介護職員基礎研修は2012年に廃止され、2013年度から「実務者研修」が実施されています。過去に介護職員基礎研修を修了している方は、これから介護福祉士を目指す時にどうすれば良いのでしょうか。
この記事では、介護職員基礎研修を活かして介護福祉士を受験する方法をご紹介します。介護職員基礎研修を取得していて、これから介護福祉士を目指す方は、ぜひご一読ください。
介護職員基礎研修とは
介護職員基礎研修とはどのような資格だったのでしょうか。くわしく説明します。
介護職員基礎研修の概要
介護職員基礎研修は、介護職員の専門性を高め、介護サービスの質を向上させることを目的として2006年度に創設されました。研修内容は、講義と演習360時間、施設での実習140時間の合計500時間をかけて学習します。
カリキュラム
- 生活支援の理念と介護における尊厳の理解(30時間)
- 老人、障害者等が活用する制度及びサービスの理解(30時間)
- 老人、障害者等の疾病、障害等に関する理解(30時間)
- 認知症の理解(30時間)
- 介護におけるコミュニケーションと介護技術(90時間)
- 生活支援と家事援助技術(30時間)
- 医療及び看護を提供する者との連携(30時間)
- 介護における社会福祉援助技術(30時間)
- 生活支援のためのアセスメントと計画(30時間)
- 介護職員の倫理と職務(30時間)
介護職員基礎研修廃止の背景
2012年度以前の介護福祉士の資格取得のは複雑化し、様々なルートから資格を取得した介護福祉士がいたため、介護福祉士の知識・技術に大きく差が出ていました。そこで、これまでの資格制度を廃止し、2013年度から
介護職のキャリアパスを「介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士」と一本化することで、介護福祉士の能力の均一化が図られました。
介護福祉士の取得方法(介護職員基礎研修の保持者向け)
過去に介護職員基礎研修を修了した方は、その資格を活かして介護福祉士の受験資格を得ることができます。それでは、介護職員基礎研保持者向けのルートを説明します。
喀痰吸引等研修を受講する
介護福祉士の実務経験ルートにおいて、以下の要件を満たすと受験資格を得られます。
- 3年以上の実務経験
- 介護職員基礎研修の修了
- 喀痰吸引等研修の修了
喀痰吸引等研修は、基本研修と実地研修を受講します。
実務者研修を受講する
介護福祉士の実務経験ルートにおいて、以下の要件を満たすと受験資格を得られます。
- 3年以上の実務経験
- 実務者研修の修了
介護職員基礎研修修了者は、実務者研修のほとんどの科目が受講免除となり、喀痰吸引等研修で学習する内容と同じ、医療的ケアを受講することになります。受講時間は50時間と別に演習を受講することで実務者研修を修了できるので、この方法で介護福祉士国家試験の受験資格を満たす方が多いようです。
介護福祉士国家試験の受験
介護職員基礎研修修了者は、「喀痰吸引等研修」または「実務者研修」と「実務経験3年以上」の受験資格を満たすことで、介護福祉士の国家試験を受験することができます。国家試験には筆記試験と実技試験がありますが、実務経験ルートの受験者は実技試験が免除されます。国家試験の申込期間が毎年8月上旬~9月上旬、国家試験の実施は例年1月下旬になっています。
介護福祉士として登録を行う
介護福祉士の国家試験の合格発表は、毎年3月下旬に行われます。合格した方は、介護福祉士としての登録手続きを行い、登録が完了することで晴れて介護福祉士として活動できます。
カイゴジョブアカデミーで受験資格を満たす
先ほどお伝えしたように介護職員基礎研修修了者は、実務者研修で医療的ケアを受講することで、実務者研修を修了できます。受講科目が少ないため、無資格者や他の介護の資格取得者と比較して、受講料金が低く設定されています。
その中でも、弊社が運営する『カイゴジョブアカデミー』では、安価な受講料金で実務者研修を開講しているので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
介護職員基礎研修の資格は、就業では今まで通り資格を活かして働くことができますが、介護福祉士の国家資格の受験資格にはなりません。これから実務経験ルートで介護福祉士を目指す方は、喀痰吸引等研修または実務者研修を受講することになります。
特に実務者研修は、全国各地の資格のスクールで開講されているため、お近くのスクールが見つかると思います。各スクールによって受講料金が大きく異なるため、しっかりと比較してスクールを選びましょう。
この記事でご紹介した内容が、皆さんの介護福祉士国家資格の取得の一助になれば幸いです。