介護で働く人のためのスクール「カイゴジョブアカデミー」では、
新型コロナ禍の前後で、介護資格の受講者にどのような変化があったのか、データ調査を実施いたしました。
1.講座申し込み数の推移
第一回緊急事態宣言のあった2020年4月、5月に減り、6月以降は前年よりも申し込み数が増えました。
コロナ禍前の2019年4月~2020年3月と、2020年4月~2021年3月のコロナ禍を比較すると、申し込み数が約1.2倍増加しました。
※調査対象者:カイゴジョブアカデミー講座申し込み者
※カイゴジョブアカデミーでは、2020年4月と5月は、全ての講座を休講しておりました。
2.就業状況の調査
講座受講時に、就業中か離職中を調査した結果、
第一回緊急事態宣言の前後は、離職中の方の割合が多かったことがわかりました。
新型コロナウイルスの影響により、離職された方が多かった可能性があります。
※調査対象:期間中にカイゴジョブアカデミーで講座を受講し、卒業後、弊社の就業支援サービスで介護業界へ就業された方
3.希望就業形態の調査
希望の就業形態についてお聞きした結果、
就業形態にこだわらない方、非常勤を希望する方の割合が増えました。
離職に伴って就業形態にこだわらずにお仕事を探す方が増えた可能性があります。
・調査対象:期間中にカイゴジョブアカデミーで講座を受講し、卒業後、弊社の就業支援サービスで介護業界へ就業された方
・データの比較期間(講座申し込み日)
コロナ禍前:2019年4月~2020年3月まで
コロナ禍:2020年4月~2021年3月まで
4.前職の業界の調査
前職の業界についてお聞きした結果、
接客・サービス業界、販売、事務、営業などから、資格を取得して介護職へ転職する方が増えました。
逆に、医療看護、介護業界から転職する人の割合が減りました。
・調査対象:期間中にカイゴジョブアカデミーで講座を受講し、卒業後、弊社の就業支援サービスで介護業界へ就業された方
・データの比較期間(講座申し込み日)
コロナ禍前:2019年4月~2020年3月まで
コロナ禍:2020年4月~2021年3月まで
5.就業先施設の調査
介護職へ転職時の就業先を調査した結果、
老人ホームが減り、訪問介護事業所、サービス付き高齢者専用住宅の割合が増えました。
需要として在宅介護の割合が増えてきていることが要因として考えられます。
・調査対象:期間中にカイゴジョブアカデミーで講座を受講し、卒業後、弊社の就業支援サービスで介護業界へ就業された方
・データの比較期間(講座申し込み日)
コロナ禍前:2019年4月~2020年3月まで
コロナ禍:2020年4月~2021年3月まで
6.性別の調査
大きな変化はありませんでした。
・調査対象:期間中にカイゴジョブアカデミーで講座を受講し、卒業後、弊社の就業支援サービスで介護業界へ就業された方
・データの比較期間(講座申し込み日)
コロナ禍前:2019年4月~2020年3月まで
コロナ禍:2020年4月~2021年3月まで
7.都道府県の調査
大きな変化はありませんでした。
・調査対象:期間中にカイゴジョブアカデミーで講座を受講し、卒業後、弊社の就業支援サービスで介護業界へ就業された方
・データの比較期間(講座申し込み日)
コロナ禍前:2019年4月~2020年3月まで
コロナ禍:2020年4月~2021年3月まで
※カイゴジョブアカデミー名古屋校は、2019年9月に開校しています。
カイゴジョブアカデミー卒業生の声
データ調査に合わせて、資格を取得して介護職として働き始めた方へお伺いしました。
介護業界への入職理由
・父が認知症で入院していたことや、前職で障がいがあるスタッフと関わっていく中で、高齢者介護や障がい福祉の仕事がしたいと考えるようになったため。
(50代・女性・ビルメンテナンス業界からの入職)
・将来性のある環境だから。
(40代・男性・アパレル/保険の下請け事務からの入職)
・介護職は、利用者の近くにいる存在として、生活を支えている点が魅力に感じました。自分自身がやりたいことに近かったため、介護職に就業しようと思いました。
(30代・女性・接客業からの入職)
・学生の頃に体験で特養に行き、「ありがとう」と言って貰えたから。
(20代・男性・運送業からの入職)
資格を取得してから就業して良かったこと
・現在就業している施設ではフラットシーツを使用しているため、外三角折りを習っていて役に立ちました。オムツ交換もまだ時間はかかりますが、実習通りに行なうと左右対称に仕上げることができます。
(50代・女性・ビルメンテナンス業界からの入職)
・カイゴジョブアカデミーの授業を通じて、介護職の基礎知識を身に着けることができました。トイレ介助やベッドからの移乗介助など、利用者の体に触れ、間違いがあると転倒や怪我のリスクにつながるようなことも、「なぜそうするのか」という仕組みを学ぶことができたため、実際に就職して業務に取り組む中で、利用者に最善の方法で介護をすることができていると感じています。
(30代・女性・介護業界で就業中に取得)
・多少異なることもありますが、断然良かったです。スキルももちろんですが、介護する上での考え方を知って業務に取り組むのは全然違う。
(40代・男性・アパレル/保険の下請け事務からの入職)
・学校で習ったことが、仕事する中で「これ習った、これ習った」と沢山出てくる。
(50代・男性・IT/広告業界からの入職)
・勉強をして、知識が少しでもあったおかげで、根拠を考えながら介助にはいることができ、認知症の症状も理解して利用者と接することができました。
(30代・女性・接客業からの入職)
介護業界で働いてみて感じたこと
・毎日何かしら変化が起こるため忙しくはありますが、マンネリ感がなくやり甲斐があります。
(50代・女性・ビルメンテナンス業界からの入職)
・きつい・汚い・臭い「3K」と言われるが、自分の場合それでやめたいと思ったことは一度もない。
(40代・男性・アパレル/保険の下請け事務からの入職)
・就業前は大変な仕事だと思っていたが、想像していたより本当に大変な仕事だと実感しています。ですが、その分「ありがとう」と直接感謝を伝えてもらえる点や、利用者と関わっていく中でその人の変化や自立の維持や向上に携わることができ、やり甲斐を感じます。
(30代・女性・接客業からの入職)
・3Kと言われているけれど、良い意味での3Kを見つけることができた(感動、感激、感謝)。
(20代・男性・運送業からの入職)
まとめ
新型コロナウイルスの影響により、業績が悪化した異業界から介護業界へ入職する方が増えました。
また幅広い年代の方々が受講している実態があります。
介護業界は雇用の安定性が高く、将来的に就職・転職で困ることが少ない業界です。
一方で介護業界から人々が離職してしまう理由の一つに、職場の育成環境が整っていないことが挙げられます。就業前にあらかじめ資格を取得することで、介護についての基本的な知識や考え方、問題解決の方法を得ることができます。
またスクールで職場以外の相談相手を作ることも可能となります。
これらによって、受講生の就業後の不安解消や、介護業界での仕事の満足度向上につなげることができ、結果として離職防止へとつながります。
介護業界での就業を目指す無資格の方は、介護の基礎知識を得てから現場に出られるほか、介護仲間の横のつながりもできるため、介護業界での就業のスムーズさを考えると、初任者研修などの資格を取得してから就業することがおすすめです。
カイゴジョブアカデミーでは、資格取得の支援を通じて、介護業界へのスムーズな就業や定着をサポートしています。