介護福祉士実務者研修の受験資格は?申込み方法なども解説!
介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)は、介護現場で必要な知識や介護技術などを学び、高齢者や障がい者の生活をサポートする実践的なスキルの取得を目指す介護資格です。
実務者研修を修了すると、介護福祉士国家試験の受験資格が得られるため、介護のエキスパートとして活躍したい方におすすめです。
ここでは実務者研修の受験資格や申込み方法、注意点などを詳しく説明します。
- 約2〜6ヵ月※
- 通信 + 通学
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の詳細はこちらから>>
目次
介護福祉士実務者研修とは? 修了するメリットは?
「実務者研修(旧ホームヘルパー1級)」は、介護現場の即戦力として役立つ専門的な知識やスキルを学ぶ研修です。
認知症ケアや介護過程の展開、医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養)など幅広い介護のスキルを習得できます。
実務者研修を修了することで、介護度の高い方や医療的ケアを必要とする方へも介護を提供できるようになります。
また、介護福祉士国家試験の受験資格には実務経験3年とともに実務者研修の受講修了が義務づけられた「実務経験ルート」が設定されています。実務者研修は実務経験ルートで介護福祉士を目指す場合、必須の資格でもあります。
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介護福祉士実務者研修は難しい?
実務者研修は、厚生労働省または都道府県知事が指定したスクール等養成施設で、厚生労働省が定めたカリキュラム(20科目450時間)の研修を受講し、修了することで資格を取得できます。研修にかかる日数はおよそ6カ月~1年です。
※初任者研修など保有資格によって実務者研修の科目の一部は免除されます。
出典 厚生労働省:介護福祉士資格の取得方法について
実務者研修は通学で学ぶ講座のほか通信講座もありますが、「介護過程Ⅲ」「医療的ケア」は通学(スクーリング)が必要な科目です。通信講座であっても自宅学習だけでは修了できません。
スクールによっては修了試験を実施する場合もありますが、研修の理解度を測ることが目的なので、学習内容が身についていれば難易度はさほど高くありません。
ただし、無資格・未経験で初任者研修を受講せず実務者研修を受講した場合、介護用語や介護技術などに馴染みがなく、難しいと感じることもあるでしょう。
基礎的な介護の知識や技術からしっかり学びたい人は、介護職員初任者研修(以下、初任者研修)を修了してから実務者研修の受講をおすすめします。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の詳細はこちらから>>
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介護福祉士実務者研修の受講・受験資格
実務者研修の受講資格は特にありません。
初任者研修を修了していない方や、介護職未経験者でも、誰でも受講できます。以下に詳しくみていきましょう。
初任者研修を終了していなくても実務者研修からの受験・受講が可能
実務者研修は、厚生労働省が定めた「介護職キャリアパス」において初任者研修の上位資格に位置づけられた資格です。
初任者研修より実践的な知識やスキルについて学びますが、受講条件に制限はなく、初任者研修を修了していない人も実務者研修から受講できます。
実務者研修のカリキュラムは初任者研修の内容もカバーしているため、初任者研修を修了せずに一足飛びに実務者研修を受講する人も少なくありません。
介護職未経験でも可能
実務者研修は、国籍・学歴・年齢・性別・資格や経験の有無などの制限はなく、誰でも受講することができます。
※実技科目があるため、スクールによっては妊娠中の人の受講を制限しているケースがあります
※外国籍の人は一般的に日本語検定N4レベル以上が望ましいとされていますが、日本語の読み書きができれば受講できるスクールがほとんどです
介護福祉士実務者研修の受講・受験の申し込み方法
実務者研修は、厚生労働省または都道府県知事が指定したスクール等養成施設で受講します。受験資格はいっさいないので、各スクールに申し込み、受講費用を支払うことで受講できます。
実務者研修のスクールの選び方
実務者研修はカリキュラムを厚生労働省が定めているため、どのスクールでも学習内容は変わりません。そのためスクールを選ぶポイントは通いやすい立地であることや、振替授業の有無などサポート体制のほか、大きく「受講の形式」「受講期間」「受講費用」の3つが挙げられます。
受講の形式
実務者研修には、すべての学習内容を「通学」で学ぶ講座と、自宅学習がメインとなる「通信」の講座があります。通学、通信の両コースを設けているスクールもありますが、「通信のみ」のスクールが一般的です。これは介護福祉士の受験資格である「実務経験ルート」に実務者研修の修了と実務経験3年以上が設定されていることが理由です。働きながら実務者研修を受講できるようにしているのです。
ただし通信であっても「介護過程Ⅲ」「医療的ケア」は通学(スクーリング)が必要となるので注意しましょう。
受講期間
