介護職員初任者研修の授業内容は?
介護職員初任者研修の授業内容は?
介護職員初任者研修とは、介護職として働く上で必要になる基礎的な知識と技術の習得を目指す介護の入門資格です。初任者研修は独学では取得できないため、スクールに通って取得する必要があります。これから初任者研修を受講しようと考えている方はどのような内容が学べるのか気になりますよね。
それでは、初任者研修の授業内容や取得方法について詳しく見ていきましょう。
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テキスト代 -
振替受講や
再試験代 -
就業
サポート
*初任者研修 または 実務者研修
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の詳細はこちらから>>
1.介護職員初任者研修のカリキュラムは?
初任者研修のカリキュラムは講義と演習で構成されており、科目数は10科目、時間数は全130時間です。カリキュラムは国によって定められており、どの都道府県で受講しても内容はほぼ同じです。すべてのカリキュラムを修了した後、修了試験に合格すると初任者研修修了です。また、初任者研修は通信講座と通学講座のどちらかで受講できます。通信講座は上限40.5時間を自宅学習、80.5時間はスクーリングをして学び、通学講座はすべてスクーリングをして学びます。
以下に初任者研修の研修科目と各科目で通信学習が可能な上限時間数をまとめました。
項目 | 総学習時間 | 通信学習の 上限時間 |
---|---|---|
1. 職務の理解 | 6時間 | – |
2. 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 | 7.5時間 |
3. 介護の基本 | 6時間 | 3時間 |
4. 介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 | 7.5時間 |
5. 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 | 3時間 |
6. 老化の理解 | 6時間 | 3時間 |
7. 認知症の理解 | 6時間 | 3時間 |
8. 障害の理解 | 3時間 | 1.5時間 |
9. こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 | 12時間 |
10. 振り返り | 4時間 | – |
合計 | 130時間 | 40.5時間 |
カリキュラム内容
それぞれの科目でどのようなことが学べるのか詳しく説明します。
1)職務の理解(6時間)
介護保険で定められた様々なサービスや、介護職員としての仕事内容について学びます。受講することで、初任者研修修了後の具体的な働き方などがイメージできるでしょう。一番初めの科目のためオリエンテーションと共に実施されることが多いです。
2)介護における尊厳の保持・自立支援(9時間)
人権や個人の尊厳を守ること、虐待の防止やQOL(生活の質)などについて理解を深めます。また、介護サービスを提供する際に大切な自立支援の考え方や介護予防についても学びます。
3)介護の基本(6時間)
介護職の役割や専門性、職業倫理、介護を行う上でのリスクマネジメント(事故予防など)について学びます。介護を取り巻く環境やどのような介護が求められているのかなど、実際に介護職として働いた際に役立つ知識を身につけられます。
4)介護・福祉サービスの理解と医療との連携(9時間)
介護保険制度の創設から保険制度の仕組み、医療やリハビリテーションとの連携について学びます。介護を行う上で他業種との連携は欠かせません。介護に関わるさまざまな制度や医療との連携について理解することで、専門用語の飛び交う現場でも対応できるようになります。
5)介護におけるコミュニケーション技術(6時間)
要支援、要介護者やそのご家族とのコミュニケーションの取り方、スタッフ同士のコミュニケーションの大切さについて学びます。介護の仕事は利用者さんやそのご家族、一緒に働く介護スタッフとのコミュニケーションが欠かせません。
カイゴジョブアカデミーの「介護におけるコミュニケーション技術」では、実際の現場で活用できるよう、グループワークなどを用いて学習します。
6)老化の理解(6時間)
高齢による心や体の変化と日常生活への影響、高齢者に必要な健康管理や病気などについて学びます。利用者の加齢による日常生活への影響を理解し、適切なサポートをするためにも重要な項目です。
7)認知症の理解(6時間)
医学的な側面からの認知症に対する理解や健康管理、認知症が原因で起こる心の状態や行動の特徴について学習します。また、認知症患者だけでなくそのご家族の介護負担軽減などのサポートも必要なため、家族支援の仕方についても学びます。
8)障害の理解(3時間)
障害の概念や障害福祉の基礎知識、心理や行動の特徴などについて学びます。本人へのかかわり支援だけでなくご家族の心理についても理解し、適切なケアの仕方を身につけます。
9)こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間)
最も多くの講義・実習時間があてられている項目です。人体の構造や機能を理解し、安全に介護サービスを提供するための知識や技術を習得します。主に生活と家事、居住環境整備、整容、移動、移乗、食事、入浴など日常生活で必要な介護技術を演習形式で学びます。
10)振り返り(4時間)
すべての講義演習を終え、研修全体を振り返ります。介護従事者として就業に向かう備えや継続的な研修の必要性などについて学びます。この振り返りの後に修了試験が実施されるため、これまで学習した内容をしっかり復習しましょう。
総時間数 130時間
以上のように各講義には必要な時間が決められており、全体で130時間です。130時間の中には実技演習も多く含まれます。講師の動きを見て、実際に受講生同士で練習し、分からない事は直接講師から指導を受けることができます。介護現場に出る前に、実技演習を通して基本的な身体介護スキルの習得を目指しましょう。
実技演習ではどんなことをするの?
