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違和感に向き合い、自分の道を見つけた。元営業職が50代後半で介護職にチャレンジし、見えてきた価値観

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初任者研修から踏み出した一歩

「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は三宅宗徳さんです。最後まで楽しく初任者研修を受講できたと語る三宅さん。50代後半になって「定年」が見えてくる頃、定年後のライフプランが気になってきます。そんなとき、「自分が本当にしたい仕事」や「やりがいを感じること」を突き詰めていくと、介護の世界で見つかるかもしれませんね。

三宅宗徳さん(57歳)

2021年9~11月 初任者研修/福岡天神校
2021年10月 障がい者支援施設

記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)

「これが自分の本当にやりたい仕事だろうか……」

仕事を自分の人生の中でどう位置づけるか。人によって解釈が分かれるテーマだ。稼げるかどうか、好きかどうか、得意かどうか…。仕事を選ぶには様々な要素があり、結局は自分がなにを重要視するかに尽きる。

ただし日々業務の中にいると、自分がなぜその仕事をしているのかわからなくなることもある。仕事が向いていないと思うなら、我慢するよりも転職の道を選ぶ方が簡単だが、その仕事が人並み、もしくは人並み以上にできてしまうと「向いてない」とは判断しにくい。やりたくないと感じていても、「仕事とはそういうもの」と自分をなだめながら働き続ける人は案外多いのかもしれない。そうして、自分の違和感に蓋をし続ける。

営業職に長く携わってきた三宅さんも、営業成績を上げながらも、「これが自分の本当にやりたい仕事なのだろうか……」とモヤモヤしたまま働いてきた。

三宅さん大学卒業後、住宅資材のルート営業を15年やっていました。ノルマもありましたし、「利益が出るまで帰ってくるな!」というような「お金!お金!」の世界。もちろん目標を達成すれば喜びもありましたが、10年以上になると嫌気もさしてきます。人と接するのが好きなので、営業の仕事も嫌いではありませんでした。ただ、どんなに良い人間関係を築いても、最終的には「いくら儲かるだろう」と計算をしなくてはいけない。必ず利害関係が生じる人間関係なわけです。「この仕事を自分は一生やっていくのだろうか? 何か違う。本当は何がやりたいのだろう」。そう、いつも思っていました。

そんな違和感にどう立ち向かうかで人生は変わってくる。違和感に気づかないフリをして働き続けるか、立ち止まって自分の人生の軌道修正をしてみるか……。三宅さんは40歳直前に一大決心をした。

三宅さん39歳のとき、「ああ、このままずっとこの会社で仕事をやっていくのだろうか……。あと1年やったら辞められなくなって、このままずっとこの会社で働くことになりそうだ」と思いました。それで、「ここで辞めなくては、もう別の人生はない」と、思い切って退職しました。幸い、その時はまだ独身だったので、家族を養わなくてはいけないというしがらみもなく、決心がつきました。

その後、食品業界に移り、そこでも8年間営業職に携わったが、会社が倒産。同じ食品関係の配送ドライバーになった。睡眠時間3~4時間という過酷な運送業でも9年間も勤務した三宅さんは、長期勤務の忍耐がある。それでも、事情あってドライバーを辞めることになった。

三宅さん「さぁ、これからどうしようか?」と思ったとき、なぜか「介護」が思い浮びました。よくよく考えてみたら、父親は体が悪かったし、おじさんは耳が聞こえないし、過去に身内に障害をもつ人がいたと聞いたこともありました。いままで父のことも母一人に任せていましたが、これからは自分も支えを必要としている人の役に立てる仕事に就きたいと思うようになりました。

講習を受けていなかったら辞めていたかもしれない

「介護」という業界が思い浮かんで、すぐに行動した。ネットで「介護」と検索してみると、最初に 初任者研修の講習案内が出てきた。三宅さんは「とりあえず講習を受けて、正しく学ぼう」とスクールを探した。

三宅さん最初にネットに出てきたのは別のスクールでしたが、なかなか条件が合いませんでした。「じゃあ、2週間後に電話します」と言ったまま、結局電話はありませんでした。その間に、「やっぱり電話を待つだけではいけない」と再びスクールを検索して最初に出てきたのがカイゴジョブアカデミー。特待生制度の案内もしてもらって、「だったらやってみよう」と申し込みました。

