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介護職を派遣で働くメリットは?現場の実態は大変?

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介護職を派遣で働くメリットは?現場の実態は大変?

みなさんは“派遣社員”というとどんなイメージを抱かれますか?

「低賃金・待遇が悪い・正社員になれない、使えない人・単発で働く人」といったネガティブなイメージを持つ方もいるかと思いますが、そんなことはありません。介護派遣は、高時給・高待遇とされ「介護派遣の方がいい」という声もあります。

今回は、慢性的な人材不足に悩む介護現場において、救世主とされる介護派遣の働き方や時給、メリット、介護現場の実態について紹介します。介護派遣に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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介護派遣の働き方とは?

介護派遣は、人材不足が深刻な介護業界で人材を補う目的があり、ニーズは急増しています。介護の現場では女性の割合が多く、正社員で勤務していたとしても結婚や出産、家族の介護によって継続した働き方ができないケースも現実としてあります。介護派遣として働くことで、ライフスタイルに合わせた働き方ができ、ブランクの問題なくキャリアを継続することができます。

介護派遣の働き方は大きく以下の2つがあります。

登録型派遣

一般的な派遣社員のイメージとされる働き方です。派遣会社に登録し雇用契約を結び、派遣先にて雇用開始。契約期間満了にて雇用期間終了となります。

紹介予定派遣

派遣社員から正社員を目指すおすすめの働き方です。派遣会社と雇用契約を結び派遣先で雇用開始しますが、登録型派遣との違いは、雇用期間(最長6カ月)満了後に本人と派遣先双方の同意があれば直接雇用となる可能性が高いこと。職場環境や人間関係を見極めることができ、事業所としてもどんな人材かを把握できるためお互いのミスマッチが少ないメリットがあります。
場合によって契約更新されないこともありますが、もし自分に合わない職場であれば直接雇用を辞退することも可能です。

介護派遣とアルバイト・パートとの違いは?

アルバイトやパートとどこが違うのか?というと、雇用主の違いです。アルバイトやパートの雇用主は、勤務先(直接雇用する)となる介護事業所ですが、介護派遣の雇用主は登録した人材派遣会社です。そのため労働契約も人材派遣会社と結ぶことになり、給与や保険、福利厚生は派遣会社からとなります。

介護派遣の給料は?時給の相場は?

一般企業の給料体系としては、正社員の方が基本給や賞与の差から給料が高く、派遣社員は安い傾向です。しかし、介護派遣では正社員よりも高い給料を得ている方も少なくありません。

一般社団法人 日本人材派遣協会の集計結果をみると、
介護サービス職業従事者(派遣労働者)の1日8時間あたりの平均賃金は9,755円。
これを時給に換算すると1,219円になります。

一方、介護職員の『通常月の税込み月収』をみると、
平成31年(2019年)2月の平均月収は204,468円(月額基本給+手当+一時金)となっています。
これを1日8時間、1カ月20日出勤した場合の時給に換算すると1,277円になります。

こう比較すると、派遣社員と正社員の時給はさほど変わりませんが、介護派遣の時給は地域や介護派遣会社によって大きな差があります。介護派遣の時給相場は1100円~1500円程度とされ、都心部では高い傾向です。


未経験の場合は、初任者研修の取得をおすすめ

介護施設や介護事業所の種別によって、未経験・無資格者でも働ける職場があります。有資格者程高い時給にはなりませんが、介護現場では無資格者でもニーズがあり、一般のアルバイトやパートよりも高い時給の場合が多い傾向です。

有利な条件で働きたい場合や、高時給を目指す場合は、事前に「介護職員初任者研修」の受講を修了していることが望ましいでしょう。働きながら介護職員初任者研修の修了を目指すこともできます。介護キャリアの一歩として、介護職員初任者研修の受講をおすすめします。

介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)とは?

