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小規模多機能型居宅介護とは?資格・仕事内容・やりがい・給料等を解説

更新日:

小規模多機能型居宅介護は、介護が必要な状態になって住み慣れた町で自分らしく生活するための支援を行う介護保険サービスのひとつです。
小規模多機能型居宅介護(以下、小規模多機能) の仕事を検討されている方の中は、実際に自分が働けるかどうか気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、小規模多機能の特徴から必要とされる資格、仕事内容、働き方、お給料、小規模多機能で働くメリットなどを解説します。小規模多機能の仕事に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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小規模多機能とは?

小規模多機能は、利用者様の希望や心身状況に応じて「通い」を中心に、「訪問」や「泊まり」のサービスを組み合わせ、日常生活上のケアや身体介助、健康管理、レクリエーションなどを提供します。

参照元 厚生労働省:小規模多機能型居宅介護

小規模多機能の特徴って?

小規模多機能で提供される「通い」「訪問」「泊まり」のサービス内容は以下のとおりです。

1.通い

デイサービスと同様に、送迎や入浴介助、食事などを提供します。
利用者様の心身状況やニーズに合わせ、午前中や入浴だけといった生活パターンに合わせた柔軟な利用が可能です。

2.訪問

利用者様の自宅を訪問し、日常生活の支援や身体介助などを行います。
訪問介護では、サービスの内容や時間が決まっていますが、小規模多機能では、サービス内容や時間、回数に制限がありません。
「朝と夕方に安否確認をしてほしい」「就寝前の着替えを手伝ってほしい」といった要望にも応じることが可能です。

3.泊まり

小規模多機能で宿泊し、日常生活の支援や身体介助、夜間の見守りなどのサービスを受けることができます。
泊まりのサービスを希望する利用者様は事前に予定を立て利用しますが、体調不良や急用など必要に応じて柔軟に利用できる場合が多く、日中は「通い」を利用し、そのまま夜間は「泊まり」のサービスを利用することも可能です。
小規模多機能は、同一事業所内で馴染みのスタッフが一体的なサービスを提供するため、環境の変化が苦手な方や認知症の方も安心して利用できるでしょう。

小規模多機能の対象となる方

小規模多機能を利用できる方は以下のとおりです。

  • 要支援1.2、要介護1~5の認定を受けた方
  • 事業者と同じ市町村に住んでいる方

小規模多機能での仕事内容は?

以下は小規模多機能の主な仕事内容です。

  • 送迎:福祉車両で利用者様を送迎
  • 食事介助:おいしく食事が摂れるようにサポート
  • 入浴介助::安全な入浴介助
  • 排泄介助:排泄の際の見守りや介助
  • 着替えの介助:衣類の着脱をサポート
  • 生活サポート:日常生活の家事をサポート
  • メンタルケア:心理的なケア
  • 生活リハビリ:身体機能や認知機能の維持向上のためのリハビリ
  • レクリエーション:楽しみや娯楽の提供、リフレッシュや社会的交流の促進
  • 安否確認:利用者様が安全に生活できるように行われる状況確認
  • 健康チェック:意識・体温・呼吸・脈拍・血圧の測定

それでは具体的な仕事内容について、それぞれ説明します。

送迎

デイサービスと同じように、車で自宅と事業所間の送迎を行い、10人乗りのワゴン車や軽自動車、車椅子のまま乗車できるリフト付き福祉車両などを利用します。

食事介助

認知症や身体の衰えなどの理由で、自分で食事をすることが難しい利用者様に対して、栄養バランスや季節感のあるメニューを提供し、安全においしく食事が摂れるように見守りや食事の介助を行います。

入浴介助

ADL (日常生活動作)に応じた安全な入浴サービスを提供します。
体調不良や拒否などで入浴できない方は、シャワー浴や、清拭、部分浴(足浴、手浴)などで対応する場合があります。

排泄介助

排泄介助は、トイレへの誘導やベッド上でのおむつ交換などを行います。
歩行できる方にはトイレまでの歩行や動作の見守りを行い、一部の介助が必要な方にはトイレへの誘導やズボンの上げ下ろし、おむつやパットの装着などを行います。
ベッド上でのおむつ交換では、おむつやパットの準備、陰部の洗浄、パットやおむつの装着などを行います。
これらの誘導や介助は、いずれも利用者様のペースに合わせて行い、羞恥心に配慮することが大切です。

