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介護は”稼げる”仕事?トラック運転手から介護職になった30代男性が語る収入アップの秘訣とは?

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初任者研修・実務者研修と続けて取得し、さらなるスキルアップへ!

「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は木下純一さんです。木下さんは、10代から電気工事、土木解体工事など現場系の仕事を経験して、直近の7年間はトラックの運転手としてハードな勤務をこなしていました。そんな木下さんが初任者研修に興味を持ち、それまでの仕事と全く違う介護の世界に転職したのは介護のどんなところに魅力やメリットを感じたのか伺いました。収入面も含めた、木下さんのシビアな視点も参考になります。

木下純一さん(34歳)

2021年3月~6月 介護職員初任者研修修了/天王寺校
2021年7月   介護福祉士実務者研修/天王寺校
2021年3月   ショートステイ 就職

記事の監修者:藤井寿和(介護福祉士)

最優先は「安定した収入」が得られること

藤井:電気や土木の現場仕事をされたあと、トラック運転の仕事に転職されたのですよね。そこはどんな経緯だったのですか?

木下さん:屋外の工事現場は、夏の暑さが昔より過酷になってきて、「50代になったとき身体が持ち堪えられるだろうか」と不安になりました。上下関係も厳しくて、後輩も次々と辞めていくような業界でしたね。結果自分も辞めて、トラック運転手になりました。トラック運転手も荷物の上げ下ろしは太陽の下なので夏は暑いですけど、車内に戻ればエアコンも効いているので少しは身体が楽でした。

藤井:トラックの運転手は7年間も働いたと思うのですが、どうして転職することに?

木下さん:生活として「毎日家に帰りたいなぁ」という思いがあって、トラック運転手時代も大阪だけの仕事にしてもらえるように頼んでいました。7年も続いたのは、みんなで会社の悪口も言い合えるような気さくな雰囲気だったし、「いつ辞めてもいい」と軽い気持ちだったので、逆に長く続いたのかもしれません。でもコロナ禍になって、客先に行ってもしゃべることが少なくなって、人と接する機会も減り、ストレスのはけ口がなくなってしまったんです。人と話すことが重要だとは思ってなかったけど、実は自分が思っている以上に重要だったようで、気持ち的にも下がっていって、「いまの仕事やめようか……」と思うようになりました。

藤井:介護業界を選んだのは何か理由があるのですか? 介護の経験があったり、身近に介護の仕事をしている人がいたりしたのですか?

木下さん:祖母がデイサービスに通っていましたが、介護はしていません。周りに介護の仕事をしている人もいないです。これまで介護への転職を考えたこともありません。ただ、これから介護業界はもっと人手が足りなくなるし「少なくともあと20年ぐらいは、介護業界は食いっぱぐれはないかな」と思いました。

藤井:介護業界に将来性を感じたわけですね。介護の仕事は大変だというイメージがありませんでしたか? 排泄介助などに抵抗を感じる人もいますけど……。

木下さん:介護が「汚い」とかはまったく思わなかったですよ。前職ではマンホールの中の汚水にまみれることもありましたからね。運送業で他人の汚いトラックに乗るほうが嫌です(笑)。介護でも腰が痛くなりますけど、中型トラック4トンの手積みのほうが、肉体的な負担は大きかったです。

藤井:それでも介護以外の業種は思い浮かばなかったのですか?

木下さん:飲食はコロナに影響されるし、販売や営業も考えなかったですね。前職の有給休暇があるうちに求人を探そうと思って、次の仕事も運送業で探していましたが、「介護」でも調べてみたら最初にカイゴジョブアカデミーが出てきて。すぐに介護職で面接をするより、「カイゴジョブアカデミーの人に話を聞きたい」と思いました。

藤井:なるほど。カイゴジョブアカデミーの担当者に話を聞いて、どうでしたか?

木下さん:まず、「3年で国家資格を取れる業界なんだ」と、敷居が低く感じました。収入面でも「夜勤5回で月収××円」という求人広告は魅力的でした。自分にとって、仕事を選ぶ一番のポイントはお金です。好きな仕事とまではいかなくても、いまの生活を支えられる収入が安定して得られる仕事であることが一番大切なんです。

藤井:「いまの生活を支える」というと、家族を養うためとかですか?