入校してみると、福岡天神校の1期生で受講者は3名。でも、この少人数のおかげで、全員仲良く、最後まで楽しく受講できた。「介護福祉士まで一緒にがんばりたいね」と励まし合う関係が今も続いているそうだ。

三宅さん授業は毎回楽しかったですね。とくに先生の話が面白くて、仕事の経験談にどんどん引き込まれていって、講習を受けている間に「よしっ、仕事としてやってみよう」と思い始めて、就職を思い描いて勉強していました。

その後、紹介された障がい者支援施設に就職した。通所よりも、自宅での生活が困難でそこに住んでいる障がい者がメインの施設だった。

三宅さん 就職先は自分で選ぶというより、紹介されたところを訪問しました。もう1件の老人ホームはなかなか返事がなかったのに対して、今の施設は「いつから来てもらえますか?」と積極的に対応していただけたので決めました。後悔はないです。

後悔はないし、しっかり勉強をしたので不安もなかったそうだが、「想像以上に大変だった」と言う。

三宅さん 重度の障がいの人の状態は、一般の人には想像できないと思います。自分も想像できませんでした。とくに精神面での自立が困難な人とは意思の疎通ができなくて、最初はどうしたらいいのか全くわかりませんでした。いまでも接するときに相当緊張するし、周りの人に相談しながら何とかやっています。

それほど大変な仕事。初任者研修で学んだことが活かされていると実感することはあるだろうか?

三宅さん初任者研修を取らないまま就職していたら、「自分には無理だ」と辞めていた可能性もあります。大変なことがあったり、先輩たちに注意されたりしても、学んだ知識や講習で聞いた先生の苦労話とかが頭に残っているので、「ああ、あのことを言っているのだな。聞いたことあるな」と思えます。講習はただ知識を得るという効果だけでなく、「自分はちゃんと学んだのだ」という自信が、バックボーンというか精神的な支えになっています。

自分は誰かを支えている、役立っているという実感

「その仕事が自分に合っている」と思える判断材料として、三宅さんが納得できるお話をしてくれた。

三宅さん障がいの子と接していて、「ダメじゃないか」とか怒りそうになってしまうことや、「~しなさい」という命令口調がついポロっと出てしまうこともあります。思うように意志の疎通ができなくて大変だけど、「嫌」とは思っていない自分がいる。「うわ~」と落ち込んでも、次の日には「また頑張ろう」と思っている。自然にそう感じられているということはそれが「自分に合っている仕事」ということなのかなと思うんです。

なぜ、そんなに大変なのに「頑張ろう」と思えるのだろう。どんな思いが三宅さんを支えているのだろうか?

三宅さん誰かの支えがないと生活していけない人を、自分が支えているという確かな実感があります。その実感こそが頑張る原動力です。「人の役に立ちたい」なんて、若い時には思えなかったのですが、いろいろ経験してきたからこそ、そう思えるようになりました。

この仕事に就いてから「変化」したことは何だろうか?

三宅さん営業をしていた頃は、一銭にもならない人間関係は認められない世界でした。人と話していても、心のどこかで計算している自分がいました。いまは余計なことを考えずに、純粋に人と接することができる。お世話をする人と楽しく接していくのが仕事で、ただ一生懸命やればいい。心が楽になりました。

大きな転身をして、これからの展望は?

三宅さん取れる資格には挑戦していきたいです。勉強は好きですけど、これまでは目標も定まらず、何を勉強すればいいのかわかりませんでした。今は障がい者とも楽しく接することができるように、どんどん知識を増やしていきたいと思っています。

「これが自分の本当にやりたい仕事だろうか」と思いながらも定年を迎え、そのまま定年後の生きがいが見つからない人も多い。だが、三宅さんは「何か違う」という違和感にちゃんと向き合った結果、50代後半で人生の軌道修正を成し遂げた。「本当にやりたい仕事」と「やりがい」を見つけて、迷いなく突き進めるようになった仕事人生の終盤は、きっと充実した日々が待っているだろう。

構成、執筆:谷口のりこ


「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

>>自己負担なしで介護職員初任者研修を取得できる!「特待生キャンペーン」についてもっと見る

>>介護の最初の資格といえばコレ!「介護職員初任者研修」についてもっと見る

この記事の監修者

藤井寿和


1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、 三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。

・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター

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