更新日:2021/8/26

ハローワークにある職業訓練のひとつ「介護職員初任者研修」。 無料でスキルを身につけることができ、就職にも有利になるということで、今人気の資格です。 ただ介護未経験の人にとっては、どんなメリットがあるのか、ハローワークで取ることのデメリットなど、気になるポイントがありますよね。 ハローワークの職業訓練で「介護職員初任者研修」に申し込もうか悩んでいる方へ、メリット、デメリット、注意点をまとめました。
ハローワークの職業訓練とは?
職業訓練(求職者支援訓練とも呼ばれます)とは、仕事を探している人や、これから新しく就職・転職を考えている人のための制度です。
各講座を実施しているのは都道府県などの自治体だけでなく、公的に認可を受けた民間企業などが運営している講座もあります。
求職者支援制度(雇用保険を受け取れない人への就労サポート制度)では、一定条件を満たせば、職業訓練を受けるための給付金を受け取ることができたり(職業訓練受講給付金)、取得した資格を活かせる就職支援を受けることができます。
初任者研修をハローワークで取るメリットとは?
介護の仕事を始める時に、まず取得される方が多い「介護職員初任者研修」
以前はホームヘルパー2級(現在は廃止)と呼ばれていて、介護に関する基本的な知識と技術を身につけることができる、介護未経験の方が就職するときに大変役立つ資格です。
初任者研修を取るメリットと、ハローワークの職業訓練で受講するメリットの2つに分けてご説明します。
①介護職員初任者研修を受講するメリット
数ある職業訓練の中から、どうして介護職員初任者研修を選ぶメリットがあるのか? それは、介護業界の求人数の多さと、仕事の安定性です。
深刻な人材不足と言われている介護業界。実際にどれくらい人手が足りないかというと、 2020年11月のデータで、全職種平均の有効求人倍率が1.06倍なのに対して、介護職は求人倍率3.88倍! つまり、仕事を探している人1人あたりの求人数が、平均1.06求人しかないのに対して、介護の仕事は1人あたり3.88求人もあるということです。
中々希望条件に合う仕事がなかった人も、希望の求人を見つけられる可能性が高いんです。 また日本は高齢化社会が進んでおり、需要が今後も増えていく仕事なので、安定して働きたい、手に職をつけたいという方にオススメの資格です。
もう1つ、「介護職員初任者研修」は仕事に直接活かせるメリットがあります。 介護の仕事をするにあたり、基礎となる知識と技術を両方身につけることができます。
介護の仕事は、資格を持っていない状態でも始めることができます。 しかし人手不足のため、新人・未経験者の育成を重視できない施設もあります。 知識や経験がない状態で飛び込むと、採用されづらかったり、分からないことを教えてもらえづらいと悩む方もいます。
「介護職員初任者研修」では、介護を実践的に学ぶことができます。 現場経験が豊富な講師も多いので、「こうすると体を痛める」「過去にこういう失敗があった」など、現場ですぐ使えるスキルが身につきます。 現役で働いている講師もいるので、介護の仕事について相談相手ができたり、仕事選びで役立つ情報をゲットできることもあります。
②ハローワークの職業訓練で受講するメリット
「介護職員初任者研修」を受講できるのは、ハローワークだけではありません。 ハローワークの職業訓練で受けるメリットは「費用」です。 費用については、ハローワークの職業訓練で受けると、「求職者支援制度」によって受講料がお得になる場合があります。
「求職者支援制度」とは、雇用保険を受給できない求職者の方(※1)に対し、
- 無料の職業訓練(求職者支援訓練)を実施し、
- 本人収入、世帯収入及び資産要件等、一定の支給要件を満たす場合は、職業訓練の受講を容易にするための給付金(職業訓練受講給付金)を支給するとともに、
- ハローワークが中心となってきめ細やかな就職支援を実施することにより、安定した「就職」を実現するための制度です。
(※1 雇用保険の適用がなかった方、加入期間が足りず雇用保険の給付を受けられなかった方、雇用保険の受給が終了した方、学卒未就職者や自営廃業者の方など)
(引用元:厚生労働省ホームページ 求職者支援制度のご案内)
※この制度を利用したい方は、職業訓練に申し込む前にハローワークへの求職申し込みが必要です。
通常の介護職員初任者研修だと、スクールによって差がありますが、5~7万円ほどかかるのが一般的です。それが無料で資格取得できるのはお得ですよね。ただし、デメリットもありますので、そちらをご説明します。
初任者研修をハローワークで取るデメリット