木下さん:いえ、まだ結婚はしていませんが 29歳のときにローンを組んで家を買ったんです。この家を手離さずに、今の生活を守るためにはある程度の稼ぎがないと! いまは子どももいないから余裕はあるので、介護で半年ぐらい働いて希望の収入がなかったら辞めればいいと思っていました。一家の大黒柱だったら、軽い気持ちでお試しはできなかったでしょうね。

他校で振替授業もでき、最短で初任者研修取得!

藤井:勉強したり、資格を取ることには抵抗はなかったですか?

木下さん:資格は、現場で使用する機械の取り扱いなどの民間資格を以前から取っていましたし、運送のときは国家資格も取りました。「運行管理者」の資格者数で会社が使用できる台数が決まるんです。資格を取ったら月収が5千円上がると言われたので取りました。

藤井:介護では学校と仕事、どちらを先に始めようと思いましたか?

木下さん:職場が決まるなら早く資格を取ろうと思いました。2月頭に前職をやめて、中旬までにはカイゴジョブアカデミーの担当者と連絡が取れて、1か月後には就職先が決まりました。就職までの1か月でできるだけ多く受講したかったので、いろいろな学校に日程を振り替えて受講しました。入職前にはあと1~2回残すだけで、ほとんどのカリキュラムは終えていましたね。

藤井:受講中の思い出は何かありますか?

木下さん:日程を振り替えていたので、仲良くなるどころか、毎回が転校生みたいでした。続けて同じクラスで学んだら、もっと仲良くなったかもしれないけど……。ただ、それぞれの学校で雰囲気が違うと感じました。「初めてでもウェルカム」なクラスもありました。

藤井:そのクラスのメンバーによって雰囲気は変わるでしょうね。先に受講して良かったですか?

木下さん:初任者研修で習ったことを現場でその通りにはできないけど、「介護はこういうものだ」と根っこの部分でわかっていなかったら、ほかの職員と上手く会話ができなかったと思います。

藤井:就職先にショートステイを選んだのは何か理由がありますか?

木下さん:ぼくが「人と触れ合いたい」と言ったので、担当者が「じゃあ、ADL(日常生活動作)の高い人が1週間に2~3日通ってくるところが向いていますね」ということでショートステイを提案してもらいました。

藤井:介護の仕事は前職に比べるとどうですか?

木下さん:そうですね……。難しいけど、そんなに難しいことではない。

藤井:どういうことでしょう?

木下さん:現場の仕事は、「1ミリでもズレたらアカン!」という世界。運転手も命に関わる緊張感があります。介護では日常生活ですることを介助するわけだから、そこまで厳密ではないですよね。見たこともない機械を使うということもない。利用者さんとの会話で、昔のことを知らなくても、知らないだけで会話ができないわけではない。何に困っているかがわかればいいわけですから。そういう意味で「そんなに難しいことではない」と感じます。

藤井:そんな木下さんでも「難しい」と思うような場面はありますか?

木下さん:うちの施設にはいろいろな方が来られて、認知症が進行している方や介護度の高い方もいます。そういう方々のお世話にかかりきりになってしまうと、他の利用者さんから「ひいき」「不公平」と言われてしまうので、公平にお世話をするのが難しいですね。

資格取得で収入アップ!「ありがとう」の言葉で自分も救われる

藤井:実際に働いてみて収入面はどうでしたか? 希望の収入になりそうですか?

木下さん:介護の給料は、夜勤手当がなかったら高いとは言えませんが、夜勤をたくさん入れることができたら高くなります。今は夜勤が月8回。もちろん、一人で任されるようにならなくては夜勤に入れませんが、経験を積んで信頼されるようになって、自信とやる気があって、続けることができれば「稼げる仕事」です。この調子で12か月続ければ、前職の収入を超えます。夜勤はどれだけでも入れてほしいです。

藤井:キャリアアップを目指した資格取得の予定はありますか?

