大学院進学から介護職として生きる道を選択!心理学を活かした自分らしい介護の提供を目指す20代男性の決意
初任者研修から踏み出した一歩
「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は檀直斗さんです。大学で心理学を学び大学院への進学も目指していましたが、就職にシフトチェンジしました。「人のために何かをしたい」という思いがあり対人援助の仕事を検討していたところ、障がい福祉分野で介護職をしているお姉さんの話を聞き、初任者研修を取得し介護の世界に入ることを決意。仕事に心理学が活かせることもあるそうで、とても興味深いお話が伺えました。
2023年1月~4月 介護職員初任者研修/枚方校
2023年1月 介護老人保健施設に就職
記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)
大学院の受験をやめて介護の仕事へ
藤井:まずは、介護職に就くまでのことを教えてください。
藤井:介護職をお考えになったのはどうしてですか?
檀さん: 社会貢献できる仕事のほうが気持ち的にも楽になるかなと思ったこと、世の中的な需要や、人助けになる仕事をしたくて対人援助の仕事をしたかったことなどからです。あと姉が障がい者介護の仕事をしているんですが、「介護の業界は世間で言われるようなネガティブな面ばかりではない」という話を聞いており、介護をやっていれば将来自分の親のときにも役立つこともあるかなと思いました。それで興味が出て、ネットでどんな働き先があるのかとか、どんな資格があるのか調べはじめました。
藤井:資格はどのタイミングで取ろうとお考えでしたか?
檀さん: まずは初任者研修を取ろうと思いましたが、資格をとってからになると仕事を始めるタイミングが遅くなってしまうので、同時進行で進められないかと思いました。それでネットで調べていた時にカイゴジョブエージェント(カイゴジョブアカデミーの運営元である株式会社エス・エム・エスが提供する介護の人材紹介サービス)に登録したんですが、その担当の方からカイゴジョブアカデミーの特待生キャンペーンを教えてもらって、大阪の枚方にある校舎まで通うことにしました。
様々な年齢、職種の人が集う初任者研修
藤井:初任者研修の授業はいかがでしたか?
檀さん: 講師の方のリアルな現場の話はとても参考になりました。「介護をやっている側も人間だから、利用者さんに対して感情的になることもある」とおっしゃっていたのですが、お金をもらっている立場だからそういう感情は一切もってはいけないと思っていたので驚いたとともに、少し安心したのも正直なところです。
藤井:クラス全体の雰囲気などはどうでしたか?
檀さん: 10人前後のメンバーで、年齢の幅が広かったです。色んな職種の人がいて、それぞれ視点が違っていて。看護師とか救命救急士とか、専門が違うから考え方や見方も違ってとても面白かったです。クラス全体もまとまっていて、必要に応じてみんなで話し合いながら受けることができました。
藤井:檀さんは通学と仕事を併行して進められましたが、大変じゃなかったですか?
檀さん: 京都から大阪まで約4ヶ月通いましたが、思っていたほどきつくなかったです。毎週木曜日に初任者研修の授業があったんですが、それを職場にも伝えていたので木曜は休みをもらい、もう1日の休みの日はゆっくり過ごしていました。
面談時に見学することで雰囲気を肌で実感できた
藤井:就業先を探すにあたって、檀さんがポイントにした点はどんなことですか?
檀さん: 姉から色々話を聞いていたのもあって、職場内の人間関係や雰囲気がいいところを重視していました。キャリアパートナーさんには6社くらい紹介してもらったんですが、コロナ禍での制約もありつつも、面接のタイミングに合わせて見学させてもらえたところもありました。
藤井:就職を決めた今の職場も見学されたんですか?
