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介護に関する入門的研修とは?期間、受講資格について詳しく解説

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介護に関する入門的研修の研修内容や期間、受講資格について詳しく紹介します

2018年4月1日に新設された、介護に関する入門的研修(以下、入門的研修)。介護未経験者やこれから介護業界での勤務を考えている方など、入門的研修に興味のある方は多いと思います。

今回は、介護に関する入門的研修の研修内容や受講期間、受講資格などを詳しく紹介します。一読いただき、今後のキャリア形成へお役立ていただけると幸いです。

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1.新設された入門的研修とは?新設背景と概要

今後も高齢化が進み、介護が必要となる高齢者が増加していく中、介護業務を担う介護職員の数がこのまま推移すると、2025年には介護職員は約38万人不足するというニュースがありました。

介護職員の確保は、この国が抱える社会保障制度の大きな問題の一つです。この研修制度の創設は、厚生労働省を中心に介護の人材確保に向けた様々な政策を検討したうえで実施した、社会保障制度を維持するために重要な施策の一つです。より多くの方へ介護を知ってもらう機会とするとともに、介護業界で働く際の不安を払拭できるようし、介護未経験者の就業を促進することを目的としています。

2.入門的研修の具体的な内容

研修内容

入門的研修では介護に関する基礎的な知識を学びます。修了テストや実習はありません。基本的には講義が中心となりますが、基礎講座のうち介護の基本と入門講座の基本的な介護の方法に関しては演習が行われます。

具体的な研修内容については下記の通りです。

研修科目 研修時間数 研修内容
基礎講座 介護に関する基礎知識 1.5時間 介護サービスの種類や利用の流れ、介護保険制度の概要などを学びます。
介護の基本 1.5時間 介護における安全な体の動かし方や認知症予防で活用できる体操などを学びます。
入門講座 基本的な介護の方法 10時間 介護職としての役割や専門性、基本的な生活援助技術、老化の理解などを学びます。全項目の中で一番研修時間が長く、中核となる科目です。
認知症の理解 4時間 認知症の種類、原因、特徴など認知症の基礎知識を学びます。
障害の理解 2時間 障害の特性や特徴など障害福祉についての理解と、障害福祉制度の概要について学びます。
介護における安全確保 2時間 介護の現場で起こりうる事故や感染症と合わせて、事故の対応や安全対策、感染症対策等を学びます。
合計時間数 21時間

実施主体

介護に関する入門的研修の実施主体は、都道府県または都道府県知事の指定した者となります。都道府県の指定した者とは「都道府県が研修の実施等を委託した事業者等」ということです。具体的な実施主体としては社会福祉協議会、介護福祉士会、学校、民間の資格スクールなどの介護業界の関係団体が多いでしょう。

3.入門的研修を取得したら何ができるの?

介護の現場における多くの業務は、無資格でも行うことができます。入門的研修は、介護についての知識を得ることで業務について理解することができ、介護未経験者が介護業界へ就職する際の不安という障壁を下げることを目的としています。

日本の介護知識や技術は日々進歩しています。急速に進む高齢化に合わせて、研究や技術開発なども発展しており、様々なノウハウが蓄積されています。サービスの質をより高く、どのような高齢者にも対応できるよう情報を集め、分析し、整理されたものが、今日における介護の知識と技術に活かされています。そのため、入門的研修を受講することで業務に役立てられる知識を習得できるでしょう。

4.入門的研修を取得後のキャリアアップについて

現在、介護職員のキャリアアップの道筋は以下のようになります。わかりやすいキャリアアップのための資格制度により、介護職員は生涯働き続ける展望をもって、資格取得に取り組めるようになっています。2018年4月1日からは、生活援助従事者研修と入門的研修が加わり、より細分化されたキャリアアップへの道筋となっています。

資格名 目的
介護に関する入門的研修 介護の基礎的な知識と技術を習得します
生活援助従事者研修 基本的な介護業務のうち生活援助に関する知識と技術を習得します
介護職員初任者研修 介護の基本的な知識と技術を習得します
実務者研修 介護職員初任者研修よりも、実践的で専門的な介護の知識と技術を習得します
介護福祉士 介護のリーダーとして高度で専門的な知識と技術を習得します。