着替えの介助

着脱介助は、衣服の着脱が困難な利用者の着替えをサポートし、起床時や就寝時、入浴時、衣類汚染時などに行います。
介護士は、季節や天候に合わせたものを選ぶことができるよう声かけを行います。

生活サポート

「訪問」を利用されている方に対して、掃除や洗濯、配食、買い物、ゴミ出しなどの生活サポートを行います。
歩行や動作の安全面に配慮しながら、利用者様の能力を最大限に生かしながらサポートすることが大切です。

メンタルケア

高齢や障がい、疾患などで介護が必要となった方の中には、ストレスや孤独感を持たれている方もいます。
伝えたいことを表現できない方も多いため、介護士は利用者様に寄り添い、ニーズに耳を傾けることが大切です。

生活リハビリ

生活リハビリは、入居者様の状態やニーズに合わせて、日常生活の動作を訓練し、自立した生活を送るためのサポートを行います。
例えば、「足を上げてあるきましょう」との声かけや、座っている際の足の上下運動、ラジオ体操などです。
また、声かけや介助を適切なタイミングで行い、身体機能や日常生活動作の維持・向上、認知症予防を目指します。

レクリエーション

小規模多機能では、楽しみながら身体機能や認知機能の向上を目指せるレクリエーションが取り入れられています。
ストレス解消や心の癒しの効果を目指したハンドマッサージや、アロマテラピーなどのレクリエーションを積極的に行っているところもあります。

安否確認

日常的な見守りや自宅への訪問、夜間の巡視などで、利用者様の体調の変化や状況確認を行います。

健康チェック

高齢になると体調が変化しやすくなる一方で、ご自身では身体の異変や体調不良に気付きにくくなることが多くあります。
小規模多機能では、看護師が「意識・体温・呼吸・脈拍・血圧」などの健康チェックを行い、体調に異常がないか確認をします。
身体介助の基本スキルは、介護職員初任者研修で目的や手順を詳しく学ぶことができます。

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小規模多機能での働き方

小規模多機能で働く介護士は、基本的に早出・日勤・遅出・夜勤のシフト制で働き、「通い」「訪問」「泊まり」の担当や業務内容は、シフトやその日のスケジュール、利用者様の状況により異なります。
常勤職員だけでなく非常勤パートの雇用も多く、短時間勤務や曜日固定勤務も可能です。

小規模多機能での1日の流れ

小規模多機能で働く介護士の一般的な1日の流れをご紹介します。

小規模多機能で働く介護士の1日の流れ

※その日の状況や行事により変動があります。

※排泄介助や体位変換など利用者対応は随時行います。

※掃除・洗濯・調理など入居者様とともに行います。

小規模多機能で役立つ資格について

ここでは、小規模多機能で役立つ資格「介護職員初任者研修(以下、初任者研修)」、「介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)」、「介護福祉士」について説明します。

介護職員初任者研修 (旧ヘルパー2級)

「初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」は、介護職の入門資格です。
介護士として働くために必要な知識や技術を身につけるためのもので、学歴や年齢、資格の有無などの制限がなく、未経験・無資格の方でも学びやすいカリキュラムが組まれています。
厚生労働省の「小規模多機能事業所(看護小規模多機能含む)の事業と指定基準の概要)」をみると、以下のように小規模多機能では介護職員の資格要件は定められていません。

参照元 厚生労働省:小規模多機能事業所(看護小規模多機能含む)の事業と指定基準の概要)

以下引用
介護福祉士や訪問介護員の資格は必ずしも必要としない。ただし、介護等に関する知識、経験を有するものであることが原則。
ただし、「訪問」において身体介護をする場合は訪問介護と同様に初任者研修以上の資格が必要となる場合や採用条件になっている場合も多いので、「初任者研修」以上の資格を所持していた方が良いでしょう。
※市町村や職場によってルールが異なるため、確認してください。
また、2024年4月以降、無資格の介護職員に対して認知症介護基礎研修が義務化されます。これまで介護の仕事は、無資格から働くことができましたが、2024年4月以降は認知症介護基礎研修修了や初任者研修以上の資格が必要になるため、資格の取得をおすすめします。

