実務者研修をハローワークで受講するメリットと費用が免除になる方法を解説!
実務者研修はハローワーク(職業訓練)で受講できるの?
実務者研修は、ハローワークの職業訓練で受講できる場合があります。求職中かつ実務者研修の受講を検討している人はぜひ参考にしてください。
- 約2〜6ヵ月※
- 通信 + 通学
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の詳細はこちらから>>
目次
ハローワークの職業訓練は2種類ある
ハローワークの職業訓練は以下の2種類があります。
- 求職者支援訓練
- 公共職業訓練
それぞれ見ていきましょう。
求職者支援訓練
「求職者支援訓練制度」は、再就職や転職、スキルアップを目指す人が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講できる制度です。訓練開始前から訓練期間中、訓練終了後まで、ハローワークが就職活動をサポートします。具体的な支援内容は以下の通りです。
- 職業訓練受講給付金(月10万円)の支給
- 通所手当や寄宿手当の支給
- 無料の職業訓練(テキスト代等は実費)の提供
- 無料の就職サポート
給付金の支給要件を満たさない場合であっても、無料の職業訓練を受講できる場合があります。求職者支援訓練の主な対象者は以下の表の通りです。
離職者 | ・雇用保険の適用がなかった離職者 ・フリーランス、自営業を廃業した人 ・雇用保険の受給が終了した人など |
---|---|
在職者 | 一定額以下の収入のパートタイムで働きながら、正社員への転職を目指す人など |
離職者 | 親や配偶者と同居していて一定の世帯収入がある人など(親と同居している学卒未就職の人など) |
---|---|
在職者 | 働いていて一定の収入のある人など(フリーランスで働きながら、正社員への転職を目指す人など) |
参照元 厚生労働省:求職者支援制度のご案内
公共職業訓練
公共職業訓練とは、主に雇用保険を受給している求職者が職業訓練によるスキルアップを通じて早期に再就職を目指すための制度です。具体的な支援内容は以下の通りです。
- 失業手当の受給期間の延長
- 基本手当や技能習得手当の支給
- 無料の職業訓練(テキスト代等は実費)を提供
- 無料の就職サポート
主な対象者は、雇用保険の失業給付(「失業手当」「失業保険」とも呼ばれます)を受給している人です。ハローワークで職業訓練などの支援が必要と認められることが必要になり、原則として、週20時間以上働いている人は受講できません。まずはお近くのハローワークまでご相談ください。
参照元 厚生労働省:公共職業訓練について
求職者支援訓練と公共職業訓練の違いは?
よく似ている「求職者支援訓練」と「公共職業訓練」の主な違いを表にまとめました。
求職者支援訓練 | 公共職業訓練 | |
---|---|---|
対象者 | 雇用保険の受給資格のない人 | 雇用保険に加入していた人 (失業手当・失業保険を受給できる人) |
支援内容 | ・職業訓練受講給付金(月10万円) ・通所手当や寄宿手当 ・無料職業訓練(テキスト代等は実費負担) ・就職サポート ※給付金、手当には条件あり |
・失業手当の受給期間延長 ・基本手当や技能習得手当 ・無料職業訓練(テキスト代等は実費負担) ・就職サポート ※手当には条件あり |
申込条件 | 申し込み時点で特定求職者であること | 訓練開始日に失業が確定していれば在職中でも申し込み可能 |
詳細は各自治体のハローワークに確認してください。
ハローワークで実務者研修を取得する方法
ハローワークの職業訓練は、様々な資格の取得や技術の習得が支援の対象となっており、介護福祉士の受験資格の一つである実務者研修も支援の対象です。ただし、あくまでも「資格取得」ではなく「就職活動」を支援する制度なので、ハローワークの職業訓練を利用できるのは下記に該当する人のみです。
- ハローワークで仕事の申し込み(求職)をしている人
- 雇用保険被保険者(公共職業訓練対象者)か、雇用保険受給資格者でない(求職支援訓練対象者)こと
- 労働の意思と能力があること
- 就職のために職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めた人
制度の利用に関してはお近くのハローワークへご確認ください。
ハローワークと民間スクールではどちらで取得する方がよいか
ハローワークと民間スクールで実務者研修を取得する場合の両者の違いをまとめました。
ハローワーク | 民間スクール | |
---|---|---|
費用 | ~15,000円前後 | ~100,000円前後 |
受講対象者の制限 | 制限あり | 制限なし |
受講場所 | ハローワーク指定の場所 | 全国の民間スクール |
受講期間 | 6ヵ月以上 | 6ヵ月以上 |
受講時間 | 平日 | 平日コースや休日コースなど多種 |
受講形式 | 通学 | 通信+通学、通学 |
欠席時の授業振替の有無 | なし | あり |
※記載内容はスクールにより異なる部分があります。
ハローワークで実務者研修を取得するメリットとデメリット
ハローワークで実務者研修を取得するメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
・受講費用
ハローワークで実務者研修を取得すると受講料が無料になります。民間スクールでは、ヘルパー2級や初任者研修修了者であれば50,000円程で受講できる場合もありますが、無資格者が受講する際は受講料が100,000円以上となることも。ハローワークの場合、交通費やテキスト代は実費とはいえ、受講料の差は大きいでしょう。
ただし、カイゴジョブアカデミーのような就職サポート付きの民間スクールであれば、ハローワークと同様に実務者研修の受講費用がかからないこともあります。カイゴジョブアカデミーの「介護職デビューキャンペーン」の詳細は以下よりご確認ください。
