介護職員初任者研修の期間や料金について

介護の仕事に興味はあるけれど、何から始めればいいのか分からず踏み出せないでおられる方や、初任者研修を受けたいと思っておられる方、介護の資格を取得してから介護の仕事に就こうと考えておられる方、更には、これから自宅でご家族を介護するかもしれない方のために、介護職員初任者研修についてご紹介させていただきます。

1.初任者研修とは

初任者研修の目的

介護保険が始まった2000年から、訪問介護の条件として訪問介護員3級から1級などの研修を受講した方が、ホームヘルパーとして働くことができるようになりました。2013年の法改正からは、訪問介護いわゆるホームヘルパーとして働くためには、「介護職員初任者研修」を修了している人でなければならないと定められました。この研修は、これまでの「訪問介護員のための」という位置づけではなく、在宅・施設を問わず、介護職として働く上で土台となる知識・技術を修得することを目的としています。
しかし、この研修を履修していないとすべての職場で働くことができないかというと、そうではありません。訪問介護を除くデイサービスや特別養護老人ホームなどでは、初任者研修を修了していなくても介護職員として働くことができます。
ただ、採用する側から見ればこの研修を終えている方とそうでない方では、やはり「基本となる知識・技術を修得」している方を優先したくなることを思えば、ぜひ受けておきたい研修といえます。

スキルアップの「登竜門」

介護の職場は、お客様との1対1で行う訪問介護を除いて、たとえ未経験であっても身体介護を行うことができます。
しかし、まったくの未経験の方と現場経験がなくても初任者研修を履修している方との信頼度はスタートから大きく差がつきます。
また、事前に研修を受けているためOJTなど入社後の研修などでも、未経験の方と比べて理解度や現場での対応力に雲泥の差が出ます。スキルアップに関しても、まず初任者研修を履修し、現場で経験や知識、技術を磨いて実務者研修を受講し、やがて介護福祉士に挑戦する。という介護職としての将来像が描きやすくなります。その意味で、初任者研修はスキルアップの登竜門であると言えます。

初任者研修の内容

初任者研修で学ばなければならない内容や習得しなければならない技術については、国が定めていますが、国の定めた内容に沿って民間企業や団体がテキストを作成し初任者研修を開催しています。初任者研修は、研修という名称の通り、履修すれば取得できるものとなっていますので、定期的にどこかで資格取得試験が開催されているわけではありません。
履修を希望される方は研修を行っている会社などへ受講の申し込みを行っていただくことになります。
初任者研修を修了するためには、合計で130時間の研修時間をクリアする必要があります。
研修時間の中には、実技を学ぶ時間(90時間程度)と、座学で知識を学ぶ時間(40時間程度)にわかれます。全体としてどのような内容か、簡単にご説明します。
1)職務の理解(研修時間/6時間)
研修が始まり最初に学ぶ内容です。介護保険に定められた様々なサービスや、介護職員としての仕事内容について学びます。
2)介護における尊厳の保持・自立支援(研修時間/9時間)
ここでは、人権や個人の尊厳を守ること、虐待の防止やQOL(生活の質)などのほか
自立支援のための介護や介護予防について学びます。
3)介護の基本(研修時間/6時間)
この時間は介護職の役割や専門性、多職種との連携。職業倫理や介護を行う上でのリスクマネジメント(事故予防など)について学びます。
4)介護・福祉サービスの理解と医療との連携(研修時間/9時間)
介護保険制度の創設から保険制度の仕組み、財源などについて。
また、医療との連携やリハビリテーション、障碍者自立支援制度などについて学びます。
5)介護におけるコミュニケーション技術(研修時間/6時間)
要支援、要介護者やそのご家族とのコミュニケーションの取り方や、スタッフ同士のコミュニケーションの大切さや技法などについて学びます。
また、介護記録や情報共有の大切さなどを学びます。
6)老化の理解(研修時間/6時間)
高齢になると起きる心や体の変化と、それに伴う日常生活への影響や高齢者に必要な健康管理、高齢者特有の病気などについて学びます。
7)認知症の理解(研修時間/6時間)
ここでは、医学的な側面からの認知症に対する理解や健康管理、また認知症が原因で起こる心の状態や行動の特徴、ご家族への支援および認知症を取り巻く社会的状況などについて学びます。
8)障害の理解(研修時間/3時間)
障害の概念など基本的な理解から、医学的に見た障害、生活面から見た障害および心理的な特徴やかかわり方、ご家族の心理について学びます。
9)こころとからだのしくみと生活支援技術(研修時間/75時間)
最も多くの講義・実習時間にあてられている項目です。基礎的な学習から、生活と家事、
居住環境整備、整容、移動、移乗、食事、入浴など日常生活で必要な介護技術から終末期介護までを学びます。
10)振り返り (研修時間/4時間)
すべての講義演習を終えて、就業に向かう備えについて、継続的な研修の必要性などについて学びます。

