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他職種から介護職へ転職したランキングTOP10

更新日:

超高齢社会を突き進み、慢性的な人材不足に陥っている介護業界。担い手のニーズは年々増加傾向にあり、コロナ禍の転職先として注目されています。
飲食業やアパレル業はじめ、コロナ倒産や事業縮小により、やむを得ず転職活動を強いられた方も少なくありません。

withコロナでも未経験・無資格OKの求人需要があり、全国的に売り手市場の介護業界を目指し、他職種から介護職への転職を考えている人が多くいらっしゃいます。

なぜ介護とは無関係の仕事をしていた方が、これまでの仕事を辞めて介護職を選ぶのでしょうか?
今回は、介護職へ転職した他職種のランキング、転職理由、職種別の活かせるスキルなどを紹介します。

他職種から介護職にチャレンジしてみたい方は、ぜひ参考にしてください。

介護業界の現状は?

介護職といえば、3K(きつい・汚い・危険)や4K(+給料が安い)といった労働条件が厳しいイメージが強く、元々決して人気のある職種ではありませんでした。
特に給料面では、心身ともに負担のある業務に見合った給料がもらえず、せっかく入社しても短期間で辞める方も少なくありませんでした。

そんなネガティブなイメージがある介護業界ですが、近年では働き方改革やICTの導入、待遇改善が進み、4Kといわれるイメージが変わりつつあります。
待遇改善によって給料も以前に比べて上昇し、介護の資格を取得すれば安定した雇用と、就職難になりにくいメリットが注目されています。

他職種から介護職へ転職した人のランキングTOP10

では、どんな職業の方が介護職へ転職されているのでしょうか?
コロナ禍となる2020年7月~2021年8月までに「カイゴジョブエージェント」を利用して、他職種から介護職へ転職した人の多いランキングTOP10をみてみましょう。


【他職種から介護職へ転職した人のTOP10】
1位 飲食、販売、サービス、美容師などの接客業
2位 オフィスワークなどの事務職
3位 営業職
4位 製造業や工場など
5位 看護職
6位 保育士
7位 運送、運転、タクシーなど
8位 歯科衛生士、歯科助手
9位 調理系
10位 公務員、自衛隊


コロナ禍で大打撃を受けた飲食業(飲食店接客や調理師等)やサービス業、接客業の割合が多く、保育士やタクシードライバーなども多い割合となりました。

コロナ禍では心機一転して第二の人生を考えるタイミングではないでしょうか。
介護の知識もスキルもないし…と不安を抱える方も多いですが、あなたのスキルは介護職で大いに活かせるチャンスがあります。

職種別 介護職で活かせるスキルとは?

介護の仕事と無縁の職種で働いていた方は、未経験の世界に飛び込むことに不安を感じる方が多いでしょう。
しかし、これまでの仕事で培った知識やスキル、人生経験は介護の仕事で全て活かせるのが介護職の魅力です。

では、職種別に詳しく説明していきます。

営業職・飲食業・接客業

介護の仕事は、利用者やその家族、他職種とのコミュニケーションが多いため、営業職や接客業をしてこられた方は対人スキルを活かすことができます。
また、介護施設では職場によって調理(準備や配膳含む)も業務のひとつとなりますので、飲食業での調理スキルや接客スキルは様々な介護施設・介護事業所で活かせます。

介護業界では幅広い年代のスタッフが働いていますが、コミュニケーションスキルに長けている人はスタッフ間で良好な人間関係を構築することができるでしょう。

飲食業や営業職から介護職に転職された方のインタビュー記事も合わせてご覧ください。
関連記事(元飲食業):飲食業10年のキャリアを経て、介護の道へ。過去にとらわれすぎない転職のあり方 関連記事(元営業職):違和感に向き合い、自分の道を見つけた。元営業職が50代後半で介護職にチャレンジし、見えてきた価値観

保育・教育職

保育園や幼稚園、学校関係などで対人業をされてこられた方は「人のお世話をする」という介護職と似た業務を経験されています。
そのため業務スキルを活かせるだけでなく、相手の立場になって考える、家族との関わり方などは介護職で働く強いスキルとなります。

事務職

「事務職だから介護の仕事は全くできないのでは…」と思いがちですが、実は介護業界ではICT化が急速に進んでいます。
介護記録や計画書作成などパソコン・タブレットを活用する事業所が多いため、ITスキルに長けている方は仕事への導入はしやすいです。
また、事務職経験が豊富な人は紙媒体の管理なども任せられる人材として事業所からも重宝されるでしょう。

事務職から介護職に転職された方のインタビュー記事も合わせてご覧ください。 関連記事:「全ては私の捉え方次第」──事務・接客業から介護業界に活路を見出した30代女性のキャリア観

