介護福祉士に中卒からなる方法とは? 資格取得までの流れを解説
●介護福祉士国家試験の受験資格には学歴・年齢は不問
●中卒でも「実務経験ルート」で介護福祉士国家試験の受験は可能
●「実務経験ルート」の受験資格は3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了
●介護福祉士国家試験の概要と難易度
●中卒でも取れる福祉・介護系のそのほかの資格
- 約2〜6ヵ月※
- 通信 + 通学
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目次
中卒からでも介護福祉士になれる!
介護福祉士は介護職唯一の国家資格。介護福祉士国家試験を受けるためのルートはいくつかあり、「実務経験ルート」の受験資格では学歴は問われないため中卒の人でも介護福祉士を目指せます。
本校では「実務経験ルート」の紹介を中心に、高校卒業資格と同時に介護福祉士受験資格を得られる「福祉系高校ルート」や、介護福祉士国家試験の概要などを紹介します。中卒から介護福祉士にチャレンジしたい人はぜひ参考にしてください。
中卒から介護福祉士になるための近道「実務経験ルート」とは?
介護福祉士国家試験には以下4通りのルートがあります。
- 養成施設ルート
- 実務経験ルート
- 福祉系高校ルート
- EPAルート
中卒の人が最も早く受験資格を得られるルートが「実務経験ルート」です。
「実務経験ルート」を満たす要件はたった2つ。3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了のみです。それぞれの詳細を説明していきます。
3年以上の実務経験について
3年以上の実務経験は、介護施設や訪問介護あるいは医療機関などで、3年以上の介護業務に携わることで満たせます。正社員だけでなくパートやアルバイト、派遣社員として働いた期間も含まれます。同時に540日以上の業務実績も必要となるため、転職活動などで休職期間がある人は注意が必要です。ただし「1日に〇時間以上」といった時間での勤務実績は問われません。1時間、2時間のアルバイトでも日数にカウントできます。
介護福祉士実務者研修の修了について
「介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)」は介護のキャリアパスでは介護福祉士のひとつ前の段階にある資格。介護に関する幅広い知識や技術、医療的ケアなどを学べる研修です。受講に必要な資格・要件はなく、介護職として無資格・未経験の人でも受講できます。合計450時間のカリキュラムを受講し、修了証が発行されれば実務経験ルートの受験資格を満たせます。とはいえ研修には介護の専門的な内容も含まれており、介護未経験者は、介護の入門資格である「介護職員初任者研修(以下、初任者研修)」を取得してからの受講がおすすめです(初任者研修については後述します)。
実務者研修はカイゴジョブアカデミーなどさまざまなスクールで開講しており、受講費用の相場は無資格者であれば10万円~15万円。初任者研修を取得していれば8万円~15万円になります。なおカイゴジョブアカデミーでは、現在、介護業界での就・転職希望者を対象に、実務者研修の受講料を当校が全額負担するキャンペーンを実施中です。ぜひ参考にご検討ください。
実務者研修について詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
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受講費用*&
テキスト代 -
振替受講や
再試験代 -
就業
サポート
*初任者研修 または 実務者研修
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中卒から実務経験ルートで介護福祉士になるためのステップ
実際に介護職未経験・無資格の中卒の人が介護福祉士になるための具体的な流れをご紹介します。
STEP1 | 初任者研修の修了(受講期間:約1~4ヶ月) 介護職の入門資格である初任者研修で介護の基礎的な知識や技術を学びます |
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STEP2 | 介護職に従事しつつ実務者研修を修了(受講期間:約2~6ヶ月) 介護職として幅広い知識や技術を学びます。働きながら受講することで実務経験を積みましょう |
STEP3 | 実務経験3年以上・540日以上の勤務 国家試験を受験する年の3月31日までに介護職員として3年以上かつ540日以上の実務を積みます |
STEP4 | 介護福祉士国家試験を受験 受験申込期間は例年8月上旬から9月下旬、試験は1月下旬に実施されます |
STEP5 | 介護福祉士の登録を行う 試験に合格したら所定の手続きを行い登録証を交付してもらいましょう |
まずは介護職員初任者研修を修了して実務経験を積もう!
介護福祉士国家試験を受験するために初任者研修は必ずしも必要ではありませんが、介護職未経験者には初任者研修からの受講をおすすめします。初任者研修は介護のキャリアパスで最初の資格として位置づけられている通り、介護職の基礎的な知識・技術が学べる入門資格です。
初任者研修を修了するメリットは2つ。1つめは有資格者として就職で有利になることです。無資格者よりも高い収入が見込めるうえ、就職すれば実務経験を積みながら実務者研修が受講できて介護福祉士の受験資格を効率的に満たせます。
2つ目は実務者研修のカリキュラムのうち130時間が免除されること。受講期間と費用を抑えることが可能です。
カイゴジョブアカデミーでは初任者研修の講座も開講しています。実務者研修だけでなく、初任者研修でも受講料を当校が全額負担するキャンペーンを実施中。介護職未経験の人はぜひ参考にしてください。
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受講費用*&
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振替受講や
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就業
サポート
*初任者研修 または 実務者研修
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中卒からしっかり基礎を学ぶ「福祉系高校ルート」とは?