無料で受講ができるハローワークの職業訓練。メリットばかりのように感じます。しかし実はデメリットもあるんです。 後悔しないように、事前にチェックをしておきましょう!
1つ目、テキスト代が実費であること。
地域によって異なりますが、初任者研修の場合、5千円~1万円ほどのテキスト代がかかります。 また管轄によっては、胸部レントゲン検査の提出が必要な場合もあり、そちらにかかる費用も実費となります。
2つ目、最短の取得までに時間がかかる。
民間のスクールでは短期コースだと1ヵ月~1ヵ月半ほどで取得できますが、 ハローワークの場合、ほとんどが3ヵ月ほどの取得期間が必要です。 また基本的に平日昼間の講習となり、土日や曜日固定などのコース選択がありません。 エリアによっては初任者研修はなく「介護福祉士実務者研修」のみ募集のケースもあります。
3つ目、選考に落ちる可能性がある。
ハローワークの職業訓練で「介護職員初任者研修」を受ける場合、申し込みをしたあとに選考試験(面接・筆記試験)があります。 実はこの選考試験がかなりのクセモノで、 「介護職員初任者研修」が人気の講座なこともあり、高倍率となっている場合が多いようです。※時期や自治体によっても異なります。
実際にどれくらいの倍率か調べてみると、「倍率3倍だった」という人や、地域によっては5倍だったという方もいて、3人~5人に1人の狭き門となる場合があります。
受講が始まれば、出席して授業を受けていれば試験に合格できると言われていますが、ハローワークの職業訓練は受講までが厳しくなっています。 受かるかわからないのに、面接や筆記試験はちょっと…という方もいます。
資格をすぐに取りたい方、選考試験の自信がない方、テキスト代も含めて無料が良い方は、 民間が運営している「介護職員初任者研修の無料キャンペーン」を利用するのが良いでしょう。
ハローワークで応募する際の志望動機の書き方

前述のとおり、ハローワークの職業訓練では、選考試験が重要です。「介護職員初任者研修」の選考試験で重視されているのは、ズバリ「志望動機」。 介護未経験の方向けの資格なので、ベースとなる知識は重視されません。 「職業訓練として講座を提供したら、就業してくれるのか?」という点を重視しています。しっかり就業に対する熱意をアピールできる志望動機を考えることが重要です。分かりやすく伝わりやすい志望動機を考えるコツを3つご紹介します。
志望動機のコツ①:就きたい仕事と「介護職員初任者研修」の関連をアピール
「この人が合格したら、受講後に就業してくれるだろうな」と試験官にアピールするには、 具体的に「介護の仕事に就きたいと考えている」ことをはっきり伝えることが重要です。 事務の仕事をやりたい、ITの仕事をしたいなど、介護と関係ない仕事のことを話すと、 「介護職員初任者研修」を受講しても、直結するスキルを得られないと思われます。 また働く意志があることをアピールするため、資格を取った後にスムーズに働き始めたいと思うのであれば、 「介護職員初任者研修の取得後、早期就職を目指して」というフレーズを使うと効果的です。
志望動機のコツ②:介護の仕事で「働きたい理由」をアピールする
介護の仕事をしたいことを試験官に伝えるには、 「介護の仕事に興味を持ったきっかけは?」 「介護の仕事のどこが魅力的だと思うか?」 の内容を盛り込むことが重要です。 きっかけは、「テレビで見た」「人に勧められた」など、なんでも構いません。 介護の仕事のきっかけを掴んだあと、どういう点に興味をもって応募したのかしっかりアピールしましょう。それだけだと、ありふれた志望動機になってしまうことも多く、「本当にそう思っているのかな?」と試験官が疑う場合もあります。なので、あなた独自の具体的なエピソードを交えて話すと、より熱意を理解してもらいやすく、合格に近づきます。
例えば、
・自宅で一緒に暮らしていた祖母の介護を見ていて、介護の仕事に興味を持った
・親が介護の時になにも出来なかった後悔があるので、介護職として役立ちたい
・学生時代に行った施設のボランティア活動で、感謝されたことで興味を持った
など、介護の仕事をしたいと思った理由を具体的にまとめましょう。
志望動機のコツ③:初任者研修の内容を理解していることをアピールする
「介護職員初任者研修」とはどんな目的の資格なのか、確認しておきましょう。介護職員初任者研修は、介護職における基礎知識と技術を身につけるための資格です。この資格を取得した後に、上記の①や②ができる内容になっているかチェックしましょう。 (例えば医療行為などは、初任者研修を取得しても出来ません)
選考試験で落ちる可能性があるNGな志望動機

