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介護職は運送業界からの転職に向いてるって本当?活かせるスキルは?

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介護職は運送業界からの転職に向いてるって本当?

運送業界は人々の生活を支える産業の一つであり、やりがいのある仕事ですが、長時間労働かつ不規則な勤務状況から転職を考える方は少なくありません。また一人で行う仕事が多いため、人とのつながりを求めて介護職への転職を検討する方が多くいらっしゃいます。しかし「未経験で介護職へ転職するのは不安」「資格がないから自分に務まるのか…」としり込みされている方が多いのも事実です。

そこで今回は、運送業界から介護職へ転職するメリットや活かせるスキル、また、運送業界で得たスキルを活かして活躍できる介護サービス(訪問入浴)などを紹介します。介護職への転職に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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運送業界から介護職へ転職する4つのメリット

運送業界から介護職へ転職するメリットは主に4つあります。

1.ものではなく人と向き合う仕事

運送業は幅広い仕事がありますが、基本的には荷物の仕分けや保管・荷受け、倉庫作業、配送など“もの”を対象にした仕事です。人と接する機会が少なく孤独な仕事が多い運送業界。社会インフラとして「縁の下の力持ち」であるにも関わらず、誰かの役に立っているという実感がわかない方が多くいらっしゃいます。

一方、介護職も同様に「縁の下の力持ち」という存在意義がありますが、異なるのは、介護を必要とする高齢者の生活をサポートする、つまり直接本人と接するという点です。

自分が行ったケアに対して、笑顔が返ってきたり「ありがとう」と感謝されたりします。

“ものではなく人と向き合う仕事”ですから、自分の仕事や存在が目の前の人を支えている実感や喜びとして、やりがいにつながるでしょう。

実際に運送ドライバーから介護職に転職した方に話を聞いたところ、「誰かの支えがないと生活していけない人を、自分が支えているという確かな実感があります。その実感こそが頑張る原動力です」と話していました。大きなやりがいを感じながら働いていらっしゃるようです。

関連記事:違和感に向き合い、自分の道を見つけた。元営業職/運送ドライバーが50代後半で介護職にチャレンジし、見えてきた価値観

2.規則正しい生活を送りやすい

運送業界の仕事は勤務時間が不規則です。プライベートとの両立や家族と過ごす時間が削られることに悩まれている方がたくさんいます。そして近年のコロナ禍により通販利用件数が増加し、慢性的な人手不足に拍車がかかっています。そのため運送ドライバーにかかる負担が激増し、肉体的にも精神的にも疲労が大きい現状が続いています。また長距離ドライバーの場合は拘束時間も長くなり、安全運転への配慮で勤務時間中に緊張感が継続する状態はかなり負担が大きいといえるでしょう。

一方介護職は職場によって異なりますが、シフト勤務をとっているところが多いです。

施設形態によって9時~17時といった勤務が可能なので、規則正しい生活を取り戻したい方や、ワークライフバランスのとれた働き方をしたい人にとって、働きやすい仕事といえるでしょう。

もちろん対象者が“人”であるため、突発的な事故や急変の際は残業を行うこともあります。しかし基本的に「決められた仕事を決められた時間に行う」ので、慢性的な残業は少ない傾向です。

3.安定して長く働きやすい

運送業界に年齢制限はありませんが、運転や荷下ろしなど体力に負担がかかる業務が多いため、怪我や腰痛など身体的な理由で引退される方が少なくありません。介護業界では10代~70代といった幅広い年代の方が活躍しています。ミドル・シニア世代からスタートする方も多く、年齢を重ねた方もチャレンジしやすい職種です。職場によりますが、介護職には年齢やその人のスキルに合ったさまざまな仕事があります。

年齢を重ねても、安定して長く働き続けやすいという点が介護職への転職のメリットといえるでしょう。

4.キャリアアップしやすい

運送業界のキャリアパスは、「ドライバー」→「運行管理者」→「所長」や「支店長」が一般的です。しかし、「貨物自動車運送事業法」で1人につきトラック29台まで管理できると定められ、営業所内で必要な運行管理者の数は限られています。実務経験を経て試験に合格しても運行管理者としてキャリアアップできるのは、わずかなドライバーだけということになります。キャリアアップできなければ、年齢を重ねてもドライバーのままという方は少なくありません。

一方で介護職は、スキルや専門性を身に着けていくキャリアパスが明確です。

未経験・無資格からスタートしても「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」などの資格を取得していくと、キャリアアップや資格手当で給与アップを目指せます。

