【2024年最新】介護福祉士の試験の合格率は?難易度や受験者の声もご紹介
毎年1月に行われる介護福祉士国家試験。介護福祉士は、介護職のキャリアパスでは上位資格であり、毎年10万人前後が資格取得を目指して受験しています。近年、介護福祉士国家試験は受験者数は減少しつつあるものの、合格率は高まる傾向にあります。
この記事では、介護福祉士国家試験の合格率の推移や難易度について解説します。介護福祉士国家試験の合格を目指している人はぜひ参考にしてください。受験資格の一つである「実務者研修」を修了していない人には、カイゴジョブアカデミーの実務者研修もあわせて参考にしてくださいね。
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目次
介護福祉士国家試験合格率・難易度は?
第29回(2017年1月)~第36回(2024年1月)の介護福祉士国家試験合格率推移
第29回~第36回までの受験者数・合格者数・合格率の推移を見ていきましょう。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | |
---|---|---|---|
第29回 2017年1月 |
76,323 | 55,031 | 72.1 |
第30回 2018年1月 |
92,654 | 65,574 | 70.8 |
第31回 2019年1月 |
94,610 | 69,736 | 73.7 |
第32回 2020年1月 |
84,032 | 58,745 | 69.9 |
第33回 2021年1月 |
84,483 | 59,975 | 71.0 |
第34回 2022年1月 |
83,082 | 60,099 | 72.3 |
第35回 2023年1月 |
79,151 | 66,711 | 84.3 |
第36回 2024年1月 |
74,595 | 61,747 | 82.8 |
第29回から受験資格の変更があり、受験者数は落ち込むものの翌年の受験者数は上昇に転じました。しかし、コロナの影響や受験料の値上げなどによりここ数年の受験者数は減少傾向にあります。一方、過去数年の合格率は80%前後まで上昇しています。
参照元 厚生労働省:第36回介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移
介護福祉士国家試験の筆記試験の難易度
介護福祉士国家試験の合格率は約70~80%前後です。他の国家資格と比較すると合格率は高く、他の国家資格と比較して難易度は低いと言えます。
介護福祉士国家試験の出題範囲は「医学分野」「法律分野」「心理学的分野」と多岐にわたりますが、すべての問題が選択式。記述形式の試験より点数は取りやすいかもしれません。問題には「適切なものを選びなさい」「最も適切なものを選びなさい」「誤っているものを選びなさい」など、さまざまなパターンがあります。問題文をよく読む必要はありますが、わかりやすい文章で出題されますので、試験対策をしっかり行っていれば合格は十分に狙えるでしょう。
第36回(2024年1月)介護福祉士国家試験の試験結果
第36回介護福祉士国家試験では、筆記試験の合格基準点は125点中67点、実技試験の合格基準点は100点中53.33点で、合格率82.8%でした。厚生労働省からは、合格基準点は「総得点125点に対し、得点67点以上の者(総得点の60%程度を基準)とし、問題の難易度で補正」と発表されていますので、難易度や合格率は概ね例年通りでした。
参照元 厚生労働省:第36回介護福祉士国家試験の合格基準及び正答について
介護福祉士国家試験の配点・合格基準点
配点は、1問1点の125点満点で、合格基準は次の2つの条件を満たした者です。
【A】問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
【B】【A】を満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。
- 人間の尊厳と自立、介護の基本
- 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
- 社会の理解
- 生活支援技術
- 介護過程
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 総合問題
参照元 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験合格基準
介護福祉士国家試験の合格者の内訳
介護福祉士国家試験の合格者の内訳は以下の通りです。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | 割合(%) | |
---|---|---|---|---|
社会福祉施設の介護職員等 |
45,987 | 38,363 | 83.4 | 62.1 |
訪問介護員等 |
9,527 | 8,481 | 89.0 | 13.7 |
介護老人保健施設、介護医療院の介護職員等 |
4,640 | 3,615 | 77.9 | 5.9 |
医療機関の看護補助者等 |
4,634 | 3,798 | 82.0 | 6.2 |
介護福祉士養成施設 |
7,392 | 5,283 | 71.5 | 8.6 |
福祉系高等学校(専攻科を含む) |
2,359 | 2,157 | 91.4 | 3.5 |
介護福祉士養成施設や福祉系高等学校等の合格者の割合は約12%。合格者の実に約88%が介護現場で働きながら受験していることが分かります。
参照元 厚生労働省:第36回介護福祉士国家試験合格発表 参考資料
実際に受験した人の声
筆者の同僚が第33回の介護福祉士国家試験を受験し合格しました。そのときに聞いた試験のリアルな声をお伝えします。
過去問を繰り返ししていたことが良い結果につながったと思う。
「これはなんだ…?」と首をかしげる難しい問題もあったが、過去の傾向から大きく変わらず、事例問題もしっかり読めば解答できるものだった。過去問と比べても、難易度は例年通りだと感じた。
「難病」や「発達障害」「脊椎損傷」に関する問題の出題傾向が高いため、今後も対策必須!