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資格の取得方法

厚生労働省または都道府県知事が指定した養成校で、厚生労働省が定めたカリキュラムを修了し、修了試験に合格することで初任者研修の資格を取得できます。
学歴や年齢などの制限や、受講するために必要な資格はなく、知識ゼロから介護職のキャリアパスを歩むことができます。
厚生労働省が定めた初任者研修の研修科目及び研修時間は、130時間です。
カリキュラムは全国共通ですが、各スクールによって内容や修了試験の内容は異なる場合があります。
また、スクールによって様々なコースが設定されており、カイゴジョブアカデミーでは
自宅学習とスクーリングの2本柱で資格取得を目指します。
テキストをもとに自宅で通信課題に取り組み、基礎知識を身につけていきます。
次に15日間のスクーリング(通学)が始まり、介護の基礎知識や実技演習で実践的な介護技術を学びます。
最終日には学んだことを確認する修了試験が行われ、合格者には修了証が発行されます。不合格の場合は無料で何度でも再チャレンジできます。
修了試験は、これまでの受講内容を確認するための試験ですので、難易度はさほど高くありません。

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資格の取得費用

一般的に初任者研修にかかる費用は5万円~10万円とされています。
カイゴジョブアカデミーは、関東・愛知が42,900円(税込・テキスト代込)、関西・広島・福岡が31,900円(税込・テキスト代込)です。

また、求職中の方を対象に初任者研修の受講料とテキスト代を当校が実費負担し、就職支援も無料でサポートする介護職デビューキャンペーンを実施しています。
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介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)

「実務者研修(旧ホームヘルパー1級)」は、介護現場の即戦力として実践的な知識やスキルを身につけます。具体的には認知症ケアや介護過程の展開、医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養など)を学びます。
小規模多機能の利用者様の中には、介護度の高い方や医療的ケアを必要とする方もいらっしゃいます。
実務者研修は、医療的ケアの知識やスキルを習得するため、看護師のサポートや幅広い介護の実践につながるでしょう。
受講するために必要な資格はなく、未経験の方や初任者研修を受講していない無資格の方でも受講できます。
また、2017年より介護福祉士国家試験の受験資格には実務者研修の受講修了が義務付けられているため、介護福祉士を目指す方には必須の資格です。

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資格の取得方法

厚生労働省または都道府県知事が指定した養成校で、厚生労働省が定めたカリキュラムを履修することで 資格を取得できます。
厚生労働省が定めた研修科目及び研修時間は、無資格者の場合、養成校で450時間の受講時間で、6カ月?1年の研修を含むカリキュラムを受講します。
基本的に学習内容やカリキュラムはどこのスクールで学んでも同じですが、実務者研修の受講時間や講座内容は都道府県の規定によって異なり、スクールによって様々なコースや通学日数が設定され、保有する資格でも受講時間が異なります。

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資格の取得費用

一般的に実務者研修にかかる費用は、スクールや保有資格によって異なります。

無資格 10万円~15万円
初任者研修取得者 8万円~15万円

カイゴジョブアカデミーの費用は以下のとおりです。

      
無資格者 110,000円(税込・テキスト代込)
初任者研修・ホームヘルパー2級修了者 90,200円(税込・テキスト代込)

初任者研修と同様に、求職中の方を対象に初任者研修の受講料とテキスト代を当校が実費負担し、就職支援も無料でサポートする介護職デビューキャンペーンを実施しています。
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介護福祉士

介護福祉士は、介護職員のスキルアップ資格であり、キャリアパス上位の国家資格です。
介護施設や訪問・通所介護事業所、医療施設など様々な場所で活躍し、介護現場での介助だけでなく、介護職員の指導や利用者様へのサポートなど仕事の幅も広がります。
小規模多機能では、介護福祉士の資格を取得することで管理者やリーダーとして活躍を目指せます。
介護福祉士の詳細や受験資格などはこちらの記事を参考にしてください。