初任者研修のカリキュラムの中にある実技演習では、主にベッドメイキングや体位交換、衣類の着脱、排泄介助、食事介助、歩行や移乗介助といった身体介護の仕方を習得します。安全な身体介護を行えるようになるためにも実技演習でしっかり学びましょう。
実技演習終了後は、正しい介助ができるか確認をするために実技の評価を行うスクールが多く、カイゴジョブアカデミーでも実技評価を行っています。実際に介護職として働いた際に事故などを起こさないよう、実技評価は細かいところまで見られます。真面目に講義を聴く、日頃から復習をするなどを意識しましょう。
それでは、実技演習では具体的にどのようなことをするのか紹介します。
●ベッドメイキング、体位交換
必要な用品を揃え、ベッドを作業しやすい高さに調整しベッドメイクを行います。ベッドメイクではしわにならないようしっかりとシーツを伸ばし、サイドが三角形になるよう整えていきます。体位交換はベッドで仰向けになった状態の対象者が起き上がりやすくなるように行います。対象者の腕を組み、足を曲げて横向きに体位を変えます。そして足をベッドから出し、肩を支えながら起き上がってもらいます。
●衣類の着脱
椅子に座り、片マヒになった状態の対象者の衣類の着脱を行います。衣類を着る時は麻痺している腕から袖を通し、脱ぐ時は麻痺していない方の腕から袖を外します。ズボンを下げる時は、座ったままの状態からお尻をずらしながら下げていきます。ズボンを着せる時も同様に、お尻をずらしてズボンを上げていきます。
●排泄の介助
片マヒの状態の対象者をポータブルトイレへ移乗します。ベッドで端座位の状態からポータブルトイレの手すりに掴まり、介護者が身体をサポートした状態で立ち上がってもらいます。ポータブルトイレの前まで移動し、ズボンを下げポータブルトイレに座ってもらいます。排泄をしている間はひざかけを掛けるなど、排泄をしている部分を隠す配慮も必要です。
●食事の介助、口腔ケア
食事と水分をとる介助をします。食事ではメニューを説明してから口に運んでいきます。対象者がしっかり噛んで飲みこんでいるかを確認しながら、次の食事を口に運びます。水分は対象者が咳きこまないよう、少しずつ口に運んでいきます。口腔ケアでは口腔ケア用のブラシを使います。ブラシの水分は少なめにし、声をかけながら口の中を綺麗に磨いていきます。
●歩行、移乗の介護
片マヒの状態の方を対象者とし、ベッドで端座位の状態から車いすに座ってもらいます。マヒしていない方の手で車いすに掴まってもらい、介護者は立ちやすい足の位置を確認した後車いすへと移乗介助します。車いすに座った後は、座り心地の確認を行います。
以上のように介護では気を付けることが多くあるため、きちんと実技ができるか心配に思う方もいるでしょう。
しかしカイゴジョブアカデミーの実技評価では、何度でもやり直しが可能です。現場経験豊富な講師が一から丁寧に介助方法をお伝えするので、介護が初めての方でもご安心ください。
また、仮に難しい介助があっても講師がヒントを出しながらサポートするため、基本的に皆様問題なく修了されています。様々なシーンに沿った介助方法を身につけ、仕事や実生活の介護に大いに役立ててください。
関連記事:介護職員初任者研修の実技試験について>>
2.介護職員初任者研修の授業の理解度はどうやって測る?