檀さん: はい。面接を担当してくれた介護主任の言動や雰囲気がとても良いなと思って、実際にお話してみてもめちゃめちゃ良い人だなと感じたんですね。管理者がこういう雰囲気ならきっと現場もそうだろうなと思ってたら、実際そうでした。見学させてもらったときは皆さん笑顔が多いし、言葉遣いも丁寧で。自分みたいにまだ若い人間に対しても変わらないし、その時に「もし内定もらえたらここにしよう!」と決めました。
藤井:良い職場と出会えたんですね。
檀さん: 担当してくれたキャリアパートナーさんにはとてもお世話になりました。あと就職後に1ヶ月間サポーターの方がついてくださって、とても安心しました。介護の経験が豊富な方だったようで、介助のポイントやこちらのメンタルケアまでしてくれて、始めはみんな気持ちが焦ると思うんですが、色々フォローしていただいたので心強かったですね。
職場環境を重視した結果、居心地の良い職場に出会えた
藤井:介護老人保健施設で働かれていますが、お仕事の方はいかがですか?
檀さん: 老健は医療的な面もあるので、看護師の方やリハビリの方といった専門職の方々との連携が多く、勉強になることばかりです。もっと肉体的な負担が大きいかと思っていましたが、機械やボディメカニクスを活用すればそこまで辛くないです。デスクワークと比べたら身体的負荷はかかると思いますが、ヘトヘトになることはないので、良い意味で期待を裏切ってくれました。
藤井:気にされていた職場の人間関係や雰囲気はいかがでしたか?
檀さん: 経験がないので比較はできませんが、居心地は良いです。今の職場は「介護もリハビリも看護も医師も、役割が違うからできることが違うだけで、立場は平等」という考え方なので、職種の垣根は感じないし相談などもしやすいです。新しく入ってきた人には先輩職員が一人付いてくれて色んなことを教えてくれる環境で、過ごしやすい雰囲気です。
藤井:大学で4年間心理学を勉強されましたが、お仕事に活用できていると感じる場面はありますか?
檀さん: 心理学では、物事を多角的に捉える視点、表と裏を考える視点が大事なのですが、介護でも利用者さんの言動を様々な視点から見たり可能性を考えたりすることができるので、そういった意味で活かせていると思います。
藤井:具体的なエピソードを教えてもらえますか?
檀さん: ある利用者さんのエピソードですが、少し物忘れのある方で「お風呂でしばらく体を洗ってもらっていない」とおっしゃるんです。覚えていないだけかなとも思いますが、他の可能性も考えてみると原因がわかりました。施設では液体のボディソープを使っているのですが、その利用者さんのお部屋にはおそらくご家族が置かれたものと思われる固形石鹸が置いてありました。もしかしたら液体だと洗ってもらったという感覚がご本人にないのかもしれないと思って、次のお風呂で固形石鹸を使ったら「洗ってもらった」という認識があったんです。
藤井:いろんな方面からケアの可能性を探るなんて、素晴らしい対応ですね。
檀さん: 先輩方にもそういう姿勢の方が多いので、影響されているとは思いますが。施設全体でそういう方針なんです。サービスを提供する側と受ける側が同じ空間にいるので、直接「ありがとう」が聞けるのは良いですね。自分が提供しているサービスを受け手がどう思っているかのフィードバックが直接来るということですから、仕事のやりがいに繋がっていると思います。
インタビューを終えて
すべての質問に理路整然と受け答えしてくださった檀さん。ご自身の考えや意見をきちんと持たれているなということが伝わってきました。職場選びに関しても、キャリアパートナーに自分の希望を伝え、“居心地が良い”と感じる職場でお仕事されています。檀さんのように経験や資格がなくても、資格を取るところから就業後のサポートまでフォローしてくれるサポーターの存在は、心強いはずです。
構成、執筆:秦 佐起代
「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>自己負担なしで介護職員初任者研修を取得できる!「特待生キャンペーン」についてもっと見る
>>介護の最初の資格といえばコレ!「介護職員初任者研修」についてもっと見る
この記事の監修者
藤井寿和(ふじい ひさかず)
1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、
三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。
・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター
檀さん: 大学で4年間心理学を学び、心理カウンセラーを目指して大学院に進学しようと思っていました。臨床心理士の資格が必要なんですが、そのためには大学院の卒業が一番メジャーなルートなんです。でも4年生のころ体調を崩してしまい長期的な治療が必要になって、この状態では時間を無駄にしかねないなと思い、就職することにしました。