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資格の取得方法

介護福祉士の資格取得までには、3つのルートがあります。

  1. 介護現場で3年以上・540日以上の実務経験を積み実務者研修を修了
  2. 養成校を卒業
  3. 福祉系高校を卒業

いずれかのルートを経た後に介護福祉士国家試験を受験し、合格を目指します。
介護現場で働きながら介護福祉士合格を目指している方は、(1)の実務経験を積んで取る方法が一般的です。

資格の取得費用

介護福祉士の取得に掛かる費用は、受験ルートによって異なります。

  • 実務経験ルート
    実務経験ルートでは実務者研修の受講費用が必要となり、カイゴジョブアカデミーでは、無資格者は100,000円、初任者研修やホームヘルパー2級保持者の場合は82,000円、そして介護職員基礎研修修了者であれば30,000円の受講費用がかかります。
  • 養成校、福祉系高校ルート
    養成施設ルートではおおよそ100~200万円の学費、福祉系高校ルートでは通常の高校を卒業するまでの学費と同程度の費用が必要です。

また、介護福祉士国家試験の受験手数料として、第35回(令和4年度)介護福祉士国家試験では、18,380円必要です。

参照元 公益財団法人社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 試験概要

普通自動車運転免許

小規模多機能は送迎や買い物、安否確認、緊急訪問などで車を運転する機会が多いため、応募時に必須条件になっていることがあります。

小規模多機能の給料は?

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122-124)」を参考に、小規模多機能で働く介護士の給料と年収について説明します。

勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
時間数
平均
給与
年収
常勤 47.1歳 7.6年 162.8時間 約31.3万円 約377万円
非常勤 54.8歳 8.0年 118.5時間 約21.7万円 約260万円
勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
日数
平均
給与
年収
常勤 51.6歳 6.8年 20.4日 約23.5万円 約282万円
非常勤 59.6歳 6.4年 14.0日 約17.7万円 約212万円
勤務
形態
平均
年齢
平均
勤続年数
実労働
時間数
平均
給与
年収
常勤 52.8歳 6.7年 165.1時間 約21.5万円 約258万円
非常勤 54.8歳 6.6年 99.1時間 約12.6万円 約151万円

※平均給与額は、基本給(日額)×実労働日数+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)で記載しています。

※年収は目安として平均給与額×12で算出しています。

参照元 厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122-124)

小規模多機能で働く介護士の給料は、表のとおり勤務形態や給与形態(月給・日給・時給)によって大きく異なります。
また、職場により保有資格も給与の違いに影響します。
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考に、資格がある場合と資格がない場合の給料の違いをみてみましょう。

介護資格なし 250,600円/月
初任者研修 286,530円/月
実務者研修 289,410円/月
介護福祉士 314,930円/月

資格なしと初任者研修を修了した方とを比べると、3万円以上の差がありました。
介護士は無資格・未経験から働くことができますが、収入アップを目指すなら、段階的に介護資格を取得していくことがポイントです。

参照元 厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者、保有資格別)
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小規模多機能で働くメリットって?

ここでは、小規模多機能で働く代表的な3つのメリットについて詳しく説明します。

1.介護の知識・経験を幅広く身につけられる

小規模多機能は、一つの事業所で「通い」「訪問」「泊まり」のサービスを提供するため、身体介助から生活支援、コミュニケーションスキルなど幅広いスキルが求められます。
小規模多機能で働くことで、利用者様の生活を総合的にサポートする知識と経験を身につけることができるでしょう。
介護士としてスキルアップできるチャンスが広がり、転職する際にも知識や経験を活かすことができる点がメリットのひとつといえます。

2.提供サービスの制約が少ない

デイサービスや訪問介護では、提供時間やサービス内容、回数など様々な制約があります。
一方、小規模多機能は、制約が少なく利用者様の心身の状況やニーズに合わせた柔軟なサポートが可能です。
例えば、訪問介護では難しい「話し相手」や「散歩」といった支援についても、必要であれば小規模多機能で対応することができます。
このように提供サービスの幅が広がることで、仕事へのやりがいにつながるでしょう。

3.一人ひとりに向き合った介護ができる

小規模多機能の登録定員は29名以下で、「通い」は登録定員の2分の1~15名、「泊まり」は、通いの利用定員の3分の1~9名と定められています。
利用者様の人数が少ないため、一人ひとりに向き合い、きめ細やかな介護ができることがメリットです。

小規模多機能の仕事で大変なところって?