働き方改革や家族の変容など、これからの日本に関わる問題もあり、時事問題対策も欠かさず取り組むべきだろう。
Aさんは試験対策講座を受講しながら、休憩時間や通勤時間といったスキマ時間を活用して勉強しました。
- テキストの内容と過去問の反復学習
- スキマ時間での学習
- 試験対策講座での試験の傾向と知識の定着
おもに以上3点の取り組みが合格に結び付いたと話していました。
介護福祉士国家試験の合格率と受験者数減少
第36回介護福祉士国家試験の合格率は過去2番目に高い結果となりました。実務者研修が必須化したことによる受験者の知識やスキルの底上げが背景だと予測されます。その一方で2016年度以降の受験者数は大幅に減少。
株式会社NTTデータ経営研究所が行った調査では、介護福祉士国家試験の受験を見送った理由の第1位は、実務者研修の受講費用の負担が大きかったことが報告されています。
受講費用の高さがネックとなって介護福祉士国家試験の受験を諦める人は少なくないようです。じつは、こうした費用面の問題は解決する方法があります。「介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業」の活用がそのひとつです。
この制度は、介護福祉士又は社会福祉士の資格取得を目指し、厚生労働大臣の指定する養成施設又は実務者研修養成施設に在学する人を対象に、20万円以内(修学資金)を無利子で貸与する制度です。
卒業後に介護福祉士として介護の業務に2年間勤務することで返済が全額免除されますので、実務者研修の受講費用の負担が大きい人はこうした制度を活用し、介護福祉士を目指しましょう。
参照元 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所「介護福祉士制度における実務者研修導入の影響と負担軽減に関する調査研究事業」
参照元 厚生労働省:介護福祉士修学資金貸付事業
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過去問題からみる介護福祉士国家試験合格のポイント
介護福祉士国家試験は出題範囲が幅広いため、一見すると試験対策が大変そうだと感じるかもしれません。ですが基本的に出題形式はすべて「選択式」。「適切なもの」「最も適切なもの」「正しいもの」「間違っているもの」から選択するため「記述式」よりも解答しやすいと言えます。ただし問題文の読み間違いは命取り!文章自体は分かりやすく丁寧に記載されているので、焦らず、問題文をしっかりと読み込むことでミスは最小限に抑えましょう。
国家資格の中では合格率が高い試験とはいえ、過去問をやりこむ等、対策していない人の合格が難しいことも確かです。
次の試験はどうなる?第37回(2025年1月)介護福祉士国家試験
第37回(2025年1月)介護福祉士国家試験の受験申し込みは2024年9月6日に終了しています。第37回介護福祉士国家試験の概要は以下の通りです。
- 第37回介護福祉士国家試験の概要
- 試験期日
筆記試験:2025年1月26日(日曜日) - 受験手数料
18,380円 - 合格発表
令和7年3月24日(月曜日)14時
試験地や試験科目などの試験概要の詳細は、社会福祉振興・試験センターのサイトで紹介されています。
参照元 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:試験概要
すでに受験申し込みの手続きを終え、合格に向けて日々学習されている人も多いでしょう。
第37回の試験については、出題内容に大幅な変更はないこと、合格率は過去推移と同様に70%~80%前後であることが予測されています。
介護福祉士国家試験の勉強方法で「これさえ押さえておけば大丈夫!」と言えるものは残念ながらありません。合格への近道は地道に学習に取り組むことです。過去問題をやり込んでしっかりと対策しておきましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大による介護福祉士国家試験への影響
新型コロナウイルスの感染拡大は、介護福祉士国家試験にも影響しました。
コロナ禍における介護福祉士国家試験の受験者数は第32回で84,032人、第33回で84,483人。第31回の94,610人と比較して大幅に受験者数が落ち込んだのは、高齢者と関わる福祉施設や病院等の職員が受験者となり感染拡大のリスクが高かったためと推測されています。
第32回では厚生労働省及び公益財団法人社会福祉振興・試験センターにおける合格者の受験番号の掲示による発表が中止となりました。
また、第33回は願書の締め切り日や実務者研修修了見込み日に変更があり、期間が延長されました。
