介護福祉士実務者研修は履歴書にどう書く？資格取得前でもアピールできる書き方を解説【自己PR例文付き】

介護福祉士実務者研修（以下、実務者研修）は、介護職員のキャリアアップに欠かせない資格。また、介護職としての専門的な知識や技術を学んだ証拠として就職・転職でも有利に働きます。実務者研修を取得済みの方はもちろん、現在、受講中の方でも「取得見込み」として履歴書に記載することでアピールにつながります。今回は、履歴書に実務者研修を記載するための正式な書き方や、実務者研修のアピール方法、自己PRの例文等をご紹介します。採用担当者に「会いたい！」と思わせる履歴書の書き方としてぜひ参考にしてください。

資格取得前でもOK！
介護福祉士実務者研修の
正しい履歴書の書き方

実務者研修を保有している場合・資格取得前の場合それぞれの書き方

すでに実務者研修を保有している方は「免許・資格」欄に「〇年〇月　介護福祉士実務者研修課程 修了」と書きましょう。現在、受講中で資格取得前の方は「〇年〇月　介護福祉士実務者研修課程 修了見込み」と、修了予定年月を記載してください。
これから受講する場合でも「〇年〇月　介護福祉士実務者研修課程 修了予定」と、修了予定日を記載してOK。“実務者研修を学んでいる・学ぼうとしている”ことは、現在進行形でスキルアップに励んでいるアピールになります。

資格名は正式名称で！　資格を書くときに注意すべきこと

実務者研修の正式名称は「介護福祉士実務者研修」です。履歴書には略称ではなく正式名称を記載しましょう。もう一点、間違えやすいのは「取得」と「修了」です。実務者研修は資格なのでつい「取得」と書いてしまいがちですが、履歴書には「修了」と書いてください。
また、「ホームヘルパー1級」や「介護職員基礎研修」は実務者研修と同等の資格とみなされますが別の資格です。ヘルパー1級や介護職員基礎研修を保有していても「介護福祉士実務者研修」とは書けません。実務者研修とは別の資格として記載しましょう。

介護福祉士実務者研修の資格を履歴書で
アピールすべき
3つの理由

任せられる業務の幅が広がり給与アップにつながる！

実務者研修を修了すると、訪問介護事業所で必要不可欠な「サービス提供責任者（サ責）」として働く資格が得られます。サ責は、ケアマネジャーとの連携や訪問介護計画書の作成、ヘルパーへの指導など、事業所の中核を担う重要な役職。多くの事業所で資格手当の対象となっており、給与アップにつながります。

医療的ケアの知識が身につき質の高い介護を実践できる！

実務者研修のカリキュラムには、「喀痰吸引（かくたんきゅういん）」や「経管栄養（けいかんえいよう）」といった医療的ケアに関する内容が含まれています。これらの知識と技術を学ぶことで、医療的なケアを必要とする利用者様にも対応できるようになり、介護の専門家としてより幅広い場面での活躍が期待されます。

国家資格「介護福祉士」を目指す意欲をアピールできる！

実務者研修は、介護職唯一の国家資格「介護福祉士」の国家試験の受験要件に関わる資格でもあります。介護福祉士国家試験の受験にはいくつかルートがあり、多くの人が受験する「実務経験ルート」では「実務経験3年以上」に加えて「実務者研修の修了」が必須条件となっています。

参照元 公益財団法人:社会福祉振興・試験センター

履歴書に実務者研修を記載することは、「将来的に国家資格を取得し、介護のプロとして長く貢献していきたい」というアピールにもなり、採用担当者にとって非常に魅力的に映るでしょう。

履歴書の資格欄だけじゃない！採用担当者に響く
自己PRの書き方

実務者研修を資格欄に記載するメリットをご紹介しましたが、「自己PR欄」に何が書かれているのかも、採用に大きく関わってきます。
採用担当者に響く自己PRの書き方で意識すべき点は以下の３つです。

1. なぜ実務者研修を取得しようと思ったのか（動機）
2. 研修で特に何を学んだか、何に興味を持ったか（具体性）
3. その学びを、応募先の法人でどのように活かしていきたいか（貢献意欲）