おおまかな研修の内容は以上です。研修科目終了後は評価テストがありますが、落とすための試験ではなく、まじめに取り組んでいれば合格点を取ることは十分可能です。

2.初任者研修の期間や料金など

初任者研修終了までの期間

初任者研修は、自宅学習と通学して行う場合とでそれぞれ時間割がなされていることが多く、いわゆるスクーリングが15回、自宅が3~4回程度といった形でカリキュラムが作られていることが多いです。
受講期間は「最短1ヵ月」というところも多くありますが、家庭や仕事の都合などで予定通りに通えない場合を考えると、無理なスケジュールは避け、通いやすい場所と受講日時の振替(変更)が行いやすい所をお勧めします。
何より最後まできちんと学び、知識と技術を身に着けることが大切です。
また、週末ごとにスクーリングが開催されるというところもあります。受講先を選ぶ上で自宅から近い所、というのも大切な要素です。通い易さは続け易さにつながります。
学ぶこと以外の時間はできるだけ少なくして、効率よく学ぶことが大切です。
自宅学習についても、一日の生活でどの時間帯に学習時間を持てばよいのかなどを検討することが大切です。初任者研修では、一部学習を通信で行うことができます。その上限が40.5時間と決められています。この場合、130時間のうち40.5時間は自宅において自分自身で行わねばなりません。やはり、無理のない計画を立てて臨むことが必要です。
初任者研修を受講する際には、自宅から近い順にパンフレットを取り寄せるなどして、どのような形で研修が進められるのか、開催される曜日(日程)と時間帯なども確認して、ご自身の生活や仕事をしながらなど、無理なく受けられるスケジュールを選ばれることをお勧めします。研修を開催する会社によって、受講スケジュールの相談に事前に応じてくれるところもありますので、少しでも不安があれば問い合わせてみましょう。

初任者研修の料金

無料から最高で12万円程度で、かなり差があります。
スクール毎に特徴が異なりますので金額だけで申し込まず、よく受講内容や契約内容について調べたり、直接聞いたりなどして確認されることをお勧めします。
例えば職業紹介や人材派遣業を行っている会社が主催する初任者研修の場合、派遣登録や職業紹介を受けることで受講料が安くなります。
また、介護事業を行っている会社が初任者研修を開催している場合などは、修了後その会社に就職することを条件に受講料が安くなる、などの条件が付いていることがあります。
これ以外にも、受講料が高額なところですと、一般教育訓練給付金制度(ハローワークが窓口です)の活用ができる場合があります。これは雇用保険に基づいて細かな決まりがありますので、ご自身が対象になるかどうかを事前に確認しておく必要があります。対象となった場合、研修費用の20%が給付されます。

3.まとめ

介護に携わる人は、これからもっと必要になってきます。高齢者が増え、介護の仕事は社会を支える重要な役割を担います。
介護に興味を持ったきっかけは様々だと思いますが、介護する方もされる方も、快適で過ごしやすい高齢社会にしていくことが介護職の仕事です。
その仕事を支える初任者研修は、社会から求められている、大変意味のある研修ですので修了まで頑張ってください。
この記事をシェアいただき、受講を検討している方や初任者研修について知りたい方へ届けていただけると大変幸いです。

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