家事のスキルや家族の介護、育児のスキル

介護の仕事は人生経験全てが役立つとお伝えしましたが、家事や家族の介護、育児といった経験も介護のスキルとして活かすことができます。
例えば、訪問介護では調理や掃除、洗濯といった生活支援を行いますので家事が得意な方に向いています。
家族の介護経験や育児においても、オムツ交換や排泄のケア、食事介助といったシーンで身に着けたスキルが役立ちます。

家族介護を経験され、介護職に転職された方のインタビュー記事も合わせてご覧ください。 関連記事:3人娘の子育て、コンビニ店員、家族介護。常にパワフルに走り続ける、50代女性の新たな挑戦

タクシードライバー

最近では介護タクシーのニーズが高いため、介護職員初任者研修を修了しているも多いのではないでしょうか?
そのスキルと様々な方とコミュニケーションを行った接客スキルは、介護職で活かすことができます。
特にデイサービスセンターでは利用者の自宅から事業所までの送迎を行いますので、その地域の交通情報に詳しい方や運転に自信のある方にぴったりです。


介護職が選ばれる理由とは?

他職種から介護職へ転職する方が増えているのはなぜでしょうか?
ネガティブなイメージの強い介護職が、キャリアチェンジの転職先として選ばれる理由をみてみましょう。

雇用と給料が安定

不安定な雇用情勢の中、介護の資格を取得すれば「手に職をつけ」安定した雇用と就職難になりにくいため人気が上昇しているのが現状です。

特にコロナ禍では、多くの企業の業績悪化によりコロナ倒産や新規雇用の中止、事業縮小など厳しい状況となっています。

厚生労働省が9月10日に発表した『新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について』によると、解雇等見込み労働者数(解雇・雇止め等の予定がある労働者で、一部既に解雇・雇止めされたものも含まれる) は116,221 人となっています。

特に製造業をはじめとして、飲食業や小売業、サービス業など多くの業種に影響が大きく、コロナ禍での雇用不安が拡大しています。

新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めにあった人は10万人を超え、雇用への打撃は収束していません。

もちろん、介護業界にもコロナ禍の影響は広がり、デイサービスやショートステイ、訪問介護では事業を休止する事業所もありました。


しかし、サービスのニーズは変わりなく、もともと介護の担い手が不足している介護職では、雇用不安がありません。
介護職員の給料は介護保険料、福祉財源から発生しますので、給与面での不安も他職種に比べると少ないでしょう。


介護人材のニーズが高い・無資格・未経験OK

他職種で働いていた方は、「資格がないと働けないのではないか?経験がないから出来ないのでは?」といった不安を抱えているかと思います。

介護求人はそもそも多いのですが、「無資格・未経験可」の求人が多いことから他業種・他職種からでも転職しやすいことが特徴です。
無資格・未経験可で働けるのは事業所や施設にもよりますが、コロナ禍で働き口をなくした求職者からすると、雇用不安が続く中で門戸が広いのが介護職なのです。

未経験でも、初めはコミュニケーションや介護現場に慣れることからはじめ、実践を通じて介護のスキルを身に着けていくためスムーズに仕事をしていけるでしょう。

無資格・未経験でもできる仕事はたくさんありますが、介護職員初任者研修という介護の入門資格を取得することで、より幅広い業務に携わることができます。

働き方の選択肢が豊富

介護職が選ばれる理由として働き方の選択肢が豊富なこともあげられます。
“介護業界の職場”と一口にいっても、「特別養護老人ホーム」や「有料老人ホーム」や「デイサービス」や「訪問介護」など、職場によって勤務時間や業務内容は様々。
また、正社員・契約社員・派遣社員・パートと多数の勤務帯の求人も多く、シフトも選ぶことができるためライフスタイルに合わせた働き方ができます。

自分の適性やスキル、経験を考慮した上で働き方を選べますし、家庭との両立も負担は少ないでしょう。
家庭の事情を伝えておけば働き方に配慮してくれる職場も多く、特にコロナ禍では、子供の通学・登園状況に合わせてシフト調整できることも人気が高い理由のひとつでしょう。


就職支援が充実【介護分野就職支援金貸付事業】

介護職の人材不足に対して地方自治体や国は介護職の就職支援や就労をサポートしており、他職種に比べて転職しやすいといった特徴があります。
国が注力する就職支援は以下の2つ。

【再就職準備金貸付事業】
介護資格取得者で1年以上の勤務経験があるなどの条件をクリアしていると、
介護の仕事に復帰するための費用として40万円以内の貸付金を支給。
貸付後に介護職員等として業務に2年間勤務することで返済が全額免除されます。

【介護分野就職支援金貸付事業】
介護未経験者、無資格で働いていた方や無職の方で、かつ、介護職員初任者研修などの所定の研修修了者などの条件をクリアした方に、
介護の仕事に就職するための費用として20万円以内の貸付金が支給。
貸付後に介護分野における介護職員等として業務に2年間勤務することで全額返済が免除されます。