介護の資格マップ

「資格」と「経験」で給与が上昇するキャリア制度が整い、「ケアマネージャー」へのポジションアップも目指せる将来性の高い仕事です。

介護職は未経験から目指すことができ、働いた期間が直接評価に結び付きやすく、キャリアアップしやすい職種であるといえるでしょう。

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介護職で活かせる運送業界の3つのスキル

運送業界で培ったスキルは介護の仕事で役立つことも多くあります。介護職で活かせる主な3つのスキルは、以下のとおりです。

1.体力面やボディメカニクス

運送業は荷物の運搬にかなりの体力が必要です。特に重い荷物の運搬をされてきた方は、体力に自信があり腰に負担をかけない荷物の持ち方が身に着いているでしょう。介護の仕事も、一人で歩行不安な方を支えたり移乗するため体力が不可欠です。しかし、物を運ぶのとは異なり、パワーがあればできる仕事ではなく、正しい介助技術を身に着ける必要があります。

運送業出身の方は力のかけ方やボディメカニクスを身に着けている方が多くいらっしゃいます。そのため介助技術やコツの習得は比較的早く、即戦力として介護現場で活躍できるでしょう。

介護の入門資格である介護職員初任者研修では、このボディメカニクスをみっちり習得しますので、不安な方でも大丈夫です。

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2.スケジュール・時間管理スキル

運送業はスケジュール・時間管理が厳しい業界です。決められた時間に配送するために、事前にルート確認や時間調整を行っている方は多いでしょう。介護業界も同様に、ケアプランで決められたサービスを時間内に提供しなければいけません。事前に利用者さんの状況確認やスケジュール、時間調整を行い、効率良く仕事を進める必要があります。

運送業で身に着けたスケジュール・時間管理スキルは、介護の仕事でも多いに活かすことができるでしょう。

3.運転技術

介護の仕事に運転技術は必要ないと思われる方は多いかと思います。

しかし介護業界では運転技術のある人材を求めており、運送業経験者は特にニーズが高い傾向です。

例えばデイサービスは、在宅で生活する方に日帰りで入浴や機能訓練、食事などを提供します。通所介護事業所でサービスを提供するため、利用者様宅へ迎えに行きサービス提供が終わったら自宅へ送る仕事があります。利用者様に負担なく時間厳守での送迎が必須です。

送迎担当者は安全運転で効率良く巡回し、ルート調整できるスキルが求められます。

地域からのイメージアップとしての役割も担うため、運転スキルが重視されます。また利用者様の病院への送迎やイベント(ドライブ)など運転する機会が多く、車の運転が得意な方は重宝されるでしょう。施設に入所されている方はドライブを楽しみにされている方も多くいらっしゃいます。たとえ病院への送迎だけであっても外出の機会が少ない方にとって、季節を感じられる風景を見ると気分転換になります。
「もう春なんやねぇ」「外の空気は気持ちいいわ」とドライブを楽しまれている様子を見ると、仕事のやりがいにつながるでしょう。

筆者の体験談 運送業界からデイサービスに転職したSさんの事例

運送業界出身の方が介護職として活躍されている事例をご紹介します。

筆者が勤務していたデイサービスに、元運送業のSさん(45歳)が転職されてきました。長距離ドライバー、中型ドライバーとして働いてこられましたが、不規則な生活から体を壊し退職。身に着けた運転のスキルを活かし正社員として働きたいと考え、介護職員初任者研修を取得。デイサービスでは送迎担当兼介護職員として働くことになりました。

ではSさんのエピソードをお話したいと思います。

ハプニングへの対応力がすごいSさん

デイサービスの1日は「送迎確認から始まり、翌日の送迎確認で終わる」といっても過言ではありません。当日朝は、お迎えに行く利用者様の送迎ルートと時間の確認を行い、送迎車を出発させます。予定通りスムーズに出発できる日は少なく、欠席連絡や交通状況の変化により送迎ルートや時間が変更されることがしばしば。送迎担当者は常に送迎確認を行い、状況に合わせて変更しなければいけません。ご家族の都合もあり大幅な時間変更が難しく、できるだけ予定通りの送迎時間に合わせてルートを決定しなければいけないのです。また、Sさんの働くデイサービスは狭い道や一方通行が多いため、送迎ルートが変更になった場合は「どれだけ道を知っているか」が重要になります。

ある日の朝、電車の人身事故があり道路は大渋滞、近くの踏切は閉じられたまま…というハプニングがありました。しかしSさん、運送業で培った経験から地域の裏道を網羅していたのです!誰も通りたがらない狭い道もSさんの運転技術にかかればスムーズに走行。少し送迎時間の乱れはあったものの、大幅な変更なく送迎が完了しました。「こんな道があるの?」と驚くスタッフが多い中、デイサービスに来所した利用者は「いつもと違う風景が見れて楽しかった」と笑顔。デイサービスは、送迎のハプニングがつきものですが「さすがプロは違うな」と感心したエピソードのひとつです。

お花見で入所前の思い出

デイサービスは春になると“お花見イベント”が開催されます。近くの公園に行き桜を見たり、送迎車で桜の名所を回ったり…利用者から人気のイベントです。

ご家族の病気をきっかけに施設入所が決まった利用者A様がいました。ある日、筆者が介助者につき運転手SさんがA様の送迎(送り)を行いました。A様が送りの最終利用者だったのですが、「毎年楽しみにしていたお花見も今年が最後、さみしいなぁ」とポツリ。私もしんみりしていると、Sさんから「少し寄り道しよう」と提案が!