介護派遣の時給例

では、実際に介護派遣の給料事情の実態について、求人サイト「カイゴジョブ」の派遣求人の求人情報の一例をご紹介します。


【介護派遣の時給実例】

〇介護付有料老人ホームの介護職員・ヘルパー
給与:時給 1,200円~

〇ユニット型特別養護老人ホームの介護職員・ヘルパー
給与:時給 1,300円~

〇サ高住併設しているデイサービスの介護職員・ヘルパー
給与:時給 1,200円~1,400円


福利厚生や給与支払いの方法などはそれぞれ登録する派遣会社によって異なりますので、登録を検討している派遣会社の給与体系などは事前に確認しましょう。

介護派遣で時給アップを目指す方法

・資格や経験

介護派遣の時給は、前述したように所持している資格とこれまでのキャリアに影響され、時給の相場は地域や登録する派遣会社によって異なります。介護の有資格者であれば、介護現場での需要があり高い時給となるでしょう。

・夜勤専門・夜勤専従

介護派遣でより高い時給を目指すなら、夜勤専門・夜勤専従という働き方もひとつの方法です。
夜勤では夜勤手当のほか、労働基準法第37条で定められた25%の深夜割増賃金が時給に加わるので、日勤帯のみで働くより高い給料を得ることができます。1勤務〇〇円と日給制で募集している求人が多く、職場や所持している資格、キャリアによって1万円~3万円以上が給与の相場となっています。夜勤専門・夜勤専従の働き方は、少ない勤務日数と一定の勤務サイクルで高収入となるため、自身のライフスタイルや効率の良さから働きたいと考える人もいらっしゃいます。

介護派遣のメリット

介護派遣で働いている方はどんな部分に惹かれて、“派遣”を選んだのでしょうか?

介護派遣のメリットは以下となります。

スキルアップ・キャリアアップできる

介護派遣は、様々な介護施設や介護事業所で働くことができます。もちろん1つの職場で長く働いている方もいますが、派遣の契約期間が終わったら次の職場へ変わっている方も少なくありません。介護現場は職場によって対象となる利用者の状況や仕事内容、必要なスキルが異なります。そのため多くの現場を知ることで、新しい知識や技術の修得ができ、得たスキルは転職の際の大きな武器となります。
そして介護派遣で働いた期間も、介護福祉士の実務経験に認められていますので、事情があって正社員で働けない方もキャリアアップを目指せることがメリットです。

ライフスタイルに合わせた働き方ができる

介護派遣の最大のメリットは、勤務時間や職場の選択が柔軟であることです。育児や家族の介護のため仕事とプライベートを両立して働きたい方も、自分の働きやすいシフトで負担なく働くことができます。家庭の事情を気にせずに自分に合った働き方ができるので、ライフワークバランスを大切にしたい方にメリットが大きい働き方でしょう。イベントの強制参加や契約外の仕事がない働き方といえるでしょう。

介護派遣に求められるスキル

介護施設や介護事業所は「介護現場の人材不足を何とかしたい!」と高い採用コストをかけて派遣社員を雇用しています。そのため派遣社員には、すぐに介護業務ができる即戦力としての働きが期待されます。即戦力といっても知識や技術が求められるケアだけではなく、利用者との適切なコミュニケーションやレクリエーション、見守り要員としての意味ももっています。

未経験で派遣社員を募集している職場では、自身が今できることを活かしながら、実務を通じてスキルを身に着けてもらいたいと思っています。「自分はなにができるのか、貢献できるのか」といった得意分野をアピールする力も大切です。介護技術が未熟な派遣社員に対して研修を実施するなど、人材育成が充実している事業所も多いので、経験がないからといって過度に不安になる必要はありません。

介護派遣に向いている人

介護派遣は、以下のような人に向いています。

  • ライフスタイルに合わせて働きたい人
  • 仕事とプライベートを両立させたい人
  • 職場との相性を確認したい人
  • ドライな人間関係を望んでいる人
  • いずれ正社員を目指したい人

介護派遣は仕事をしながらプライベートも充実できることが魅力です。事情があって正社員で働けない方や働く場所や勤務時間に制限のある方にとって働きやすい環境でしょう。 そして離職原因になりがちな人間関係で悩みたくない方にもおすすめ。人間関係が濃密にならないため、派閥争いなどの心配が少ないためです。紹介予定派遣では正社員になれるチャンスもありますので、正社員を目指している方のステップアップにも向いています。

介護派遣の写真

どんな働き方?介護派遣の現場の実態は?

