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今日も誰かが笑顔になれる理由になりたい──ブライダル、ジムのインストラクター、飲食を経て介護職となってわかった「異業種経験の価値」

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初任者研修から踏み出した一歩

「みんなの介護転職ストーリー」、今回の主役は栗田加奈さんです。元々はジムのインストラクターとして勤務していた栗田さんですが、新型コロナの影響で仕事を探す必要が生じ初任者研修の受講を決意、介護職へと転職されました。なぜ介護職だったのか、そして実際に働いてから思ったことなどを取材しました。

栗田加奈さん(38歳)

2021年6月 介護職員初任者研修取得 / 新宿校
2021年7月 某グループ会社就職

何があっても失職しない「資格」を取りたい


さわやかな笑顔とテキパキした口調で、「元気オーラ」があふれ出ている栗田加奈さん。前職はトレーニングジムのインストラクターとして、その元気さをフル活用して活躍されていた。
だが、そんな元気な栗田さんの身にも、いわゆる「コロナ解雇」が及んだ。

栗田さん もう、この先仕事を失うようなことにはなりたくなかったんです。インストラクターの職を失った後、幸い直ぐに、今までの人脈のお陰で飲食店を紹介していただけてアルバイトを始められましたが、何か資格を取って一生働ける仕事がしたいと思うようになりました。

「資格」と言っても民間資格から国家資格まで幅広く、どんな業界に進もうか迷うところだ。そんなとき、身近に介護福祉士の資格を持ち、介護職として現役で働いている母親がいた。

栗田さん 若い頃の私にとって、介護の仕事は無縁の仕事だと思っていました。でも、これからの高齢化社会では介護職の需要が高まるのは明らかで、次第に介護の世界に興味を持ち始めていました。

母親に相談すると同時に、ハローワークへも足を運んだ。

栗田さん コロナ禍で面接すら難しい状況のなか、ハローワークに行けば、求人状況などの様子が一番わかるのではないかと思ったんです。

行ってみて、やはり介護職の需要が大きいのを知った。

栗田さん もちろん、介護職に対する不安はありました。若い頃に父が他界。高校生までに祖父母も他界して、周りに高齢者がいなかったので、高齢者と触れ合う機会はありませんでした。でも、将来は親の介護をすることになるかもしれないし、介護の仕事をするのは自分にとっても役立つだろうと思ったんです。

ただ、何もわからない状態では就職先を選ぶこともできない。

栗田さん 老健?有料老人ホーム?など、そもそもどうやって働く場所を選べばよいのかイメージがつきません。それぞれの施設ごとに向き不向きもあると聞き、これは介護のスクールでちゃんと学び、資格を取った上で考えたほうががいいと思いました。

数あるスクールの中で栗田さんが選ぶポイントとなったのは、①介護職に特化したスクールであること、②就職支援が受けられるスクールであること、の2点。その中で希望に合っていたのがカイゴジョブアカデミーだった。
2021年5月から新宿校の「介護職員初任者研修」の短期集中コース(約2か月)に入学。コロナ期で1クラスは20人程度で、「ちょうど良い」と感じる人数だった。

栗田さん グループワークは同じクラスの同期みんなで協力して楽しかったです。特に印象的なのは実習で、体に触れることはトレーナーで慣れているはずなのに、介護だと手が震えてしまって…。チームを組んだ人に、「どうでした?痛くなかったですか?」と確認し合いながら進めました。同じグループの同期には、わからないことも何でも聞きやすかったですね。

インタビュー中、栗田さんの口から何度も「同期」という言葉が出た。「共に学ぶ」一体感、「これから先も一緒に頑張っていこう」という連帯感が生まれるようなクラスだったことが伝わってくる。

異業種の経験や視点を介護で活かす

いくつかの内定先の中から決めたのは、利用者への徹底したサービスを提供する介護付き有料老人ホームだった。接遇面に力を入れている施設だったので、栗田さんがそれまでに身に付けた言葉遣い、立ち居振る舞いが評価された。ジムのインストラクターだった経験も買われて、レクリエーション係として体操の指導なども任されている。
だが、それだけではない。「私のこれまでの経験は、すべて介護の仕事をするためだったのでは?」栗田さん自身が思うほどだったと言う。

栗田さん ジムのインストラクター時代は、お客様の個々の価値観やどんな仕事をしてきたか、食生活やルーティンを聞き出すことが最初に行う仕事でした。その上でその人に合った目標を立て、食べ過ぎたときのマイナスを責めるのではなく、プラスの提案をしていきます。介護施設でも以前の経験を思い出しながら、「ああ、この人は昔お医者さんをしていたから、こんなふうにしたいのだな」とか、その人の経歴や要望をじっくり聞き出しています。そして、個々の状態に合わせて励ますようにしています。

ジムのインストラクター以外に、栗田さんは学生時代からブライダルのトータルプロデュースの仕事をしていた経験もある。人生の一大イベントである結婚式は、新郎新婦にとっても、両親にとっても夢や要望がいっぱいある。

栗田さん さまざまな年代の方の要望を聞き出し、当日の企画を立て、スタッフを効率良く采配して、宴を盛り上げるのが仕事でした。

ここでも「要望を聞き出す力」が培われた。イベントの成功のために、全体を俯瞰してテキパキと采配を振った場数は、日々慌ただしく流れていく介護現場で役立たないはずはない。
栗田さんの場合、前職までの経験を最大限活かしているモデルケースだ。だが、栗田さんのように介護に通じるような前職でなくても、「異業種での経験」というのは一つの財産と考えていいのではないだろうか。

