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大学で保育を学び、新卒の看護助手として就職。持病を抱えながらも「やさしい性格」を活かして人の役に立ちたい

更新日:

初任者研修から踏み出した一歩

「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は乳井陽人(にゅうい はると)さんです。大学で保育を学んだ乳井さん。持病のバセドウ病を抱える乳井さんが仕事選びのポイントにしたのは「人の役に立たちい」という思いです。自身も「やさしい性格が長所」だと感じている乳井さんが初任者研修を取得し介護業界ヘ転身したのは、自然な流れだったのかもしれません。乳井さんに介護にチャレンジしたいきさつを伺いました。

乳井陽人さん(23歳)

2023年3~4月 介護職員初任者研修(短期コース)/柏校
2023年4月 病院に看護助手として就職

記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)

祖母譲りの「やさしい性格」が強み

藤井:乳井さんは大学を卒業したばかりですよね。大学ではどのような勉強をされていたのですか?

乳井さん: 大学では保育を学びました。高校時代は心理学に興味があったんですが、大学では子どもとのコミュニケーションについて勉強しようと思い、保育を専攻しました。心理学も保育も、人と密接に関わる分野ということは共通しています。僕には、対人関係の仕事に携わって人の役に立ちたいという気持ちがずっとあったんです。

藤井:人と関わる仕事をしたいと思ったのには、何か理由があるんですか?

乳井さん: 僕は、よく周りの友人から「やさしい」と言われるんです。小さい頃から人に対しておおらかな気持ちで接したり、人のお世話をしたり話を聞いたりするのが好きだったので、自分には保育とか介護とか、人を相手にした仕事が合っているだろうと思ってました。そこで、まず大学で保育を学んで、他にももっと対人関係の仕事を知れたらいいなと考えました。

藤井:乳井さんが人に対してやさしく接するというのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

乳井さん: 祖母の影響が大きいと思います。僕の祖母はとても心のやさしい女性だったんです。これまでの人生で、祖母よりもやさしい人に出会ったことはないくらいです。僕が一番尊敬している人でもあるんです。祖母は、女性にしては手が大きくて、その大きな手で僕と遊んでくれたりたくさんの家事をこなしたりしていました。祖母のそんな姿が、僕や家族にいつも安心感を与えてくれていました。「手当て」という言葉がありますが、祖母があの大きな手でお世話してくれるさまは、まさに「手当て」だったと思います。

藤井:素敵なお祖母さまだったんですね。

乳井さん: だから僕も、子ども心に「祖母のような人になりたい」と深く思いました。その影響のせいか、気が付いたら、友人からも「乳井ってやさしいよね」と言われるようになりました。やさしい性格は自分の大切な長所だと思っています。でも、やさしいばかりじゃいけないなと思うこともありますよ。理不尽なことに遭遇した時には、怒ったり厳しく対応することも必要だと感じますね。とはいえ、やっぱり人に厳しく接するのは苦手です。「自分はこれでいいのかな」って迷うこともありますが、僕は人にやさしくするしかできないので、そういう長所を仕事に活かせたらいいなと思っています。

バセドウ病の持病を抱えつつ、介護業界に転職

藤井:大学を卒業して、現在の勤務先に就職するまでの流れを教えて下さい。

乳井さん: 大学卒業を目前に控えた2月にカイゴジョブアカデミーに登録し、3月から初任者研修を受講しました。その後、4月1日から今の職場である病院で看護助手として働き始めました。おむつ交換や入浴介助、廃棄物の処分など、業務内容はさまざまです。勤務先を選ぶときに老人ホームも考えたんですが、自宅からの通勤距離を考えて、現在勤務している病院の看護助手に決めました。あと、実は今日、初任者研修を修了しました!

藤井:今日修了されたんですね!おめでとうございます!
ところで、勤務先として、介護施設ではなく病院を選んだのはなぜですか?

乳井さん: 今の勤務先は、自転車で20分なんです。通勤時間が短いのは本当に助かります。自宅からの通勤距離も大事だと思っています。あと勤務先を決めるときに何よりも重視したのが、「メンタルを保ちながら仕事できるかどうか」でした。お給料が高くても、多忙だったり人間関係でもめそうだと精神的な負荷が大きくなりますよね。体力的に耐えられるかどうかも大事なポイントでしたね。

藤井:持病のため、メンタルや体力的な部分に不安を感じているんですね。

乳井さん: バセドウ病を発症したのは高校2年生の頃です。バセドウ病とは、喉ぼとけの下の辺りにある、甲状腺という臓器の病気です。甲状腺はホルモンを分泌しているのですが、バセドウ病にかかると、甲状腺ホルモンがどんどん出てしまい、疲れやすくなったり動悸がしたりなど、体調不良をきたしてしまうんです。今も定期的に通院して内服治療を続けています。幸いなことに、日常生活に大きな支障はありませんが、バセドウ病にはストレスが大敵なので、心身共に無理はしないよう、体調管理に気をつけながら勤務しています。

「人と関わる仕事」にやりがいを感じる日々

ある1週間のスケジュール

藤井:持病を抱えながらの勤務は大変ですね。無理なく続けてもらいたいと思います。介護も保育も人に接する仕事ですが、介護を選んだ理由はなんですか?

乳井さん: そうですね、大きな理由で言えば、スタッフ1人当たりが担当する人数の違いでしょうか。保育の場合、1人で何人もの子どもを担当するので、基本的に1人ですべての業務をこなさなくてはなりません。そうなると負担感が大きいし、判断に迷ったときに困ることが少なくありません。その点、介護は複数のスタッフで協力して業務に当たるので、同僚に相談できたり、先輩の仕事ぶりから学べたりしますよね。そこがすごくいいなと感じた点です。

ある日の仕事内容

藤井:介護ではどんなことが大切だと思いますか?

乳井さん: 年を取ると、大病をしたわけではなくでも、誰しも目が見えにくくなったり、膝や腰が痛くなったりしますよね。そのような高齢者の気持ちやペースに合わせるのが大事だと、常々感じています。初任者研修でも習ったことですが、ベッドメイキングにしても食事介助にしても、高齢者の安全や安楽を一番に考えて行いますよね。介護業務は、ただパパッとこなせばいいというものではなく、細やかな気配りや思いやりが必要です。それは、僕の得意なことだと感じています。「人にやさしくできる」自分の強みを活かして、これからも高齢者に喜ばれる仕事をしていきたいと思います。

インタビューを終えて

「大きな手の、やさしかった祖母」のお話が印象的だった乳井さん。インタビューの受け答えにも、乳井さんのやさしい性格がにじみ出ているようでした。話を聞きながら「きっと利用者さんと笑顔あふれる毎日を送っているんだろうな」と感じました。人にやさしくできるのは何よりの美点です。「自分も人に強く発言したりはできないけれど、やさしさなら負けない」と思う方は、ぜひ介護業界でその強みを活かしてみてはいかがでしょうか。

構成、執筆:秦 佐起代


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>>自己負担なしで介護職員初任者研修を取得できる!「特待生キャンペーン」についてもっと見る

>>介護の最初の資格といえばコレ!「介護職員初任者研修」についてもっと見る

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この記事の監修者

藤井寿和


1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、 三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。

・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター

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