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50代で未経験でも介護の仕事はできる?複数の体験談を紹介

更新日:

50代で未経験でも介護の仕事はできる?複数の体験談を紹介

50代から介護の仕事をしてみたいけれど自信がない…と、一歩踏み出せずに悩んでいませんか?

介護業界は、他の職種からの転職や子育てがひと段落した後の第2の人生として選択する方が多い業界です。
また「未経験・無資格可」の求人が多く、最近ではコロナ禍でも安定した雇用が確保できると注目されています。

年齢や体力的な面、他のスタッフとの関わりなど不安な面もありますが、人生経験やキャリアの豊富さを活かして、実際に多くの50代、60代のミドル・シニア世代が活躍しています。

今回は、50代未経験でも介護の仕事はできるのか、介護業界のニーズや男女別のおすすめの職場、成功させるポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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介護業界で50代のニーズはある?

さっそく、50代未経験の方の介護業界のニーズについてみてみましょう。

慢性的な人材不足が深刻な介護業界

超高齢社会を進む日本では、2030年には人口の約3分の1が高齢者になると予測され、介護が必要な高齢者に対してそれを担う介護人材不足が問題視されています。

介護現場では「1人でも多くの介護人材がほしい」ため、求人の門戸が広く売り手市場です。
年齢不問で介護施設によっては未経験・無資格でも働けます。


また50代は人生経験やキャリアも豊富な方が多いので、介護の仕事に不可欠な接遇やコミュニケーション、人間力といったスキルを活かしやすいでしょう。

とはいっても未経験だし無資格だから不安…という方は、資格を取得することで就職・転職がさらに有利になり、介護業務のベースが学べるため安心です。
初めての介護職であれば、介護の基礎的な知識やスキルを身に着ける「介護職員初任者研修」がおすすめです。

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50代以降が活躍!介護現場の実態

介護職は幅広い年齢の方が活躍されていますが、一般企業に比べてミドル世代・シニア世代が多いことが特徴です。

公益財団法人 介護労働安定センターの令和2年度介護労働実態調査状を参考にすると、2020年10月1日調査の介護職の平均年齢は47.5歳。
男性は「40 歳以上 45 歳未満」が 18.3%で最も高く、女性は「45 歳以上 50 歳未満」が 15.5%で最も高く、次いで「50 歳以上 55 歳未満」が 14.8%となっています。
50代(50歳以上60歳未満)の割合は全体で23.5%となり、50歳以上で介護職として活躍している方は全体の約4割を占めます。

このようなデータから、年齢を不安視する必要はないことがお分かりいただけるかと思います。

50代で活躍する介護職員の体験談

筆者が働くグループホームも同様に、10代、20代から70代まで幅広い年代の介護職員が活躍しています。

50代から未経験で入社される方も多く、はじめは緊張や不安でいっぱいの表情ですが、介護の仕事をするうちに表情が和らぎ自分らしく働いている方がほとんどです。
なぜなら、70代の職員や利用者から「50代ならまだまだ若手!可能性はたくさんある!」と毎日発破をかけられるからです。

確かに介護の仕事は体力が必要なので実際の介助となるとしんどいと感じる部分もありますが、年齢を重ねた職員にはその人に適した仕事があります。
では、適材適所で活躍する職員を少し紹介します。

・Iさん(55歳男性/介護職員)
介護職員初任者研修修了し、未経験で入社。
約1カ月、指導者とともに介護現場で実践的なスキルを学び、現在はリーダー業務から夜勤業務までこなす1人前の介護職員として活躍。
「息子と話しているみたい」と女性利用者からの人気が高いです。

・Rさん(53歳女性/介護職員)
長年専業主婦をされてこられた方で、娘の大学資金のため働くことを決意。
介護職員初任者研修修了後、介護現場で実践的な技術を学び3カ月で介護の仕事は一人前に。
優しさや温かいケアで利用者から人気が高く、若手介護職員からも「お母さんみたい」と慕われ、仕事の相談もされています。

・Wさん(55歳女性/夜勤専従介護職員)
家族の介護をしながら夜勤専従で働くWさん。
Wさんの夜勤明けはいつもフロアーが掃除され、洗濯物もきれいに整頓されています。
「主婦しかしてこなかったから、これくらいしかできないけど…」が口癖ですが、若手介護職員は、その手際の良さに憧れています。

・Mさん(76歳女性/介護補助兼調理担当)
腰痛があり重度の方の介助はできませんが見守りや歩行介助、排泄介助などのほか、主な業務としてキッチンや洗濯、掃除など長年の主婦スキルで活躍!
お皿の洗い方や洗濯の仕方など10代・20代の若手職員に指導してくれています。
利用者と一緒に座りお茶をしながら世間話に花を咲かせています。