車を走らせ辿り着いたのは、地域でも知る人ぞ知る住宅地にある桜の隠れ名所でした。お花見イベントとは別に、特別に桜のプレゼント。「3人の内緒やからな」と粋なSさん、「こんなきれいな場所あったなんて知らんかったわ」と喜ぶA様。前職の運送業をされていた頃、偶然見つけた場所だそうです。(内緒とは言いつつも、寄り道をしたことは管理者には報告しましたが…)

介護は、排泄や入浴など直接的な介助をするだけではありません。人の気持ちに寄り添い、自分にできることをサポートすることも介護の仕事です。地域を知っているSさんだからこそできるサービスだと感じた出来事です。

運送業界出身の方にオススメ!運転スキル+介護技術を活かす「訪問入浴」

介護の仕事は未経験・無資格からでもできます。しかし無資格の方は“介護”への不安や仕事に制限があるため、多くの方は基礎的な介護スキルを身に着ける介護職員初任者研修を取得されています。

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運送業界で培ったスキルと介護職員初任者研修で学んだ介護技術を活かせる仕事の一つとして「訪問入浴」があります。

訪問入浴は厚生労働省にて以下のように定義されています。

「訪問入浴介護とは、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、居宅における入浴の援助を行うことによって、利用者の身体の清潔の保持、心身機能の維持等を図るもの」

寝たきりの方や自力での入浴が困難な方、家族の介助が難しい方を対象に、訪問入浴車で利用者の自宅へ行き、専用の浴槽を使い入浴をサポートします。基本的に介護職員2名と看護師1名の3名がチームを組みますが、主治医が許可した場合は介護職員のみで対応することもあります。

なぜ運送業界出身の方に訪問入浴がおすすめなのでしょうか。主な理由は3つあります。

1.安心感がある

訪問入浴のサービス前は利用者様のバイタルチェックを行い、看護師が入浴の可否を判断します。体調次第で中止になることも多いですが、医療従事者がいつも近くにいるため万が一の急変時にも適切に対応することができます。

介護経験が浅くて不安な方でも安心して業務に向き合うことができるでしょう。

2.スキルアップしやすい

訪問入浴を利用される方は比較的重度の方が多いため、業務で身に着けたスキルや知識は次のステップアップにも役立ちます。

在宅介護の状況を理解できることや、利用者やその家族と密なコミュニケーションをとれることなど、これからの介護の仕事で多いに役立ちます。また効率の良い入浴介助のスキルを習得すれば、介護施設やデイサービスなどに転職する際にも重宝されるでしょう。

3.寄り添った介護を実現しやすい

訪問入浴は重度の方が多いとお伝えしましたが、終末期ケアの方や寝たきりの方が多く利用されています。利用者様の身体と心の健康や気分転換はもちろん、「ターミナルケアだけど体を綺麗にしてあげたい」という家族様の気持ちを汲みケアを行います。訪問入浴を通じて利用者様や家族様の願いを実現する、そのためにどのようなケアを心がければいいか?ということを考えます。

他の介護施設や事業所と比べると個別的な関わりが多いため、寄り添った介護ができるのも訪問入浴のいい部分です。運送業界でコミュニケーションが少なく仕事をされてきた方にとって、やりがいを感じる仕事になるでしょう。

まとめ

今回は運送業界から介護職へ転職するメリットや活かせるスキル、おすすめの介護サービスなどを紹介しました。

運送業界から介護職へ異業種転職する方は、これまで身に着けたスキルやキャリアが強みとなり仕事に活かせる、ということがお分かりいただけたかと思います。

高齢者が増え続けるいま、介護職は需要が高く何歳からでもスタートでき、「人の役にたちたい」「やりがいのある仕事がしたい」という方にぴったりの仕事です。

カイゴジョブアカデミーでは介護の基本的な知識とスキルを学べる介護職員初任者研修を開講しています。介護職員初任者研修を修了すれば不安なくケアに向き合うことができ、転職にも有利。ぜひ介護の資格を取り、介護職を目指してみませんか?

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吉田あい写真
この記事の著者 吉田あい
プロフィール
大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
保有資格
介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
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この記事の監修者 カイゴジョブアカデミー
編集部
介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
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