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元銀行員、約30年の専業主婦生活を経た50代女性が、介護の仕事に就いた理由

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初任者研修から踏み出した一歩

「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は平嶋美佐子さんです。専業主婦時代が長いと久しぶりに外に出て働くことに不安はあるかもしれませんが、平嶋さんのように自分のペースで週2~3日からでも可能です。何より、初任者研修の受講を「家族のために必要」と思って学ぶのは強いです!

平嶋美佐子さん(59歳)

2021年9月 初任者研修/福岡天神校
2021年10月 サービス付高齢者住宅就職

記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)

親の介護に備えて、学んでおきたかった

結婚後、女性は自分の意志だけでは働き方を決められないことがある。転勤を伴うサラリーマンと結婚すれば、辞令が出れば全国の赴任地へ。それが当たり前だった時代もあった。一カ所に住み続けることができないとわかっているから、働くこともままならず「専業主婦」として家族のために生きる。銀行で10年間勤務して結婚退職した平嶋さんも、夫の転勤に伴い29年間専業主婦をしてきた女性だ。パート勤務に出ることもなかったのに、いきなり「大変そう」というイメージがもたれる介護の世界に飛び込んだ。

平嶋さん鹿児島、大阪、東京、岡山、広島、和歌山などを転勤した後、定年が近くなったので2年前夫の地元である福岡に戻ってきました。地元には80代後半の夫の父親と私の母が住んでおり、介護が必要になる時期はいずれやってくるだろうと覚悟していました。だけど、「介護ってどんな感じだろう。いきなり自分にできるのかな」という不安はありました。周りに自分で介護をしている友達もいなかったですし。何年か前に、母が「介護保険を使うにはどうしたらいいんだろうね?」と聞いてきたことがあり、「そういえば何も知らない」と知識もないことに気が付きました。

平嶋さんにとって、介護は「就職の選択肢」ではなかったが、「他人事」でもなかった。責任感が強い嫁として娘として、いずれ介護を担うという「自分事」であり、逆に身近だった。

平嶋さん地元に戻って1年間は働かず家にいましたが、娘が二人とも就職してしまい、私一人で家にいると一日が長くて……。このままずっと家にいては身体もダメになってしまうので、アルバイトに応募しようかとも思いました。そこで思ったんです。「待てよ……。だったら、両方の親の介護に備えて勉強しよう。とりあえず介護の資格を取って、自分の仕事にもできたらいいな」と。

子育て中は時間を持て余すこともなかった。転勤先でも、その土地でママ友を作って、趣味に学びに充実の日々を送ってきた。だが、夫の定年が近づき、子供が巣立つと、「働くこと」がようやく可能になった。

平嶋さん勉強は好きですね。トールペイントも着付けも講師の資格まで取りましたが、生徒を取って教えることはありませんでした。介護も「学びたい」が先。仕事につながったとしても、週2〜3日と決めていました。

同期生・先生・担当者との距離の近さが安心感に

介護を学べる学校をネットで検索して、複数の学校に資料請求をしたところ、最初に電話があったのがカイゴジョブアカデミーだった。

平嶋さん早速の入校を勧められて、「え? そんなにすぐに?」と躊躇しましたが、話を聞いているうちに、「じゃあ、やってみようかな」と決心しました。担当者の対応も良かったですし、紹介された施設で働いたら授業料が無料になるというキャンペーンも決め手になりました。後日、ほかのスクールからも資料が送られてきましたが、それらと比較をしてみて、もし紹介で就職をせずに自分で授業料を支払うとしても、カイゴジョブアカデミーが一番リーズナブルだとわかって、より納得して入校を決められました。

平嶋さんは福岡天神校の1期生として入学した。なんと、同期生は3人!

平嶋さん1期生が3人だと、行ってから知ったのですけどね(笑)。最初の授業は受け身で、質問もできませんでした。
でも、先生がとても良い方で、回を重ねるごとに授業も実習もどんどん楽しんで学べるようになりました。「こうやって大人の世話をするんだな」「こういうこと気を付けないといけないんだな」と新しい気付きが多かったです。例えば、赤ちゃんのオムツ交換はしたことがありますけど、大人のオムツ交換は初めて。赤ちゃんの場合はこちらにお任せだけど、高齢者は当然のように羞恥心があって、ほぼ全員が下げたズボンを上げようとするんです。本能で嫌がることは理解しようと努め、敬意をもって接しようと思うようになりました。