これまで学んだ初任者研修の理解度はどのように測るのでしょうか?各科目の理解度をはかるため、授業の合間にレポート課題を出すスクールが多くあります。また、初任者研修の全カリキュラム修了後には修了試験を実施します。
このレポート課題と修了試験がどのようなものか見ていきましょう。
授業の合間にレポート提出がある
スクールによっては授業の合間に何度かレポート課題が出されます。前述したように、このレポート課題は初任者研修の授業をどれくらい理解できているかを測るためのもので、課題の難易度自体は高くありません。しかし、提出期限の遅れと提出忘れに関しては厳しいスクールが多いのが実情です。カイゴジョブアカデミーの通信講座でもレポート課題を出しています。初任者研修を受講する際は真面目に授業を受け、提出期限内にレポート課題を出すようにしましょう。
全カリキュラムの最後に修了筆記試験がある
初任者研修の全カリキュラムが修了した後はスクールごとに修了試験が実施されます。修了試験の内容は筆記テストであり、スクールによって内容が異なります。試験問題はこれまで学習してきたカリキュラムの中から出題されるため、修了試験までに学んだ内容をしっかりと復習しましょう。
修了試験の合格ライン、難易度は?
気になる修了試験の合格ラインは、100点中70点です。修了試験はレポート課題と同様に授業の理解度を測るために行われます。そのため難易度はそれほど高くなく、全研修を修了した人のほぼ全員が合格できると言われています。しかし、本当に一発で合格できるか不安に思う方もいるのではないでしょうか。
カイゴジョブアカデミーなら、万が一修了試験に落ちてしまっても合格するまで何度でも無料で追試を受けることができます。そのため、勉強が苦手な方でも充分合格を目指せるのでご安心ください。
関連記事:介護職員初任者研修の試験内容は?難易度や合格率、例題もご紹介>>
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の詳細はこちらから>>
3.介護職員初任者研修の授業は週に何コマある?
初任者研修の授業が週に何コマあるかは選ぶコースによって異なります。無理なく受講できるよう、ご自身の学習ペースと生活スタイルに合ったコースを選びましょう。ここでは、カイゴジョブアカデミーの通信講座で開講しているコースをご紹介します。
短期コースは週に約18コマ
短期集中でスクーリングするコースです。週に2~3日ほど平日の日中にスクーリングし、約1ヶ月での初任者研修修了を目指します。1コマ60分として1日6コマ、週3回スクーリングするとなると約18コマです。1日あたりの自宅学習時間は多くなりますが、初任者研修を短期間で取得できるのが利点です。日中に時間がある方や早く資格を取って就職したい方におすすめのコースです。
平日コースは週に約6コマ
週に一度、平日の日中にスクーリングするコースです。週の決まった曜日にスクーリングし、約3ヶ月半で初任者研修修了を目指します。1コマ60分として1日6コマ、スクーリングは週1回のため一週間で約6コマです。週に一度日中の昼間に時間が取れる方やアルバイトやパートをしながら資格取得を目指す方、自分のペースで学習を進めたい方におすすめのコースです。
土曜もしくは日曜コースは週に約6コマ
週に一度土曜日もしくは日曜日の日中にスクーリングするコースです。休日にスクーリングし、約3ヶ月半で初任者研修修了を目指します。1コマ60分として1日6コマ、スクーリングは平日コースと同じ週1回のため一週間で約6コマです。平日は仕事や家事育児で忙しい、という方におすすめのコースです。土日のどちらかは一日スクーリングとなるため、他の曜日で自宅学習を進めましょう。
実際のコース日程が気になる方は以下の「カイゴジョブアカデミーで開講中の講座日程を探す」でご確認ください。
4.まとめ
初任者研修の授業内容や講座とコースの種類についてお話しました。初任者研修は介護の基礎基本だけでなく、介護職員としての心構えや安全な介護方法を学べる研修です。取得することで採用に有利になる、資格手当が付く、などのメリットも多いため、これから介護業界で働きたい方には最初に取得しておくことをおすすめします。
また、初任者研修の講座やコースは様々な種類があり、取得期間も異なります。そのため、どれくらいの期間で資格取得したいかを考え、ご自身の生活スタイルに合った講座やコースを選びましょう。
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
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