介護職員初任者研修で「できること」と「できないこと」とは?

「日本は高齢化が進行している」というニュースを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか? 2016年時点で日本の高齢者(65歳以上の人々)の割合は27.3%であり、団塊の世代が全員75歳以上となる2025年には30.0%に達すると見込まれています。
このような状況の中で、人材の確保と育成が急がれている産業が介護業界です。
これからの日本に欠かせない介護業界で働こうと考えている人や、介護の仕事に興味がある人に、介護の資格「介護職員初任者研修」について紹介させていただきたいと思います。
介護職員初任者研修とは、介護の仕事に必要となる基本的な知識と技能を習得するために2013年に創設された研修です。この研修を修了することで、介護の仕事に幅広く関われるようになり、その後のキャリアアップにつなげることができます。専門的な知識や技能を持った職員になってほしいと思う事業所では、介護職員初任者研修をはじめ介護の資格取得を推奨されるでしょう。
そのため、無資格の方には「介護の仕事は資格がないとできないの?」という疑問を持たれる方もいるかと思います。これから介護職員初任者研修を取得することで、関わる介護の仕事がどのように変わるのかについて紹介します。

1.介護職員初任者研修を取得しなくてもできる介護業務

まずは、「介護の仕事は資格がなければできないの?」という疑問についてですが、答えは「資格がなくても仕事はできる。ただし、関われる業務に制限が付く」となります。
介護に関わる業務は、資格がなくてもできる業務と有資格者でなければできない業務に分かれるということです。資格がなくてもできる業務は下記のようになります。

・送迎、移動業務

お年寄りの方をワンボックスカー等の車が迎えに来る、または送ってくる場面を見かけたことはありませんか? 送迎サービスを行っている介護事業所では、車による送迎を行うことが多いため、車を運転できる職員が業務を担当します。この業務は介護の資格は無資格で行うことができます。ただし、送迎している方の体調等を把握するためには、介護の知識が必要となるでしょう。

・生活援助

介護事業所で、ご利用者の掃除、食事の支度、必要な物品の買い物、ベッドメイキング等日常生活の支援業務については、無資格で行うことができます。

・身体介護

ご利用者の身体に直接触れるような介護業務を身体介護と呼びます。具体的には食事介助、入浴介助、移動介助、排泄介助などがあり、無資格で行うことができます。

・注意点

ここで注意すべきことは、上記の送迎移動業務、生活援助、身体介護について、訪問介護事業所でサービスを提供する場合は介護職員初任者研修修了者等の有資格者でなければ行うことができないという事です。実施している内容は同じでも、提供する介護サービスの種類により無資格ではできないことがあります。

・事務系業務

事務系業務とは、介護報酬の請求業務や経理処理、職員の給与計算業務等になります。こちらについても、介護の資格は必要ありませんが、介護請求、経理、労務等の別の専門知識が必要となります。

以上のように、介護の仕事をする上で資格がなくてもできる業務はありますが、介護に関する知識を身に付けていた方が、より幅広く活躍できるでしょう。

2.介護職員初任者研修を取得するとできる介護業務

続いて、介護職員初任者研修を取得することでできるようになる業務は下記のようになります。

・訪問介護が行えるようになる

訪問介護サービスとは、ご利用者の自宅で掃除や洗濯、買い物代行や食事の準備をする「生活援助」や、着替えや食事の介助、排泄等の介助をする「身体介護」、また、必要に応じてサービスご利用者の方を病院に連れていく「通院介助」を行うサービスです。事業所ではなく、ご利用者の自宅で介護サービスを提供するので、ご利用者との距離が近く、一緒に食事の準備を行う等、他の事業所ではなかなかできない経験を積むことができ、視野も広がるでしょう。

・他の業務を任される

訪問介護事業所以外の事業所でも、業務内容によって介護職員初任者研修修了者が行う業務として業務を分けている場合があり、修了することで関わることができる業務が増えます。そのため、資格を取得していると給与に差がでる場合があり、また、色々な業務の経験を積むことで、介護の上位資格である「実務者研修」や「介護福祉士」を取得するのに役立つことでしょう。

3.ほかの介護資格を要する介護業務

では、介護職員初任者研修を修了すれば、介護業界のすべての業務を行えるのかというと、残念ながらすべては行えません。どのような業務か例を挙げると、「サービス提供責任者」、「生活相談員」「ケアマネジャー」等です。これらの業務を行うには、他の資格が必要となります。

・サービス提供責任者

サービス提供責任者とは、訪問介護事業所においてご利用者に介護サービスを適切に提供するための計画を作成する責任ある業務を担います。訪問介護事業所には必ず配置されている職種となり、サービス提供責任者となる要件は、「実務者研修」という、介護職員初任者研修の上位に位置する研修を修了している必要があります。介護職員初任者研修を修了し、現場での経験を積みながら目指しても良いのではないでしょうか。

・生活相談員

生活相談員とは、事業所の利用についてご利用者やそのご家族、自治体、外部の医療機関との相談や連絡を行う窓口としての役割を果たします。
生活相談員となる要件は、「介護福祉士」、「介護支援専門員」等の一定の資格要件を満たすことが必要となります。

・ケアマネジャー

介護サービスを利用するためには事業所との契約とケアプランが必要となり、ケアプランを作成することがケアマネジャーの業務となります。ケアプランに基づき、介護サービスが提供されるため、ケアプランの役割はとても重要です。ケアマネジャーの業務に行うためには、「介護支援専門員」の資格が必要となります。

4.まとめ

介護の仕事を行う際に、介護職員初任者研修を修了しているかどうかによって、関わる業務に違いがあります。より介護の仕事を理解するために介護職員初任者研修を受講しておいた方が良いでしょう。その上で経験を積み、必要と判断した時に上位資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか?
これから介護の仕事で活躍しようとしている方の一助になれば幸いです。参考になりましたら、ぜひシェアをお願いします。

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