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認知症介護基礎研修が義務化?資格の取り方は?

更新日:2021/10/26

認知症基礎1

超高齢社会を突き進む日本では、高齢化とともに認知症患者の増加が著しく、2020年の認知症患者の人数は約602万人、高齢者の6人に1人という高い割合となっています。
また2025年には高齢者の5人に1人が認知症患者になるという推計も。
そこで2021年4月から介護報酬改定に伴い、無資格の介護職に「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されました。(2023年までは経過措置期間)
今回は、認知症介護基礎研修の義務化の背景や資格の取り方について説明します。
これから介護職を目指す方はぜひ参考にしてください。

介護職員に不安が多い認知症ケアとは?

認知症になると、新しい情報や短期記憶から失われ、長期記憶や子育てや働いていた頃等の一番輝いていた時期の記憶は認知症が進行しても比較的残り続けるといわれています。
認知症の症状はその人によって大きく異なり、軽い物忘れから徘徊、せん妄、帰宅願望、暴力行為と様々です
またその症状の現れ方や程度は日内変動する場合も多く、「認知症の人への接し方が分からない」「どうしたらいいケアができるの?」と、悩む介護職員は多いです。
特に、未経験・無資格から介護業界に入った方は、初めて見る光景に驚くこともあり、介護者のストレスになることも。

・認知症っていったいなに?
・どんな症状なの?
・どう接したらいいの?

そんな認知症ケアの悩みを解消し、安心感を与えるケアを学ぶための研修が、認知症介護基礎研修です。
認知症介護基礎研修によって、認知症の相手の世界を知ることから始めましょう。

認知症介護基礎研修とは?

認知症介護基礎研修の具体的な内容について紹介します。

認知症介護基礎研修とは、認知症の人への介護を行う介護従事者が、認知症への理解を深め、ケアに必要な基礎的な知識や技術を習得するための研修です。
そしてチームケアを実践する上で、基本的な認知症ケアの提供ができることを目指しています。
では、認知症介護基礎研修の研修内容や対象となる人について詳しくみていきましょう。

研修内容

認知症介護基礎研修標準のカリキュラムは『認知症の人の理解と対応の基本』です。
認知症の人を取り巻く現状、病状に関する基礎的な知識を学び、認知症ケアの基礎的な技術に関する知識とそれらを踏まえた実際の対応方法を身に着けることを目的にしています。

受講方法はお住まいの都道府県によって異なり、以下のようなパターンがあります。

【受講パターン】
・eラーニング(講義)
・eラーニング半日+集合型半日
・全eラーニング
・集合型研修
など。
コロナ禍では、eラーニングを用いる自治体が多く、定員数の制限や開催の延期がされているところも少なくありません。

【学習内容】
・認知症の人を取り巻く現状
・具体的なケアをする時の判断基準となる考え方
・認知症の人を理解するために必要な基礎的知識
・認知症ケアの基礎的技術に関する知識と実践上の留意点

【受講対象者】
受講の対象となるのは、「認知症ケアに携わる介護従事者」「無資格(医療・福祉関連の資格を取得していない方)の介護従事者」です。
また、居宅介護・施設介護等、働いている施設の要件は問いません。
以下の有資格者や認知症ケアに関する基礎的な知識・技術を既に習得している職員(認知症介護実践者研修や認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修等の修了者)は、義務化の対象外となります。

【認知症介護基礎研修免除となる職種】
看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者、訪問介護員養成研修1級課程・2級課程修了者、社会福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師

以下に例として、東京都と大阪府の認知症介護基礎研修の概要をご紹介します。


■東京都(2021年10月26日時点)
【受講要件】
東京都内(*八王子市除く)の介護保険施設・事業所等において、介護に直接携わる職員のうち医療・福祉関係の資格を有さない者等
※既に医療・福祉関係の資格をお持ちの方もご受講いただけます。
*八王子市内に所在する介護保険施設・事業所等については八王子市所管課へお問い合わせください。

【研修方法】
仙台センターを研修実施機関として指定しeラーニングで実施します。
受講を希望される方は、仙台センターへ直接申込みを行い、研修を受講することとなります。
※新型コロナウイルス感染症の感染動向や、原則eラーニングで実施とされていることを踏まえ、今年度、東京都において実施予定であった集合研修は中止します。

【受講料】3,000円


■大阪府(2021年10月26日時点)
【受講要件】
介護保険施設・事業者等が当該事業を行う事業所(大阪府内(※大阪市内及び堺市内を除く)に所在する事業所)において、介護に直接携わる職員のうち医療・福祉関係の資格を有さない者等。

【研修方法】
自学習(eラーニング)150分程度

【受講料】3,000円


認知症基礎2

いつまでに受講しなければいけないの?

2021年4月から開始される認知症介護基礎研修ですが、2021年~2023年の3年間は経過措置期間で完全に移行するのは、2024年4月からです。
また新規採用・中途採用を問わず、採用後1年間は受講猶予期間がありますので、1年以内の研修受講を目指すことになります。
eラーニング化やコロナ禍での開催状況を確認し、受講時期を決めましょう。

研修費用

研修費用についても同様に各都道府県によって異なり、自治体が主催しているケース・民間等の団体に委託しているケースによっても研修費用は異なります。

テキスト代や受講費を含めて無料~5,000円程度のケースが多いです。

難易度

無資格や未経験の介護従事者、認知症ケアに慣れていない介護従事者に向けて認知症の基礎についての講義となり、研修内容も分かりやすく理解できるものになっています。
また修了試験は実施されず、受講修了によって受講証明書が発行されるため難易度は高くありません。

認知症介護基礎研修を義務化する背景とは?

