人生最期に「人のために生きられた」と思いたいーホスピタリティに溢れる若者が選んだ、介護職としての生き方
初任者研修から踏み出した一歩
「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は宮澤匠さんです。21歳の若さでの介護入職。無資格・未経験でも、初任者研修で学びながら、日々の経験を積みながら「何とかなる!」というお話は、これから介護職を考えている若い世代の不安を取り除くのではないでしょうか。利用者さんからいただける感謝の言葉で、「人のためになっている」という実感をストレートに得られるのは介護職ならではです。
2023年2~6月 介護職員初任者研修/北千住校
2023年3月 有料老人ホームに就職
記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)
誰かの人生のサポートをしたいから「介護」
藤井:高校卒業後はどんな仕事に就かれたのですか?
藤井:年齢が近いからお兄さん的存在だったのでしょうね。フリースクールで働くきっかけは何でしたか?
宮澤さん: 高校卒業時、職業としてやりたいことはなかったのですが、「人のためになる仕事をしたい」と思っていました。フリースクールは親からの勧めです。世代の近い子の相手なら、荷が重くなくてできるかなと思いました。
藤井:そうだったのですね。かなりマッチしていたお仕事だと感じましたが、どうして退職されたのですか?
宮澤さん: それまで週5日以上勤務していたのが、経営不振のために多くても週4日程度になってしまって、収入が安定しなくなってしまったのが理由です。「人のためになる仕事」がしたい僕にとって、いい仕事だったのですが……。
藤井:それは困りますね。そこから、どんな経緯で「介護」を考えられたのでしょうか?
宮澤さん: 実は、高校時代に介護業界も良いなと思ったことがあったんです。でもそのときは親の勧めもあってフリースクールで働き出したんですが、介護なら「生活の一場面のサポート」だけじゃなく、誰かの「人生」に寄り添えるかなと思いました。それに、これからは高齢化社会で需要もありそうですし。「2月に退職して、3月からすぐに働き始めたい」と探していたら、カイゴジョブアカデミーなら「就職先を探してくれて、働きながらタダで資格も取れる」と知りました。
藤井:退職してすぐに働きたいという宮澤さんの希望にピッタリだったわけですね。カイゴジョブアカデミーはどんな方法で調べたのですか?
宮澤さん: まずはネットで介護の求人情報を調べました。検索で上位に出てきた3件ぐらいのページを見ていたらカイゴジョブアカデミーを見つけたんです。資格取得が無料になる特待生キャンペーンをみたとき、「本当かな?」と少し疑いながらも申し込んでみました。
藤井:「本当かな?」が「本当だ」と安心できたポイントはありましたか?
宮澤さん: 登録してすぐに電話がありましたが、そのスピード感がポイントでしたね。それにキャリアアドバイザーの方の受け答えがしっかりしていて、質問にすべて答えてくれたのでとても安心できました。特待生キャンペーンは、まさに自分の希望を後押ししてくれる制度でした。
ボディメカニクスを学んで、腰痛も軽減
藤井:受講開始と就業はどちらが先でしたか?
宮澤さん: 通学して1週間後に仕事がスタートしたので、ほぼ同時ですね。
藤井:「働きながら学ぶ」ということになったわけですが、学ぶ前は介護に対してどんなイメージをもっていましたか?
宮澤さん: おじいさん、おばあさんの身の回りのお手伝いをする少しハードなお仕事、「肉体労働」というイメージでした。肉体的に思うように動かなくなってしまった高齢者は精神的にも辛いだろうし、そのお世話をするのも大変だろうと思っていました。
藤井:「大変だろう」と思っていた介護現場に無資格・未経験で就職されたわけですが、現場はどうでしたか?
宮澤さん: 介護の知識がないまま仕事を始めたので、まずは腰痛に悩まされました。今まで腰をかがめて作業をすることがなかったので、とても堪えましたね。最初のうちは早く仕事を覚えたくて、「こういう仕事なんだ」と自分に言い聞かせながらやっていましたが、授業でボティメカニズムを学んでからは一気に腰痛が軽減されました。学ぶ前に仕事を始めると、こんなことがあるんですね。
藤井:介護職に腰痛はつきものと聞きますが、知識があるかないかでかなり変わってきそうですね。
宮澤さん: ほかにも、現場では介護ならではの専門用語が飛び交っていて、それがわからなくて戸惑いました。例えば「特養」(特別養護老人ホーム)、「老健」(介護老人保健施設)などの略語、もはや元の言葉の原型をとどめてない「ADL」(日常生活動作)なんかは全くわからず、上司の話も実は3割ぐらいしか理解できていませんでした。授業が始まってみると「あ~、あの時のあれはこういう意味だったのか!」と納得できました。今後も少しでも知識を蓄えて、周りの人に迷惑をかけないようにしたいと思っています。
藤井:働きながら資格を取るのはハードなスケジュールになりそうに思えますが、宮澤さんにとっては良かったですか?
宮澤さん: そうですね、今は余裕が出てきて、楽しい場面が増えてきました。勉強したことをすぐに現場に持っていけるのが良いですし、時間が解決したのだと思います。
藤井:有料老人ホームへの就職はどのように決めましたか?
宮澤さん: キャリアアドバイザーさんと連携して、4社面接して3社から内定を頂きました。その中でも、最終決定した施設は会社の規模が大きくて、入職後の研修制度もしっかりしているとのことで安心感を持てたので選択しました。実際に本社で1週間の研修がありましたね。
藤井:カイゴジョブアカデミーの入社後サポート*は利用されましたか?
宮澤さん:
はい、就業支援サポートはとても有り難かったです! 学んだことを復習したいとき、わからないことがあって同僚に聞けなかったときなどに、「塾」のような感覚で相談させてもらいました。ネットで調べるよりも聞きやすかったし、わかりやすかったです。とても役立って、今もLINEでいただいたサポート担当者の方からのコメントを「なるほどな~」と見返すことがあります。
*入社後サポート:カイゴジョブアカデミー独自のサービス。就業後30日間、専属のベテラン介護職員がLINEで悩み相談をできる。特待生キャンペーンを利用した人は全員無料で利用可能。
藤井:そんなふうに利用していただけたら嬉しいです。前職と比べて、介護の仕事はいかがですか?
宮澤さん: 仕事に対してやりがいを感じます。利用者さんからの感謝の言葉を直接もらえるし、自分の名前を覚えてもらって呼ばれると、嬉しくなって「どうされました~?」と笑顔で寄り添っていきます(笑)。コミュケーションを取ることも好きなので、会話は楽しいです。
藤井:逆に大変なことはありますか?
宮澤さん: ボディメカニクスの理解によってかなり解消されましたが、肉体的には腰への負担がありました。精神的には「思ったように動いてもらえないことへの対応」や「認知症の人に対して同じことを何度も言わなくてはいけないときの対処」などでしょうか。良いことも大変なことも同じくらいあって、充実感があります。
傾聴力を活かして介護に臨む
藤井:2ヶ月弱の介護経験のなかで、フリースクールの経験が活かされていると感じる場面はありますか?
宮澤さん: フリースクールのときも、こちらの思う通りには動いてもらえないときもあって、そんなときは自分の意志を押し通すのではなく、相手の考えを尊重しながら、こちらの立ち回りを臨機応変に変えていました。介護でも身体的にも精神的にもこちらの思うようには動いてもらえないので、こちらの立ち回りを変えていくのは前職と同じですね。
藤井:宮澤さんは高校時代から「人のためになる仕事をしたい」と思っていたということですが、何か特別な理由があるのでしょうか?
宮澤さん: 特別な理由があるわけではないのですが、人間は一人では生きていけないわけで、人の助けが必要じゃないですか。些細なことですが、学校で何か失くしても、担任の先生や友達が協力して探してくれたりとか。通学途中や何気ない日常生活のなかで、人が助け合っている場面を見かけるたびに、そう思っていました。極端に聞こえるかもしれませんが、人生最期のときに「人のために生きられた」という実感を持ちたいなと思ったんです。
藤井:21歳で「人生最期のとき」まで考えるなんて……。それで、「介護」なわけですね。
宮澤さん: 一人の人間の一生なんてあっという間で、そのなかで「何ができたか」が大切であって、お金を稼ぐことはそんなに大切じゃないと思っています。
藤井:宮澤さんは、これまで周りの人からどんなふうに言われることが多かったですか?
宮澤さん: 高校時代には先生や友達から「ホスピタリティがあるよね」と言われることがありました。
藤井:今の現場で、その長所が発揮される場面はありますか?
宮澤さん: 困っている人がいたら、見過ごさずに話を聞くとかですかね。もともと、自分が得意なのは「傾聴」だと思います。高校時代にも、「先生には話せないけど、宮澤になら話せる」と心を開いて相談してくれる友達もいました。この傾聴力を介護でも活かしたいですね。
藤井:「介護をやりたい」と言ったときに、ご家族の反応はいかがでしたか?
宮澤さん: 「若いから、介護に限らず何でも経験になる」と言われました。辞めたくなったとしても、一定期間はまずやってみるようにとも言われました。
藤井:宮澤さんのような若い方に介護職の魅力を伝えるとしたら、推しポイントは何でしょう?
宮澤さん: 利用者さんとのコミュニケーションが楽しいってことですかね。人の役に立っているという充実感も得られる仕事です。
藤井:これから挑戦したいことはありますか?
宮澤さん: まずは実務者研修を取ることです。介護現場では、何気ない行動でも知識がないと間違った援助になってしまい、利用者に迷惑をかけてしまうので、これからも知識はどんどん蓄えたいです!
インタビューを終えて
21歳の若さで、「人のためになりたい」「誰かの人生をサポートしたい」という明確な意志をもっている宮澤さん。無資格・未経験でも、若い吸収力と同時並行した通学による知識の獲得で、本人曰く「困ったことも時間が解決する」という、スピード感のある転職でした。カイゴジョブアカデミーの「特待生キャンペーン」だけでなく、現場でわからないことがあったとき、「就業支援サポートを塾代わりにした」というのは、さすが若者! カイゴジョブアカデミーのサポートを最大限に利用すれば、「今すぐ介護に転職」も実現可能です。
構成、執筆:谷口のりこ
「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>自己負担なしで介護職員初任者研修を取得できる!「特待生キャンペーン」についてもっと見る
>>介護の最初の資格といえばコレ!「介護職員初任者研修」についてもっと見る
この記事の監修者
藤井寿和(ふじい ひさかず)
1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、
三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。
・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター
宮澤さん: フリースクールで、小学校6年制から40歳くらいまで、学校に行けなかったり社会復帰を目指す人達のサポートをしていました。復学したい子には勉強を教えたり、体育の授業で体力面のお衰えを感じないように一緒に運動したり、DIYを一緒にやったり……。先生というより、運動や話の相手ですね。契約社員として2年間働きました。