介護職の職場となる施設の種類は?向いているってどういうこと?
●介護施設は「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類
●「居宅サービス」は、利用者が自宅で受けられる訪問介護や訪問入浴、デイサービスなど。
●「施設サービス」は、利用者が入居先の施設で受けるさまざまな介護サービス。
●「地域密着型サービス」は、利用者が住んでいる地域主体で提供される介護サービス。
介護職のおもな活躍の舞台は介護保険で定められた介護施設や介護事業所です。こうした施設は種類が多く、仕事内容も多岐にわたります。今回は、それぞれの施設を「1.居宅サービス」「2.施設サービス」「3.地域密着型サービス」とサービスごとに分類し、特長や働き方を紹介します。この記事を参考に、自分が働くならどんな施設が良いのか、どんな働き方ができるのかイメージしてみましょう。
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1.居宅サービス
介護が必要になっても「住み慣れた自宅で自分らしく過ごしたい」という利用者の希望をかなえるために、住まいに訪問して生活をサポートするのが居宅サービスです。おもに以下の6種類があります。
訪問介護(ホームヘルプサービス)
訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、介護サービスを提供します。買い物や洗濯、調理などの生活援助、入浴介助や排せつ介助などの身体介護、通院の介助などを行います。
訪問入浴
専用の浴槽を積んだ入浴車で利用者の自宅を訪問し、入浴が困難な方や家族の介護だけでは入浴が難しい方を対象に入浴サービスを提供します。基本的に看護師とチームを組んで行います。
通所介護(デイサービス)
通所介護事業所(デイサービスセンター)へ通う利用者に対して、入浴や食事、健康管理、機能訓練などを提供します。自宅から事業所までの送迎も行いますが、職場によっては専任のドライバーが在籍していることもあります。
利用定員が18名以下の小規模な通所介護施設で、日常生活上の世話や機能訓練などを行う地域密着型通所介護(地域密着型サービス)もあります。
通所リハビリテーション(デイケア)
介護老人保健施設、病院、診療所等に併設されたデイケアセンターへ通う利用者に対して機能の維持回復訓練や日常生活動作訓練などリハビリテーションをメインに行う通所サービスです。介護職は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等のリハビリ職と協働し、利用者の食事や排せつ、入浴等の介護サービスを提供します。
ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)
介護保険で定められた介護施設に短期間入所する利用者に、入浴や食事、排せつ、機能訓練などを提供します。短期入所療養介護では、医学的な管理のもとで必要な医療や看護なども行います。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)など→短期入所生活介護
- 介護老人保健施設、介護療養型医療施設など→短期入所療養介護
特定施設入居者生活介護
入居している要介護者へ入浴や排せつ、食事など日常生活の介助、機能訓練、療養上のケアを提供します。特定施設の対象となる施設は指定を受けた有料老人ホーム・軽費老人ホーム(ケアハウス)・養護老人ホームとなります。
2.施設サービス
要介護1から5の認定を受けた利用者が入居する施設でさまざまなサービスを提供します。介護保険の適用となる施設サービスは「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「介護老人保健施設」「介護医療院」があります。それぞれを見ていきます。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
常時介護が必要で在宅生活が困難な方に対して、日常生活の解除や機能訓練などを提供します。原則、要介護3以上の要介護者を対象にした入所施設ですが、特例で要介護1・2の方の入所を受け入れるケースもあります。高齢者の生活の場や終の住み家となる施設なので、利用者の人生をサポートする役割を持つことが特長です。お看取りなどにも携わります。
介護老人保健施設
入所した利用者が、自立して在宅復帰するこをと目的に看護や介護、機能訓練などのサービスを提供します。入所する利用者は病状が安定していて常時治療の必要はないものの、在宅での生活に不安がある方で、入所期間は原則3カ月です。
介護医療院
長期療養を必要とする要介護者に、医療的ケアと日常生活の介護を提供する施設です。介護職は入浴、排せつ、食事等の介護や、その他日常生活上の世話、機能訓練、健康管理などを行います。利用者は医学的管理を必要としているため、医師や看護師、理学療法士などリハビリ職も常駐しているのが特長です。回復した利用者が在宅復帰や別の施設に移動することもありますが、お看取りとなるケースもあります。
3.地域密着型サービス
高齢者などが、住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを受けながら安心して、自分らしい生活を実現することを目的に2005年に誕生したサービスです。市区町村や都道府県が、地域の自主性や主体性、特性に応じて設計した地域包括ケアを主体にしています。
参照元 厚生労働省:在宅医療・介護の推進について
