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更新日:2022年8月24日

職歴30年以上のベテラン美容師が、介護職に転身した理由

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岡本 清美さん (56歳)

2021年9~11月 初任者研修短期コース/町田校
2021年11月有料老人ホーム

注目ポイント:美容師は介護士に向いている!?

美容業界から介護への転職は最近よく耳にします。高齢になってもおしゃれを求める方の気持ちが理解できて、「人の喜ぶ顔を見るのが好き」というサービス精神あふれる美容師さんは、介護士に向いているのではないでしょうか。

この記事を監修した介護福祉士:藤井寿和
藤井寿和

美容院を閉め、「人のために生きたい!」

2021年の11月から介護職に就いた岡本さんだが、介護施設でボランティアを始めたのは約20年前に遡る。そのボランティアというのが本業の美容師の技能を生かした高齢者のヘアカットだった。「私が行くと、高齢者の皆さんが『待ってたよ~』と神様が来たみたいに喜んで迎えてくれて……」と快活に語ってくれる岡本さん。そもそもなぜ美容師を志したのか?そして美容師という専門職をきっぱり手離して、なぜ介護業界に転職したのか?経緯をお話ししてもらった。

岡本さん幼少期に同居していた明治生まれの祖母が古い男尊女卑の考えを持っており、弟ばかり可愛がっているのが悔しくて「女でも手に職をつけたい!」と強く思っていました。その時は美容師じゃなくても良かったんです。ただ中学生になって初めて行った美容院で、地方から出てきて住み込みで働いている女性スタッフを見て、「こういう世界もあるんだ」と衝撃を受けました。

内弁慶で、学校の教室では手も挙げられなかったという岡本さんが、「美容師」という目標を見つけてから、人が変わったように行動力を発揮し始めた。高校在学中から美容院に飛び込み、「勉強したいので働かせてください」とバイトを始め、高校3年生の秋からは通信教育を受け、そのまま美容業界に入った。

岡本さん「絶対に国家資格を取ろう!」と決めていました。合格した頃から「あなたにシャンプーしてもらいたい」と指名が入るようになりました。今思えば、マッサージやシャンプーのたかが10分ですけど、「このお客様は何を言ってあげると嬉しいかな」とわかるようになっていました。計算とかじゃなくて本能的に感じ取っていましたね。人が好きだったのかも……。祖母の元に親戚や友達がいつもいっぱい訪れてきて、大勢の人に可愛がってもらったおかげかもしれません。

お祖母様への反抗心が手に職をつけたいと思ったきっかけであると同時に、その職で技能を発揮できている所以がお祖母様であるというめぐり合わせが、なんとも面白い。

着付けの様子

(知り合いのお子さんの小学校卒業式の袴着付けを依頼された時の様子)


その後、大小の美容院で経験をしながら、大手ホテルで婚礼着付けの修業も。やがて個人で美容院を開業した。

岡本さんちょうど子育ての時期だったので、6坪の店で一人細々とやっていました。介護士をしていた友達が「デイサービスでヘアカットをしてもらいたいのだけど、いま休業している美容師さん知りませんか?」と。ところが、休業している人はそれなりの理由があるわけで、「じゃあ、私がやるよ」と引き受け、月に3回、昼食後の2時間で、そのときから20年間ボランティアでヘアカットを続けました。

施設には鏡と椅子しかなくて、車椅子のままの人もいて、高さ調整ができないので結構腰に負担がかかる。若いときには我慢できたが、長く続けるためにも無理はしないと決めて、1日5~6人に制限していたそうだ。

岡本さん皆さん、髪を切ってあげると別人のようにウキウキされて、「このあとお見合いしちゃおうかしら」「ほかの人に見せにいったら、イイネと言われたのよ」などと嬉しそうにしてくださるんです。実際、私の方もその何倍も嬉しかったです。

そんな岡本さんも、美容院を経営していくことに重荷を感じるようになり、コロナの少し前に自分の店を閉めて、ヘアカラー専門店に移った。

岡本さん肩の荷を下ろして、新しいことを勉強してみようと思いました。美容のことだけでなく、レジ周りやパソコン入力も学べましたが、多様化した業界で生き残るのは大変なことだと実感しました。幸い、娘も大きくなったので、「もう美容師はこれでいいかな。まだまだ元気で働けるうちは、人のために生きたい」と思うようになりました。

そこから介護職という選択肢を、具体的に考え始めるようになった。

現場に出て、「命に関わる仕事なのだ」と痛感!