厚生労働省の簡易生命表において、2020年の日本人の平均寿命は女性87・74歳、男性81・64歳となっています。
認知症は85歳以上の4人に1人に現れるとされ、長寿の日本人にとって身近なものです。
認知症になっても自分らしく安心・安全に生活していくためには、家族含め近くで支える介護従事者の質の高い認知症ケアが欠かせません。

しかしながら教育・知識・介護技術等に関する問題に起因する高齢者虐待が社会問題となっており、介護従事者に対する知識や技術の教育の必要性が重視されています。

2001年から認知症介護実践者研修、実践リーダー研修、指導者養成研修がスタート。
2006年、2014年に見直しを経て、認知症介護指導者養成研修のカリキュラム改訂、認知症介護基礎研修のプログラム作成実施。
2021年4月からの介護報酬改定。
介護職員の認知症ケアに関する専門的な知識とスキルの取得を目指して、認知症介護基礎研修の義務化が2021年4月から開始となりました。

認知症介護基礎研修からのステップアップは?

認知症介護基礎研修は、その名前の通り“認知症の基礎”について理解し学ぶものです。

そのため奥深い認知症ケアをさらに理解し実践スキルを高めるには、以下のような研修を受講しステップアップすることが必要です。

認知症介護実践者研修

認知症介護基礎研修よりも専門性の高い認知症介護の理念や知識及び技術を修得し、認知症ケアのエキスパートを目指す研修です。
原則、身体介護に関する知識、技術を修得しており、概ね実務経験2年程度の者が対象となります。

認知症の状態や取り巻く環境は個々により異なります。
研修受講によって本人、家族のQOL向上や適切なアセスメント、認知症ケアの実践技術を身に着けていきます。

研修機関は講義・演習で6~7日、自施設実習が2~4週間程度で2~3カ月かけ学ぶケースが多いですが、実施主体となる各都道府県の指定や委託を受けた各機関によって受講条件やカリキュラムの内容が異なります。
認知症介護基礎研修と同様に、受講される方は事前に確認が必要です。

認知症介護実践リーダー研修

認知症介護実践者研修を修了した方が、認知症介護において事業所内のケアチームで適切なケアを提供するためのリーダーを育成する研修です。
概ね5年以上の実務経験があり、チームのリーダーになることが予定され、実践者研修を修了して1年以上経過した者が受講の対象となります。

実施する各都道府県の指定や委託を受けた事業所によって、受講申込の時期やスケジュール、受講費用は異なり、受講できるところから5万円以上かかるところもあります。
講義・演習で8~10日間程度・他施設実習は3~5日程度の実習・自施設実習では4週間程度のスケジュールで課題に取り組み、全カリキュラム修了まで3カ月程度かけ学びます。

受講を検討している方は、受講方法や受講スケジュールなど事前に確認しましょう。

認知症介護指導者養成研修

認知症介護指導者養成研修は、都道府県・指定都市が実施する認知症介護基礎研修及び認知症介護実践研修を企画・立案し、講義、演習、実習を担当することができる能力を身につけるとともに、介護保険施設・事業者等における介護の質の改善について指導することができる者を養成することを目的とした研修です。

受講の対象者は、
・社会福祉士、介護福祉士等の資格を有する者又はこれに準ずる者
・認知症介護実践者研修を修了した者又はそれと同等の能力を有すると都道府県等が認めた者
・地域ケアを推進する役割を担うことが見込まれている者等のいずれの要件も満たす者
となります。

認知症介護指導者が所属する事業所には、認知症専門ケア加算Ⅰ、Ⅱが算定されますので事業所からのニーズが高い研修となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
認知症介護基礎研修の義務化の背景や資格の取り方、ステップアップの資格について説明しました。

認知症の症状は十人十色ですが、認知症になっても自分らしく今まで通りの生活がしたいと望む方が多いのではないでしょうか?
認知症の方は、これまでの生活をベースに、認知症となった“いま”を生きています。
認知症になっても「感触」と「感情」は最後まで壊れることのない2つの機能だとされ、「認知症だから」ではなく、その人らしさに寄り添った適切な認知症ケアの実践が大切です。

認知症介護基礎研修の受講は日々の介護業務で役立つだけでなく、キャリアアップや給与に反映されるなどメリットが多い研修です。
ぜひ受講のチャンスがあれば積極的に受講してください。
介護全般の基礎知識を付けたい方には、介護職員初任者研修がおすすめです。
認知症の理解についても研修内容に含まれており、認知症介護基礎研修も免除されます。

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また、以下のサイトで認知機能チェックを行うこともできます。
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この記事の著者

吉田あい


大阪府出身 現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」
「介護現場におけるリスクマネジメント」

特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、
介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、
介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。

カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、
実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。

【所持資格】
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・介護福祉士
・社会福祉士
・メンタル心理カウンセラー
など