・Fさん(70歳女性/介護職員)
コミュニケーション力、指導力が強みで新人指導に定評がある元体育教師の介護職員。
介護業務をバリバリこなし、優しく寄り添ったケアで利用者からの人気が高いです。
朝のラジオ体操やボディメカニクス指導の担当になっています。

・Sさん(80歳女性/看護師兼介護補助)
医療機関の看護師長や講師をされてこられたSナースは、なんと80歳!
「私も利用者さんと一緒よ」といいながら輪に入り、コミュニケーションをとり手際よく整容業務。(爪切り・耳掃除等)そして見守りや排泄誘導。
週2回のパート勤務ですが、利用者の中には仲良しのお友達が来ると楽しみにされている方もいらっしゃいます。

どうですか?
世間では50代というと転職は難しいイメージがあるかもしれませんが、介護の現場ではまだまだ活躍できる若手の人材であることがお分かりいただけたでしょうか?

私がケアマネジャーとして、50代以降の方を信頼している部分は“気付き”と“応用力”です。
利用者のささいな表情や仕草の変化に気付くスキルに長けているため、50代介護職員からの情報はケアプランを作成する上でも重視しています。
また、人生経験がもたらす応用力は誰にも負けないスキルになるでしょう。

50代という年齢が弱みになるのではなく、むしろこれまで重ねた人生が仕事での強みになる!ということを知っていただきたいと思います。

介護の仕事

男女別、50代におすすめの介護の仕事内容

“介護の仕事”といって介護業界には様々な職場があり、それぞれによって必要なスキルや仕事内容が異なります。
例えば、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホームなどの入居施設や在宅生活を支える訪問介護やデイサービスなどで働くことができます。
では、50代の方が働くならどんな介護サービスがおすすめなのか、男女別にご紹介します。

【男性】

デイサービス(通所介護)
デイサービスは、自宅で自立した日常生活を送りたい高齢者を支える介護サービスで、心身機能の維持向上や孤立感の解消、家族の介護負担の軽減が目的です。
通所介護事業所で入浴や食事、リハビリ、レクリエーションなどを日帰りで提供します。

デイサービスは事業所によってお泊りデイをされているところもありますが、基本的には朝から夕方までと短時間のサービスになります。
そのため夜勤がなく、体力に自信のない50代におすすめです。

特に男性の介護職員が重宝されるのは、送迎担当としてです。
デイサービスは利用者の自宅から事業所まで送迎を行いますので、運転に自信のある方や運転がお好きな方はデイサービスの介護士に向いているでしょう。

また、デイサービスを利用される方の中には、集団で活動せず囲碁や将棋などを楽しみたい方がいらっしゃいます。
特に男性利用者に多く、その方の囲碁相手や話し相手など個別的な対応などを任せられることもあります。

【女性】

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
グループホームは、住み慣れた地域で暮らしたい認知症利用者を対象に、介護士のサポートのもと共同生活住居で5~9名の少人数の利用者が共に生活します。
アットホームな環境と地域住民や利用者同士の交流を行い、できる限り自立した日常生活を送ることができるようサポートする介護サービスです。
食事や入浴、機能訓練、レクリエーション、日常的な生活援助を提供します。

グループホームでの仕事内容は食事や洗濯、掃除などの家事全般を利用者とともに行います。
そのため介護業務に自信がない方や未経験の方であっても、家事スキルを発揮できる施設です。
職場にもよりますが調理・介護補助として募集されているケースが多く、50代以降の女性が活躍されています。

【男女ともにおすすめ】

訪問介護(ホームヘルプサービス)
訪問介護は、介護保険制度の“在宅介護”に位置づけられた介護サービスで、自宅で暮らしたいと願う高齢者や障がい者の毎日を支えます。
ホームヘルパー(訪問介護員)が利用者の自宅を訪問し、生活援助(掃除や洗濯など)や身体介護(入浴や排泄など)、通院介助などのサービスを提供します。

50代の男女におすすめの理由は、マンツーマンでの介護になるので、施設介護より体力の負担が少ないからです。
利用者1人ひとりに向き合い、寄り添ったケアがしたい方におすすめです。
ホームヘルパーはアルバイトやパートの求人が多く、短時間のシフト勤務も可能なのでライフスタイルに合わせた働き方ができるでしょう。

また、夜間対応型訪問介護では夜間帯(18時~8時)に排泄の介助や安否確認などのサービスを提供する働き方もあります。
特に男性の介護士は、男性利用者のケアや夜間のケアで重宝されやすいです。

訪問介護員として働く場合は、介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修・介護福祉士の「訪問介護員」としての資格取得が必要になります。

はじめての介護職で訪問介護員になりたい方は、ぜひ介護職員初任者研修を受講し資格取得を目指しましょう。
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介護のお仕事をご検討の方はぜひご確認ください。

