介護士のお給料ってどのくらい?お給料を上げるための5つの方法
介護の仕事をしたい!と思っても、気になるのはお給料。「正直、どれくらいお給料ってもらえるの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
ご安心ください。低賃金と言われがちな介護士ですが、資格取得や国の待遇改善によってお給料は上昇傾向にあります。
今回は、実際の平均年収や介護士のお給料の上げ方についてご紹介します。介護士を目指す方はぜひ参考にしてください。
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介護士の平均年収はいくら?給料事情について
介護職は地域や職場によって給料や手当が大きく変わるため、しっかりと確認し働くことが大切です。
国税庁より発表された『令和4年分民間給与実態統計調査結果』を参考に、介護士のお給料についてみていきましょう。
データからみる介護士の平均年収
全職種で1年を通じて勤務した給与所得者の年間の平均年収は458万円、業種別から医療・福祉職をみると平均年収409万円です。(介護職員以外の職種も含まれる)
最も低い業種は「宿泊業,飲食サービス業」の平均年収268万円です。
※平均年収の数値についてはデータ値を四捨五入しています。
また、アルバイトやパートで働いた場合の時給は令和4年12月の時点で1,140円です。令和5年度地域別最低賃金答申状況からみても介護職の給料は「特別安い」というわけではないことが分かります。
参照元 国税庁:令和4年分民間給与実態統計調査結果 厚生労働省:令和5年度 地域別最低賃金答申状況
介護士の給料事情
先述した通り、介護士の給料は低すぎるわけではありません。大幅にアップしないのは、介護保険で定められた「介護報酬」が介護業界の収入源であり、その収入の伸び率が低いことが背景にあります。
介護施設や介護事業所では、その限りある収入から家賃や固定費など運営費を支払い、介護福祉士やその他職種の給料の支払いをやりくりしています。事業所に入るお金が大きく増えないため、従業員の給料に反映されにくいのが実情です。様々な施設形態を運営している事業所では互いの事業所間で利益を補填することができますが、小規模事業所では補填しにくいため、介護士の給料は安くなる傾向があります。
できるだけ高い給料を目指したい方は、医療法人や社会福祉法人が運営する大規模の施設や事業所がおすすめです。
介護士は様々な手当で給料アップできる!
介護士のお給料は、基本給にいくつかの手当が加算されます。介護士の手当にはどのようなものがあり、どれくらい加算されるのかみていきましょう。
資格手当は所持している資格の種類によって金額が異なります。
介護職員初任者研修修了者 | 5,000円~10,000円/月 |
---|---|
介護福祉士実務者研修修了者 | 10,000円~20,000円/月 |
介護福祉士 | 10,000円~30,000円/月 |
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資格手当については、介護職員初任者研修等だけでなくレクリエーション介護士やレクリエーションインストラクターなど介護・福祉職に関連する資格も資格手当の対象となる職場もあります。
夜勤手当 | 4,000~10,000円/1勤務 |
---|---|
処遇改善手当 | 5,000円~20,000円/月 |
処遇改善手当の支給対象は、「直接介護を行っている介護従事者」となり、正社員だけでなく、契約社員やパート、派遣社員といった雇用形態は問われず支給されます。また月給(基本給)や賞与に反映、手当として支給となり、処遇改善手当の支給方法や時期・金額は事業所によって異なります。
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要によると、令和3年12月と令和4年12月の状況では、平均給与額17,490円アップしています。
令和3年12月 | 令和4年12月 | 差 (令和4年-令和3年) |
|
---|---|---|---|
平均給与額 | 300,740 | 318,230 | 17,490 |
参照元 厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
介護職お給料の上げ方、5つの方法
仕事にはやりがいはあるけれどお給料が上がれば、もっと働きがいを感じるのに…という方はたくさんいらっしゃるかと思います。
ここでは、介護職のお給料の上げ方について、以下5つの方法をお伝えします。
- 給料が高い勤務先を選ぶ
- 夜勤を増やす
- 資格取得・キャリアアップを目指す
- 処遇改善加算を取っている事業所に就職
- 実務経験を重ねる
では、それぞれみていきましょう。
1.給料が高い勤務先を選ぶ
介護職の給料は施設種別によっても大きく異なるため、高い年収や給与アップを考えるなら給与が高い勤務先を選ぶことがポイントです。
大規模の施設や事業所では利益の補填ができるため給料が高くなる傾向であるとお伝えしました。その中でも介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、次いで介護老人保健施設(老健)の入所施設がトップクラス。
運営主体が社会福祉法人、医療法人では昇給制度や資格手当が整備され、福利厚生も充実しているところが多く、安定した収入が望めるでしょう。
2.夜勤を増やす
入所系の介護施設では早出・日勤・遅出・夜勤といったシフト体制が一般的です。このシフト制から給料を上げるなら、夜勤手当がつく夜勤回数を増やすのも◎
夜勤を行うと夜勤手当(夜勤1回に対して4,000~10,000円)が支給されます。
