実務者研修の取得期間は何日?
実務者研修の取得期間は何日?
今回のテーマは「実務者研修の取得期間」についてです。「実務者研修」は、特に国家資格である介護福祉士を受験する予定の方や、サービス提供責任者を目指している方にとっては必須の研修です。また、これから介護職へ就職しようとされている方にも強い味方となる資格でもあります。
ここでは、実務者研修を受講するための条件や、修了までに必要な期間などについて詳しくお伝えします。実務者研修の受講に役立てていただければ幸いです。
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*初任者研修 または 実務者研修
目次
1.実務者研修を最短で取得するために必要な日数は?
実務者研修の標準的な研修時間が450時間、6ヵ月と定められていますが、すでに取得している資格によって受講する科目が免除されるため、必要な学習期間が異なります。
例として介護職員初任者研修を取得している方は、最短で約4ヵ月(自宅学習+通学8~10日間)で実務者研修を取得できます。無資格の方でしたら6ヵ月の期間が必要となります。
保持している資格によって受講期間(日程)が変わる
前述していますが、すでに介護に関わる資格を取得している場合、実務者研修の一部の科目が免除となります。以下に、保持資格と受講時間の関係について示します。
受講科目と時間数
科目 | 無資格 | 介護職員初任者研修 | 生活援助従事者研修 | 介護に関する入門的研修 | ホームヘルパー1級 | ホームヘルパー2級 | ホームヘルパー3級 | 介護職員基礎研修 |
人間の尊厳と自立 | 5時間 | 〇 | 〇 | 5時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
社会の理解Ⅰ | 5時間 | 〇 | 〇 | 5時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
社会の理解Ⅱ | 30時間 | 30時間 | 30時間 | 30時間 | 〇 | 30時間 | 30時間 | 〇 |
介護の基本Ⅰ | 10時間 | 〇 | 〇 | 10時間 | 〇 | 〇 | 10時間 | 〇 |
介護の基本Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 〇 | 〇 | 20時間 | 〇 |
コミュニケーション技術 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 〇 | 20時間 | 20時間 | 〇 |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 | 〇 | 20時間 | 20時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 | 〇 | 30時間 | 30時間 | 〇 | 〇 | 30時間 | 〇 |
発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 〇 | 10時間 | 10時間 | 〇 |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 〇 | 20時間 | 20時間 | 〇 |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 10時間 | 10時間 | 〇 |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 〇 | 20時間 | 20時間 | 〇 |
障害の理解Ⅰ | 10時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 10時間 | 10時間 | 〇 |
障害の理解Ⅱ | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 〇 | 20時間 | 20時間 | 〇 |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | 〇 | 20時間 | 20時間 | 〇 | 〇 | 20時間 | 〇 |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | 60時間 | 60時間 | 60時間 | 〇 | 60時間 | 60時間 | 〇 |
介護過程Ⅰ | 20時間 | 〇 | 20時間 | 20時間 | 〇 | 〇 | 20時間 | 〇 |
介護過程Ⅱ | 25時間 | 25時間 | 25時間 | 25時間 | 〇 | 25時間 | 25時間 | 〇 |
介護過程Ⅲ | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 〇 |
医療的ケア | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 |
合計 | 450時間 | 320時間 | 410時間 | 430時間 | 95時間 | 320時間 | 420時間 | 50時間 |
※この他に医療的ケアの演習が必要となります。
※免除となる科目には「○」を記載しています。
通信コース(通信学習とスクーリング)を受講する方が多い
実務者研修には「通学コース」および「通信コース」があります。
ほとんどの方が、通信コースを受講しています。これは研修時間のうち、多くの科目を通信による自宅学習で行うことができるため、希望する方が多いことが挙げられます。また、通信コースを選択しても、一部の科目についてはスクーリングが必要となりますのでご注意ください。
2.実務者研修はいつから受講できるの?
未成年や60歳を超えている方も受講できるか
実務者研修に年齢制限は定められていません。未成年の方でも受講が可能ですが、スクールによっては「16歳以上」などの条件を設けている場合があります。また、年齢の上限もなく幅広い年齢層の方が受講されています。
介護職員初任者研修を取得していなくても受講できる?
実務者研修を受講要件としては、介護職員初任者研修などの資格要件はありません。まったくの未経験者でも受講が可能です。ただし、実務者研修は介護職員初任者研修に比べると、より専門的な内容の研修になりますので、未経験の方は、介護職員初任者研修から受講されることをおすすめします。介護職員初任者研修の受講時間は130時間です。介護職員初任者研修を修了してから実務者研修を受講する場合は、130時間分の受講を免除されるので無駄になりません。
学歴は関係ある?
実務者研修の受講要件に学歴の要件はありません。最終学歴が中学校卒、高校卒、大学卒のどれであれ、受講できます。また、介護業界では給与などの待遇面が学歴に左右されないず、業務における勤務状況と資格の有無などを重視する介護事業所があります。
性別は関係ある?
実務者研修は、男性・女性どちらでも受講できます。以前は、介護業界は女性の比率が多く、「ホームヘルパー=女性」というイメージがありましたが、現在では男性の介護職も増えています。実際に、カイゴジョブアカデミーでの受講者割合は、男性が40%、女性が60%程となっています。
3.介護福祉士国家資格を取得するために、実務者研修はいつまでに取得すればいいの?
介護福祉士国家試験を受験するためには、試験の行われる年度末までには実務者研修を取得する必要があります。国家試験は年に1回しか実施されませんので、タイミングを逃さないように計画的に準備を進めましょう。
国家試験には筆記試験と実技試験がありますが、実技試験を受ける必要があるのは一部の福祉系高校卒業生の場合となります。実務経験ルートで実務経験3年以上、実務者研修を修了して受験する場合は実技試験が免除されます。毎年の筆記試験は1月最後の日曜日、実技試験は3月初めの日曜日に行われています。
※受験申込書の受付期間は8月初旬から9月初旬の1ヵ月間となります。申し込み忘れなどが無いようにホームページ等で確認しましょう。
社会福祉振興・試験センター試験日程に合わせて学習のスケジュールを組み立てましょう。スケジュールの例をご紹介します。
※留意点
①試験の日程は年度によって異なりますので、事前に確認してください。
②介護福祉士国家試験の受験資格は「実務者研修修了」および「実務経験3年以上」です。ただし、受験申し込みの時点で実務経験3年に達していなくても、年度末までに3年以上となる場合は受験することが可能です。(計算の方法はこちら)
4.まとめ
今回は実務者研修に必要な期間や受講の要件などについてお伝えしました。実務者研修を取得するまでに必要な期間は、標準で約6ヵ月です。ただし、すでに介護関係の資格を保有している場合は、受講する科目が一部免除されるため学習時間は短くなります。
実務者研修を介護福祉士の受験のために受講する場合は、講座の申し込みにご注意ください。試験にぎりぎり間に合うようなスケジュールで受講することはできるだけ避けていただき、余裕を持って受講することをおすすめします。また、受験に向けた受講時期は講座が混み合うこともありますので、早めに情報収集をしましょう。
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。