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実母の介護を経て介護職への転職を決意―40代男性が「やってみて必要な仕事だと感じた」ワケとは

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初任者研修から踏み出した一歩

「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役はT.Iさんです。実母の介護経験を経て、利用者だけでなくその家族のためにも役に立てることはないかと初任者研修を取得しました。小学生のときから続けていた野球で培ったマインドを活かしながら、障がい者福祉の仕事に取り組まれています。

T.Iさん(47歳)

2023年4月~6月 介護職員初任者研修/新大阪校
2023年8月 障がい者向けデイサービスに就職

記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)

障がい者に尊厳ある世の中にしたい

藤井:まずはこれまでのお仕事と、介護へのきっかけについて教えてください。

T.Iさん: 大学を出て銀行に就職しましたが転職し、営業職などを経て最近では保険会社で事務職をしていました。働きながら母の介護をしていましたが他界し、その時の経験から介護への転職を考えました。
母は最終的には障がいが残りまして、車いすで外出すると同じような境遇の方がよく目に入るようになりました。すると世間の目があまり好意的ではないと感じることが多く、障がいがある方が生きていくことの大変さを知ったんです。それで自分に何かできることはあるのかなと考え始めて……。障がいがある人にも尊厳をもって接する世の中、当事者はもちろんその家族もとても大変な思いをしていると思いますので、何か手助けができないかなと。

藤井:お母様の介護をしている中でいろいろと感じることがあったんですね。

T.Iさん: 昔からソフトボールをやっていてチーム内に障がいがある方もいるんですが、そういう方たちも一緒にできるスポーツだから自分もやり始めたんです。もともと自分の生活の中に障がいがある方がいたので、ずっと前からそういう気持ちがありました。

藤井:介護にご興味を持たれて実際に転職しようと思われてから、どう行動されましたか?

T.Iさん: 未経験だったのでまずは資格を取ろうと思って調べました。しんどい仕事だというのは母の介護をしている時もヘルパーさんのお世話になりながら感じてましたが、自分も経験することで将来何か役に立つのかなと思ったりもしました。

印象的だった「おむつ体験」

藤井:初任者研修を受けて、特に印象的だったことはありますか?

T.Iさん: 自分でおむつを履いたことですね。大人になってからおむつを履いたことなんてなかったので、実際に履いて尿をして、という経験は貴重でした。介護を受ける側の立場を感じてみて「ああ、こういう感覚なんだ、こういう気持ちになるんだ」とわかって良かったと思います。

藤井:勉強も久しぶりだったんじゃないでしょうか?

T.Iさん: 正直なかなか頭の中に入ってこなくて覚えるのが大変でした。でも年が近い方が多くて、まあ自分もなんとかなるかなと(笑)。クラスメートは20人くらいで女性が多く、話しかけてくれる人もいて過ごしやすかったです。和やかで、明るい雰囲気でした。

藤井:すでにお母様の介護経験をされてきたわけですが、授業での技術演習などはいかがでしたか?

T.Iさん: 自分が母の介護でしていたことと、基礎的なところが全く違うと感じました。体の動かし方からなにから、自分のやっていたことは違ったんだとはっきりわかったので、その点はわかってよかったと思います。

藤井:就職先は何をポイントに探されたんでしょうか?

T.Iさん: 一番は休みが日曜日のところですね。キャリアパートナーさんから2、3か所紹介していただきました。パソコンや携帯をいじるのが苦手なアナログ人間なので、条件に合うところを見繕っていただけるのは助かりました。自分でやっていたらきっといまだに就職先は見つかってないと思います(笑)。

藤井:今回、障がい福祉の分野に就職した理由は何だったんでしょうか?

T.Iさん: 「介護」というくくりで見ていたので、面接に行くまでは知りませんでしたし、特に障がい福祉分野に絞って探していたわけでもありません。

藤井:お仕事のほうはいかがですか?

T.Iさん: 会話ができない方もいらっしゃって、そういう方とのコミュニケーションにはまだ課題が多いなと感じています。何が言いたいのか、何をしてほしいのかを理解するのは簡単なことではないですね。重度の強度障がいの方もいらっしゃるので、経験を積んでいきたいと思っています。

藤井:今までのお仕事やスポーツを通じた経験が役立っている点はありますか?

T.Iさん: 体力面とコミュニケーションについては、ある程度自信があります。学生時代には野球部でキャプテンをやっていましたので、自分だけでなく相手の要望を引き出したりするのもある程度できるのかなと。「相手を見る」という意味では、今の仕事にも役には立っているのかなとは思います。全介助の方がほとんどで80キロ、90キロの方もいますので、そういった方々の入浴介助などはやはり体力がいりますね。

「この仕事って必要なんだ」と思える感謝の言葉

藤井:一般的に介護職は給与が低いと言われていますが、その点についてはどうお考えですか?

T.Iさん: 業界的に低いというのは聞いてはいましたが、どこに価値観を置くかだと思います。お金は大事ですが、働いていればなんとかなるだろうと思っています。
これから先も必要な業界だと思いますので、自分の今の気持ちを持ち続けられて、体力が続く限りはやっていきたいです。介護って色んな側面があると思うので、経験も積んでいけば知識も付いてくるでしょうし、年齢を重ねていくことを活かしながらやっていけることもあるのではと思います。

藤井:今の時点でのやりがいや仕事の楽しさはどんなところにありますか?

T.Iさん: 大事な息子さんや娘さんを毎日のように家まで送迎して、利用者さんのご家族に「今日もありがとうございました」とひと言声をかけてもらえると、やっていて良かったと思います。そういう表情を見ると「この仕事って必要なんだな」と思いますね。

藤井:介護の仕事を考えている方がいたら、おすすめできますか?

T.Iさん: これから必要になってくる分野ですし、仕事抜きで役に立つことだと思うので、自分の為だと思ってやるのも良いかもしれません。家族がいつどうなるかはわからないですし、知っているのと知らないのとでは助かるものも助からなかったりすると思うので。

藤井:最後に、目標や挑戦したいことがあれば教えてください。

T.Iさん: やり始めたばかりですが、もっともっと一人でも多くの人に何か支援できたら良いなというところで、自分が何かひとつでも役に立つことができれば良いなと思います。

インタビューを終えて

お話にもありました仕事に対して、「どこに価値を置くか」ということは、人それぞれ違って自身で明確にすることも大事ですね。介護はネガティブなイメージが先行していますが、介護業界ならではのメリットもたくさんあります。自分ひとりで頑張らないで、資格取得から就業までカイゴジョブアカデミーを活用しながら進めていくのも心強いです。

構成、執筆:岩本亜矢子


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>>自己負担なしで介護職員初任者研修を取得できる!「特待生キャンペーン」についてもっと見る

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