就職先はサービス付高齢者住宅。振替授業を2回残して、卒業前にひと足先に就職した。

平嶋さんパートで週2~3回勤務という条件では、紹介先を探してもらうのも難しかったのではないかと思いますが、どこの施設の対応も良かったです。3カ所面接した中で、今の職場が「あなたの働きたいような形で働いたらいいですよ」と勤務条件に対しても寛容だったのもあり、入職を決めました。

就職して8か月。実際に現場に出てみて、いま感じていることはどんなことだろうか。

平嶋さん高齢者はちょっとしたことが事故に繋がると、現場で働いてみてさらに実感しました。8か月たっても、まだまだ不安はありますね。先輩の動きを見ながら学びつつ、座学で学んだことを現場で日々試行錯誤しています。移乗などが上手くできないときもありますが、「これでいいですか?」と必ず聞くようにしています。一人ではないので、できないことは交代してもらったり、無理をしないようにしていますよ。

実際に働いてみると、想像以上に認知症の利用者が多いのに驚いたそうだ。意思の疎通のできない人にどうやったらわかってもらえるのか。コミュニケーションの取り方が難しいと実感した。

平嶋さん例えば、「トイレいきましょうか?」「うん」と立つことはできるけど、トイレに連れて行っても「立ちましょう」が通じない。車椅子からトイレに移動できない。全介助の人なら私が動かしますけど、自分で立てる人には言葉で促すので時間がかかります。コミュニケーションの取り方はいまでも大変ですけど、そういう人に「ありがとう」と言われるとすごく嬉しいですし、やりがいも感じます。

11年間の銀行窓口勤務や、これまでの人生経験が現場で活かされていると感じるのは、どんな場面だろうか?

平嶋さん私自身転勤が多かったので、新しく入所する人の気持ちもわかるんです。そんな心細いときに誰かに声をかけてもらうと嬉しいものなので、不安そうにしている人には必ず声をかけるようにしています。銀行窓口では、「いつも笑顔で接しよう」と心掛けていたので、それは今の仕事にも活かされているかもしれませんね。当時はとくに接客が好きだとも思っていませんでしたが、裏方で黙々と仕事をするより、人と接しているほうが好きなようです。

介護福祉士を目指して、ステップアップ!

3人の同期生。実務者研修を受講を考えたときも、3人で「どうしますか?」「みんなで行けたらいいですね」と連絡を取り合ったそうだ。

平嶋さん私は初任者研修のときの先生の影響が大きくて、その先生が実務者研修を担当してくださると知って迷わず申し込みました。結果的には他の2人は勤務先の事情などで参加できず、同期は私一人に。4月から22歳の男の子と二人で実務者研修の福岡天神校の1期生として学んでいます。カイゴジョブアカデミーの担当者も私のことを覚えていてくれて、打ち解けてお話できました。担当者との距離が近くて親身になってくれたのも、実務者研修に進む後押しになりました。

その先の目標は?

平嶋さん介護福祉士の試験は受けようと思っています。資格は持っていて損はないですから。ただ、現場経験が3年間という条件に対して、週2勤務だと総合計日数が足らない場合、3年以上はかかるかもしれないので、勤務日数を増やすことも検討しています。

ずっと専業主婦をしていた妻・母親が働き始めたことを家族はどう受け止めているのだろう。

平嶋さん娘は一緒に住んでないので、私の状況はわからないと思いますが、夫は施設の出来事などを報告すると、「いいね、いいね。楽しそうだね! 俺もやってみようかな」なんて(笑)。母はやはりいくつになっても娘の私のことが心配なようで、「頑張りすぎないでね」と言ってくれます。
サ高住では、みんな「家に帰りたい」と言うんです。うちの父も母も「自分の家がいい」と言っています。なので、できる限り在宅介護をしてあげたいと思っているので、何かあれば、家族を優先するつもりです。

できる限り家で過ごしたいという父や母の願いを叶えてあげようと思う「優しさ」。そして、長年家庭を守ってきた専業主婦としての「責任感」。この親思いの優しさと責任感は、介護現場で「親身」の介護として発揮されることだろう。

構成、執筆:谷口のりこ


「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

>>自己負担なしで介護職員初任者研修を取得できる!「特待生キャンペーン」についてもっと見る

>>介護の最初の資格といえばコレ!「介護職員初任者研修」についてもっと見る

この記事の監修者

藤井寿和


1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、 三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。

・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター

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