「福祉系高校ルート」は福祉系高校または福祉系特例高等学校の卒業後に介護福祉士国家試験を受験するルートです。このルートの特長は、介護福祉士国家試験の受験資格を満たすだけでなく高校の卒業資格も取得できることです。学歴不問で活躍できる介護業界ですが、これから高校進学を控えている中学生や、高校の卒業資格が欲しい人におすすめです。
学費がかかるものの、高校3年間で受験資格が得られることから、実務経験ルートとほぼ同期間で介護福祉士国家試験を受験できます。
福祉系高校と福祉系特例高等学校の違い
福祉系高校も福祉系特例高等学校も、介護福祉士養成課程の基準を満たす高等学校及び中等教育学校として、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校です。
違いは福祉系高校が卒業後介護福祉士試験の受験資格を得られるのに対して、福祉系特例高等学校は卒業後に9か月以上の実務経験を必要とすることです。じつは2024年度の介護福祉士国家試験までは実技試験に関しての違いもありましたが、2025年度以降は実技試験の廃止が決定したので、2校の明確な差は実務経験の要・不要だけとなりました。
- 福祉系高校
∟卒業と同時に介護福祉士国家試験の受験資格を満たす - 福祉系特例高等学校
∟卒業後に9か月間の実務経験を経て介護福祉士国家試験の受験資格を満たす
介護福祉士国家試験の概要・受験資格
介護福祉士国家試験の日程
介護福祉士国家試験は、例年、8月上旬から9月下旬が受験の申し込み期間になります。
筆記試験は1月下旬に実施され、合格発表は3月下旬に行われます。
介護福祉士国家試験の受験資格
介護福祉士国家試験の受験資格は「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「EPAルート」の各要件を満たしていることのみ。受験申込期間に、受験申込書とあわせて身分証明書類や受験資格を証明する書類を「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」に提出しましょう。
参照元 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護福祉士国家試験の科目と合格ライン
介護福祉士国家試験は5つ選択肢から当てはまる回答を選ぶ選択式です。出題数は125問。1問1点の125点満点です。合格基準は2つ定められており、以下の【A】【B】を満たせば合格となります。
【A】問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
【B】【A】を満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。
- 人間の尊厳と自立、介護の基本
- 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
- 社会の理解
- 生活支援技術
- 介護過程
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 総合問題
参照元 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験合格基準
介護福祉士国家試験の難易度・合格率
介護福祉士国家試験の合格率は例年約70~80%前後。他の国家資格と比較すると合格率は高く、選択式ということもあって他の国家資格と比較して難易度は低いと言えます。十分な試験対策を行い、問題文を読み違えるなどのミスをしなければ合格は難しくありません。
試験対策が不安な方は、各スクールの受験対策講座等を受講すると安心です。
介護福祉士を中卒から目指すメリット
- 介護業界の需要は増加している
- 給料のアップが見込める
- 介護業界でのキャリアアップにつながる
介護福祉士を中卒で目指すメリットは上記の3つ。以下にそれぞれ詳しく見ていきましょう。
介護業界の需要は増加している
超高齢社会を迎えた現在、介護業界ではより多くの人材を必要としています。高齢者人口の増加に伴い、今後ますます需要は増えていくと予想されます。つまり介護職はこれから先も安定して長く働けるということ。ライフスタイルの変化等で引っ越す必要があっても、介護職の求人は多く転職は比較的スムーズです。国家資格である介護福祉士の資格保有者であれば、より有利に転職活動を進められるでしょう。
給料のアップが見込める
介護職で重視されるのは経験と資格。経験や資格に応じて給料水準は高くなる傾向にあります。とくに資格は経験年数に関係なく、保有しているだけで給料にダイレクトに影響します。厚生労働省が発表した資料によると、無資格者と介護福祉士の平均年収差は約75万円にものぼります。
保有資格 | 平均給与 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
なし | 月収 268,680円 | 5.4年 |
年収 3,224,160円 | ||
初任者研修 | 月収 300,240円 | 8.1年 |
年収 3,602,880円 | ||
実務者研修 | 月収 302,430円 | 6.8年 |
年収 3,629,160円 | ||
介護福祉士 | 月収 331,080円 | 9.6年 |
年収 3,972,960円 |
※平均月収の額は、基本給(月額)+手当+一時金(1~12月支給金額の1/12)。平均年収は月収に12をかけたもの。令和4年の一時金からは、介護職員処遇改善支援補助金に係る「ベースアップ等」として2、3月に支給された額を除く。
※勤続年数は令和4年9月までに勤続した年数。
参照元 厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
介護業界でのキャリアアップにつながる