各資格の特徴

介護の現場におけるキャリアパスは、全部で5つの資格で構成されます。それぞれの資格の詳細をまとめました。

資格名 難易度 研修時間 試験 学習形態
特徴
介護に関する入門的研修 21時間 なし 通学
受講条件はなく、短時間で取得できます。取得することで生活援助従事者研修と介護職員初任者研修の研修項目の一部が免除されます。
生活援助従事者研修 59時間 筆記 通信or通学
受講条件はなく、どなたでも受講できます。研修項目は介護職員初任者研修と同じですが、各項目のうち生活援助業務についての内容を学習します。
介護職員初任者研修 普通 130時間 筆記 通信or通学
受講条件はなく、どなたでも受講できます。介護職員として基本的な知識、技術を学習する資格です。以前はこの資格が介護のスタートラインと位置づけられていました。現在も就業後、取得を推奨される資格です。
実務者研修 350時間 スクールによる 通信or通学
受講条件はなく、どなたでも受講できます。実務経験ルートで介護福祉士を受験するために必要な資格です。その他にも訪問介護サービスにおけるサービス提供責任者に就くためにも必要となります。
介護福祉士 筆記+実技(免除) 受験対策
国家資格であり、試験受験のための条件を満たすことと国家試験に合格する必要があります。この資格は介護職員としての資格の中で上位に位置します。介護現場ではリーダー的役割を担うことが多いでしょう。

介護職員として評価される基準は「介護職員初任者研修」

5つの資格のうち介護業界での就職で重要視される資格は、介護職員初任者研修になります。もちろん、実務者研修や介護福祉士を取得している方は、より優遇されますが、求人情報の必要資格として介護職員初任者研修を条件にしている事業所、就業後に介護職員初任者研修の受講を推奨する事業所が多くあります。それは、介護職員初任者研修で学習する内容は、介護業務の基本となる身体介護、生活援助等の支援業務に必要となるからです。

研修項目の一部免除制度

入門的研修は受講すると、次のステップで受講する生活援助従事者研修および介護職員初任者研修の一部項目が免除され、研修時間が短縮することができます。具体的には下記のようになります。

1.入門的研修取得者が生活援助従事者研修を受講する場合
生活援助従事者研修 通常の研修時間 入門的研修修了者の研修時間
1.職務の理解 2時間 2時間
2.介護における尊厳の保持・自立支援 6時間 6時間
3.介護の基本 4時間 0時間
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 3時間 3時間
5.介護におけるコミュニケーション技術 6時間 6時間
6.老化と認知症の理解 9時間 0時間
7.障害の理解 3時間 0時間
8.こころとからだのしくみと生活支援技術 24時間 24時間
9.振り返り 2時間 2時間
合計 59時間 43時間
取得評価(テスト) 30分 30分
2.入門的研修取得者が介護職員初任者研修を受講する場合
介護職員初任者研修 通常の研修時間 入門的研修修了者の研修時間
1.職務の理解 6時間 6時間
2.介護における尊厳の保持・自立支援 9時間 9時間
3.介護の基本 6時間 0時間
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間 9時間
5.介護におけるコミュニケーション技術 6時間 6時間
6.老化と認知症の理解 12時間 0時間
7.障害の理解 3時間 0時間
8.こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間 75時間
9.振り返り 4時間 4時間
合計 130時間 109時間
取得評価(テスト) 1時間 1時間
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5.入門的研修の取得期間

基礎講座3時間と入門講座が18時間で、合わせて研修時間は21時間となります。取得までの期間は、基礎講座と入門講座合わせて3~6日間程となります。基礎講座のみ、あるいは入門講座のみの受講も可能ですので、まとまった受講時間をなかなか確保できない方には、受講しやすい研修となります。

6.受講資格について

入門的研修は、介護未経験者やこれから介護業界で働くことを考えている方などを対象にしていますので、受講に必要な資格はなく、どなたでも受講することが可能です。介護業界における資格は、未経験から受講できる研修と実務経験や別の資格取得が受験資格となる場合がありますが、この入門的研修に関しては、多くの方に介護について知ってもらうことが目的の一つですので受講条件は設けられていません。

7.まとめ

介護に関する入門的研修は、介護業界における出発点となる研修であり、要点が凝縮された内容を学習します。介護だけではなく勉強でもスポーツでも、基礎という土台がしっかりとできている人のパフォーマンスは非常に高いです。それは、実践や応用にも細かく基礎につながる内容があるためです。

介護業界に就職を考えている方は、入門的研修を受講し、介護の基礎を理解したうえで、次の資格の取得を目指すことも良いと思います。もちろん介護職員初任者研修、実務者研修を就職前に受講することもできるため、そちらの研修から受講し始めることも良いと思います。ご自身にあった研修をお選びいただき、介護業界でご活躍することをお祈り申し上げます。

カイゴジョブアカデミー
この記事の監修者 カイゴジョブアカデミー
編集部
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