将来を見据え、安定した給与がもらえる介護職を選択。「これからもっといろんな利用者さんと接して、経験値を増やしたい」
初任者研修から踏み出した一歩
「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は岩瀬優也さんです。大学院で数学の専門的な勉強をするほど数学が好きという岩瀬さん。卒業後は良い就職先に恵まれず、アルバイトの塾講師を10年間続けました。そんな中、介護業界に身を置く交際相手から介護職のいろんな話を聞くうちに就職先の1つとして考え始め自らも介護職として働くことを決意。初任者研修を取得し「少しずつだけど自分ができることが増えてきてやりがいを感じています」と語ってくださいました。
2023年4月~5月 介護職員初任者研修(短期コース)/千葉校
2023年8月 特別養護老人ホームに就職
記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)
安定した給与がもらえる仕事に就きたい
藤井:まずは介護職に就く前までのことを教えてください。
藤井:大学院で専門的な勉強をされるほど数学がお好きなんですね。
岩瀬さん: 物事の真理を追求できるというか、1つのことにじっくりと取り組めるのが自分にとっては魅力的で。中学生の頃から数学が一番好きでした。
藤井:大学院卒業後、就職先がうまく見つからなかったそうですが、特定の業界で探されていたんですか?
岩瀬さん: いえ、特に業界を絞ることはせずに就職活動をしていました。あまり将来の仕事について深く考えていなかったこともあって、方向性が定まらなかったというのが大きいですね。
藤井:介護職への転職はどのようなきっかけからだったんでしょうか?
岩瀬さん: これからのことを考えたときに、まずは安定した給与がもらえる仕事に就きたいと思ったのがきっかけですね。このまま塾講師を続けていても昇給の望みは薄そうだったし、交際相手ともどこかのタイミングで一緒に住もうと考えていたので、正社員として働けるところはないかなと思って探すようになりました。たまたま彼女が介護職として働いていて日頃から話は聞いていたので、それで介護も良いかなと考えました。
藤井:メディアなどでは介護についてあまり良い風に報じられていませんが、その点についてはいかがでしたか?
岩瀬さん: 正直、暗いイメージはありました。でも彼女に「排泄介助ってどんな感じ?」「夜勤って大変なの?」などと聞いたりして、介護業界に対するイメージが少しずつ変わってきたというのはあります。転職先として介護業界を考えるにあたり、現場で働いている人の生の声はとても参考になりました。
「すべてお世話する」のが介護の仕事だと思っていた
藤井:介護業界に進むにあたって、資格を取ることについてはどのように考えていましたか?
岩瀬さん: 介護の合同説明会に参加したときに初任者研修という資格があることを初めて知りました。実際の面接に進むよりも先に資格を取っておいた方が転職しやすいだろうと考え、まずは初任者研修から始めてみることにしました。それに加え、私にとっては介護業界はまったくの未経験でしたので、初任者研修を通じて介護に対する知識を少しでも得たいと考えていました。
藤井:それでカイゴジョブアカデミーを見つけたんですね。
岩瀬さん: 自宅からの距離や費用なども鑑みてカイゴジョブアカデミーに決めました。「特待生キャンペーン」を使えば授業料も無料になって就職先のサポートもしていただけるというところが一番魅力的でしたね。
藤井:初任者研修を受けて、介護に対するイメージに変化はありましたか?
岩瀬さん: 介護というと何から何までお世話してあげるものだと思っていました。ですが、授業で「利用者さん一人ひとりの対応の仕方は違う」ということや「残存能力を活かす」という話を聞いて、それが私にとっては一番の発見でした。
藤井:ほかに授業で印象的な内容はありましたか?
岩瀬さん: 車いすへの移乗を実際にやってみて、思ったより大変だというのはよくわかりました。利用者さんへの声かけについても思っていたより難しいというのが印象に残っています。
藤井:介護の勉強は楽しかったですか?
岩瀬さん: はい、楽しかったです。ずっと数学の勉強をしてきて資格の勉強をしたことがなかったので、新しい知識を学ぶこと自体がとても楽しかったですね。
藤井:初任者研修で学んだことは現場で役に立っていますか?
岩瀬さん: 役立っています。例えば、食事介助をするときには利用者さんに食事を認識してもらうことが大事だと教わりました。実際の食事介助でも食べ物をスプーンに乗せて匂いを嗅いでもらったり見てもらったりして、これから何を食べるのかを認識してもらってから召し上がっていただくようにしています。
初任者研修を学んだから面接に自信を持てた
藤井:特養に就職を決めたのはどんな理由からですか?