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期的な巡回訪問や随時通報により、入浴・排せつ・食事介助など定められた日常生活上のケア、療養上の世話または必要な診療の補助を行います。介護職員と看護職員が連携し、24時間体制で利用者の在宅生活を支えます。
夜間対応型訪問介護
夜間帯に利用者の自宅を訪問し、入浴・排せつ・食事・安否確認等、日常生活上の介護サービスを提供します。夜間対応型訪問介護は「定期巡回」(18~8時)と「随時対応」の2種類のサービスがあります。随時対応では夜間の転倒や体調不良などの連絡をオペレーターが受け、介護職は利用者の介助や救急車の手配などを行います。
認知症対応型通所介護
認知症の方を対象にした日帰りのデイサービスセンターなどで入浴や食事、健康管理、機能訓練などを提供します。
小規模多機能型居宅介護
要介護者となる利用者が、自身の状況にあわせて都度「訪問」「通い」「泊まり」などのサービスを選択できるサービスです。介護職は利用者の日常生活上のケアや健康管理、機能訓練などを行います。
小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせて提供する「看護小規模多機能型居宅介護」という複合サービスもあります。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
要支援2以上に該当する認知症の利用者が、5~9人を1ユニットとする少人数で共同生活を営む施設です。食事や入浴、排せつなど日常生活上のケアや機能訓練、健康管理を提供します。専門的な認知症ケアの知識を持った介護職が中心となってケアを行う施設です。
地域密着型特定施設入居者生活介護
入居定員29名以下の介護付き有料老人ホームやケアハウスで、食事や入浴、排せつ、見守りなどの生活支援や機能訓練及び療養上の世話を行います。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
入所定員29名以下の小規模な特別養護老人ホームで、食事や入浴、排せつ、見守りなどの生活支援や機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行います。
未経験でも働ける?
介護職初心者が働きやすい職場
介護職の職場となる施設の種類は多岐に渡り、なかには専門的な知識やスキルを必要とする施設もあります。ここからは、実際に介護職として働き始めたばかりの人や、介護職の経験の浅い人が働きやすい施設を3つピックアップして紹介します。
1.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム):施設サービス
利用者が入所する施設は24時間365日稼働し、夜勤もあるため体力的には大変な面もありますが、研修や教育体制が充実している職場が多く、実践を通じて介護の基本的な知識やスキル、実務経験を身につける最適な環境といえるでしょう。介護度の高い方や認知症の方も入所されているので、臨機応変なケアも学べます。
2.通所介護(デイサービス):居宅サービス
利用者は比較的自立度が高く、日帰りでのサービス提供になるため、介護職初心者や夜勤に不慣れな人、家庭の事情などで夜勤ができない人でも働きやすい施設です。リハビリを中心にしていたり、レクリエーションに力を入れていたりなど施設によって特色はさまざまなので、介護職初心者にとっては「どんな介護をしたいのか」を具体的に考えるきっかけにもなります。1日のスケジュールや時間が決まっているので、ワークライフバランスを大切にして働きたい方にもおすすめです。
3.訪問介護(ホームヘルプサービス)
訪問介護は提供するサービスによって生活援助・身体介護・通院の介助など幅広い業務があるので、得意分野を活かした働き方が可能です。例えば、長年家事をしてきた人は掃除や洗濯、調理といったスキルを生活援助のケアで存分に活かせます。基本的に夜勤がなく、直行直帰できる職場も多いため、プライベートと両立させることもできます。
※訪問介護員になるには、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を取得する必要があります。介護職員初任者研修は介護の基礎的な知識とスキルを身に着けることができる資格です。どの介護施設でも有資格者の需要は高いため、介護職を目指している人には取得をおすすめします。
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まとめ
介護職の職場を「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分類して紹介しました。それぞれ“人をケアする”という根本的な目的は同じですが、施設によってサービスの種類や仕事内容、働き方は異なります。また、同じ種別の施設であっても職場によって環境や雰囲気は異なるため、実際に見学をしてみることもおすすめです。
- どんな介護職になりたいのか
- 何を大事にしたケアをしたいのか
この2点を踏まえて、どんな施設が自身に合っているのかを見極めていきましょう。
介護職は無資格・未経験で働けますが、携われる業務は限られてきます。せっかく働きたい施設と出会えたのに、資格がないために希望通りの働き方ができない…といったことにならないためにも、介護職員初任者研修の受講がお勧めです。カイゴジョブアカデミーでは、現在、介護職に転職する人を対象として、受講料などをすべて当校が負担する介護職デビューキャンペーンを実施中。是非お気軽にお問い合わせください!
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
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