岡本さんは美容師を目指した若き日のように、再び行動した。「介護助手や看護助手の仕事はありませんか?」といくつかの施設に自ら電話してみるが、コロナ禍ということもあり、難しかった。「この時期無理なんだ」とガッカリするなか、親切に「初任者研修と受けておくといいよ」と教えてくれた担当者がいた。そこで「初任者研修」で検索すると、カイゴジョブアカデミーが出てきた。

岡本さん車椅子を押したこともなく、親の介護経験もない私は、ヘアカットのボランティアをしているときから、利用者さんの身体をどう支えたらいいのかもわからず、いつか機会があったら介護の勉強もしたいと思っていました。美容師を辞める決意をして、ようやく本格的に勉強することにしました。

だが、カイゴジョブアカデミーで初任者研修受けて、岡本さんは初めて「事の重大さに気付いた」という。

岡本さん当初は「この私でも役に立てるなら」というぐらいの気持ちでしたが、介護を学ぶにつれて、その人の背景だとか尊厳だとかを考える必要があることも知り、「下手をしたら私のミスで命に関わることもある」と怖くなってきました。ボランティアで訪れたデイサービスはほとんど元気な高齢者だったので、喜んでもらえる顔だけ見て「いいとこ取り」でしたね。現実を知ると、「就職するのをやめようか」と思うこともありましたが、「介護の資格をせっかく取るんだから、あとには引けない!」と頑張りました。

授業の内容は他人事とは思えず、自分のことのように胸に迫ってくることもあった。

岡本さん介護の事例を聞くと涙が出てしまうこともありましたね。「私もやがてこうなっていくのか」と辛かった時期もありました。初任者研修の内容には心動かされます。実技は大変だったけど、生きていくために必要な勉強だったと思います。私は短期コースでしたが、もっとじっくり学びたかったですね。

その後、カイゴジョブアカデミーの紹介で有料老人ホームに就職した岡本さんは、早速、現場で美容師と介護職との明らかな違いを思い知らされた。

岡本さん11月から社員として働いた半年の間に、亡くなる人もいました。夜間にすぐに起きてしまう女性の利用者さんがいて、必ず「寝てくださいね」と見回り、朝になると「起きてください」と起こしていたのに、ある日、寝ていると思って安心していたら、亡くなられていたんです。その日も何も変わったことはなかったのですが、「私がしっかり見ていたら……」と。「これは命に関わる仕事だ」と痛感しました。

介護福祉士を目指し、ずっと人の役に立ちたい!

美容師をはじめ美容業界から介護業界への転身は多くなってきたが、共通点や活かせる能力は何なのだろうか。

岡本さん美容師や水商売などの接客業の人って、一瞬で人の心を惹きつけるといけないじゃないですか。初めて会った人が何を求めているかを察知する能力。美容師は髪を切る何分かのわずかな時間に、「こんなことを言ってほしいのでは?」と見抜く力が必要で、それは介護でも活かせると思います。

高齢者施設への訪問美容は、今後ますます需要が増えると予想される。だが、美容師が施設等で自分の美容技術を生かしつつ、それを生業にしようとする場合、現状では訪問美容の派遣会社に登録して派遣されることになる。需要と供給のマッチングは今後の課題でもある。

岡本さん介護職の仕事としてヘアカットすることはできないので、今は施設で「私、美容師だったんですよ」と髪を編んであげたりすると、「え~」と喜んでもらえるぐらいですね。お休みの時に自宅で高齢者の方にボランティアカットをしてあげることもあります。今の職場は華やかな世界ではないですけど、ささやかな喜びとやりがいを感じています。

人を一瞬で幸せな気分にさせることができる「髪を切る」という魔法のような技術。その魔法の棒を手離して、これからは介護で高齢者を幸せにしていく決意をした岡本さん。今後の目標は?

岡本さん実務者研修はすでに取得して、3年後の介護福祉士は考えています。3年後には私も60近いので、3年間という年月は長く感じます。頑張りで短縮できるならいくらでも頑張りますが、3年間という経験は絶対に必要なことだと思っています。美容師もそうですけど、頭でわかっているだけでなく、経験で身に付けることは大切。あせらず、1つ1つ覚えていきます。元気で働いて、ずっと人の役に立つ仕事をしたいです。

そんな岡本さんを家族も「イキイキしてるね!」と言ってくれるそうだ。

岡本さん娘も今年から鍼灸の学校に通い始めました。会話のなかに、時々「お母さんがこう言っていたからそうした」という発言があって、私の背中を見てくれているのかなと嬉しくなる時があります。3年後、私と娘は同じタイミングで国家資格にチャレンジするかも。お互いに頑張りたいと思っています。

構成、執筆:谷口のりこ


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この記事の監修者

藤井寿和


1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、 三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。

・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター