高齢者と関わるのが好き!看護師を諦めたからこそ見えた新たな道
初任者研修から踏み出した一歩
「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は小杉さんです。看護師の母に憧れ、自身も看護学校に進学した小杉さん。しかし、最終学年で看護師になることを諦めざるを得なくなってしまいます。「母ががっかりする姿を見るのが辛かった」と語る小杉さんが次に目指したのは「介護士になること」でした。小杉さんが介護の道を目指すまでに何を考えどう行動したのか、お話を伺いました。
2023年7月~11月 介護職員初任者研修/新宿校
2024年3月 介護付き有料老人ホームに就職
「介護をやってみたい!」一歩踏み出す勇気がわいた
藤井:小杉さんは、介護業界に入る前は看護学校に通っていたんですよね。
藤井:その後、看護学校に戻られたんですか?
小杉さん: いえ、退学しました。私も辛かったけど、それ以上に母がショックを受けていました。看護師になりたいと言ったとき母が喜んでくれてすごく応援してくれていたので、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
藤井:親ががっかりする姿を見るのはしんどかったでしょう。
小杉さん: 「何としてでも頑張りたい」と思ったけれど、精神的にしんどくてどうにもならなくて。最終的には母も「あなたが元気なほうがいいから」と受け入れてくれました。
藤井:その後、介護の道を考え始めたんですか?
小杉さん: 退学して今後のことを考えたとき、病院での実習のことを思い出したんです。私、高齢者と接するのが好きだったなって。実習では小児から成人、老年期までさまざまな年齢層について学ぶんですが、高齢者の方のケアに一番やりがいを感じていたんですよね。それで「次に何かやるとしたら介護をやってみたい」と思って。そしたら目の前が開けたというか、一歩前に踏み出す勇気がわいたというか、「介護業界で頑張ろう!」と奮起できたんです。
クラスメートと講師に恵まれた初任者研修
藤井:カイゴジョブアカデミーとの出会いは?
小杉さん: 母が介護の資格や就職について調べる中で見つけて、私に教えてくれました。
藤井:初任者研修を受講してみていかがでしたか?
小杉さん: すごく楽しかったです!講師の方が優しくて受講生同士も仲が良くて、授業もなごやかに進みました。クラスメートとLINEグループをつくり、よく連絡を取り合いましたよ。
藤井:いい雰囲気で研修が進んだんですね。
小杉さん: 私は多少医学的知識もあるので、クラスメートから「これってどういう意味?」とか「ここ教えて」と聞かれることもありました。クラスメートに恵まれただけではなく、講師もやさしくて質問しづらいといった雰囲気もなくて、いつも聞きやすくて相談しやすかったです。それがすごくありがたかったですね。
就職先選び、キャリアパートナーからの適切なアドバイス
藤井:小杉さんは研修を終えてから就職活動に進まれましたね。就職先はどんなところを希望されたんですか?
小杉さん: 最初はデイサービスのパート勤務を希望したんです。看護学校で無理をした経験をふまえて、最初から正社員でバリバリ働くよりも、少しずつ慣らしていく感じにしようと思って。でもそれをキャリアパートナーさんに相談したら、「就労に不安がある場合、勤務形態を選ぶ方法もありますが、その職場の離職率で判断するのも手ですよ」と教えてもらったんです。
藤井:離職率とは、その職場でどのくらいの職員が辞めているかどうかの数値ですね。
小杉さん: そうです。離職率が低い職場は辞める人が少ないので、働きやすい施設だと言えます。今回紹介していただいた職場は離職率が低く、検討してみてはどうかと進められたんです。
藤井:確かに、パート勤務だからといって働きやすいとは限りませんしね。
小杉さん: こういったアドバイスは介護職の求人を専門に扱っているカイゴジョブアカデミーだからこその提案だなと思って、最終的に勧めてもらったところに就職を決めました。
「精一杯介護したい!」未来へ向けてワクワクした気持ち
藤井:介護の仕事を始められてみて、いかがですか?
小杉さん: 就職した有料老人ホームでは、じっくりと利用者さんと関われるのがいいなと思います。最初希望していたデイサービスだと日中しか利用者さんに関われないのに対して、入居施設だと24時間利用者さんのケアができますからね。
藤井:入居型は利用者さんの生活をまるごとお世話するという感じですよね。
小杉さん: 看護学生の頃から患者さんとはじっくりと腰を据えて関わっていきたいと思っていたので、今それが叶ってうれしいです。
藤井:いいケアを提供するには、利用者さんの生活や人生そのものの理解が必要で、そのためには時間がかかりますよね。
小杉さん: そうなんです。介護って、「足が不自由だから歩行介助して終わり」、「自分で食事が取れないから食事介助して終わり」じゃないんですよね。寝たきりの利用者さんがいて、寝たままの状態で食事介助することもできますが、私は「寝たまま食べるよりも座って食べたほうがおいしいはずだ」と思い、時間がかかるけどベッドから座位になってもらって食べてもらっています。
藤井:介護へのモチベーションの高さが伝わってきますね。
小杉さん: 日々の業務の中で精一杯介護したいと思っています。そのためには自分が体調を崩しては元も子もないので、ボディメカニクスを活用して体を守るようにしています。
藤井:今後の夢や目標があれば教えて下さい。
小杉さん: ゆくゆくは実務者研修を受けて介護福祉士を取りたいです。他にもいろいろなキャリアアップを応援してくれる制度があるので、再び看護師を目指すことも夢ではないと思っています。これからのことを考えるとワクワクします。
藤井:最後に読者の方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
小杉さん: 自分がしたことによって相手が喜んでくれる、この様な状況が好きな人は、介護にやりがいを感じると思います。いま私はやりがいを感じています。同じような気持ちがある方は介護に興味をもってもいいのかなと思います。
インタビューを終えて
介護業界に挑戦する人の中には、過去に看護師や理学療法士などの医療従事者を目指していたり、資格を取って実際に勤務したりしていた人も少なくありません。事情があって辞めてしまったけれど、「やっぱり人と関わる仕事がしたい」「困っている人の役に立ちたい」という思いが残っている人は、介護の道に進むのもよいかと感じました。介護業界にはさまざまな資格や働き方があり、キャリアアップも可能です。きっと活躍の場が見つかると思います。
構成、執筆:秦佐起代
記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)
「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
小杉さん: はい。母が看護師をしていることもあり、子どもの頃から看護師を目指していました。高校卒業後に看護学校に進学したんですが、最終学年で行われる病院実習が厳しくて精神的に辛くなり、休学してしまったんです。