介護職は子育てと両立できるのか?
介護職は子育てと両立できるのか?
女性の社会進出が進み、子育てをしながら働く女性が増えています。現在子育て中の方やブランクのある方の中にも、働きたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
ライフイベントの多い女性にとって、仕事選びは重要です。介護職は資格なし・未経験からでも求人があり、子育てと両立しながら働く女性の選択肢のひとつとなっています。
介護職は本当に子育てと両立できるのでしょうか?著者も子育てをしながら介護の仕事をしていた経験があり、その実体験も踏まえて体験談や介護職と子育てを両立するポイントをお伝えします。
また、負担にならないおすすめの介護の職場を紹介しますので、子育てをしながら介護職に関心のある方、ブランクを乗り越えて介護現場に復職したい方はぜひ参考にしてください。
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受講費用*&
テキスト代 -
振替受講や
再試験代 -
就業
サポート
*初任者研修 または 実務者研修
目次
育児中の方に介護職が選ばれる4つの理由
介護職は「しんどい・汚い・長時間労働・大変・夜勤がある」などネガティブなイメージを持たれやすい職種です。そのため介護職と子育てとの両立はできないのではないか?と思っている方も多いですが、実際には多くの女性が介護現場で働き活躍しています。
それはなぜか?介護職が選ばれる理由を4つみていきましょう。
職場に女性が多い
介護の仕事は圧倒的に女性が多い職場です。そのため子育て経験がある方や現在子育て中の方も多く、子育ての大変さや育児と仕事の両立への理解があります。先輩ママに子育て相談など、気軽にできることも心強いですね。
時間の融通が利きやすい
子育てをしていると、子供の行事に合わせて休みをとったり子供が突然熱を出して欠勤してしまったり…は日常茶飯事です。 子供が体調不良になり、家庭内で体調不良の連鎖が続けばママも休まなければいけません。このような場合には長期の休みをもらわなくてはならない状況も出てくるでしょう。しかし介護の仕事は、子育て経験のある女性が多いことから子供の理由による休みへの理解が深く、快くシフト交代してくれるケースが多いです。
また、介護の働き方はシフト勤務であることが多いため、予定されている子供の行事やイベントでは希望休をとりやすいことがメリット。シフトが細かく設定されている職場では都合のいい時間に働くことができるでしょう。
求人数が多い
介護は人材不足が深刻な業界なので、資格なし・未経験の方も働くことができる職場が多く、転職先には困りません。また、実務経験を重ねると国家資格である介護福祉士へのキャリアアップを目指せます。
子育て中はパート勤務をして、子育てがひと段落したら正社員として活躍したい方や、以前介護職で育児のために退職された方の選択肢としても◎
ブランクがあっても求人数が多いため、資格や経験を活かして復職しやすいのです。
家事経験を活かせる
「これまで家事や育児しかしたことがないから不安」という方も安心してください。訪問介護では調理や掃除、洗濯などを提供する生活援助という仕事もありますので、得意分野を活かして活躍できるでしょう。
※訪問介護員(ホームヘルパー)になるなら介護職員初任者研修の受講、資格取得が必要です。
介護職と子育てと両立するポイント
どんな仕事でも子育てと両立するのは大変ですが、特に介護の仕事は体力的にも精神的にもしんどいことが多いでしょう。働き出して後悔しないように、両立するためのポイントをしっかり押さえることが大切です。
では、介護職と子育てと両立するポイントをそれぞれご紹介します。
一人で抱え込まない
子育てママは頑張りすぎてしまうことがあります。仕事と子育てどちらも100%頑張ろうと一人で抱え込まず、家族や親せき、自治体の育児支援、知人など積極的に協力を仰ぎましょう。最近では自治体の子育てサポートが充実しているので、ホームヘージやお住まいの市役所でチェックしてください。子供の体調不良などに対応してくれる協力者がいれば、安心ですね。
【筆者の体験談】
筆者自身、グループホームで介護職兼務のケアマネージャーとして働いてきました。産後、職場に実地指導が入るため息子を家族に預けて出勤することに。
夫は朝早く夜遅い仕事で日頃からワンオペ育児で、近くに住む実家頼りでした。どうしても預けられないときは職場に連れていき、おんぶしたまま仕事していたりグループホームのスタッフや入居者の方に遊んでもらっていたり…。仕事と子育ての板挟みで悩むこともありましたが、一人で抱え込まず「助けて」「手伝って」と発信することで乗り切ったのだと感じます。今はコロナ禍で職場に連れていくことはできませんが、頼れるところがあれば遠慮せずに頼る気持ちでいることが大事です。
子育てと両立しやすい職場選び
介護の職場といっても、特別養護老人ホームやデイサービス、老人保健施設など、施設形態やサービス種別によって様々なタイプがあります。子育てしながらでも働きやすい職場を選ぶことが大切です。
例えば、職員一人にかかる負担が大きい小規模事業所では、人手不足が深刻で休みにくい可能性があるでしょう。しかし、職員数が多い大規模な事業所や大手事業所では育休や産休制度、出産・育児のためのサポートが整っている施設が多く働きやすいこともあります。
【筆者の体験談】