小規模多機能の仕事はやりがいがありますが、同時に大変なこともあります。
ここでは、小規模多機能で大変なことについて2つお伝えします。

1.夜勤・宿直がある

小規模多機能は、夜間帯の人員基準について以下のように定められています。

  1. 夜勤職員:時間帯を通じて1以上(宿泊利用者がいない場合、置かないことができる)
  2. 宿直職員:時間帯を通じて1以上(随時の訪問サービスに支障がない体制が整備されている場合、必ずしも事業所内で宿直する必要はない)
参照元 厚生労働省:小規模多機能型居宅介護 小規模多機能型居宅介護の基準

夜勤職員は、泊まりの利用者様に対して身体介助や巡視などを行い、宿直職員は夜間帯の随時の訪問サービスに対応します。
夜勤や宿直がある小規模多機能は、勤務時間が不規則で、夜勤明けの疲れや不規則なシフトによる、睡眠不足やストレスに悩む方も少なくありません。
しかし、夜勤で働くことで昼間の時間帯を自由に使えるため、家庭との両立がしやすくなることや、日中のシフトよりも給料が高いというメリットもあります。

2.業務範囲が広くて大変

小規模多機能は、多様なサービスを提供するため業務範囲が広いことが特徴です。
臨機応変な対応力や判断力が求められるため、介護の経験が浅い方にとっては大変だと感じることも多いでしょう。
しかし、実際に利用者様や家族とコミュニケーションをとりながら仕事に向き合っていく中で業務に慣れ、やりがいを感じる方もいます。

小規模多機能の業務を一通りこなした方は、デイサービスや訪問介護、特別養護老人ホーム、ショートステイなど様々な介護施設での活躍が期待できるでしょう。

小規模多機能で働くやりがいって?

小規模多機能で働くやりがいについて、実際に小規模多機能で働く介護士の声をご紹介します。

Mさん(45歳・女性・介護士歴10年)

以前は訪問介護事業所でホームヘルパーとして働いていました。
訪問介護の仕事は、サービス提供時間が決められ、やることも細かく決められていましたので、利用者様からの要望を叶えるサービスが難しかったです。
例えば、「今日は、掃除はいいからお茶を飲みながらゆっくりお話したい」と要望があっても訪問介護では「お話だけをする」というサービスができません。
しかし、小規模多機能では安否確認のために訪問し、利用者様とお喋りをして施設に戻るといった短時間のサービスも可能です。
利用者様とコミュニケーションを深めることで、最近の心身状況や困っていること、新しいニーズが発見できることもあります。
そして必要に応じて「通い」や「泊まり」のサービスにつなげることも可能です。
ご本人様のニーズに合わせたケアを柔軟に提供でき、サービスを続けていく中で「ありがとう」と感謝の声をいただくことがやりがいです。

以上のように小規模多機能で働く介護士は、利用者様と信頼関係を築き、在宅生活を総合的にサポートできることにやりがいを感じているかたが多いです。
利用者様にとっても、自宅とは別に自分の居場所ができることで、安心した生活を送ることができるでしょう。

小規模多機能の仕事内容に関するよくある質問

小規模多機能に関する、よくある質問についてお答えいたします。

小規模多機能に向いている人って?