カイゴジョブアカデミーの介護職デビューキャンペーンの詳細はこちらから>>
・給付金や手当
ハローワークの職業訓練を受講する場合、職業訓練期間中の生活を支援する制度として条件を満たせば以下のような給付金や補助金を受け取れます。
- 職業訓練受講手当
月額10万円の給付が受けられます。 - 通所手当
職業訓練実施機関までの経路に応じた所定の交通費が支給されます。(上限額あり) - 寄宿手当
訓練を受けるため同居の配偶者などと別居して寄宿する場合で、ハローワークが必要性を認めた人が対象となり月額10,700円支給されます。
- 受給要件(※以下すべてを満たす必要があります)
- 本人収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
- 訓練実施日全てに出席する
※やむを得ない理由により欠席し、証明できる場合(育児・介護を行う者や求職者支援訓練の基礎コースを受講する者については証明ができない場合を含める)であっても、8割以上出席する。 - 世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
- 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けていない
- 過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない
参照元 厚生労働省:求職者支援制度のご案内
・就職サポート
求職者を対象とした制度なので無料で就職サポートが受けられます。ただし、カイゴジョブアカデミーのような民間スクールで受講する場合でも無料の就職サポートが受けられます。カイゴジョブアカデミーの就職サポートは以下をご覧ください。
デメリット
・受講場所が限られている
職業訓練を利用する場合、実務者研修の開講場所は限られます。通学での受講となるため、お住いの地域によっては受講が難しいこともあるでしょう。ハローワークの職業訓練の実施場所は以下より検索できます。
参照元 ハローワークインターネットサービス:訓練検索・一覧
・受講時間に縛りがある
職業訓練を利用する場合、基本的に平日9時~17時の間に通学します。民間スクールのように豊富なコースが用意されているわけではないため、夕方や夜間、土日祝日のコースがない場合が多く通学が難しくなることも考えられます。
・人数制限、選考がある
ハローワークの実務者研修には定員が設定されており、倍率が高いため面接や筆記試験による「選考」があります。1クラスの定員はおおよそ20人~30人程度であり、倍以上の応募があることも。
また、申し込みから選考を経て訓練を開始するまでに2~3か月程度かかることもあり、すぐに受講を開始できない可能性があります。募集人数が定員に達すると、次回の選考まで待たなければならないというデメリットもあります。
・振替受講
ハローワークの研修では、民間スクールのような振替受講ができない場合があります。実務者研修はカリキュラムの全日程を修了する必要があり、1回でも休んでしまうと修了できない場合があるので注意が必要です。
・仕事ができない
職業訓練で実務者研修を受講している間の約6ヶ月間は基本的に仕事はできません。ハローワークの職業訓練はあくまでも「就職先が決まっていない人」向けの訓練だからです。受講申込みから選考期間も含めると6ヵ月以上の時間を要するため、なるべく早く資格を取得して働きたい人には向いていないでしょう。
職業訓練受講給付金を受給しても、その給付金だけでは生活費が不足する場合、希望に応じて「労働金庫(ろうきん)」の融資制度が利用ができます(求職者支援資金融資)。詳しくはハローワークにお問い合わせください。
※職業訓練の受講期間でも「雇用保険に入らないように働く」「一定の労働時間を超えないように働く」などの条件で仕事ができるケースもあります。詳しくはハローワークにご確認ください。
参照元 厚生労働省:雇用保険を受給できない求職者の皆さまへ
民間スクールで実務者研修を取得するメリットとデメリット
民間スクールで実務者研修を取得するメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
・受講場所
民間スクールの実務者研修は、全国各地で行われています。比較的アクセスの良い立地での開催が多いので、受講したい地域で受けやすいでしょう。
・受講時間
民間スクールでの実務者研修の受講時間は、研修の実施団体によって幅があります。基本的に平日9時から17時までのコースが一般的ですが、中には夕方からのコースや、土日・祝日のコースなどを開催しているスクールもあります。そうした点で、民間スクールの受講は都合がつきやすいと言えます。
・受講人数
各コースにはハローワークと同様に定員が設定されています。募集人数が定員に達した場合は、違うコースや他の民間スクールを検討することになりますが、ハローワークより開講数が多いため受講できるコースやスクールの選択肢が多いでしょう。
・受講形式に通信もある
民間スクールは基本的に一部の科目を通信で受ける「通信併用コース」です。職業訓練のように全カリキュラムを通学する必要がないことは大きなメリットです。
・受講の振替が可能
ほとんどの民間スクールでは、受講できない場合に他の日に振替受講ができます。中には振替回数に制限が設けられていたり振替に費用がかかったりするスクールもあるので、申し込みの際にしっかり調べましょう。カイゴジョブアカデミーでは無料で近隣スクールでの振替にも対応しています。
カイゴジョブアカデミーの介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の詳細はこちらから>>
デメリット
・受講費用が高額になることも
