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実際に介護職のお給料は9,000円上がったの?現場の声をご紹介

更新日:2022/6/24

実際に介護職のお給料は9,000円上がったの?10月以降はどうなるの?現場の声もご紹介

実際に介護職のお給料は9,000円上がったの?10月以降はどうなるの?現場の声もご紹介

かつては低賃金かつ劣悪な労働環境といわれていた介護職ですが、最近では介護職員の待遇改善が進みつつあります。
中でも2022年2月から介護職の給与を月額9000円引き上げるという、岸田政権の賃上げ政策が注目されましたが、実際に賃上げが行われているのか?気になりますよね。
今回は、賃上げ政策のおさらいと実際の現場の声、さらにはこれからの給料アップの見込みなどについてお伝えします。
「まだ賃上げされていない」「満額もらえるのはどんな人?」という介護職の方も多いかと思いますので、ぜひ参考にしてください。

賃上げ政策のおさらい

“介護職の給与月額9000円の引き上げ”という衝撃的な政策は、2021年11月19日の閣議決定において、「新しい資本主義」の経済対策の一環として打ち出されました。
2021年度の補正予算では1,655億円が投じられ、保育士等・幼稚園教諭、介護・障害福祉職員を対象に、収入を3%程度(月額9000円)引き上げることを目的としています。
介護職員の賃上げ対象となる施設は「介護職員処遇改善加算」を算定する事業所です。


【なぜ賃上げ政策ができたの?】

コロナ禍では介護職や保育士などエッセンシャルワーカーの重要性が再認識されました。今回の賃上げ政策は、これらの職種の慢性的な人材不足の解消と新たな人材確保が目的です。


【誰が対象になるの?】

賃上げの対象となるのは、介護報酬の介護職員処遇改善加算を取得している施設・事業所で働く介護職員です。
資格の有無や雇用形態に関わらず、現時点で、介護事業所で働く138万人が対象となっています。
介護施設で働く介護職員以外の職種、例えば介護施設のケアマネージャーや相談員、看護師、栄養士、リハ職、介護助手、事務職などは対象ではありません。
しかし、事業所に支給された金額については処遇改善に活用する場合は柔軟な運用が認められるため、事業所によって介護職以外にも支給されるケースがあります。


【一律9000円貰えるわけではない】

「どの職員にいくら分配するか」という対象職員や配分率などのルールはなく、全て事業所判断によって分配されます。
そのため同じ状況で働く介護職であっても人によって支給金額に差が生じることがあります。

では、これらのおさらいを参考にしながら介護現場のリアルをみていきましょう。

介護職の給料9000円、現場の声は?

期待半分、不安半分でスタートした今回の賃上げ政策。
筆者が働く介護現場の様子はというと、「どうやら9000円お金がもらえるらしい」と、国が行う賃上げ政策への認識は薄い様子。
事業所からの特別賞与と思っている方もいました。

支給対象となる介護事業所、介護施設で働く友人10人に聞いたところリアルな声は以下のような結果に。

いくらもらえた?


・満額もらえた!(2人)
・9000円ももらっていない! 3000円/6000円/7800円/8000円だった!(4人)
・今はもらえていないけど、もらえる予定(4人)

給与明細はどうなっていた?

補助金をもらえた人の給与明細では、以下のような記載でした。


・処遇改善手当等の「手当額」が上がっていた(4人)
・「一時金」という名目で加算されていた(2人)

※給与明細での記載は、上記以外に基本給や賞与として支給されるケース、それぞれを組み合わせて支給されるケースがあります。

以上が現場の声でした。

支給された事業所では管理者クラス、リーダークラスは満額、もしくは満額に近い金額。
介護職員だけでなく、ケアマネや事務職、リハビリ職にも支給する事業所もみられました。

現場の声をまとめると以下の水準が多いように思われます。


・無資格(2000円~3000円)
・介護職員初任者研修(4000円~5000円)
・実務者研修(5000円~6000円)
・介護福祉士(6000円~7000円)
・管理職・リーダー職(8000円~9000円)

施設内での支給金額について尋ねると最小0円(まだ支給されていない)~9000円(満額)、2月から支給された人や4月から支給された人など支給月も様々。
まだ支給されていない事業所もみられました。