次からは自己PRの具体的な例文を紹介します。OKパターンとNGパターンの両方を例に挙げるので、例文を参考に、先述した3つのポイントを意識しつつあなただけの自己PRを作成してみましょう。

自己PRのOK例文

「利用者様一人ひとりに、より深く寄り添える介護職員になりたいと考え、実務者研修を受講しました。研修では、介護過程の展開や医療的ケアについて深く学び、個別ケアの重要性を再認識しました。とくに、認知症ケアに関する演習に力を入れました。貴施設が掲げる「その人らしさを尊重するケア」という理念に強く共感しており、研修で得た知識と技術を活かして、利用者様とご家族に安心していただけるケアを提供したいと考えています。」
この例文のように、①実務者研修を受講した動機　②具体的に学んだこと・興味を持ったこと　③応募先でどのように学びを活かすかを順序立てたアピールは、書くべきことが明確でまとめやすく、採用担当者にも内容が伝わりやすいためおすすめの書き方です！

自己PRのNG例文

「実務者研修を修了しました。やる気はあります。貴施設で頑張りたいです。」
文章を書くことが苦手な方は、この例文のように、つい、簡潔にまとめてしまいがちです。しかし、これでは一定の意欲は伝わるものの、具体性に欠けてほかの応募者との差別化は難しいでしょう。せっかく実務者研修を修了したことの優位性を活かすためにも、OK例文のように３つのポイントを意識した自己PRの書き方をおすすめします！

実務者研修の履歴書に関する
よくある質問

ここからは、実務者研修を履歴書に書く際に悩みがちな細かい疑問をQ&A方式でご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

Q.研修の途中ですが「取得見込み」で書いてもいいですか？

A.もちろんです。学習意欲の高さを示すポジティブなアピールになりますので、積極的に記載しましょう。ただし、面接で質問される可能性を考え、修了予定年月は正確に把握しておきましょう。

Q.初任者研修も持っています。両方書くべきですか？

A.基本的には上位資格である実務者研修を記載すれば十分といわれています。資格欄のスペースに余裕があれば、初任者研修も記載してOK。「初任者研修を取得した後、学びを深めるため実務者研修を取得した」という、介護業界で着実にステップアップしてきた向上心を時系列でアピールできます。スペースに余裕がなければ自己PR欄で触れても良いでしょう。資格欄に両方を記載するときは、取得した年月日が古い順に書くことが基本です。

初任者研修の履歴書の書き方についてはこちらの記事も参考にしてください。

Q.資格に有効期限はありますか？

A.実務者研修に有効期限はありません。一度、取得すれば生涯有効な資格です。名前や住所が変わっても手続きは必要ないので、安心して履歴書に記載してください。
介護福祉士国家試験のために実務者研修を取得した場合でも「実務者研修修了後、◯年以内に受験しないといけない」といったルールもないので、ご自身のペースでキャリアアップに活用できます！

Q.派遣やパートの応募でもアピールになりますか？

A.なります。雇用形態に関わらず、専門知識を持つ人材は高く評価されます。特に、サービス提供責任者は正社員だけでなく、パートとして募集されることもあるため、活躍の場は広がります。

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実務者研修(旧:ホームヘルパー1級)を受講する

まとめ

実務者研修の履歴書への書き方やアピール方法、自己PRの書き方などを詳しく解説しました。実務者研修は履歴書には「介護福祉士実務者研修課程 修了」と正式名称で書き、「受講中」や「取得見込み」でも記載することで意欲がアピールできます。また、実務者研修はサービス提供責任者などの役職の任用要件でもあるため、手当などで待遇や給与が期待できます。ほかにも医療的ケアが実践できる、介護福祉士の受験要件になるなどのメリットがあり、キャリアアップを目指す方にもおすすめの資格です。資格欄だけでなく自己PR欄でも、なぜ実務者研修学び、どう活かしたいかを具体的に伝えることで、採用面でも有利に働くでしょう。この記事を参考に、ぜひ介護業界で新たなステップにチャレンジしてください。