例えば4,000円の夜勤手当の場合では月5回夜勤に入ると、1カ月で2万円の夜勤手当がつき、1年間で24万円プラスされます。
また、夜勤の仕事だけをする「夜勤専従」という働き方の選択もあり、人手不足の夜勤帯を補う人材としてニーズが高いスタッフです。夜勤専従の給料は施設や資格、経験によって異なりますが、日勤よりも収入が高い傾向です。介護職員初任者研修では1勤務あたり20,000円~、介護福祉士では1勤務あたり23,000円~30,000円程度が相場となります。中には30,000円以上と高い提示をしているところもあります。
夜勤を行うスタッフでは、無資格の方よりも介護職員初任者研修修了者など資格を所持している方の方が採用に有利です。
自分に合った働き方を選びたい方は、資格取得を目指すことをおすすめします。
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3.資格取得・キャリアアップを目指す
無資格・未経験から働くことができる介護職ですが、資格手当が加算される職場では資格を取得し資格手当を増やすのも◎
職場によって最も高い資格手当のみ加算されるところ、所持している資格それぞれに資格手当が加算されるところなど様々です。厚生労働省の令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要をみると、資格の種類によって収入が異なることが分かります。
保有資格 | 勤続年数 | 平均給与額 |
---|---|---|
保有資格なし | 5.3年 | 270,530円 |
介護職員初任者研修 | 8.0年 | 302,910円 |
介護福祉士 | 9.5年 | 331,690円 |
参照元 厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者、保有資格別)
資格をとり実務経験を重ねてリーダー職や管理職として活躍すれば、役職手当がつくのでキャリア・年収アップにつながります。
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4.処遇改善加算を取っている事業所に就職
国が推進する介護士の介護職員処遇改善加算は、全ての介護職が一律で支給されるわけではありません。介護職員処遇改善加算は、介護保険サービス事業所が指定基準を満たし、介護職員に対して「キャリアパス要件」と「職場環境等要件」等の取り組みを実施しているところが対象となります。簡単にいうと、職員の処遇改善に取り組んでいる職場ということになります。
また、介護職処遇改善加算は全5区分あり、それぞれによって満たさなければいけない算定要件と支給金額が異なります。例えば、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)を取得している職場だと、介護職員1人当たり月額 37,000円相当の給付額となり、介護職員処遇改善加算(Ⅴ)になるにつれて給付額は下がっていきます。キャリアパス要件2つの違いで倍以上の金額の差が生じることになりますので、働きたい職場があったとき、その職場がどの区分にあたるのか確認が必要です。
5.実務経験を重ねる
どの職場でも新人介護士とベテラン介護士を比べると給料の高さに違いがでてきます。厚生労働省の令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要をみると以下の通りです。
勤続年数 | 令和3年12月 | 令和4年12月 | 差 (令和4年-令和3年) |
---|---|---|---|
1~4年 | 291,910 | 312,960 | 21,050 |
5~9年 | 307,930 | 324,350 | 16,420 |
10年以上 | 342,150 | 358,870 | 16,720 |
経験を積むに従い給料が上がり、令和3年12月と令和4年12月の差だけでもそれぞれ月に約1.6~2.1万円増えていることが分かります。それにプラスして、特定処遇改善加算を支給される可能性があります。介護職員処遇改善加算は介護職員全員を対象としていますが、特定処遇改善加算は経験・スキルに優れたベテラン介護職員が対象です。
特定処遇改善加算は、勤続年数10年以上の介護福祉士について、介護職員処遇改善加算に上乗せして月額平均8万円相当の処遇改善金が支給される制度です。キャリアを積めばお給料が増える、というやりがいになりますね。
まとめ
介護士の給料事情や実際の平均年収や介護士のお給料の上げ方についてお伝えしました。介護士の待遇改善は年々進み、賃上げや手厚い手当、キャリアパスの整備など業務に見合った評価がされつつあります。
介護職員初任者研修を取得し、さらに実務経験を重ねると資格手当や役職手当も増え、確実に年収アップが望めるでしょう。
また介護の仕事は、高齢社会が進む日本において将来的にニーズが下がることのない仕事で、介護職員初任者研修修了者は採用にも有利になり、どの事業所でも引く手あまた。働くとなると給料や処遇改善加算にも影響する職場選びが重要です。しかし、実際の介護現場や職場環境、加算状況については分からないものです。
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- この記事の著者 吉田あい
- プロフィール
- 大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
- 保有資格
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
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