就職後も実感するアカデミーの面倒見の良さ

資格を取得したときは、就職先も決まっていたので合格の感動よりも、「これでやっと7月から働ける」とホッとした気持ちが大きかったと当時を振り返る。そして実際に現場で働き始めると、学校でちゃんと学んでおいて良かったと実感する場面が度々あったそうだ。

栗田さん 現場で当たり前のように行われている介護は、初めてのことでも誰もいちいち説明してくれません。そんなとき、「ああ、これ研修で教えてもらった」と思うことが多く、私は先に学んでおいて良かったと思っています。資格がなくても働ける介護職ですが、私にとっては必要な期間でしたね。

職場で働き甲斐を感じるのは、利用者に「ありがとう」と感謝され、「今日はあなたがいるから嬉しいわ」と言われるとき。そうなると、「この方たちのためにもっと寄り添いたい。もっとできることを増やしたい」と思うようになり、次のステップである実務者研修の資格取得に気持ちが自然と向く。
そんな栗田さんと、カイゴジョブアカデミーのアドバイザーは就職後も定期的に連絡を取り合っていた。

栗田さん 就職先の提案だけでなく、受講中も就職後も「わからないことや不安はありませんか?」と電話やLINEをしてくれました。次のステップに進むタイミングなども「少し現場を経験してからのほうがいい」とアドバイスしてくれました。

就職してからも、その先のキャリアを相談できることは心強かったと栗田さんは振り返る。

栗田さん この4月から実務者研修の通学が始まりました。自分のモチベーションが高いうちにどんどん学びたい。新しい同期とも出会え、また学べることが楽しいです!そして、+αでどうしても社会福祉士の資格も取得したくて、この4月から介護職員兼大学生の生活も始まりました。

社会福祉士及び介護福祉士の資格取得を目指している栗田さんのキャリアプランを考慮した上で採用した今の職場は、栗田さんが働きながら資格を取得することを後押ししている。

これからを担う若い世代の人たちに介護業界へ飛び込んでほしい

これから介護業界に入ろうか迷っている人へ、栗田さんはこう提言する。

栗田さん 介護のことはどう調べていいのかわからない人が多いと思います。わからないことがわからない(笑)。どんな資格を持っていると仕事ができるのか、自分はどんな施設に向いているのか…。そんな迷っている人たちを「あと一押し」するような、信頼して飛び込めるようなシステムがあるといいと思います。飛び込んでみれば介護業界に対するイメージはガラッと変わると思いますし、どんどん若い元気な子が介護施設で働くようになれば、介護業界ももっと盛り上がっていくと思っています!ご利用者様も介護職員も皆、元気を与えてもらえるのではないかな!?

「元気」。栗田さんのお話によく出てくるキーワードでもあり、栗田さんのイメージそのものだ。

栗田さん 私が大切にしているのは、『今日も誰かが笑顔になれる理由でありたい!』です。そのために、どんなに苦しかったり、辛かったりしたとしても、頭の先から足の先まで全身から元気が出るようにしています。私が元気でないとみんなも元気がなくなってしまいますからね。

そんな栗田さんのたまの息抜きは、コロナ禍で行けなくなってしまったディズニリゾートや旅行のかわりに、「猫カフェ」に立ち寄ること。でも、猫を見ていても、やはりそれぞれに個性があるので、「ああ、みんなと一緒にご飯を食べるのが苦手な猫なのね」「あの猫はお手入れされるのが嫌いなのね」…と施設の方々の姿を重ねて、つい勉強モードになってしまうのだとか。

栗田さん いまは「学びたい」「経験を活かしたい」にモチベーションが向いているんですよね。後輩ができたら一緒に楽しく仕事をしたいと思っているので、みなさんチャレンジして来てください。

栗田さんのような先輩となら、介護の仕事もきっと楽しみながら取り組めるだろう。そして、その先には、自分のキャリアプランを前向きに考えることができる毎日が待っていそうだ。

構成、執筆:谷口のりこ


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>>自己負担なしで介護職員初任者研修を取得できる!「特待生キャンペーン」についてもっと見る

>>介護の最初の資格といえばコレ!「介護職員初任者研修」についてもっと見る

この記事の監修者

藤井寿和


1978年 静岡県西伊豆生まれ。
18歳~24歳まで陸上自衛隊の救急隊員(衛生科)を経験し、 三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。
医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、介護施設の介護職員、生活相談員、管理者、事業部統括マネージャーに就任した後に、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験後、36歳で独立。
2015年に合同会社福祉クリエーションジャパンを設立。
介護福祉士現場コンサルタント、商品開発アドバイザー、講師業を経て、2017年、テレビ朝日の“スーパーJ チャンネル”にて自身への特集、密着取材が全国放映された経験から、介護業界の情報発信とスポットライトが当たる重要性に気づき、自主メディアの制作を志す。
介護専門誌のフリーペーパー発行人、編集長を歴任し、2021年9月にメディア事業へ注力する株式会社そーかいを設立し、代表取締役に就任、現在に至る。

・一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
・合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
・株式会社そーかい 代表取締役
・ものがたりジャーナル 編集長
・NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
・映画「ぬくもりの内側」プロモーションディレクター

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