50代から介護の仕事をおすすめする理由・メリット

50代から新しい仕事を始めるのは大変勇気が必要で「自分にできるだろうか」「仕事を覚えられないかも」と、不安がいっぱいだと思います。
しかし、50代が介護の仕事をする “いいところ”はたくさんあります。

人間力・人生経験を活かせる

50代になり「もう若くないし、体力にも自信がない…」と諦めている方もいらっしゃいます。
しかし、これまでの人生経験や子育て経験は介護の仕事の強い武器になり、介護職の若手人材の良きアドバイザーや相談相手といったポジションでも重宝されます。
また、仕事経験だけでなく専業主婦を長年続けてこられた方も、若手人材にはない人生経験や人間力を求め採用したい事業所は多くあります。

POINT

人と人とがつながる仕事だからこそ、これまでの人生経験から得たマナーやノウハウが役立つ!

利用者との年齢が近いため話しやすい

介護サービスを受ける利用者の多くは80代前後ですので、50代介護職員の親世代になります。中には利用者と介護職員の世代が近い方も多くいらっしゃいます。
若手の介護職員と比べて利用者と年齢が近いため、相手の気持ちに寄り添いやすいのが50代。
利用者からすると気持ちを理解してもらいやすく話しやすい、安心できる相手となります。

POINT

若い頃の話や健康のことなど共感できる話題も多く、高齢者ケアに携わることでこれからの老後について人生の先輩から学ぶことも多い!

年齢や職歴を問わず活躍できる

介護の仕事は年齢やこれまでのキャリアに影響されず、仕事ができキャリアアップを目指すことができます。
例えば、介護職員初任者研修の資格取得後、実務経験を積み国家試験に合格することで介護福祉士、さらに経験を重ねてケアマネジャーへと50代からのキャリアプランが広がります。

職場によって仕事内容が異なりますので、年齢や体力に合わせて長く安定して働けることもメリットになるでしょう。

POINT

介護の仕事は幅広い年齢の方が個々のスキルを活かして活躍できる!

働き方の選択肢が豊富

介護の仕事は正社員、契約社員、派遣社員、パートと様々な働き方ができ、多くはシフト制で夜勤・日勤・早出・遅出と勤務時間も融通が利きやすいことがメリット。

特に訪問介護は短時間のシフト勤務が可能で、週に1回・1時間・1コマからOKという職場もあります。
育児や家族の介護に配慮されている職場も多く、勤務時間に制限がある方にもおすすめです。

POINT

自分に合った勤務時間を選びやすく、家庭やプライベートを大切にできる!

50代の挑戦を成功させるポイント

50代未経験の方が介護職への挑戦を成功させるためのポイントは主に2つあります。

介護のスキルや知識を身に着ける

介護サービスを利用されている方には、サポートがないと動作できない方や寝たきりの方もいらっしゃいます。
体力に自信があっても身体に負担がかかり腰を痛めてしまう恐れもありますので、介護のスキルや知識を身に着け、双方にとって負担の少ない介助を身に着けることが大切です。

介護の実践を通じて学ぶことも多いですが、仕事を始める前に介護職員初任者研修を受講することで身体を痛めない安全で基本的な介助動作を身に着けることができるでしょう。

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情報収集

介護の仕事は職場によって関わり方が異なるので、ご自身がどのような介護や関わりがしたいかを見極めることが大切です。
同じデイサービスの種別であっても、機能訓練に力を入れているところや、レクリエーションに力を入れているところ、要介護度が重度の方を対象にしているところなど様々です。

これからのキャリアプランと体力を考え、無理なく働ける職場を見つけましょう。

厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索(介護サービス情報公表システム)により、全国の介護事業所を検索することができます。

法人情報や所在地、従業員、サービス内容等が掲載されていますので、ぜひ情報収集にお役立てください。

まとめ

50代未経験でも介護の仕事はできるのか、介護業界のニーズや男女別のおすすめの職場、成功させるポイントについてお伝えしました。

ご自身のシニアライフを豊なものにするためにも、介護職員初任者研修を受講することで専門スキルを身に着け、安定の雇用を確保するのも良いかと思います。
また、自分の親やパートナー、あるいは自分の身に介護が必要になったとき、介護の仕事で得た知識やスキルは非常に役立つでしょう。

人生100年時代の今は、50代といってもまだまだ現役世代です。
自分が元気で健康なら何歳からのチャレンジでも遅くありません!
豊富な知識と深い人生経験を武器に、ぜひ介護の仕事で活躍していただきたいと思います。

吉田あい写真
この記事の著者 吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
カイゴジョブアカデミー
この記事の監修者 カイゴジョブアカデミー
編集部
介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。