女性職員の比率が高い介護業界。しかし最近は、男性の介護職員も徐々に増加している傾向にあります。その中でも介護の専門職である「介護福祉士」を取得する男性職員が増加しています。今、男性の介護職員が求められている理由とはどのようなことなのでしょうか?
介護職として働くことを考えている男性、介護職として働いている男性に、介護業界で男性職員がどのように活躍しているのかをご紹介します。
男性の介護福祉士はどのくらいいる?
それでは介護福祉士の男性の割合はどれくらいなのでしょうか?
介護福祉士の男女比
直近10年の介護福祉士国家試験合格者の男女比率は以下のようになっています。
男性(%) | 女性(%) | |
第31回 | 29.6 | 70.4 |
第30回 | 30.4 | 69.6 |
第29回 | 29.5 | 70.5 |
第28回 | 28.2 | 71.8 |
第27回 | 26.1 | 73.9 |
第26回 | 25.9 | 74.1 |
第25回 | 24.0 | 76.0 |
第24回 | 22.9 | 77.1 |
第23回 | 20.2 | 79.8 |
第25回 | 20.8 | 79.2 |
このように、介護福祉士の男性比率が増えていることがわかります。
男性の介護福祉士のニーズと役割
介護の現場で中心的な役割を担う介護福祉士。介護業界では、介護の専門職である介護福祉士のニーズがとても高くなっています。その中でも、男性の介護福祉士に求められている役割をご紹介します。
・同性の介護職員からの介護サービスを希望する男性の介護
・寝たきりの方、身体が大きい方など、腕力、体力が必要な介護
・性別の違いによる視点の違い
・家庭と仕事の両立のバランス など
介護福祉士になるメリット
ここでは、男性の介護福祉士が増えている理由として、介護福祉士の資格取得のメリットをご紹介します。
管理職を目指す
キャリアアップして管理職を目指す方は、介護施設・事業所の運営全般を管理する能力が求められます。その中には、介護福祉士として働いたことによる現場の視点も必要となります。また国家資格に基づき実務経験を積むことで、介護支援専門員の受験資格が得られるというメリットもあります。
給料が上がる
介護職員のキャリアアップは、資格に基づくことが多いです。介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士という資格制度の中で、介護福祉士を取得することで資格手当の支給など給料アップにつながります。資格手当は、月額10,000円~20,000円が多く、基本給が昇給することもあります。2019年10月から、経験・技能のある介護福祉士に対してさらなる処遇改善の仕組みが進められていますので、今後の給料アップについても期待ができます。
信頼が得られる
介護福祉士は、介護の資格のなかで唯一の国家資格です。資格を取得することで一定のスキルや知識が身についている証明になるので、職場の同僚、利用者・家族からの信頼を得やすいでしょう。
介護福祉士の取得方法
介護福祉士の資格取得には、国家試験の合格が必要です。国家試験を受験するためには、受験資格として実務経験ルート、養成施設ルート、福祉系高校ルート、経済連携協定(EPA)ルートのいずれかの受験資格を満たす必要があります。
実務経験ルートがおすすめ
国家試験の受験資格を満たすルートの中で「実務経験ルート」がおすすめです。実務経験ルートは、「実務経験3年以上」と「実務者研修の修了」で受験資格を得ます。
実務経験ルートのメリットとしては以下の点が挙げられます。
・国家試験の実技試験が免除される
・働きながら資格取得を目指せる
・学習に関する費用負担が少ない
・資格取得後、経験のある介護福祉士として就職・転職、働くことができる
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実務経験ルートで必要になる「実務者研修」。実務者研修は全国の資格のスクール等で実施されていますが、スクーリング(通学)が必要な科目があるので。通学が可能なスクールを探すのが良いでしょう。
無資格の方
無資格の方、その中でも特に未経験の方について説明します。無資格・未経験の方は、これから介護福祉士を目指す上で、「実務経験3年以上」と「実務者研修修了」の両方の条件を満たすことになります。この場合、短期間で取得できる介護職員初任者研修を受講してから就職し、実務経験を積みながら実務者研修を受講して受験資格を満たすのが良いでしょう。
段階的に学習を進めることで、実務者研修で学習する内容を実務に結びつけながら理解できます。また、介護職員初任者研修を修了することで、実務者研修のカリキュラムが一部免除されます。
介護職員初任者研修を修了した方
介護職員初任者研修を修了した方で、介護業界で働いている方について説明します。介護職員初任者研修を修了した方は、前述したように実務経験を積みながら実務者研修を受講することをおすすめします。実務経験3年以上と実務者研修は、定められた期日までに条件を満たしている必要があります。修了までの期間も考えて実務者研修を受講するタイミングを決めましょう。
介護福祉士国家試験対策
介護福祉士国家試験の受験資格を満たした方は、国家試験の受験対策をしましょう。例年1月に実施される国家試験は、合格率約70%と高い合格率ですが、受験対策を怠ると不合格になってしまうでしょう。模擬試験や試験対策講座は、全国の資格のスクール等で実施されていますので、チェックしておきましょう。
まとめ
今後ますます男性の介護職員は増加すると予測されます。介護業界は将来性に不安があり離職する方も多いですが、国家資格である介護福祉士の資格を取得することでキャリアアップや給与面で不安が軽減されるでしょう。これから介護業界での就職を検討している方、現在介護業界で働いている方は、自分に合うステップで資格取得を目指しましょう。
この記事が皆さんの介護福祉士の資格取得の一助になれば幸いです。