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介護職は不動産業界からの転職に向いてるって本当?

更新日:2022/12/19

介護職は不動産業界からの転職に向いてるって本当?

介護職は不動産業界からの転職に向いてるって本当?

不動産業界は土地や建物の売買など規模の大きい案件を取り扱い、人生で最も大きな買い物の一つをサポートする仕事です。そのため達成感や、やりがいを感じやすく比較的お給料も高い傾向があることが特徴です。その一方でノルマの高さや過重労働などで体調を崩し、転職を考える方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、不動産業界の経験とスキルを活かせる介護職についてご紹介します。不動産業界から介護職へ転職するメリットや活かせるスキルなどを具体的なエピソードを交えてお伝えしますので、介護職に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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不動産業界から介護職へ転職する5つのメリット

不動産業界から介護職へ転職をおすすめする理由は、以下5つのメリットがあるからです。

1.ノルマの負担が少ない

不動産業界で営業をされていた方は、毎月決められたノルマに追われていた方もいらっしゃるかと思います。例えば「1カ月に〇本の契約をとる」「〇〇円の売上目標を達成する」などです。会社で明確にノルマが定められていない場合でも、「最低1カ月に1本以上」といった暗黙のノルマがプレッシャーになっていることも多いでしょう。ノルマを達成すれば会社の利益につながり、さらにインセンティブにより高収入が期待できますので、それがやりがいになる方もいらっしゃいます。しかしプレッシャーの大きさが仕事のストレスになってしまう方も少なくありません。

一方、介護職はスタッフ自身が営業することはなく、個人に課せられるノルマもありません。介護職はあくまで介護の仕事に専念し、入所者を増やすための渉外活動は生活相談員やケアマネジャーなどが行うのに加え、そもそも口コミや紹介経由で入所される方も多いからです。

ノルマがプレッシャーになっていた方にとっては、介護職は心身の負担を軽減することができる環境で働きやすいでしょう。

2.介護未経験でも正社員を目指せる

どんな仕事もそうですが「未経験・異業種転職」で正社員を目指すのは狭き門です。しかし介護職は、超高齢社会の日本においてニーズの高い職種であり、全国的に求人が潤っています。そして未経験であっても、将来性を期待して年齢や経験を問わず正社員として採用されやすいという特徴があります。

職場によっては無資格でも働くことができますが、有資格者の方が採用されやすい傾向なので介護職員初任者研修を受講すると採用がより有利になるでしょう。

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3.キャリアアップを目指せる

不動産業界でキャリアを重ねた方は起業を目指す方が多く、情報と人脈に長けている方は成功しやすいとされていますが、独立起業したとしても成功するかどうかは分からず、リスクが大きいのが現実です。また自社内でキャリアアップを目指しても高いノルマや成果を達成しなければいけないため、順調にステップアップできる人は多くありません。しかし介護職はこれからどんなスキルや専門性を身に着けていけばいいのかというキャリアパスが明確になっています。

未経験・無資格からスタートしても「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」などの資格を取得していくとことで、キャリアアップや資格手当で給与アップを目指せます。

介護の資格マップ

介護職は「資格」と「経験」で給与が上昇するキャリア制度が整い、働いた期間が評価に結び付くので、未経験スタートでもキャリアアップしやすい職種であるといえるでしょう。また実務経験を重ねると「ケアマネジャー」へのポジションアップも目指せるので、将来性の高い仕事といえるでしょう。

4.ワークライフバランスのとれた働き方も可能

不動産業界は土日祝日に、顧客のタイミングに合わせて内覧会や説明会等を行うことがしばしばあります。またお客様の仕事帰りに内覧等を依頼されることもあり、夜遅くまで働いたり残業が続くことも多く、プライベートとの両立や家族と過ごす時間が削られることに悩んでいる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

一方、介護職は「訪問介護」や「デイサービス」など主に日勤帯に働く仕事から、「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」など24時間365日稼働している施設で働く仕事があり、その多くがシフト勤務です。

中には、9時~17時というような日勤が可能な職場も多くあるので、規則正しい生活やワークライフバランスのとれた働き方も可能です。突発的な事故や急変の際は残業を行うこともありますが「決められた仕事を決められた時間に行う」ので、慢性的な残業は少ない傾向です。また、正社員だけでなくパートや、アルバイト、派遣社員、契約社員、夜勤専従と、雇用形態も多様なので柔軟に働きやすいというメリットがあります。