政策の成果、現場の納得感は薄い

介護職員以外に分配されている事業所では、全体の支給額は下がる傾向かなという印象で、
満額貰っていない人でも「貰えただけありがたい」「少しでも給料が上がったので待遇改善を感じる」との声もありました。
また、給料に反映されていない方は「あまり期待していない」「いつかもらえたらいい」との声もあり、スタートしたばかりなので事業所の準備が整っていないケースもありました。

国の政策ですが支給金額の分配は事業所に任せているため、給料に反映されていなかったり、納得できる金額ではないといった現状も多く残っています。

賃上げへの期待はスタッフのモチベーションに大きく影響

「9000円給料がアップする」と思っていたスタッフは、実際の給与額を見て「あれ?」と不信感をもったり、「なぜ私は〇〇さんよりも低いの?」とスタッフによって異なる金額差に疑問を感じたり…
せっかくの人材確保や、働くモチベーションアップの施策なのに逆にモチベーションダウンにつながってしまうケースもみられます。

また補助金の分配は各事業所判断で行われるため、介護職のみに分配するところと全スタッフに分配されるところと様々です。
介護職員の待遇改善を目的に交付されるのですから、介護職に分配されるところでは納得できるものの何らかの形で介護に携わっているリハビリ職やケアマネージャーは納得できないでしょう。
「私たちも介護をサポートしているのに」と働くモチベーションはダウンしますよね。
また、全スタッフに分配する事業所では介護職に分配される金額が少なくなってしまうため、介護職のモチベーションダウンにつながります。

支給方法については職員に周知させることが義務づけられていますが、十分でないケースもあり、賃上げが実感できる・納得できる賃金政策だったか?というと疑問が残ります。

スタッフの不信感は事業所・施設の説明不足も要因

「2月から介護職の給料が9000円上がる」
この言葉だけが独り歩きしてしまっている感は否めません。

介護事業者の介護報酬では、2月分に支給された交付金が申請をしてから入金されるのはだいたい2カ月遅れとなります。
そのため2月から支給されている事業所や施設に関しては、事業所への支給がないにもかかわらず事業所判断で交付金を支給しているということになります。
介護報酬の制度を知っていれば、「事業所にお金が入っていないのだからしょうがないよね」で納得できるのですが、そもそも介護報酬が入金されるタイミングを知っている介護職員は多くありません。
そのため「2月から支給されるはずなのに給料が上がっていない」と不信感を抱く要因となっているのです。

賃上げ9000円は期間限定?10月以降の賃上げはどうなる?

今回の賃上げ政策である「介護職員処遇改善支援補助金」は継続的な政策ではなく、2月~9月までの臨時交付金です。
せっかく賃上げされたのに打ち切られるの?と不安な声も聞かれますが、介護職の賃上げは継続される見込みです。


10月以降については新たに創設される処遇改善加算によってベースアップが検討されています。


【2022年10月に創設する処遇改善加算(案)】

基本的には2月~9月の介護職員処遇改善支援補助金を引き継ぐスタイルとなります。

・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)いずれかを取得し、補助金の3分の2以上を介護職員のベースアップ等に用いる事業所を対象に加算の算定を認める

・事業所にて介護職の処遇改善を行い、その計画・実績を都道府県等に報告する

・賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提に2月~9月同様の処遇改善、介護職員1人当たり月額収入の3%程度の賃金引き上げを予定

・2022年8月から申請受け付け、要件等を満たせば、10月分から支払いされる(事業所への入金は2カ月遅れの12月からとなる)

・申請にあたり「賃金改善計画書」と「実績報告書」(同)の提出が必要

・介護職員だけでなく、事業所の判断で他の職員の処遇改善にも加算で取得した財源を充てることが認められる

介護職のさらなる給料アップを目指すには?