他職種から未経験・無資格から介護職へ転職を考える方は、資格取得や就職までにかかる費用への心配もあるでしょう。
しかし介護分野就職支援金貸付事業を活用すれば、資格取得にかかる費用や生活資金、引っ越し費用、子供の預け先としての費用など、幅広い用途で使用できるため費用への不安を軽減できます。

この事業は各都道府県の任意事業になるため、お住まいの都道府県が対象になっているか事前に確認しましょう。


介護職はキャリアアップできる

介護職はキャリアアップ職であり、そのルートも介護キャリアパスで明確化されています。

無資格・未経験からスタートし、資格取得や実務経験を重ねていき国家資格を目指すことも可能です。
介護職員初任者研修から介護福祉士へステップアップすると、介護リーダーや管理職として責任ある仕事に携われるだけでなく、大幅な給料アップも実現できるでしょう。

転職を成功させるポイント

他職種から介護職に転職する方は、何らかの原因から「このままこの会社で働き続けて大丈夫?」と不安を感じ、転職を考えた方が多いかと思います。

現在のコロナ禍では、突然の給料やボーナスカット、事業縮小などで将来の雇用への不安がさらに増した方も少なくないでしょう。

新型コロナウイルスの感染拡大がまだまだ収束しない中、コロナウイルスと共存しつつ生活の基盤や将来を守り生きていかなければいけません。

では、withコロナの転職を成功させるためにどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか?

情報収集をしっかりする

介護職に限らず、どんな職種・業種に転職するときも情報収集が転職成功のカギといわれます。
介護業界は、働く場所によって業務内容や働き方が大きく変わるため、まずどんな職場があるのか調べていきましょう。

例えば…
・介護度の重度の方が入所している特別養護老人ホーム(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・日帰りで(場所によっては宿泊もある)入浴や食事、機能訓練を行うデイサービス(通所介護)
・認知症高齢者のケアを行うグループホーム(認知症対応型老人共同生活援助施設)
・在宅生活を送る高齢者を支える訪問介護
と、様々な種類があり、選ぶ職場によって資格の有無など条件も異なります。

「早く就職したい」といってしっかり情報収集をせず転職先を決めてしまったら、思っていたよりもしんどい職場だったと、早期離職につながる原因になってしまいます。


同じ施設形態でも、施設によって介護理念や働き方が異なりますので、自分に合った職場を見つけることが大切です。
どんな施設形態があるのか調べる、実際に見学にいき施設の雰囲気を肌で感じるなど情報収集が不可欠です。

自身の適性を見極める

介護職にはどんな施設形態があるか情報収集できれば、「どんな介護がしたいか」「どのような働き方がしたいか」という軸を決め、自分自身の適性をみていきましょう。

そこで「やっぱり介護はできない」と感じる方もいらっしゃいますし、「特養よりもゆったりとした介護がしたいから訪問介護がいい」と思う方もいるでしょう。

情報収集した中から自分のニーズや介護観、将来どうありたいかを明確にしていくことで、職場選びの基準ができ、ミスマッチのない転職ができるでしょう。

資格取得(介護職員初任者研修)する

介護職は未経験・無資格から働けますが、業務の幅が制限されますので安定した転職を目指すなら資格取得をしておくのをおすすめします。

「介護職員初任者研修」は、介護の登竜門といわれ、養成校に通い基礎的な介護の知識とスキルを身に着けることができる資格です。短期集中であれば1ヵ月ほどで取得できます。

無資格者よりも介護職員初任者研修修了者は、採用に有利になり、資格手当がプラスされ給料アップも実現します。
また、訪問介護事業所でホームヘルパーとして活躍できるなど業務の幅を広げることも可能になります。
カイゴジョブアカデミーでは、就業支援もお願いすることで、資格取得費用が無料になるキャンペーンを行っているので、ぜひ活用しましょう。
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まとめ

いかがでしたでしょうか?
他職種から介護職へ転職する理由や、職種別の活かせるスキルについて紹介しました。

介護の仕事は、ますます介護人材の需要が高まる中で、他職種からの転職でも正社員として採用されやすく将来的に安定しているメリットがあります。

「就職先がない」「働き口がない」といった不安定な雇用が続くコロナ禍。
生活の変化をきっかけに、これからの働き方や人生を見直すきっかけになるのではないでしょうか?
介護職はネガティブなイメージがあり敬遠されやすいですが、「人と関わり笑顔を作る」やりがいのある仕事です。

無資格・未経験で他職種から介護職へ転職を考えている方は、実践的なスキルを身に着けることができますので、介護職員初任者研修の受講を検討してはいかがでしょうか?
ぜひご自身の適性を見極め、自分に合った働き方や職場を探していただきたいと思います。

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この記事の著者

吉田あい

大阪府出身 現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」
「介護現場におけるリスクマネジメント」

特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、
介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、
介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。

カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、
実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。

【所持資格】
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・介護福祉士
・社会福祉士
・メンタル心理カウンセラー
など

カイゴジョブアカデミー
この記事の監修者 カイゴジョブアカデミー
編集部
介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。