受講期間は一般的には6か月~1年ですが、保有資格によっては免除される科目があり、通学日数によっても受講期間は変わります。保有資格ごとの免除科目については以下に表をまとめました。参考にしてください。
科目 | 無資格 | ヘルパー3級 | ヘルパー2級 | 初任者研修 | ヘルパー1級 | 介護職員基礎研修 |
---|---|---|---|---|---|---|
人間の尊厳と自立 | 5時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
社会の理解 I | 5時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
社会の理解 II | 30時間 | 30時間 | 30時間 | 30時間 | 免除 | 免除 |
介護の基本 | 10時間 | 10時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
介護の基本 II | 20時間 | 20時間 | 免除 | 20時間 | 免除 | 免除 |
コミュニケーション技術 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 |
生活支援技術 I | 20時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
生活支援技術 II | 30時間 | 30時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
介護過程 I | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
介護過程 II | 25時間 | 25時間 | 25時間 | 25時間 | 免除 | 免除 |
介護過程 III(スクーリング) | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 45時間 | 免除 |
発達と老化の理解 I | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 免除 | 免除 |
発達と老化の理解 II | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 |
認知症の理解 I | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 免除 | 免除 | 免除 |
認知症の理解 II | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 |
障害の理解 I | 10時間 | 10時間 | 10時間 | 免除 | 免除 | 免除 |
障害の理解 II | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 |
こころとからだのしくみ I | 20時間 | 20時間 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
こころとからだのしくみ II | 60時間 | 60時間 | 60時間 | 60時間 | 免除 | 免除 |
医療的ケア | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 | 50時間 |
総受講時間数 | 450時間 | 420時間 | 320時間 | 320時間 | 95時間 | 50時間 |
受講期間の目安 | 6ヵ月以上 | 約6ヵ月 | 約4ヵ月 | 約4ヵ月 | 約2か月 | 約1ヵ月 |
参照元 厚生労働省:実務者認定ガイドライン
受講費用
実務者研修の受講費用の相場は2万円~15万円ほどと言われています。金額に幅があるのは保有資格によって受講費用が大きく変わるからです。例えば、初任者研修を保有していれば受講費用は9万円~12万円ほど、介護職員基礎研修を保有している人の受講費用は2万円~3万円ほどになります。
ほかにもスクールごとに実施している期間限定キャンペーンや自治体で行っている資格取得支援などの利用で、より安価に受講することも可能です。
カイゴジョブアカデミーでは、介護業界での就・転職を考えている人を対象に、就業サポートと実務者研修の受講がセットになった「介護職デビューキャンペーン」を実施しています。介護職デビューキャンペーンを利用すれば、受講費用は全額当校が負担します。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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受講費用*&
テキスト代 -
振替受講や
再試験代 -
就業
サポート
*初任者研修 または 実務者研修
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実務者研修の受講の流れ
ここではカイゴジョブアカデミーの実務者研修講座を例に、受講の流れを紹介します。
カイゴジョブアカデミーの実務者研修は通信講座ですので、自宅学習が基本になります。
- 教材到着後、自宅学習がスタートします
- 自宅学習で出された課題を提出し、合格すると通学によるスクーリングへの参加が可能になります