岩瀬さん: 特に特養でなければというのはありませんでした。交際相手と一緒に彼女の地元である広島県に移住することに決め、広島県内の就職先を探していたなかにこの度ご紹介を頂いた特養がありました。
藤井:そうだったんですね。キャリアパートナーがいたことで良かったことはありましたか?
岩瀬さん: 転職先を代わりに探してもらえたのはとても助かりました。キャリアパートナーさんがいなかったら、千葉県内にいながら広島県内の自分に合いそうな就職先を探すのはおそらく無理だったと思います。面接のときに何をどう伝えたら良いのかのアドバイスもいただいて、大変お世話になりました。
藤井:面接に対して不安があったんですか?
岩瀬さん: 面接には苦手意識があって……。志望動機や自己PRをちゃんと言えるか不安でした。ただ初任者研修を受けていて介護に対する知識はそれなりにあったので、ある程度の自信はつけられたと思います。何も知らない状態で行くよりは少しでもあった方が面接も受けやすいと思いましたね。
藤井:特養で介護職として働いてみていかがですか?
岩瀬さん: 少しずつできることが増えてきているなと感じています。例えばおむつ交換でも、最初は結構時間がかかりましたが経験を積むことで要領よくできるようになり、最近は先輩スタッフが付かずに一人で任されることが増えました。
藤井:過去の仕事の経験が介護の仕事に役に立っていることはありますか?
岩瀬さん: 塾講師として勤務していたときに、団塊の世代について授業で扱ったことがあります。それが2025年問題につながっているので、大したことではないですがそういった知識が高齢者の方々を考えるにあたっては活きていると思うことはありますね。
藤井:介護職としての今後の自分をどうイメージされていますか?
岩瀬さん: 色々な利用者さんと接する中で自分の経験値を増やせると考えています。いずれは、どの利用者さんに対してもスムーズに対応できるようになりたいと思います。
藤井:お仕事をする中で嬉しかったことや大変だなと思ったことはありますか?
岩瀬さん: 嬉しいのは、利用者さんから「ありがとう」と言ってもらえることです。食事を配膳したときやおむつ交換の後などによく感謝の言葉を言っていただけて、仕事に対してやりがいを感じます。困るのは移乗などで体力を使うので、体を痛めることがよくあることです。
藤井:将来を見据えたときに介護に挑戦したい人がいたら、お勧めしますか?
岩瀬さん: 私はお勧めできると思います。私の勤めている施設の話しになりますが、未経験の人でも入りやすい業界だと思います。先輩スタッフがイチから丁寧に教えてくださるのでできることも増えていきますし、最初から「全部ひとりでやって」と言われるわけではないので、少しずつ慣れていける環境です。
藤井:これからの目標や挑戦してみたいことはありますか?
岩瀬さん: 3年後には介護福祉士を取得したいです。ゆくゆくは、すべての業務を任されて頼られる存在になりたいです。
藤井:最後に、介護職を考えている人にメッセージをお願いします。
岩瀬さん: もし介護施設の面接を受ける方がいたら、1箇所だけではなく複数の施設を見学して面接した方が良いと思います。仕事内容はほぼ同じでも、施設によって雰囲気や職場環境はまったく違うと思います。自分の目で見て、感じて、自分の尺度で比較して決めることをお勧めしたいです。
インタビューを終えて
丁寧な言葉使いで、真摯に受け答えしていただきました。お話を伺っている中で、何か一つのことに取り組み続ける、発見したり見つけたりがお好きな性格とお見受けしました。介護の仕事を新天地でスタートさせ、新しい知識や実践をある意味楽しみながら経験値として、日々、積み上げていけるのではないでしょうか。岩瀬さんのように、安定した収入がもらえる正社員雇用が実現できるのも介護職の強みではないでしょうか。
構成、執筆:岩本 亜矢子
「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
岩瀬さん: 大学を卒業して大学院に進学し、数学の専門的な勉強を続けていました。その後は就職先がうまく見つからなかったので、大学院時代から続けていた塾講師のアルバイトを10年間続けました。塾には小学生から浪人生までの生徒さんがいて、数学、英語を中心に国語、理科、社会に至るまで幅広く教えていました。