介護福祉士は介護職の上位資格ですが、介護職としてさらに専門性を高める資格もあります。キャリアパスで介護福祉士の上位に位置付けられている資格は「ケアマネジャー(介護支援専門員)」と「認定介護福祉士」。いずれも介護福祉士の資格保有者でなければ受験できません。また、多くの介護施設では介護福祉士の資格保有者が管理職などサービスの管理・運営に携わる役職に就いています。介護福祉士の資格を取得することで、将来の選択肢の幅が広がります。
介護・福祉業界に向いている人
- 前向きな性格の人
- 気配りができる人
- 一般的な倫理観のある人
介護・福祉業界に向いている人のおもな特長は上記の3つ。それぞれなぜ?向いている〟のかを見ていきます。
前向きな性格の人
介護職は利用者やその家族、さまざまな職種のスタッフなど多くの人と関わるため、人間関係に悩むこともしばしば。そうしたときの気持ちの切り替えには前向きな姿勢が何よりも大切! 同時に、前向きな性格のスタッフの存在は、職場全体の雰囲気を明るくする一翼も担えるでしょう。
気配りができる人
相手が何をしたいのか、どうして欲しいのか細やかに気づける人は、利用者やその家族に寄り添い、適切なケアを行えるでしょう。また、介護はスタッフ同士の協力も必要不可欠。職場の仲間に対しても気配りできることは介護職で最も重要なスキルと言えます。
一般的な倫理観のある人
「やって良いこと・悪いこと」の区別をつける倫理観は社会生活を送る上の基本です。とくに介護は人の命に係わる仕事。倫理観に基づいた責任ある行動は、利用者やその家族、一緒に働く仲間からの信頼を得られるでしょう。
ほかにも中卒から目指せる介護・福祉系資格がある
介護福祉士だけでなく、中卒からでも目指せる介護・福祉系の資格があります。ここでは「ケアマネジャー(介護支援専門員)」と「ガイドヘルパー(移動介護従事者)」を紹介します。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
「ケアマネジャー(介護支援専門員)」は「ケアマネ」と略称される介護職の上位資格。支援を必要とする利用者と介護保険サービス・社会資源や地域をつなぐ懸け橋的な存在として活躍し、介護保険制度の?要〟となる国家資格です。
おもな仕事内容は、介護が必要な方の心身の状況や周囲の環境などに応じて、介護サービスを利用できるようにするためのケアプランの作成です。数ある介護サービスの中から、利用者に合う介護サービスを選択し、利用者や家族に提案・実行する『介護のコーディネーター』ともいえる存在です。
ケアマネジャーになるには?
各都道府県が管轄する【介護支援専門員実務研修受講試験】を受験し、合格した後に介護支援専門員実務研修を終えることで登録証が交付されます。
受験資格は以下の通り。年齢・学歴などはいっさい不問です。
- 保健師や看護師、社会福祉士、介護福祉士など特定の国家資格を保有していること
- 保健医療福祉分野で5年以上(900日以上)の実務経験を経ていること
ガイドヘルパー(移動介護従事者)
「ガイドヘルパー(移動介護従事者)」は、視覚障がいや全身性障がい、知的・精神障がい等でひとりでの外出が困難な利用者のために、安全な外出を支援する仕事です。利用者それぞれの特性に合わせた介助を実施し、障がいを持つ人が積極的に社会活動へ参加するための援助も行います。
おもな仕事内容は、利用者の要望に応じた外出の支援。ただ付き添うだけでなく、利用者の健康状態を注意しながら、安全を確保することが第一です。外出時の状況に応じて食事介助、排せつ介助など基本的な介護も行います。
ガイドヘルパーになるには?
各都道府県または市町村が指定した養成研修を受講し、修了することで資格を取得できます。年齢・学歴は不問ですが、初任者研修以上の資格保有を受験資格に定めている市区町村もあるため確認が必要です。
またガイドヘルパーの資格は利用者の障がいに合せた3種類があり、養成研修もそれぞれに分かれています。必要とする資格に合せた研修を受けてください。
対応する障がい | 必要な養成研修 | 研修期間 |
---|---|---|
視覚障がい | 同行援護従業者養成研修 | 約5日 |
全身性障がい | 全身性障害者ガイドヘルパー研修 | 約3日 |
知的・精神障がい | 行動援護従業者養成研修 | 約3日~4日 |
介護の資格取得ならカイゴジョブアカデミー
カイゴジョブアカデミーは初任者研修、実務者研修を開講しています。地域最安水準の受講料だけでなく、介護業界での就・転職希望者であれば受講料を当校が全額負担するキャンペーンも実施中。もちろん年齢・学歴は問いません。資格取得のサポートのほか、あなたの理想に合った職場探しもお手伝いします。これから介護福祉士を目指す人は、ぜひカイゴジョブアカデミーでおトクに資格を取得して、理想の就職を叶えてください!
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受講費用*&
テキスト代 -
振替受講や
再試験代 -
就業
サポート
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まとめ
中卒から介護福祉士を目指す方法をはじめ、そのほか介護業界で役立つおすすめ資格を紹介しました。介護業界はこれから先も長く安定して働ける、国内では数少ない成長産業のひとつ。学歴・年齢がいっさい関わらないという点も大きな魅力です。ぜひ資格を取得して、社会を支える人材として活躍してくださいね!
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この記事の監修者
カイゴジョブアカデミー
編集部
- 介護専門の資格講座学校「カイゴジョブアカデミー」の編集部です。
介護業界のプロフェッショナルが介護の仕事や資格に関するお役立ち情報をお届けします。