- スクーリングに出席します
- すべての課題に合格し、スクーリングの全日程に出席することで実務者研修修了証明書が交付されます
※カイゴジョブアカデミーでの課題の提出方法は以下を参考にしてください。
- eラーニングコース(関東・関西・東海・九州):パソコンやスマートフォンから選択問題を提出
- 郵送コース(関東):マークシートに回答し郵送
- 筆記コース(関西・東海・九州):筆記形式で取り組み、スクーリング開始時に教室で提出
実務者研修受講者が介護福祉士国家試験を受験する方法
ここからは、実務者家研修受講者が介護福祉士国家試験を受験する場合の手続き等について簡単に説明します。
実務者研修の修了後に介護福祉士国家試験を受験する場合の手続き
介護福祉士国家試験の申し込み時に実務者研修を修了している人は、実施者(スクール等養成学校)から交付された「実務者研修修了証明書」の原本を、受験申込書類と一緒に提出する必要があります。
万が一紛失してしまった場合は、実施者スクール等養成学校に申請すれば再発行が可能ですので、再発行の方法を確認しておきましょう。
実務者研修の修了前に介護福祉士国家試験を受験する場合の手続き
介護福祉士国家試験受験の申し込み時に、実務者研修を受講中でまだ修了していない場合は、受験申込書類に「実務者研修修了見込証明書」を添付して“実務者研修修了見込み”として受験手続きを行います。
この場合、実務者研修修了後に改めて「実務者研修修了証明書」を提出する必要があります。修了証明書の提出は期限が定められています。修了証明書が届いたら、すぐに試験センターへ提出しましょう。
実務者研修修了証明書が交付されない場合について
実務者研修修了見込みで受験を申し込んだ人が、「実務者研修修了証明書」を交付されなかった場合、試験は無効になります。
「実務者研修修了証明書」が届くタイミングはスクール等養成学校実施者によって異なりますので、手元に届かない場合はすぐに実施者に確認してください。
参照元 公益社団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 受験資格 公益社団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 よくあるご質問
介護福祉士実務者研修の申し込みに関する注意点
実務者研修の申し込みに関する注意点は、以下の3つです。
- 実務者研修を修了しても「実務者研修修了証明書」を提出しなかった場合は、介護福祉士国家試験の受験や資格登録はできません。
- 試験センターに提出する「実務者研修修了証明書」は、原本の提出となります。
- 過去に「実務者研修修了証明書」を提出した方は、再度提出する必要はありません。
参照元 公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 公益社団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験_よくあるご質問
介護の資格取得なら”カイゴジョブアカデミー”
カイゴジョブアカデミーの実務者研修では、介護の実践的な知識とスキル、医療的ケアが学べます。修了すれば、現場でも自信を持って介護を提供できますし、介護士として実務経験を重ねれば介護福祉士へのチャレンジも目指せます。
現在、カイゴジョブアカデミーでは求職中の方を対象に、就業サポートとセットに受講料とテキスト代を当校が実費負担する介護職デビューキャンペーンを実施しています。就業サポートももちろん無料! 介護職としての就職・転職を検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
実務者研修の受講資格や申し込み方法などをご紹介しました。
実務者研修の資格を保有していれば、介護の現場で携われる業務が増えるだけでなく、介護福祉士へのステップアップも可能になります。お給料や待遇面でもより好条件が望めるでしょう。
介護士としてスキルアップしたい人、介護業界で長く活躍したい人におすすめの資格です。ぜひ本記事を参考に実務者研修にチャレンジしてみてください。
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受講費用*&
テキスト代 -
振替受講や
再試験代 -
就業
サポート
*初任者研修 または 実務者研修
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- この記事の著者 吉田あい
- プロフィール
- 大阪府出身。現役のケアマネージャー
専門は「高齢者介護論」「社会福祉援助技術論」「介護現場におけるリスクマネジメント」
特別養護老人ホームや居宅介護支援事業所などの現場で、介護職を10年以上経験。介護講師経験3年。
WEBライターとして、介護・医療・転職・健康などのジャンルで執筆700本以上。
カイゴジョブアカデミーにて、介護の仕事や資格について、実体験を踏まえたお役立ち情報をお伝えします。
- 保有資格
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士、社会福祉士、メンタル心理カウンセラーなど
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。