選考試験で落ちてしまう可能性のある志望動機の例をご紹介します。
あくまで例で、このような志望動機でも合格する可能性はありますが、一度目を通して頂くことをおすすめします。
NG例①:就きたい仕事と、介護職員初任者研修の関連をアピールできていない
「パソコンが得意なので、パソコンスキルを活かしてIT系の仕事をしたいです。でも、スキルを広げるために介護の知識もつけておきたいです。」
→介護職員初任者研修を受けても、将来就きたい仕事(IT系)の就職が結びつきづらいため、合格とならない可能性があります。
NG例②:介護の仕事で「働きたい」ことが伝わらない
「親の介護が必要になり、自分で介護したいが、やりかたが分からないので勉強したい」
→介護職員初任者研修で介護の勉強をしても、家庭で活かすことを前提としているため、就業を考えている他の候補者の方を優先される可能性があります。
「無料で資格がとれるチャンスだと思い、応募しました」
→資格が取りたいだけでは?と思われてしまい、就業につながるイメージが伝わりにくいです。
NG例③:介護職員初任者研修の内容をしっかり理解できていない
「祖父を病気で亡くしたので、病気の高齢者を助けたい」
→日常生活に困難を感じている人のサポートである介護というより、病気の人を治療する医療職(=介護とは別職種)のイメージを持ってしまいます。 しっかりと介護職に興味があることをアピールするために、介護職員初任者研修でどんなスキルが身に付くのか、どう就業先で活かすのかまとめましょう。
選考試験に落ちるのが不安、落ちた場合は?
ここまで読んだ方は、「意外と選考試験に合格するのが大変そうだ」と不安に思われる方もいると思います。
地域や時期によっては、倍率3~5倍にもなるハローワークの介護職員初任者研修。無事合格して受講するのは、簡単なことではありません。 では、選考試験に落ちてしまった場合、どうすれば良いでしょうか?
実は最初にお伝えしたとおり、介護職員初任者研修を実施しているのはハローワークだけではありません。 様々なスクールで、「介護職員初任者研修」の講座が用意されていますので、民間企業が運営している「介護職員初任者研修」の講座へ申し込む手段があります。
しかし、民間のスクールで受講するとなると、一番気になるのが費用面ですよね。 通常民間企業のスクールでは5~7万円の受講料がかかります。 受講料を安く抑えたいという人は、民間でも無料で「介護職員初任者研修」が受講できて、就業サポートがついている所へ応募するのがオススメです。 条件があるので必ずしも無料で受けられるわけではありませんが、難しい選考試験はありませんし、職業訓練などと同じ資格を取得できるのでご安心ください。
カイゴジョブアカデミーなら、就業前はもちろん、就業後も介護経験10年以上のプロ介護士さんへ、いつでもLINEで無料相談ができるサポートサービスが付いていてとても安心です。
初任者研修の受講料を当社が実費負担するキャンペーンまとめ
ハローワークの職業訓練で介護職員初任者研修に申し込みしようか迷っている方を対象に、メリット、デメリット、応募する場合の注意点を中心にお伝えしました。 メリットも多くある反面、倍率が高く選考試験の突破が難所となるのが特徴です。 これから職業訓練に申し込む方は、チャンスを無駄にしないよう、選考試験への準備をしっかりしておくことをオススメいたします。
民間のカイゴジョブアカデミーでも、安心して「介護職員初任者研修」を受講することができます。運営企業は安心の上場企業です。
講師からのメッセージ

福田一幸 先生
介護職は利用者の方の「ありがとう」の一言や笑顔が自身の喜びにつながる素晴らしい仕事です。授業では、介護のさまざまな手法の根拠を、丁寧にわかりやすく伝えることを意識しています。とても楽しいのでぜひお越しください!

佐藤絵美里 先生
最初は迷いや不安の中、介護の仕事を始めました。やめようかと思うこともありました。そのたびに利用者様やご家族様の言葉に励まされ続けられました。不安があっても大丈夫。きっと周りが支えてくれます。それが介護職の素晴らしさの一つだと思います。
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