木下さん:初任者研修が終わって、すぐに実務者研修も取りました。実務者を取れば、給料がさらに上がりますから! 初任者で1万円アップ、実務者で5千円アップ、介護福祉士と取得すればさらに5千円アップ。実務者研修の受講料は3万円ちょっとですから、半年でペイできます。介護福祉士を取れば、月に2万円アップするわけですから、年間で24万円アップ、年収400万円超えも可能です。

「資格手当と資格取得費用の差額表」

 資格手当差額  
*1:資格手当は職場によって異なります *2:特待生キャンペーン利用者は初任者研修の受講料が0円になります *3:特待生キャンペーンを利用して初任者研修を受講された方は実務者研修の受講料は割引価格で取得できます。関西地方、福岡県、広島県の場合は31,900円、それ以外の場合は42,900円 *4:その他費用は往復交通費1,110円、飲食代1,200円が通学日数分を計上

藤井:厳密に計算した上での判断だったのですね。

木下さん:介護は持っている資格次第で給料が明確に変わりますよね。それなのに、資格を取らない人がいるので「もったいない」と思います。職場の20代の子は、5年働いているのに初任者のまま。「もったいないよ働きながら国家資格とれるのに……」と勧めるのですが、受講しません。もっと上手い言葉で誘ったら受講するかもしれませんけど、なかなか難しい。介護職20年なのに、初任者研修を取ってない人もいて、本当にもったいないと思いました。現場では資格の有無で判断されることも多いですから。

藤井:介護の世界での収入面ではおおむね満足されているのですね。

木下さん:そうですね。サービス残業もないので、ブラックではないですね。夜勤に入ったら15時間勤務ですけど、前職の運送業では1日で15時間拘束されていたから。同じ拘束時間で2日分になる介護はいいですね。

藤井:ほかにも介護のお勧めポイントはありますか?

木下さん:毎日、家に帰れます!

藤井:じゃあ、トラック運転手のお仲間に勧めますか?

木下さん:実際は介護より運送業のほうが平均年齢が高いので、なかなか介護に誘えませんね。若くて運転手をしている人は「トレーラーに乗りたい」とか「大手運送会社で働きたい」とか夢がある人も多いし……。でも「いつ事故を起こすかわからない」という命に関わるリスクは少ない点では安心して働けますね。

藤井:今後の目標を教えてください。

木下さん:介護の国家資格を取りたいので、取るまでは嫌なことがあっても同じ施設で働きます。介護福祉士になったときが次の分岐点になって、他の施設に移るとか、次のステップを考えるだろうと思います。

藤井:明確な目標をもって働いておられますが、介護の仕事をしてみて自分の中で内面的な変化はありますか?

木下さん:ぼくは仕事に対してはシビアなので、「この人、仕事遅いな」と思う同僚もいますけど、やっぱり見ていると、「優しさ」のある人は介護に向いていますね。「優しい心さえあればいいんじゃないか」と思うようにもなりました。それと、介護現場で人と触れ合う仕事をするようになって、利用者さんに「ありがとう」と言われると、自分のほうが救われていると感じています。

インタビューを終えて

介護業界は「給料が安い」というイメージがありますが、収入のことをシビアに考えている木下さんが介護の仕事を選択したことは、収入面の不安から介護に踏み出せない人には大きな後押しになったと思います。働きながら国家資格を取って、どんどん収入をアップさせていくという前向きな考え方と、具体的な数字を示してくれたことは新鮮でした。介護の世界に興味をもったとき、求人広告を見て即面接ではなく、「カイゴジョブアカデミーの人に話を聞きたい」という姿勢が、資格取得のモチベーションにつながったのですね。

構成、執筆:谷口のりこ


「みんなの介護転職ストーリー」でご紹介している方々は、無資格・未経験から介護業界に挑戦したカイゴジョブアカデミーの卒業生です。皆さんが活用された「特待生キャンペーン」なら、自己負担なしで「介護職員初任者研修」の資格を取得でき、さらに介護職専門のキャリアアドバイザーによる就職先の紹介も受けられます。資格が1つあるだけで、給与や待遇がアップし、就職・転職時にも大変有利です。下記リンクからそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

>>自己負担なしで介護職員初任者研修を取得できる!「特待生キャンペーン」についてもっと見る

>>介護の最初の資格といえばコレ!「介護職員初任者研修」についてもっと見る

この記事の監修者

藤井寿和


1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、 三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。

・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター

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