提供するサービス種別や働き方によって、ライフスタイルに合わせた働き方ができるためプライベートをより充実させることが可能になるでしょう。

5.安定性がある

仕事の安定性という点では、不動産業界と同様に介護職にもメリットがあります。超高齢社会の日本では高齢者が増加し、それを担う介護職の需要は右肩上がりなので求人が少なくなることは考えにくいでしょう。

宅地建物取引士(宅建)と同様に、介護職においても国家資格や様々な公的資格があり、資格を取得すれば全国どこでも活用できるので、家族の転勤や引っ越しで転職する場合でも仕事に困ることは少ないでしょう。

中でも、国家資格である難易度の高い宅建と違って、介護の資格はどなたでも目指しやすく、比較的難易度の低い「介護職員初任者研修」という公的資格があります。この資格を取得するだけで安定した仕事に就きやすく、キャリアアップを目指せます。宅建と同じ国家資格である「介護福祉士」という資格まで取得すれば、将来性と安定性はさらに高まります。 また、介護業界は幅広い年代の方々が活躍しています。年齢やスキルに合わせて多様な働き方がありますので、長く安定して働くことができるでしょう。

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介護職で活かせる不動産業界の3つのスキル

不動産業界で培ったスキルは介護の仕事で役立つことも多くあります。介護職で活かせる主な3つのスキルは、以下のとおりです。

1.コミュニケーションスキル

介護現場のコミュニケーションの基本は「受容・共感・傾聴」です。

  • 受容:相手をありのまま受け入れること
  • 共感:相手の気持ちを理解し寄り添うこと
  • 傾聴:気持ちを汲み取りながら耳を傾けること

不動産の仕事は、顧客のニーズやライフスタイル等を考慮した上で相手の要望を傾聴し、共感した上で適切なサービスを提案するため、不動産業界で働いていた方はコミュニケーションスキルが高い方が多く見受けられます。

実はこのコミュニケーションスキルは、介護の基本スキルである「受容・共感・傾聴」につながります。不動産業界出身の方は、コミュニケ―ションスキルを活かして介護現場の状況を把握し、利用者に寄り添い、適切なケアを実行できるでしょう。

2.マネジメントスキル

不動産業界では、目標達成に向けて戦略を立案し、達成までの進捗やチーム、コスト管理、市場や、リスク確認など徹底した調査、さらには効果的なプレゼンなども行います。また、お客様をはじめ不動産の管理会社やハウスメーカーなど様々な職種の人たちとかかわる必要があり、上手く連携させていくマネジメントスキルに長けている方が多くいらっしゃいます。

「介護職でマネジメントスキルなんていらないでしょ?」と思われがちですが、介護業界では現場規模で次のような業務が行われています。例えば、ある運営母体が、デイサービスや有料老人ホーム、グループホームなど様々な介護事業所を運営している場合、基本的な運営戦略など大きな事案は運営母体が中心になって決めますが、売上目標や達成に向けた取り組みは各事業所に任されています。事業所がある地域のニーズを調査したりケアマネジャーからの要望を聞き、どんな施設づくりにするのかといった立案から実行までを進めていきます。

また、介護の仕事も同様に様々な職種の人たちとの関わりが多い仕事です。介護士同士はもちろん、医師や看護師、介護福祉士、社会福祉士といったさまざまな職種が連携してご利用者の介護にあたる、チームケアを行うため、チームマネジメント力がある方は重宝されます。

介護スタッフは根拠ある数字をもとにした戦略の立案や多職種との連携に慣れていない方が多いため、不動産業界でマネジメント業務をされていた方は即戦力として活躍することができるでしょう。

3.ポジティブなマインド

不動産業界はトラブルやクレームがつきものですよね。顧客から無理なリクエストをされたり理不尽なクレームをされることもあるかと思います。もちろんクレームやリクエストに真摯に対応し解決していくことは大切です。しかし受けたクレームを気にし過ぎてしまうとその後の仕事にも支障をきたしてしまうので、気持ちを切り替えて仕事をされている方が多いのではないでしょうか。