介護派遣は、最近は働きやすいと注目される働き方です。筆者が「派遣社員」の方と一緒に働いていた時の経験からお伝えします。私が働いていた職場では、もともと風通しの良い職場環境でしたので、派遣社員への差別意識はなく直接雇用の職員とさほど変わりないイメージでした。

派遣社員だからといって、人間関係のぎこちなさや一般企業でよく聞かれる“食堂や自動販売機を使えない”“福利厚生がない”ということもありません。正社員や他のパート、アルバイトと対等に話し、派閥争いなどもありませんでした。

派遣の方は登録時に決めた勤務時間でのみ業務を行いますので、周りよりも早い時間に退勤することもありましたが、スタッフからの嫌な顔をされることもなく「派遣だから」と周りの理解は高かったです。ただ、どうしてもスタッフがいないときは派遣会社と相談した上で残業をしてもらうこともありました。

様々な介護現場を経験されていた派遣の方だったので、「他の職場ではどんなケアをしていたの?」「どうしたらいいケアができる?」と、スタッフが知識やスキルのアドバイスをもらっていました。

介護派遣の働きやすさは事業所によって大きく異なりますが、本人も“派遣社員”と割り切って働いていたので、変な遠慮がなく「決められた時間は一生懸命働く」スタンスだったので、双方に働きやすさはあったかと思います。しかし、風通しの悪い人間関係や派閥争いがある職場では働きにくい環境もあるかもしれませんので、派遣先を決めるときに確認した方が良いでしょう。

派遣会社を選ぶ注意点

介護派遣で働く場合、重要なのは派遣会社の選び方です。大手はじめ数多くの派遣会社がありますが、選び方を誤ってしまうとすぐに辞めたくなるようなブラック派遣になるリスクも。派遣会社選びを失敗しないために、これからお伝えする注意点に気を付けましょう。

介護に特化したサポートが充実しているか?

派遣会社はそれぞれの強みを生かしたサポートを行っています。例えば資格取得支援やキャリア研修はじめ、職場見学の同行、派遣時のアフターフォローなど様々です。
その中でも“介護に特化したサポート”に注目しましょう。介護業界の悩みは介護経験者にしか分からないことも多いため、派遣会社に介護業界に精通した担当者がいるかどうか?を必ず確認することが大切です。介護に詳しいアドバイザーがいれば、派遣先となる事業所の良いところだけでなく、懸念点や求職者にその職場が合っているかの判断ができます。
また、職場見学に同行した際も、介護職経験者としてのアドバイスも的確です。悩みを分かってもらえる介護職の先輩として、派遣後に悩んでも相談しやすいです。

実績のある派遣会社か?

前述したように派遣会社はたくさんありますが、多くの方を紹介し派遣先の介護施設や介護施設ともつながりがある派遣会社を選ぶのがおすすめです。派遣先に長く働いている派遣の方がいれば、働きやすい職場ということが分かりますし、実際働き始めたときにも相談相手がいるというのは心強いですね。反対にすぐ辞める人が多い職場は、避けていた方が無難でしょう。派遣先の労働環境や実情に精通しているため、勤務時間やシフト交渉がしやすいためです。
また、実績のある派遣会社は研修や教育支援が充実しているので、自分自身のスキルアップにもなるでしょう。

求人数が豊富かどうか?

派遣会社によって求人数や給料は様々ですが、自分の希望する条件に近い求人が多い派遣会社を選びましょう。対応エリアや求人数、給料の幅など選択肢の幅が広い会社であれば、働きやすい派遣先と出会える可能性も高くなるでしょう。
また、非公開求人を多数取り扱っている派遣会社ではオープニングスタッフや高単価の求人なども保有している可能性も高いです。

まとめ

介護派遣の働き方や時給、メリットについてお伝えしました。一般的に派遣は不安定というイメージが強いですが、介護派遣は介護業界において人材不足を解消する役割が大きいことがお分かりいただけたかと思います。

「介護派遣と正社員どっちがいいの?」と声も多いですが、働き方改革の推進によって介護職の職場環境や働き方は多様化しつつあります。

日本テレビ系ドラマ『ハケンの品格』を見られた方は、篠原涼子さん演じる“大前春子”をイメージしてみてください。どんなピンチやトラブルにも身に着けたスキルで華麗に解決する“スーパーハケン”。その潔さは派遣社員のネガティブなイメージを打開してくれました。

様々な介護現場で実務経験を身に着け、どんな場面でも臨機応変に対応できるスキルをもった方であれば、引く手あまたで高待遇も見込めるでしょう。

幅広い働き方の選択ができ、スキルアップや知識の研鑽、自己成長にもつながる介護派遣。

介護がまったくの未経験という方は、まずは比較的簡単に取得ができる初任者研修を受講してから、職場探しを検討してみてはいかがでしょうか?

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吉田あい写真
この記事の著者 吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
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この記事の監修者 カイゴジョブアカデミー
編集部
介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
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