第37回(2025年1月)介護福祉士国家試験については現在のところ予定通りの実施とされていますが、新たな政府方針、ガイドラインが示された場合等、状況に応じて必要な見直しが行われます。受験者は社会福祉振興・試験センターのホームページ等で情報を確認しつつ、十分な感染予防対策を行った上で試験に臨みましょう。
出題基準が変わった!第35回(2023年1月)介護福祉士国家試験
2023年1月に実施された第35回介護福祉士国家試験から出題基準が見直されました。見直しのポイントは「介護とは、単に技術的な営みではなく、人間的・社会的な営みであり、総合的・多面的に理解されるべきものであることから、4領域(人間と社会、介護、こころとからだのしくみ、医療的ケア)を横断する総合問題を出題する」という点です。
試験問題数や合格基準は今後も維持されますが、試験科目「人間関係とコミュニケーション」の試験問題数が増加。
制度や知識を問うだけでなく、情報の理解・解釈や、応用問題といった介護過程の展開から介護現場で必要となる理解力や判断力を問う出題、介護福祉士としてあるべき姿を問う問題等が拡充されました。
- 介護の理論に基づく
- 利用者に寄り添った心身のケア
- 根拠のある介護課程の展開
出題のポイントは上記3つ。過去問や参考書で学習の振り返りをしながら、最新の情報を確認することが大切です。
参照元 厚生労働省:介護福祉士国家試験の今後の在り方について 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:試験科目別出題基準 【2024年最新版】第36回介護福祉士国家試験 対策と勉強方法
合格後はどうする?合格後の申請手続きについて
合格者には合格通知と一緒に「登録申請書類」一式が送られます。「登録申請書類」は、書類一式に同封された封筒に入れて「簡易書留」で社会福祉振興・試験センターに送付しましょう。「登録申請書類」が受理・登録されることで介護福祉士の登録証が交付されます。下記に提出書類をまとめたので参考にしてください。
- 提出書類
- 登録申請書
郵便局などで9,000円分の「収入印紙」を購入し所定欄に貼付し、必要事項を記入する - 貼付用紙
郵便局などで登録手数料3,320円を支払い「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本に貼付する - 本人確認ができる書類
「戸籍抄本の原本」「戸籍の個人事項証明書の原本」「本籍を記載した住民票の原本」のうち、いずれか1通を同封する - 国籍がわかる書類(※外国籍の人のみ)
・中長期在留者、特別永住者:国籍等を記載した住民票の原本
・短期滞在者:パスポートその他の身分を証する書類のコピー
合格しただけでは介護福祉士は名乗れません。登録証のない状態で介護福祉士として働いた場合等は罰金が科されます。合格後は速やかに申請手続きをおこないましょう。
提出書類に不備がなければ、登録証は1ヶ月ほどで郵送されます。就職や転職を検討している人は、選考を受ける時期も考慮して登録手続きを進めてください。
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目5番6号
電話番号(国家試験情報専用):03-3486-7559(音声案内・24時間対応)
電話番号(試験):03-3486-7521(平日9:30~17:00)
電話番号(資格登録):03-3486-7511(同上)
ホームページ 公益財団法人:社会福祉振興・試験センター
まとめ
介護福祉士国家試験の合格率の推移や難易度、合格するためのポイントや合格後の手続きなどを解説しました。介護福祉士国家試験の合格率推移をみると、適切な学習を進めていれば過度に心配する必要はないでしょう。働きながらの受験では学習時間が確保できるか不安に感じるかもしれませんが、介護現場で働きながら受験する人は例年8割以上。実践を通じて学習できる利点もあります。実務でのスキルアップとともに、日々の学習や過去問題への取り組みが合格への近道となるでしょう。介護福祉士国家試験の受験資格である実務者研修をまだ受講していない人には、カイゴジョブアカデミーがおすすめ。働きながら受講しやすいコースが充実しており、受講料も地域最安値です。さらに転職を検討している人は、受講料を当校が全額負担するキャンペーンも実施中。介護福祉士国家試験を受験予定の人は、この機会にぜひカイゴジョブアカデミーの実務者研修をご検討ください。
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- この記事の著者 吉田あい
- プロフィール
- 大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
- 保有資格
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。