介護職も利用者様や家族様からのリクエストやクレーム、ときには運営者から理不尽な指示を受けることもあります。無理なリクエストやクレームに対して、ひとつひとつを受け止めすぎて落ち込む方もいますが、視点を変えてポジティブな面を見ることができる方は介護職に向いているといえるでしょう。

筆者の体験談 不動産業界からグループホームに転職したEさんの事例

不動産業界出身の方が介護職として活躍されているエピソードをご紹介します。

筆者が勤務していたグループホームに、元不動産業界のEさん(32歳)が転職されてきました。実家が“地域の不動産屋さん”を運営し、そこで不動産の営業や売買に携わっていた方でした。しかし経営者であるお父様を亡くされて不動産会社を廃業。お父様が闘病されていた際、自宅介護をされていた経験から介護の知識やスキルを活かしたいと、介護職員初任者研修を取得し転職されてきました。

介護職で重宝される不動産業界でのビジネス経験

介護職の中には「電話が苦手」「来客の対応が苦手」な方がたくさんいらっしゃいます。特に新卒で入職された方や学生のアルバイトなどは、施設で研修をする以外にビジネスマナーを学ぶ機会が少ないからです。介護施設や介護事業所には利用者様のご家族をはじめ、医師やケアマネジャー、訪問看護師、要介護認定を行う介護認定調査員など様々な方が来所されます。

適切な応対ができる介護職員が少ない中、Eさんが入職されてからは来客や電話の応対がスムーズになりました。これまで電話が鳴っていても取りたくないスタッフが多かった中、「相手に失礼があってはいけない」と積極的に電話を取ってくれるEさん。そして分かりやすいメモを残してくれて電話の応対も完璧です。

不動産業界に限りませんが、社会人として身に着けた基本的なビジネススキルや、ビジネスマナーは、介護現場で重宝されます。

Eさんは「前職で当たり前にしていたこと」と話しますが、事業所を不在にする際にも安心して現場を任せられる存在です。

Eさんの説明力と対応力でIT化を克服

介護業界ではIT化が進んでいます。紙媒体だった介護記録がタブレット端末で入力する施設が増え、筆者の働くグループホームでもタブレットが導入されるようになりました。介護業界は年齢を重ねても働けるメリットがある反面、新しいことを導入することが苦手な年代の方も多いというデメリットがあります。

筆者が働くグループホームも反対意見が多く、研修の後いざ導入しても「分からへん」「使われへん」と記録をしないスタッフもいました。そこでEさん、フロアーで空いた時間にミニ講習会を開き分かりやすく使い方を説明してくれていました。Eさん指導のもと、70代のスタッフが、目を細めたり老眼鏡を使いながらタブレットに少しずつ入力。介護記録の入力をサポートし、今では全てのスタッフがスムーズにタブレット端末を扱えるようになりました。

「不動産業をしていたとき、高齢の方に分かりやすく説明することが多かったので慣れています」と話されていました。

不動産業界は、当然ながら人生で最も高い買い物の一つである不動産を取り扱います。高額な商品を契約までつなげるためには、何度も顧客のもとを訪れ密なコミュニケーションをとり、信頼関係を構築することが必要不可欠ですので、求められるスキルも多岐にわたります。営業スキルはもちろんのこと、競合リサーチ力や、市場分析力、接客スキル、コミュニケーションスキル等です。

Eさんは、不動産業務の中で特にコミュニケーションスキルを活かしながら目標(契約獲得)に向けて行動し、達成を目指す姿勢が身についていました。不動産業界で培った粘り強さとトークスキルで、PDCA(Plan:計画・Do:実行・Check:評価・Action:改善)サイクルを進め、IT化を促進することに成功しました。

まとめ

今回は不動産業界から介護職へ転職するメリットや活かせるスキル、エピソードなどを紹介しました。

不動産業界から介護職へ転職する方は、「全く分野が違う職種」と転職に不安感を持たれる方もいます。介護職は大変なこともありますが利用者とともに喜びや楽しさを感じられる職種で、これまでに培ってきたコミュニケーションスキルやビジネススキル、マネジメントスキルを存分に活かすことができる仕事です。

そのためやりがいをもって取り組める仕事といえるでしょう。

カイゴジョブアカデミーでは介護の基本的な知識とスキルを学べる介護職員初任者研修を開講しています。ぜひ不動産業界のスキルを活かし、介護職として活躍してみませんか?

吉田あい写真
この記事の著者吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど