「思い描いていた理想の仕事に出会えた」物づくり一筋から一転、40歳を機に介護職へシフトチェンジした男性の価値観
初任者研修から踏み出した一歩
「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役はT.Uさんです。20年間鉄工所に勤められ、物づくりに従事してきました。専門的な技術を必要とする仕事ではあるものの、人と関わったり触れ合える仕事をしてみたいと思うようになり初任者研修を取得しました。年齢が上がるにつれ価値観も変わります。T.Uさんと同じように考えている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
2023年9~10月 介護職員初任者研修(短期コース)/布施校
2023年11月 障がい者施設に就職
記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)
仕事の捉え方が“稼ぐもの” から“やりがいを得るもの”に
藤井:まずはこれまでのお仕事について教えてください。
藤井:そこから介護への転職はどんなきっかけからですか?
T.Uさん: 最初は会社の方針と自分の方向性の違いや、人間関係でしょうか。20年勤めて節目の年だったこともあり、退職することにしました。次の仕事を考えたときに人と接する仕事が良いなと思ったんです。
藤井:これまでは物づくり一筋でしたから、真逆のお仕事ですね。
T.Uさん: もともと人と話すのが好きなんです。私は長男で親も高齢になってきたので、今後のことを考えて介護の勉強でもしてみようかなと。これまでは稼ぐために仕事をしてきましたが、ここにきて価値観が変わったというか。友人の奥さんが訪問介護の仕事をしていてやりがいがあると聞いていたので、それなら自分もと思いました。
藤井:転職活動はどのように進められましたか?
T.Uさん: 無資格で飛び込んでみようかと思いましたが、カイゴジョブアカデミーのキャリアパートナーさんから「時間が許すのであれば初任者研修を学ぶだけでも視野が広がりますよ」とアドバイスをいただいて、まずは初任者研修を受けてみることにしました。
初任者研修を学ぶことで、介護への考えが変わった
藤井:初任者研修の授業で印象的だったことはありますか?
T.Uさん: 授業を受けるまで介護施設や訪問介護以外のサービスを知らなかったので、こんなにたくさんの種類があると知って驚きました。クラスメートは25人くらいいて、年齢も色々でしたね。皆さん仲が良くて卒業後にも数人で食事したりして仕事の話もしていますよ。
藤井:初任者研修を受けてみて介護に対するイメージに変化はありましたか?
T.Uさん: それまでは介護というと「全部してあげるもの」と思ってましたが、利用者さんのできることを奪わず、できないことを一緒に考えできるようにしていくものということを学びました。
藤井:お仕事探しはどう進めましたか?
T.Uさん: 自宅から近いことと高齢者介護を希望していましたが、キャリアパートナーさんから障がい福祉施設の紹介があり、まずはどんなところか見ようと思って見学に行き、そのまま採用となりました。
藤井:希望とは少し違ったけど決めたんですね。
T.Uさん: 見学に行ったときに面接もして、少しだけ仕事体験もさせていただきました。1時間程度でしたが皆さんと一緒に過ごすことができ、職場の雰囲気を肌で感じることができました。仕事のイメージがついてやりがいがあると感じられたのでとてもいい機会でした。
藤井:キャリアパートナーが付いたことで、よかったことはありますか?
T.Uさん: 初任者研修を受講しながらこちらの希望に近い就職先を探して紹介してくれるのでとても助かりました。自分で探していたらまだ見つかってなかったのではと思います。実は就職した施設にキャリアパートナーさんのお知り合いが働かれているそうで、とても詳しくお話を聞けて安心感にもつながりました。
藤井:未知の仕事に対する心配や不安はありませんでしたか?
T.Uさん: もちろん心配でした。初任者研修を取得したと言っても、介護の仕事ができるのか不安でした。実際は先輩が手厚く指導してくださるし人間関係も良くて、入社して1週間くらいで不安も自然となくなりました。OJT制度がしっかりしているところなら安心できると思います。
藤井:これまでの仕事の経験が役立っていると思うことはありますか?
T.Uさん: 体力に自信があることでしょうか。前職では日によって長時間労働もありましたので、勤務時間が9時~17時の今の職場は身体的な負担はあまり感じません。
藤井:気持ちの面やプライベートで何か変化はありましたか?
T.Uさん: 身体はきつくないと思っていますが、夕食時に寝落ちすることが多くなりました。自然と寝落ちしているので心地よい疲れなんだと思います。
利用者さんと触れ合うことが、仕事のやりがいに
藤井:今回のご転職について周囲の反応はいかがでしょうか?
T.Uさん: 前職の友人たちからは「性格が優しいから向いてるよ」と言われますね。
藤井:人と触れ合える仕事をしたいという思いからのご転職でしたよね。
T.Uさん: まさに思っていた通りです。毎日利用者さんと触れ合ってコミュニケーションを取って。就労サポートをさせていただいたりいろんな話をしたりして満足しています。
藤井:同世代で転職を考えている人に、介護の仕事はお勧めできますか?
T.Uさん: 今の職場がとても良いので自信をもっておすすめできます。特に人と接するのが好きな人は良いと思います。一人ひとりの利用者さんとじっくり関わりながら過ごせるので、やりがいにもつながります。
藤井:最後に、今後の目標を教えてください。
T.Uさん: 経験を積みながら、実務者研修、介護福祉士に挑戦したいです。キャリアを積みながら資格も取れるので自信がつくと思います。それがこの仕事のやりがいと魅力だと思っています。
インタビューを終えて
鉄工所という専門的な技術を要する仕事から、40代になったことで介護職へ大きく舵を切ったT.Uさん。仕事に対する価値観の変化は、お話の中でよくわかりました。世の中には機械を相手に人とは関わらない職業もあれば、介護のように人と接する、触れ合う職業もあります。価値観の変化と共に、T.Uさんのように人と関わることが好きかどうかで決めるのもいいのではないでしょうか。
構成、執筆:鈴木純子
「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
T.Uさん: 高校卒業後、ガソリンスタンドのアルバイトをしていました。その時に知り合ったお客様から誘いを受けて鉄工所に転職し、20年勤めました。パチンコ玉を作る会社で、体力はもちろん専門技術も要する仕事でした。