民間スクールでは受講費用が高額になることがあります。特に無資格者の場合、100,000円以上の受講費用が必要になることが多いでしょう。ただし、就業目的で受講する場合は各スクールが実施する「就業支援制度」を使える可能性が高く、その場合は費用がほとんどかかりません。カイゴジョブアカデミーの就業支援制度「介護職デビューキャンペーン」は実務者研修の受講料を当校が全額負担するため費用の心配はありません。詳細は以下よりご確認ください。
カイゴジョブアカデミーの介護職デビューキャンペーンの詳細はこちらから>>
ハローワーク以外で受講費用を抑えて実務者研修を取得する方法
ハローワーク以外で受講費用を抑えて実務者研修を取得する方法をいくつか紹介します。
- 就職先の助成制度
- 民間スクールの割引制度
- 民間スクールの就業支援制度
- 介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度
- 教育訓練給付金制度
- 自立支援教育訓練給付金事業
就職先によっては、福利厚生として実務者研修の受講費用を助成してくれる事業所もあります。民間スクールでは就業支援制度のほかに期間限定の割引キャンペーンを実施していることもあるので、通いたいスクールを見つけたらチェックしてみましょう。
転職をお考えの方は、受講料を当校が実費負担する制度があります。
カイゴジョブアカデミーでは、実務者研修の取得と同時に転職を希望する人を対象に、授業料とテキスト代を当校が実費負担する「介護職デビューキャンペーン」を実施中。実務者研修の資格を活かせる職場へ無料で転職できるチャンスです!
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受講費用*&
テキスト代 -
振替受講や
再試験代 -
就業
サポート
*初任者研修 または 実務者研修
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の詳細はこちらから>>
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度
各都道府県の社会福祉協議会が実施している「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」は、実務者研修の受講資金等を無利子で20万円まで貸付してくれる制度です。対象者は、介護職等として従事しながら実務者研修施設に通い、介護福祉士の資格取得を目指す人です。資格取得後の2年間を、社会福祉協議会が指定する介護事業所に従事するなど一定の要件を満たすことで、返済の免除等が受けられる場合もあります。
※返済免除の要件は各都道府県によって異なります。お住まいの都道府県の社会福祉協議会にお問合せください。
教育訓練給付金制度
雇用保険の被保険者(在職者または離職中)が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合、支払った教育訓練費の20%(上限10万円)が返ってくる制度です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
自立支援教育訓練給付金事業
シングルマザーまたはシングルファザーの経済的な自立の支援を目的に、厚労省と各自治体が協力して実施する事業です。
対象となる教育訓練を受講し、修了した場合にその経費の60%が支給されます(下限は1万2千1円、上限は①雇用保険の一般教育訓練給付または特定一般教育訓練給付の対象となる講座を受講した場合、最大20万円②雇用保険の専門実践教育訓練給付の対象となる講座を受講した場合、修学年数×40万円、最大160万円)。ただし、各自治体が実施している制度のため、お住まいの地域によっては制度のない場合があります。制度の利用を考えている場合は事前にお住まいの地域の自治体に確認しましょう。
制度がある自治体でも、受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要があるので、必ず事前にお住まいの市(町村在住者は都道府県)にご相談下さい。
対象者は、、20歳に満たない児童を扶養する「母子家庭の母」または「父子家庭の父」であり、以下の要件を全て満たす人です。
- 自立に向けた計画(母子・父子自立支援プログラム)の策定等を受けている者
- 就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、当該教育訓練が適職に就くために必要であると認められること
参照元 こどもまんなか こども家庭庁:母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について
まとめ
実務者研修をハローワークで受講するメリットやデメリット、費用が免除になる方法などを解説しました。実務者研修をハローワークで受講する場合、費用面でのメリットがある一方でさまざまなデメリットもあります。本稿を参考に、民間スクールも含めて補助金や給付金、助成金の利用を検討しながら、自分にピッタリの講座を見つけてください。
カイゴジョブアカデミーでは、実務者研修の受講料を当校が全額負担する「介護職デビューキャンペーン」を実施しています。介護業界最大級の規模を誇る人材紹介サービス『カイゴジョブエージェント』と提携しているため、より希望に近い就業先の紹介も可能。費用負担がないだけでなく、面倒な申請手続き等もいっさいありません。資格を取りながらすぐに働きたい人にもぴったりなキャンペーンです。ぜひハローワークと比較してみてください。
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受講費用*&
テキスト代 -
振替受講や
再試験代 -
就業
サポート
*初任者研修 または 実務者研修
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の詳細はこちらから>>
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。