小規模多機能で働くことに向いている人は、以下のような人です。

1.コミュニケーションが得意な人

小規模多機能は、特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設に比べると利用者様一人ひとりとじっくり向き合いながら介護をすることができます。
そのため、相手の言葉や表情、声のトーンなどから、その人が抱えている気持ちやニーズを読み取ることが得意な人に向いています。
コミュニケーションが得意な人は、サービスを通じて利用者様と信頼関係を構築し、適切なケアを実践することができるでしょう。

2.チームケアを大事にできる人

小規模多機能は、介護士や看護師、ケアマネジャーなどを含めた複数のスタッフが「訪問」「通い」「泊まり」の複合的なサービスを提供します。
例えば、一人暮らしの利用者様への訪問時、訪問スタッフが「片付いていない自宅の様子から体調不良が感じられた」場合、「通い」のスタッフに報告することで、看護師が体調変化に配慮することができます。
また、「訪問」や「通い」で体調に不安があった場合、急遽「泊まり」に変更し、スタッフの見守りのもと施設での安全なケアにつなげることも可能です。
介護士一人ひとりがチームケアを大事にし、情報共有をしっかり行うことで、スムーズなサービスの提供や緊急時にも備えることができるでしょう。

ほかの介護施設との違いは?

小規模多機能と似ているサービスである「訪問介護」「デイサービス」「ショートステイ」の違いをまとめてみました。

小規模多機能(訪問) 訪問介護
必要に応じて利用できる できる・できないサービスが明確
訪問介護でできない短時間サービスや夜間、随時の緊急訪問にも対応可能 決められた時間に訪問し、決められたサービスを提供する
小規模多機能(通い) デイサービス
必要なタイミングで必要なサービスを受けることができる ・ケアプランの予定に沿って通う
・デイサービスのプログラムに沿って過ごす
小規模多機能(泊まり) ショートステイ
・必要に応じて利用しやすい
・慣れた場所やスタッフで安心感がある
・事前予約が必要
・希望日に予約できないこともある
・予定変更が難しい

さらに、小規模多機能は料金が月額定額制であることが大きな違いです。
訪問介護やデイサービス、ショートステイでは、1日の利用料金が決まっていて、利用日が増えるごとに料金も増額します。

小規模多機能もケアプランで予定を立てていますが、訪問日数や宿泊日数が増えても料金が追加されることはありません。

「費用の負担を抑え、必要なときに必要なサービスを受けやすい」ことが、他の介護施設との違いといえるでしょう。

小規模多機能でキャリアアップするには?

小規模多機能で働く介護士が、キャリアアップしていく方法を2つ紹介します。

1.資格取得

介護士の仕事は未経験・無資格からスタートできますが、資格取得や経験の積み重ねによってキャリアアップを目指すことができる仕事です。
介護士はキャリアパス制度が確立されており、資格取得や実務経験によってキャリアアップとともに給料アップも見込めます。
まずは初任者研修で基礎的なスキルや知識を身に着け、次に実務者研修を受講し、実務経験3年を経て国家資格である介護福祉士の取得を目指すルートが一般的です。
介護福祉士の資格取得後は、認定介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)などへとステップアップし、仕事の幅を広げることができます。
未経験や無資格から始めた方でも、段階的に資格を取得することで仕事の幅が広がります。

2.実務経験を重ねる

現場での経験を積み重ねることも重要です。
利用者様の生活を支えるためには、コミュニケーション能力や問題解決能力が求められますが、現場での経験を積むことで、介護職としてのスキルが向上します。
また、実務経験を重ねることで、管理者や介護リーダーとして活躍することもできるでしょう。

まとめ

「介護が必要になっても、住み慣れた自宅で安心して暮らしたい」という高齢者の希望を支える小規模多機能のニーズは、拡大しています。
利用者様一人ひとりとじっくり向き合い、総合的なサービスを提供する小規模多機能。
幅広い業務を行い、ニーズに合ったケアや柔軟性が求められるため、介護士としてのスキルアップにもつながるでしょう。
カイゴジョブアカデミーの初任者研修では、介護の基本的な知識とスキルを学ぶことができます。
初任者研修を修了すれば、不安なくケアに向き合うことができ、介護士として実務経験を重ねることで、自分自身のキャリアビジョンに合ったステップアップを目指せます。
また、カイゴジョブアカデミーでは求職中の方を対象に初任者研修の受講料とテキスト代を当校が実費負担し、就職支援も無料でサポートする介護職デビューキャンペーンを実施しています。
小規模多機能のお仕事に興味がある方はぜひお気軽にご相談ください。

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吉田あい写真
この記事の著者 吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
カイゴジョブアカデミー
この記事の監修者 カイゴジョブアカデミー
編集部
介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。