筆者は、事務所で業務ができるようにとベビーベットまで設置してくれたり働き方を配慮してくれたりなど、子育て環境が整っていた職場だったので恵まれていました。このような職場環境は珍しく、近くに頼れる人がおらずワンオペ育児という方もいらっしゃるでしょう。ワンオペ育児でも働きやすい職場や併設の保育所などの活用を検討してください。
子育てとの両立におすすめの職場
では、子育てと両立しやすい介護の職場をみていきましょう。
デイサービス
在宅生活を送る高齢者の通所サービスで、夜勤がなく日勤帯のみという職場が多いことが特徴です。特別養護老人ホームに比べると介護度も高くなく、業務の負担が少ないでしょう。介助業務とともにレクリエーションやイベント等を提供しますので、場を盛り上げることやカラオケが好きな方におすすめです。
訪問介護
在宅で生活する高齢者を支える介護職のひとつで、掃除や家事といった生活援助や入浴介助や食事介助、排泄介助などの身体介護を提供します。ケアプランで決められたサービス提供の時間(週2回、1日1時間/週3回、1日2時間など)でシフトに入り、短時間で働くことができます。
そのため、子育て中や家族の介護をされている方から「自分のペースで働きやすい」と人気がある職場です。
施設中心型のケアから在宅ケアが国の政策として推進されているため、訪問介護員のニーズが高まっています。求人数も多く、年齢や経験問わず採用されやすいでしょう。
【筆者の体験談】
筆者のママ友にもホームヘルパーをされている方がたくさんいます。幼稚園に送った後、帰園するまでの間(9時~14時)や預かり保育(17時まで)をうまく活用し働いています。参観日や懇談会、行事がある場合は事前に希望休を出し、お休みをとって参加。時間の融通が利くことや、スキマ時間でも働ける勤務形態が働きやすいと話していました。
無資格・未経験でも介護職になれる?
介護の仕事は未経験・無資格でも従事できる職場があります。しかし、子育てとの両立におすすめの職場で紹介した訪問介護事業所の訪問介護員(ホームヘルパー)として働くなら「介護職員初任者研修」という介護の資格を取得する必要があります。
訪問介護員は、若い方から定年を迎えた方まで幅広く活躍し、もちろん子育て中の方もたくさん働いています。介護職員初任者研修で介護の知識とスキルを身に着けることで、子育てがひと段落した後も長く活用できるので一生のスキルになるでしょう。
また、無資格・未経験から働ける介護求人でも介護職員初任者研修を所持していれば採用されやすいため、取得しておいて損はないでしょう。
【筆者の体験談】介護職と子育ての両立のリアル
グループホームの介護職兼務のケアマネージャーとして働き、子育て真っ只中の筆者のリアルをお伝えします。
まず、女性は妊娠や出産といったライフイベントが多いですね。そして妊娠や出産には、そこに至るまでの経過から何が起こるか分からない不安も抱えています。
私自身、妊活を経た出産だったことや妊娠中のトラブルでの入院があり、両立は大変困難でした。妊娠中、何度も入院のため長期の休みをもらうこともあり、フォローしてくれる同僚への申し訳なさや復帰できるのだろうかという不安がありました。出産後もすぐには体調が戻らず、職場には迷惑をかけてしまうことも…。しかし私が働く職場は、時短勤務や在宅勤務など柔軟な働き方や当日の欠勤にも快く対応してくれた職場だったため、なんとか乗り切ることができました。子育てと両立されている方が多く、シフト交代への融通や「無理しないで休んでね」という言葉かけが当たり前になっていたからです。職場自体が育児との両立への配慮やサポートがされていることが心強かったですし、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
両立をして働く方は、子育てしながら働きやすい職場かどうか?が最大のチェックポイントですが、職場環境の内情や育児サポート体制について分からないことが多いですね。入職したものの妊娠や出産となったときに嫌な思いをしないように、見学や話を聞いて、子育てママの割合や産休・育休の取得率・休み事情など、職場環境をリサーチすることが大切です。
POINT
介護業界に詳しい方への相談が◎
カイゴジョブアカデミーなら介護職員初任者研修のスクールで相談できるので心強い!
まとめ
介護業界は、少子高齢化により慢性的な人材不足です。そのため働く人のライフスタイルに合わせたサポートを充実させ、子育て中の方でも働きやすい職場が増えています。また、育児と介護のダブルケアをしながら活躍されている方も多くいらっしゃいます。
- 子供がいてもキャリアプランを積み重ねたい
- 好きな介護の仕事を続けたい
- 好きな介護の仕事を続けたい
- 将来にも備えられる資格を取得したい
このような方は、ぜひ資格取得を検討されてみてください。今回紹介した子育てと両立しやすい職場である訪問介護は、これまでの人生で学んだ経験や前職で培ったスキルなどすべて活かして働くことができる仕事です。
子育てと両立しやすい介護の仕事を目指している方は、介護職員初任者研修にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
- この記事の著者 吉田あい
- プロフィール
- 大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
- 保有資格
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。