2022年2月~9月までは全額国費で交付金が支給され、10月以降は介護報酬に組み込まれ、引き続き介護職員の給料ベースアップが継続される予定です。

処遇改善政策は継続して検討

また、政府は今回の賃上げ以外にも
「職種ごとに仕事内容に適正な水準まで賃金が上がり、必要な人材が確保されていること」「経験・技能のある職員については、他産業と遜色のない賃金水準を目指す」
と、いった中長期的な賃上げを検討しています。

加算を取得している職場に転職も◎

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)いずれかを取得している職場では、これまでの介護職員処遇改善加算と2022年10月に創設する処遇改善加算(案)が加算される予定です。

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)を取得するには、以下の「キャリアパス要件」「職場環境等要件」が必要な要件となります。


・キャリアパス要件

Ⅰ…職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
Ⅱ…資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
Ⅲ…経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を
判定する仕組みを設けること


・職場環境等要件

賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施


〇介護職員処遇改善加算(Ⅰ)

キャリアパス要件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの全て+職場環境等要件を満たす
(介 護 職 員 1 人 当 た り )月額 37,000円相当の加算


〇介護職員処遇改善加算 (Ⅱ)

キャリアパス要件Ⅰ及びⅡ+職場環境等要件を満たす
(介 護 職 員 1 人 当 た り )月額 27,000円相当の加算


〇介護職員処遇改善加算 (Ⅲ)

キャリアパス要件ⅠまたはⅡ+職場環境等要件を満たす (介 護 職 員 1 人 当 た り )月額 15,000円相当の加算


〇介護職員処遇改善加算 (Ⅳ)

キャリアパス要件ⅠまたはⅡまたは職場環境等要件のいずれかを満たす
(介 護 職 員 1 人 当 た り ) 月額 13,500円相当の加算


〇介護職員処遇改善加算 (Ⅴ)

キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ職場環境等要件のいずれも満たさない
(介 護 職 員 1 人 当 た り ) 月額 12,000円相当の加算

このように介護職員処遇改善加算は全5区分ありますが、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)と介護職員処遇改善加算 (Ⅴ)では、月額25,000円もの差が生じます。

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)を取得している事業所・施設は、介護職員が働きやすい環境づくりや処遇改善、またキャリアパスが明確でありやりがいをもって働くことができる職場ということになります。


せっかく介護職として働くなら、給料アップ(加算)が期待でき働き甲斐のある事業所・施設を選ぶことが大切です。
今働いている事業所・施設がどの区分なのかをチェックし、もし加算が期待できない区分なら介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)を取得している職場への転職を考えるのもひとつの方法です。

資格取得で給料アップを目指す

介護の世界は、実務経験とともに資格が大きく評価される業界です。
そのため介護職で給料アップを目指すなら資格取得を目指しましょう。

資格別に2021年(令和3年)の平均給与をみると以下の通りです。

・介護福祉士 32万8720円
・実務者研修 30万7330円
・初任者研修 30万510円
・資格なし 27万1260円

介護福祉士の資格を持っている介護職員と、保有資格なしの介護職員とでは、月給にして5万7460円の差がありました。

また無資格のまま働くよりも、初任者研修や実務者研修の資格を取得することで給料アップが見込めるということがわかりますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

賃上げ政策から2月以降の実際の現場の声やこれからの給料アップの見込みなどについて紹介しました。
2月~9月に支給される賃金アップの政策は、事業所の形態や金額、支給対象となる職員の人数よって加算額や交付される金額が異なります。
そのため多くの介護職員が期待していたような「一律9,000円の給料アップ!」とはなりません。
介護現場の職員が支給のルールを理解すること、また事業所や施設側が明確に説明することで給料アップしなかったという不信感やモチベーションダウンの防止につながります。

「じゃあずっと介護職員は給料アップしないままなの?」というと答えはNO!
これからの介護職員人材不足の危機に備え、政府は継続的な賃上げ政策を検討し、介護職員の給料は年々上昇傾向にあります。


少しずつではありますが、給料アップは実現しているのでこれからの介護職員の処遇改善につながることは、大いに期待できるでしょう。

とはいっても政府の政策だけでは、現場レベルではインパクトのある給料アップはなかなか実感しにくいものですよね。
介護職が給料アップを実現するには、介護職員処遇改善加算の対象となる事業所や施設への転職や資格取得が一番の近道です。

カイゴジョブアカデミーでは、介護職員処遇改善加算を取得した優良事業所や施設を中心にお仕事をご紹介しています。

ぜひカイゴジョブアカデミーで介護職員初任者研修を取得し、その次は実務者研修、介護福祉士と一歩ずつステップアップを目指しましょう。

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この記事の著者

吉田あい


大阪府出身 現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」
「介護現場におけるリスクマネジメント」

特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、
介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、
介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。

カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、
実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。

【所持資格】
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・介護福祉士
・社会福祉士
・メンタル心理カウンセラー
など