟の担当になった。

髙橋さんそれまで障がいのある人と接する機会もなかったので、初任者研修を受講したからといってお世話ができるのか心配でした。でも、私が話すことを理解できないほどの重度の人はおらず少し安心しました。グループホームには、自閉症の人、脳梗塞で麻痺が残った人など障がいの程度もバラバラですが、半年経ち、一人一人の背景や人となりがわかってきて、ようやく慣れました。

「資格の取得と就職、どちらが先が良いか」は誰もが迷うところだが、髙橋さんは受講を終えてみて、どう感じているだろうか。

髙橋さん職場のシフトが不定期だったので、毎週土曜日に休ませてもらうことに気を遣いました。講習は丸一日かかるので、受講期間中は休みの日が少なく、少ししんどかったのが正直なところです。でも、最初からその前提で入社しましたし、カイゴジョブアカデミーの担当者が勤務先にスケジュールの交渉もしてくれたのもあり、最後までやり遂げることができました。

長年勤めた会社をやめて、50歳を超えてから働き方も考え方もどんどん変化させている髙橋さん。学ぶことについても以前とは違った趣を感じられた。

髙橋さん講義についていくのは大変でしたが、学生の頃にはわからなかった学ぶ意味や大切さが50歳を過ぎてようやくわかりました。時間はかかってもやればできる。昔の自分は、やらないうちにあきらめていただけと気付きました。

一方で、今働いているのは自立支援施設。車椅子を押すわけでもなく、寝たきりの人の介助をするわけでもなく、自閉症の人への声がけ、励まし、薬の管理、バイタルや睡眠のチェックなどが主な仕事だからか、講義で学んだ技能を活用する機会は少ない。それでも、「人相手の仕事なのだから、基本的な介護技術はちゃんと学ぶべきだ」と髙橋さんは主張する。 前職や35年間の勤続経験が生かされていると感じることはあるだろうか?

髙橋さん前職は機械相手だったので、業務スキル自体が施設で生かされていることは特にないですが、会社組織の中で35年やってきたので、上司や部下との付き合いで身に付いたコミュニケーション力は役に立っていると思います。利用者とのおしゃべりの相手も得意なほうですね。

異業種からの転職だからこそ気付くことがある

穏やかで大らかな印象の髙橋さん。身体的な介助よりも、精神的な支援を必要とする人にとっては、髙橋さんの安定した包容力は大きな安心感を与えるだろうと想像できる。

髙橋さん前の会社では主任でしたけど、あまり怒らなかったので、上司から「いつもニコニコしているだけじゃなくて、ビシッと言わなくちゃ!」とダメ出しされていましたね(笑)。いま思うと、特に介護の仕事では「怒らない」「冷静」はプラスになっているかもしれません。

印象深いエピソードもあった。髙橋さんが入職したとき、利用者のなかに「以前は湯船に入っていたのに、ある日を境に入れなくなった」という人がいた。髙橋さんは少しずつその利用者との距離を縮めた。

髙橋さんその人は障がいが重度のため自分では何があったのか話せない。湯船入れなくなった経緯もわからないので、手探りで、「お風呂入っても大丈夫だよ。怖くないよ」と少しずつはたらきかけていました。職員会議でも議論を重ねながら試行錯誤した結果、自分が入職して半年間で、1年間お風呂に入れなかった人が何とか湯舟に入れるようになったんです。

長年の会社勤めで、自然に身に付いたと思われる問題解決へのアプローチ術。会議で自分の意見を出してみる。試行錯誤してみる。あきらめない。髙橋さん自身は自覚がないかもしれないが、現場に新しい風を吹き込んでいることは想像に難くない。

髙橋さん初めての業界だからこそ見えることもあります。異業種からの転職は、内部の人が気付いていないようなことに気付けるメリットもあるのではないでしょうか。そう思って、「この人はこういう言い方をするとわかってくれます」など、素人なりの意見を出すことは心がけていますね。

早期退職や定年退職で長年勤務した職場を離れた後、髙橋さんのように活躍の場を見つけることができればいいが、すべての人の再就職が上手くいっているわけではない。

髙橋さん退職した仲間から頻繁に連絡があるわけではないですが、いまだに仕事をしていない人もいます。探さないのか、見つからないのかわかりませんけど……。アカデミーの人からは、「一つの職場で長年勤めた実績は、それだけで十分信用できます」と言ってもらえました。同年代の人たちも自信をもってほしいです。僕も体力が続く限り、生活のためにも、社会貢献のためにも頑張っていきたいです。とりあえず、実務者研修へも進みたいです。

元同僚から、「おまえ、大丈夫か? そんな仕事していて」と言われることもあるという髙橋さん。そんなときは、こう答えているそうだ。「大変なことは大変だけど、介護の仕事はやりがいがあると感じている。やってみないとわからなかったよ」と。

構成、執筆:谷口のりこ


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この記事の監修者

藤井寿和


1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、 三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。

・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター